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ドリトル先生と学園の動物達

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第五幕その八

「ヒトラーやスターリンとは正反対の人だから」
「全然違うよね」
「自分で何でもしようって人じゃなくて」
「皆でしていく人だね」
 それが先生なのです、独裁者とは正反対です。
 それでダブダブは先生にです、こうしたことも言いました。
「というか独裁者って何でも出来ないと駄目だよね」
「そうだよ、少なくとも能力がないとね」
「務まらないわよね」
「そうじゃないと出来るものじゃないよ」
「じゃあ先生絶対に独裁者になれないよ」
 ダブダブは先生に対して断言しました。
「間違ってもね」
「間違ってもなんだ」
「だって先生私達がいないとね」
「何も出来ないから」
 ポリネシアも言うのでした。
「家事もお金の勘定もね」
「全然駄目じゃない」
「確かに凄くいい人でお医者さんだけれど」
「世の中のことはね」
 つまり世事は、なのです。先生は。
「何も出来ないから」
「独裁者になることはね」
「無理よ」
「出来ることじゃないわね」
「僕もそう思うよ」
 他ならぬ先生自身もでした、独裁者になれると思っているかどうかといいますと実は違っていたりします。
「少なくともヒトラーやスターリンは凄い能力があってね」
「それこそ何でもよね」
「した人よね」
「僕とは正反対だよ」
 笑っての言葉でした、それも明るく。
「演説とかもしないといけないし、書類仕事もね」
「先生論文は書けるけれどね」
「けれど書類仕事もね」
「お役所にも疎いし」
「演説なんてね」
 それこそ、というのです。
「とてもだよね」
「無理だよね」
「出来るものじゃなくてっていうか」
「縁がないわ」
「しかも独裁者なんてあれだよ」
 チーチーが言うことはといいますと。
「自分が何でもするんだよね」
「その国のね」
「凄い権力を持っているだけあって」
「権力があるとね」
「その分のことをしないと」
 それこそ、というのです。
「自分が失脚してしまうからね」
「だからお仕事もかなりだよね」
「独裁者は働き者でないと出来ないよ」
 これもとてもなのです。
「僕は寝ないで働くとかね」
「出来ないよね、先生は」
 ジップも言ってきました。
「程よく食べてね」
「うん、程よく寝ないとね」
「先生は動けないよね」
「快食快眠は健康の第一歩だよ」
「それを忘れたらね」
「うん、駄目だからね」
 それでだというのです。
「独裁者みたいに寝ずにお仕事ばかりとか」
「先生はしないね」
「そうはしないよ」
 また言うのでした。
「ちゃんと休む時は休むよ」
「特にお茶の時はね」
「お茶は絶対に飲まないと」
 三時のこれは先生にとっては絶対です、三度の御飯とこれは何があろうとも欠かさないのが先生です。だからなのです。 
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