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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0883話

「アクセルさん、随分と香月博士の部隊を煽ったらしいですね」

 白陵基地から30分程移動した場所にある、森と平野の存在する演習場が見える位置で、隣に座っている恭子がそう話し掛けてくる。
 その気安い言葉に護衛の斯衛が微かに眉を顰めるが、恭子自身は特に気にした様子は無い。この辺が鬼姫と呼ばれる人物だからこそなのだろう。……鬼姫は関係ないか。
 そんな風に心の中で考えつつ、恭子の言葉に小さく肩を竦める。

「別に煽ったつもりはないさ。機体性能で言えば俺達シャドウミラーで使っている機体と戦術機では差がありすぎるからな。向こうが俺との模擬戦を希望したから餌として使わせて貰っただけだ」
「……不知火は第3世代戦術機ですが、やはり性能の差は大きいですか?」
「格段にな。例えそれが俺達の技術を使って強化された機体であっても、全ての面でTYPE94の方が劣っている」

 ガン・ルゥのように生産性で勝っているというのならまだしも、戦術機は基本的に非常に高価だ。それがこの世界の人類が劣勢に陥っている原因の1つであると言ってもいい。
 特にTYPE94は第3世代戦術機という事もあって、コスト高は尚更だ。
 ……それでも飛鳥計画で予定されている機体よりは大分マシなんだろうが。
 だが、日本の戦術機の性能を低いと言われたのが気にくわなかったのか、斯衛が俺の方へと鋭い視線を送ってくる。
 TYPE94は帝国軍の機体であって、斯衛軍の機体じゃない筈なんだが……それでもやはり日本製の機体が悪く言われるのは我慢が出来ないらしい。
 この辺、もう少し柔軟になればいいんだけどな。
 そもそも、ヒュッケバインMk-Ⅲに乗っているイザークがいる時点で、既にシャドウミラー側の勝利は動かない。少なくても俺はそう確信している。
 故に、ここで見るべきは108機のA-01連隊がどこまで抗えるかというものなんだが。

「アクセル、そろそろ始めるわよ?」

 夕呼の言葉に頷きを返すと、それを確認した夕呼が隣にいる栗色のロングヘアーの女へと視線を向ける。
 年齢で言えば夕呼と同年代くらい、つまり俺と同じくらいの年齢だな。

「始めて、まりも」
「はっ! ではこれより模擬戦を開始します」

 素早く敬礼をし、背後に存在している無数のコンピュータと向き合っている管制官、CP達へと頷きを返す。
 それを見たCP達は、それぞれが担当している戦術機へと模擬戦の開始を連絡する。
 同時に、臨時としてシャドウミラー側のCPとなった人物からもイザーク達に模擬戦の開始が告げられたのだろう、映像の中でヒュッケバインMk-Ⅲとシャドウ2機がそれぞれ動きだし、量産型Wの操っているシャドウやメギロート、イルメヤも行動を開始する。
 ちなみに、戦術機A-01連隊の108機に対してシャドウミラーから出ている戦力はイザーク、スティング、アウルの3機それぞれにメギロート、イルメヤ、シャドウが1機ずつの合計3機がついている。
 つまりシャドウミラー側は12機だな。
 ……何でわざわざ全機種ずつにしたのか分からないが。
 普通は同じ機種で部隊を組むんじゃないのか?

「アクセルさん、あの虫のような機体は無人機なんですよね?」
「ああ。シャドウには量産型Wが乗っているが、メギロートとイルメヤの2つは無人機だな」
「アラビア半島防衛戦や鉄原ハイヴ攻略戦での映像を見る限りでは、とても無人機、コンピュータ制御であるとは思えない動きでしたけど」
「だろうな」

 一応この世界でも若干ながら戦術機を無人機として動かすという方法が無い訳でもない。だが、それはまだまだ動きが未熟であり、メギロートの戦闘用AIと比べると大きく性能が劣る。

「その辺も俺達シャドウミラーの技術があってこそだな。……お、動いたぞ」

 映像の中では、自分の部隊を引き連れたアウルが真っ直ぐにA-01連隊のいる方向へと向かって行き、スティングはそのフォローをするかのように少し離れた場所から移動している。
 ただし移動速度は地上を移動しているイルメヤに合わせているので、それ程早い速度ではない。……まぁ、それにしても全力で空を飛ぶのに比べたらって差でしかなく、実際には突撃級以上の速度だったりするけど。
 そんな風に一直線に向かってくるアウルの部隊へと、木々に隠れながら戦術機の突撃砲による一斉射撃が始まる。
 だが、アウルの部隊はそれを生えている木々を盾にしながら距離を縮めて、M950マシンガン、サークル・レーザー、ビームガトリング砲をそれぞれ放つ。
 ちなみに、当然の事ながら使われている弾丸は全てが模擬戦用のペイント弾だし、ビームを始めとした武器の出力も最低にまでおとされている。
 そんな風に木々を盾にしながら森の中での撃ち合いをやっているアウル達だが、実際には防御の方を重視しているのか自分に向けられる攻撃の多くを引きつけるかのように、わざと派手に撃ちまくっていた。
 そうして、自分に2個中隊24機程の攻撃が集中した頃……

「あら、残念」

 俺の隣で恭子がそう呟く。
 だが、俺もその意見には同意せざるを得なかった。
 本来であればアウルの方に攻撃を集中している2個中隊の横腹にスティングの部隊が攻撃を仕掛けるつもりだったのだろうが、それをあっさりと見破られて、逆にアウルと撃ち合っているのとは違う2個中隊24機に先制攻撃されて防御に回り、更にそのスティングの部隊を包囲するかのように左右と後ろに1個中隊ずつの合計3個中隊が回り込もうとしている。
 それを見ているだろうに、イザークが動く気配は無い。
 まぁ、今回の模擬戦に関してはスティングとアウルの訓練って意味が強いしな。イザークの出番はまだって事なんだろう。
 映像の中で、横腹を突こうとして防がされていたスティングの部隊の両脇から1個中隊12機ずつの攻撃が始まる。
 両脇からの攻撃と正面からの攻撃。3方向からの攻撃を受けつつも、未だに撃墜された機体が1機も無いのはこれまでの訓練の成果のおかげか。
 だが……

「イルメヤと言いましたか。撃墜されてしまいましたね」
「ああ。スティング1人だけなら何とかなったんだろうが、部下への指示が間に合わなかったな」

 映像の中では、後ろに回り込んだ12機のTYPE94の攻撃によりイルメヤの機体にペイント弾が付着して黄色の花を咲かせていた。
 勿論これが実戦であれば、戦術機の持っているメインウエポンの36mm程度の武器ではイルメヤの装甲を簡単には貫けない。もし貫くにしても、相当の集中攻撃が必要になるだろう。
 だが、これは模擬戦なのだ。当然ペイント弾が1発当たれば命中判定となり、同時に四方八方から放たれるペイント弾でイルメヤが黄色一色へと変わって撃墜扱いとなっていた。

「まさか最初に脱落するのがシャドウミラー側の機体だとは思いませんでした」
「ようは戦い方次第という事です。ルールも味方しましたしね」

 恭子の言葉にお付きの斯衛がそう告げる。
 まぁ、実際言っている事は間違っていないが。
 模擬戦ということでバリアの類も使用は不可とされている以上、シャドウであってもペイント弾を食らえば相応のダメージを受けたと判定される。
 だが……

「それでも、うちの新人を甘く見て貰っては困るな」

 視線の先ではスティングがメギロートとシャドウを引き連れて森の中へと突っ込んで行く。
 空を飛べずに地上を移動する事しか出来ないイルメヤが撃破とされたのが、寧ろ良いきっかけとなったのだろう。
 同時にそんなスティングを何とか助け出そうと、アウルもまた自分の足止めをしている部隊へと向かって突っ込んで行く。
 一見すると敵の攻撃の中に自分から突っ込んで行く、無謀としか思えないような行動だったが、それはあくまでも普通の軍隊ならではなの話だ。
 俺達シャドウミラーで少なからず鍛えられていたアウルだけに、木々を盾にしながら敵へと向かって突っ込んで行く……のはいいのだが。

「イルメヤが脱落ですね」
「ああ。自分の事で頭が精一杯になっている感じだな。……メギロートも落ちたし」

 視線の先では、イルメヤに続きメギロートもその装甲に黄色い花をぶちまけつつ撃墜されていく。
 勿論メギロート本来の性能であれば、この程度の攻撃はどうとでも対処は可能だ。
 だが、今回の模擬戦の目的はあくまでもスティングとアウルの指揮能力を鍛える為のもの。それ故に、AIに関しては意図的に設定を甘くしており、同時に指揮官の命令に従うようにされている。
 その結果が、今映像モニタに映し出されている光景だった。
 イルメヤ、メギロートと立て続けに脱落し、唯一量産型Wの操るシャドウのみがアウルの後を追随していく。そのまま自分を足止めしている戦術機の中へと突っ込み、M950マシンガン、グラビティキャノン、クロスマッシャーを手当たり次第に撃ちまくり、あっという間に10機を超える戦術機を撃墜扱いとし、他にも何機か中破、小破扱いの機体を作り上げる。
 そうして、自分の足止めをしている戦術機の中を突破し……

「なるほど、意外と上手い手ですね」

 隣で呟く恭子。
 そう、アウルはそのまま足止め部隊を突っ切ってスティングの部隊に攻撃している部隊に背後から襲い掛かったのだが、それだけでは後を追ってこられると思ったのだろう。量産型Wに、自分を足止めしていた部隊に対して逆に足止めするように命令したのだ。
 普通なら10機を超える戦術機――小破、中破している機体を含む――に対して1機で足止めするというのは自殺行為に等しい。
 だが、今回の場合は量産型Wが他の軍隊であればエース並みの力量を持っている事や、あるいはシャドウそのものの性能が戦術機とは比べものにならないという事もあって、何とか足止めには成功していた。

「確かに上手い手だが、必然か偶然か」
「それはどういう意味ですか?」
「量産型Wに足止めを命じたのはいいが、果たしてきちんと足止め出来ると計算しての命令だったのかどうかって事だな。単純にスティングを一刻も早く助ける為に捨て駒同然でその場に残したって可能性もあるからな」

 話している俺と恭子の視線の先で、スティングの部隊へと集中砲火をしている24機の背後へと襲い掛かるアウルの操るシャドウの姿があった。
 放たれるM950マシンガンとグラビティキャノン、クロスマッシャー。
 ペイント弾のM950マシンガンはともかく、他の2つは威力を極限まで弱めていると言っても、当たればそれなりの衝撃はある。
 スティングの部隊に攻撃を仕掛けていた2個中隊にしても、まさか足止めとして置いておいた2個中隊がこうもあっさり抜かれるとは思ってもいなかったのだろう。一瞬にして5機がペイント弾で赤い色を背中のジャンプユニットにぶちまけられて撃破判定を食らい、残りの機体も強引に突破してきた時に受けた足止め部隊と同様に中破なり小破なりをしていく。
 こうしてスティングと合流したアウルだったが、前後左右の全てから攻撃をされていたスティングの部隊は、既にイルメヤとメギロート、シャドウまでもが脱落しており、残るのはスティングのシャドウのみとなっていた。
 正直なところ、ここでアウルが無理にでも突っ込んで行かなければG・テリトリーの使用を禁じられたこの模擬戦ではスティングは撃破判定を受けていただろう。
 ……だが、A-01は連隊。即ち108機の部隊だ。今まで出てきた戦術機の他にも当然待機していた部隊がおり……

「さすがに香月博士直属の部隊、咄嗟の時の対応も素早いですね」

 高く跳躍し、スティングとアウルの合流した場所へと向かって落下していく戦術機部隊に恭子が感心したような声を上げる。
 確かに。
 スティングを包囲していた戦術機部隊がアウルの攻撃で大きなダメージを受けたのを見る限りでは、当然今の攻撃は計算通りという訳では無かった筈だ。
 だが、その状況すらも利用した訳だ。
 結局、スティングとアウルは前後左右の全てを敵に取り囲まれ、更には上すらも蓋をされた。機体の防御力も何も無しに1発当たればペイント弾で一定のダメージを判定される模擬戦だ。普通であれば、ここで終わりだったろう。
 更に恭子も言っていたが、さすがに夕呼の直属部隊と言うべきか、TYPE94は俺達が問題にしていた挙動の固さも元々の状態に比べればそれなりにマシになっている。
 だが……模擬戦が始まってから動いていなかったせいで、すっかりと存在を忘れられていたイザークが動き出した事により、戦況は一変する。
 シャドウ、メギロート、イルメヤに的確に指示を出しながらスティングとアウルに攻撃を集中している戦術機へと向かって突撃し、たった4機にもかかわらず包囲網を食い破ってそのままスティング達を助け出し、指揮下においてA-01部隊を蹂躙していく。
 まさに、あっという間に起きた逆転劇。
 恐らくA-01部隊の者達はどんな風に形勢が逆転されたのかすらも理解していない者が多かっただろう。

「これは……シャドウミラー。改めて見ると、確かに際だった技量ですね」

 俺の隣で鬼姫と呼ばれている恭子が呟き、お付きの斯衛もそれに同意するように頷いているのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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