暁の舞R
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山頂の景色
前書き
食事難から脱出した赤虎と渚。
この先ガイン村に行くには山を越えなくてはならない。
「よっこいしょ…大丈夫か渚?」
「うん、この山を越えればガイン村なんだよね?」
「ああ、この山【金山】を越えればガイン村だ」
「でも何で金山って言うんだろ?」
「名前の由来は、昔この山で沢山の金塊が埋まっていた事からこの名前が付いたって話もあるな」
「へぇー、そうなんだ」
「でも確かこの山の他の名前があった気がしたけど…、まあいいか…」
俺は少しもう一つのこの山の名前を思い出そうとしたが思い出せず、まずはこの山を越えてガイン村に行くか、と自分に言い聞かせ山に向かい歩き始めた。
「だいぶ歩いたね…」
「そうだな、そろそろ山頂付近だろう。山頂に着いたら少し休憩しようか」
「うん、昨日のザリガニが残っているから、ちゃちゃっと簡単な料理作っちゃうね!」
「それは楽しみだ!よしあとちょっと頑張ろうか!」
俺たちはそれからまた30分程厳しい山道を通りやっと山頂に辿り着いた。
「よっしゃぁ!やっと着いた!」
「ふぅ~、疲れたね赤虎~」
「本当に疲れたよ、あっちの広いところで昼飯にしよう」
「うん!どっちが先に着くか勝負だよ、よーいどん!」
「お、おい!渚それはずるいって待て!」
「へへーん!早い者勝ちだよ!」
「こんにゃろー」
俺が渚を追いかけて広いところに向かっていると渚が突然止まった。
「やっと追い付いた…、急に止まってどうしたんだ?」
「赤虎……あ、あれ……」
「………………っ!?」
渚が指を差した方を見るとそこには白骨の人の死骸が無数に横たわっていた。
「な、なにこれ……」
「くそ!今になってこの山の別名を思い出すなんて!」
「もう一つの名前って何!?」
「………血濡れた山…」
「血濡れた山……?何でそんな名前…」
「それは……」
俺が別名の名前の由来を言おうとした時だった。
「俺が殺したんだよ」
男の低い響く声が響いた。
「盗賊ブラックホース団……別名BH団……」
俺が呟くとその低い声の男がニヤリと笑うと
「ほう俺の盗賊団を知っているとは光栄だな」
「知ってるさ…俺の故郷ハルナス村の村長…カイル・ブラックホースの弟のナン・ブラックホースだろ?」
「そこの若人はハルナス村の出身か…、しかも俺の兄貴も知っているとは世間は狭いものだな」
「何でお前は人を殺すんだ?理由があるのか?」
「理由?あるさ!勿論あるとも、俺がただ殺したかっただけさ!」
「なっ!?」
「そんな理由でこんなに沢山の人達を殺したというの!?」
「そんな理由だと?この世界は俺の思い通りに動かなきゃ何ねぇんだよ!俺が殺すと決めたなら殺す。生かすと決めたなら生かすんだよ」
「何でもお前の思い通りいくと思うか!?大間違いだ!人は道具じゃない!」
「俺にとっては玩具も同然だ。お前らもその気になればいつでも壊せるからな。なんなら壊してやろうか?」
こいつがとんでもない事は、この威圧感から伝わってくる。
だがだけど、ここで逃がせば犠牲者が増える……。
そう思うと口が勝手に動いた。
「その玩具にやられるゴキブリを拝んでやるか」
「若僧生意気な口を聞きおって……殺してやる!」
「赤虎!」
「大丈夫だ渚、俺はこんな屑には負けない」
「う、うんそうだね!正義は勝つんだよ!」
「ああ任せとけ!」
「死ぬ前の話は済んだか?」
「ああゴキブリの死体に捧げるお経憶えてきたぜ」
「このガキ!八つ裂きにしてやる!」
「さあ来い!」
盗賊団の中でも名高いBH団……首領ナン・ブラックホース。
強さは想像も付かないがやるしかない!
「これが俺の選んだ選択だ!」
後書き
渚「気をつけて赤虎!」
赤虎「絶対奴を倒す!」
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