転生とらぶる
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マブラヴ
0876話
ハイヴから斬り離された反応炉は、当然と言えば当然だがすぐにその機能を停止する。
恐らくこの近辺にいたBETAも、今頃は……逃げ出してるのか? いや、そもそもハイヴは落ちて反応炉が止まったのを感じる事が出来るのか?
もし何らかの手段でその情報を知らないというのなら……BETAの殲滅を優先する俺達に取ってはありがたいが、このマブラヴ世界の住人達がハイヴ攻略をする時には色々と苦労するだろう。
そんな風に思いつつ、取りあえず反応炉を収納すべくニーズヘッグから出て、反応炉に触れて空間倉庫の中に収納する。
取りあえずこれで正真正銘ハイヴ攻略は一段落付いた、か。
後は……まぁ、色々と面倒な出来事が待っているのは間違い無いんだよな。
考えるまでも無く、この世界で初めてハイヴの攻略に成功したのだ。当然国連や各国としては明るいニュースとして発表したいだろう。
そうなれば当然俺達が何らかの式典に出る事が必須になる。
大東亜連合に関して言えば、このハイヴの調査で忙しくなるのは間違い無い。
同時に、統一中華戦線、中東連合、アフリカ連合、EU、北欧、ソ連、といった現在BETAとの最前線国家だったり、あるいは自分達の国の領土にハイヴを作られた国家の政府辺りがハイヴ攻略についての情報を欲するのも間違いない。
大まかな交渉に関してはエザリアやレオンに任せるにしても、式典に関してはシャドウミラーの代表として俺が出る必要があるんだろうな。
そんな風に考えながらニーズヘッグのコックピットへと戻ると……
『アクセル、アメリカのレーガン大統領から通信が入っているんだけど、そっちに回してもいい?』
マリューからのそんな通信が入ってくる。
……早速か、動きが早いな。恐らくは俺達との関係をどうにかしたいってところなんだろうが。
何せ現状ではアメリカはシャドウミラーの重要度においてオーストラリア、日本に続いての3位だ。その3位の座にしてもオルタネイティヴ5に関する隠し事の件で他の国に奪われそうな感じだし。
ハイヴを攻略したこの状況でそんな風になるのは絶対に許されない。……そんなところか。
「分かった、こっちに回してくれ」
そう告げると、マリューが小さく頷き映像モニタにビルの姿が現れる。
だが、ハイヴを攻略したというのにあまり嬉しそうじゃないな。
『やあ、アクセル。ハイヴ攻略おめでとう。さすがにシャドウミラーと言うべきかな』
「褒めて貰えて何よりだ。だが、国連の方にも話は通していたと思うが、今回の件はあくまでもハイヴ攻略に関する予行演習でしかないけどな」
『あー、その件なんだが、少し時間が掛かるかもしれない』
「……何? 現状でこの世界の人間にそんな悠長な事をしていられる余裕があると思っているのか?」
実際、人類初のハイヴ攻略に成功したと言っても、所詮は数ヶ月前に出来たばかりのフェイズ2ハイヴだ。世界中にはまだ19個ものハイヴがあるというのに、ここで足踏みをするような余裕はまだ無いと思うんだが。
だが、ビルは表情を殆ど変えずに説明を続ける。
『確かにシャドウミラーだけでハイヴ攻略をしたのは、もの凄い偉業だ。だが……それは君達だからこそだろう? 今回の君達のハイヴ攻略戦を見て、自分達も戦術機だけでハイヴ攻略を出来ると他の国々が思ってしまったら……更に、それを実行してしまったら、恐らくその国は大きなダメージを受けるだろう。それこそ、国力の回復が難しくなる程に』
……なるほど、言っている事はまぁ、分からないでもない。
事実、現在この世界で広まっているガン・ルゥやリニアガン・タンクにしても、基本的には後方からの援護射撃がメインの機体だ。それを思えばハイヴ突入にそれらの機体を使う訳にはいかないしな。
だが、本音は他にあると見た。
恐らくビルとしては……正確にはアメリカ政府としては、俺達シャドウミラーがここまで簡単にハイヴを攻略するとは思わなかったのだろう。
この世界の住人が今までハイヴ攻略に失敗してきた経験から当て嵌め、ハイヴ攻略そのものが失敗するか、あるいは成功するにしてもかなりの被害を受けての成功になると思っていた。
そうして、俺達を見て戦術機でのハイヴ攻略はシャドウミラーですらも失敗した。それ故にG弾をメインにしたハイヴ攻略を前面に押し出す。即ち、オルタネイティブ5だ。
それは俺の邪推のしすぎか? まぁ、ともあれ……
「そちらの話は覚えておこう」
そう、あくまでも話を覚えておくだけだ。
だが、俺達の立場はあくまでも傭兵。どこかの国からハイヴ攻略を要請され、更に相応の報酬が支払われるのならハイヴ攻略は引き受けるだろう。
今回はあくまでもハイヴ攻略の予行演習という形である以上、韓国や大東亜連合からの報酬は貰えないが……まぁ、反応炉や母艦級といった新種のBETAを確保出来ただけで十分な報酬だ。
この辺は補給にキブツが使えるおかげで金が掛からない、俺達シャドウミラーの圧倒的に有利な部分だよな。
「とにかく、通信を一旦切るぞ。ハイヴ攻略に成功したとは言っても、まだ逃げ出したBETAの処理とかが残っているからな」
『そうだな、頼むよ。……アクセル、私個人としてはハイヴ攻略を非常に嬉しく思っているとだけ伝えておく』
「ああ、分かったよ」
短くそれだけを告げ、通信を切る。
人類史上初めてハイヴ攻略をしたというのに……いや。だからこそ、か。
今この時点で連絡をしてきたという事は、つまりはそういう事なのだろう。
恐らくはアメリカのオルタ4派、あるいは反オルタ5派辺りが俺達の行動を見てロビー活動でも始めたといった感じに。
『で、アクセル。もう1件通信が来てるんだけど。こっちも繋いでいい?』
ビルの件を考えていると、再びマリューからの通信。にしても、随分と忙しいな。
「どこからだ? 今度はオーストラリア首相のアンディー辺りか?」
『夕呼よ』
「……こっちもまた、随分と早いな」
レモンと夕呼が親しくなった以上、当然マリューも夕呼とは通信越しにではあるが会話を交わした事は当然ある。
にしても、今度は夕呼か。
アメリカの大統領と殆ど同時に通信を送ってくる辺り、さすがオルタネイティブ4総責任者として辣腕を振るってる人物というべきか。
……さて、次は何を言ってくるのやら。
問題無いと頷くと、即座に繋がる通信。
『へぇ、本当にハイヴの中と普通に通信出来るのね。しかもノイズとかは一切無いし。この装置があるだけでも随分便利になりそうだけど。……まぁ、いいわ。アクセル、取りあえずハイヴ攻略おめでとう。それで反応炉は無事に確保出来たと考えてもいいのかしら?』
ああ、なるほど。そう言えばハイヴ攻略前にもそんな事を言ってたな。
そんな風に思い出しながら、小さく首を横に振る。
「残念ながら、反応炉は既に機能停止させたよ。動いているままだと、BETAが取り返しに来る可能性があるからな。出来れば動かしたまま回収したかったんだが……」
『……そう。ねぇ、一応聞くけど反応炉のデータはこっちにも回して貰えるのよね?』
「俺としてはそのつもりだ。ただ、詳しい話に関しては俺じゃなくてエザリアやレオンとしてくれ」
『そ。ま、可能性があると分かっただけでもいいわよ。とにかくこっちの計画に進展があるのは間違い無いし』
「進展があるのか?」
『BETAのエネルギー源とも言える反応炉のデータよ? 当然その価値は計り知れないわ。ま、とにかくそろそろ地上に上がって来なさいな。皆が英雄の帰還を待ち望んでいるわよ?』
『……おめでとうございます』
夕呼の言葉に続くように、映像モニタの外から聞こえてくる声。
その感情が薄い声の持ち主が誰なのかというのは、すぐに分かった。
いたんだな、社。
「おう」
短くそれだけ返事をして、通信が切れる。
にしても、英雄ね。大魔王云々言われまくってきた身としては、英雄なんて呼ばれるのには違和感しかないが、それでもこの世界の住民が英雄というものを必要としているのなら、それを演じるくらいはしてみせよう。
そして、英雄を演じる以上は相応の演出が必要だ。
メインホールの上空へと視線を向けると、そこではモニュメントがシロガネによって破壊された影響で既に空が見えている。
ただ、それでもシロガネの攻撃で破壊したことによって多少の残骸が折り重なった状態になっていた。
「マリュー、聞こえるか」
『はい? どうしたの?』
「モニュメントの近くにいる機体は避難させてくれ。……無人機とかでも被害が出ると色々と面白くないし、ニヴルヘイムの中にいる修羅達が出てきたりしても危ないからな」
『それは構わないけど……どうするの?』
「何、ちょっとした演出をな」
『はぁ、また目立つ真似をする訳ね。アメリカに対する意趣返しとかじゃないでしょうね?』
「理由の中にそれが少しだけ入っているのは事実かもな」
そんな俺の言葉に小さく苦笑して、すぐに命令を下す。
モニュメント近辺のみとは言っても、こうしてすぐに避難出来るのは無人機や量産型Wだからこそだよな。
「さて、幹部達は俺の周囲に集まってくれ。そろそろこのハイヴから脱出するぞ。勿論普通の脱出方法じゃなく、派手にな」
『あー、いやまぁ、うん。大体予想は付くから俺からは特に何も言わない』
ムウのどこか呆れたような言葉に、他数名も同意しつつ、ニーズヘッグの近くへと移動してくる。
「さて……なら始めようか。メガ・バスターキャノン、発射!」
その言葉と共に、後方のヒュドラに内臓されているメガ・バスターキャノンの砲口から莫大なビームが真上へと向かって放たれ……そのビームは、メインシャフトを真っ直ぐに貫き、微かに残っていたモニュメントの残骸を消滅させる。
残っているのは、俺達のいるメインホールからメインシャフトを通じて外へと続く穴。
地上へと続く穴からは、青い空が見える。
戦闘があったとは思えない程の、綺麗で真っ青な空だ。
「さて、行くぞ。英雄の帰還だ。それに相応しい態度で登場するとしようか」
『ちょっとやり過ぎのようにも思えるが……まぁ、このくらいが丁度いいのかもしれぬな』
コーネリアが苦笑を浮かべて、俺の横に立つ。
レモン、スレイを始めとして他の幹部達の機体も全てが俺の近くへと移動してくる。
特機のヴァイサーガ、トリニティゲイン、ヴァルシオン改は後ろに。
そして俺達幹部の機体を囲むようにメギロートやシャドウが。
……本当はここにイルメヤも入れたかったんだが、何しろイルメヤは空を飛べない。空中を移動するにはメギロートの上に乗せるなりなんなりしなければいけなくなる。
ともあれそんな風に幹部の機体が揃い、全機が行動を合わせるようにして空中へと浮かび上がっていく。
メインシャフトの中を真っ直ぐに上がっていき……そして、モニュメントの残骸の中から姿を現し、その上に降り立つ。
このハイヴ周辺にいるのはほぼシャドウミラーの面子のみで、唯一の例外がシロガネやニヴルヘイムに乗っている観戦武官達だろう。
だが、この映像はシロガネやニヴルヘイムを通して周辺海域に展開している艦体にも流されているし、更には世界中へと流されている。
そして、今の俺達は文字通りの意味でモニュメントの残骸を踏みしめている……即ち、ハイヴの征服をこれ以上無い形で現しているのだ。
この光景がどう見えているのか。それは予想するでもなく明らかだろう。
……正直、この手の事は好きじゃないんだけどな。ただ、このマブラヴ世界の住人は色々な意味で絶望を味わっている者が多い。
キリスト教恭順派なんてのは、その最たるものと言ってもいいだろう。
今は全世界で国やら民衆やらに排除されつつあるが。
特に難民がこっち側についたのは大きい。何しろキリスト教恭順派の主なメンバーは難民が多かったらしいからな。それと、難民解放戦線とかいう奴等も何だかんだで大人しくなってきているとか。
まぁ、難民解放戦線の目的を考えれば、その難民の生活を劇的に向上させつつある俺達シャドウミラーに対して敵対行為は出来ないだろう。
もし敵対行動をしようものなら難民からの支持を得られなくなるし。
『ねえ、アクセル。そろそろいいんじゃない?』
そんな風に考えていると、レモンからの通信が入る。
確かにここまでやってみせれば、もう十分か。
「そうだな、じゃあそろそろシロガネに戻るとしようか。色々とあって今日は疲れたし、明日からまた忙しくなるのは間違いないからな。今のうちにゆっくりと休んでおこう」
そう告げ、こっちの方へと移動してきてたシロガネへと戻っていく。
そんな俺達の下では、メギロート、イルメヤ、シャドウの3機種が未だに散発的に現れるBETAへと向かって殲滅するべく動いているのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1120
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