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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第五十五話 地上最大の希望と運命の咆哮

 
前書き
希望のデジメンタルと運命のデジメンタル覚醒。

なのは「みんな、ご飯が出来たよ!!」
はやて「あ、味噌汁や」
大輔「焼き鮭と卵焼きに」
ルカ「炊きたてのほかほかご飯に、味付け海苔」
賢「うん、これが日本食だよね」
チビモン[なのは~、これ全然甘くないよ?]
なのは「だって私、卵焼きは出汁と塩派だもん」
ブイモン[…まさかなのはとこんな形で対立するとはな……]
なのは「ごめんねブイモン。でも私もこれだけは譲れないの」
ブイモン←たっぷり砂糖入り卵焼き派。

なのは←前述の通り、出汁と塩の卵焼き派。

ブイモン[俺は砂糖たっぷり派なんだよ!!]
なのは「それ卵焼きへの冒涜だよ!!というか大体甘い卵焼きって最早お菓子だよ!!」
ブイモン[甘い卵焼きを馬鹿にするかああああ!!甘い卵焼きはな、神が生み出した奇跡の食べ物なんだよ!!]
ツカイモン[たかが卵焼きで…]
ユーノ「何を言ってるんだ君は…もう」
遼「とにかくリリカルアドベンチャー、始まるぜ」

因みに作者は砂糖派です。 

 
大輔「んじゃあ、フェイト。デジタルワールドでな」
フェイト「うん、また明日ね」
フェイトを親の元へ送るといい、こっそり父親のノートパソコンを拝借して。
賢と相談した結果、フェイトとはやてはデジタルワールドで過ごしてもらうことにしたのだ。
…一々言い訳するのが面倒というわけでは断じてない。
フェイトとはやてはこちらの世界の住人ではないし、自分達があそこの世界で衣食住にありつけたのは、フェイトは魔法関係者ではやては一人暮らしで柔軟な思考の持ち主だからだ。
こちらと向こうの文明レベルも大分違うため、いつボロが出るか分からないため、それを防ぐためでもある。
大輔「(後でゲンナイさん見つけて脅すか)」
デジタルワールドの管理者なのだから、それくらいはしてもらわなければ。
大輔「気合い入れないとな…」
はっきり言って、今の大輔にはかつての仲間と会うのは気が滅入るが、我が儘は言えない。
出来るだけ距離を取ることを考えなければ。






























学校に行くと、初っ端から仲間と出会うことになる。
会話もそこそこに、目を合わせないでクラスメートの元に向かう。
伊織は国語の授業を、京は理科の実験だが怪しい煙が出ている。
京の周りのクラスメイトは避難した後、爆発。髪がボサボサである。
ヒカリ達五年生は体育。女子は踊り。
男子はバスケだ。
体育館の手すりにてデジモン達が見ていた。
ブイモン[はあ…つまんねえ]
パタモン[あれ?ブイモン?]
ブイモン[何だよ?]
テイルモン[いつの間に成長期のままでいられるようになったの?]
ブイモン[さあ]
会話をする気などサラサラないため、大輔の方を見遣る。
大輔「やれやれ…」
肩を鳴らして、バスケを始める。
久しぶりだし、何より嫌っているタケルが相手なので手加減出来るかかなり疑問だが、やるしかない。
ゴーグルは既に外している。
まあ、何故か全く壊れないゴーグルが今更ボールくらいで壊れるとは到底思えないが。
タケル「よろしくね大輔君」
大輔「はいはい、お手柔らかに」
差し出された手を無視して、直ぐに動けるように体勢を整える。
始まるとゲームは大輔の独壇場であった。
今まで実戦と訓練で鍛えていたためか、精々普通の鍛え方をしているだけの小学生などには負けない。
ゲームが終わる頃にはタケル達のチームは一点も入れられないまま終わった。
大輔「もう少し本気出してもよかったかもな」
まだまだ余裕がありそうに言い放ち、大輔は水を飲みに行く。
ブイモン[ま、当然の結果だな]
気付かれないように、屋上に向かうブイモン。
大輔もクラスメートに絡まれないうちに着替えて、教室に向かう。






























ブイモン[大輔、大丈夫かな?]
あそこまで距離を保ちつつ過ごすというのは、ブイモンから見てもかなりきつそうである。
ブイモン[早く放課後にならないかな…]
向こうならフェイトもいるし、少しくらい安らげると思うのだが。
何より…。
ブイモン[(チビモンもいるしなあ…)]
あの天使すら腰を抜かす、究極の可愛さを誇る妹を思うと表情が緩んだ。
敢えて言おう。
シスコンであると。






























そして放課後になり、デジタルワールドに向かう子供達とデジモン達。
伊織「デジモンカイザーがいなくても、デジタルワールドに来られるんですね」
伊織が不思議そうに言った。
京「何言ってんの!!やっとデジタルワールドに平和が訪れたのよ?デジタルワールドを楽しむのは、これからよね」
大輔「…本当に楽しめりゃいいけどな。」
伊織「大輔さん?」
大輔「今日は何しにデジタルワールド来たんだ?遊びに来たわけじゃねえだろ」
京「分かってる。デジタルワールド復旧作業のボランティア活動でしょ?」
大輔に言われるのが気に食わないのか、京が口を尖らせて答えた。
大輔「ならいい。この中で…」
フェイト「大輔ーっ!!」
チビモン[お兄ちゃーん!!]
大輔とブイモンの姿を見つけたフェイトとチビモンはこちらに駆け寄って来る。
ブイモン[チビモーン!!]
目に入れても痛くないくらい可愛い妹の出現にブイモンは目を輝かせて突撃した。
大輔「シスコンめ。よう、フェイト。」
フェイト「うん。まさかいきなり会えるなんて思わなかった」
タケル「大輔君、その子は?」
その問いに、胸中で舌打ちするとフェイトを紹介する。
大輔「この子はフェイト。俺の知り合いだ」
京「外国人よね?あんた一体何処で知り合ったのよ?」
大輔「デジタルワールドにいた時、偶然会ったんだよ。それ以来パートナーも同じだから仲良くなっただけだ」
デジタルワールドで出来た友人ということにしておく。
この方が一番信じてもらえるだろうから。
フェイト「初めまして、フェイト・テスタロッサです。そして私のパートナーの…」
ブイモン[ああもう、チビモンは可愛いな~♪流石俺の妹だよ!!]
チビモン[きゃはは…お兄ちゃんくすぐったいよ~]
ブイモンに頬擦りされているチビモン。
ブイモンの顔はデレデレ…いや、寧ろデロデロだった。
京「何あれ?」
ブイモンのデロデロ顔に若干引いている京。
大輔「シスコンに覚醒したんだよ。どうしてこうなった…はあぁ…」
深い溜め息を吐いている大輔にフェイトは苦笑する。
フェイト「ところで大輔はなにしてるの?」
大輔「デジタルワールドの復興作業。俺は今からここから一番遠い湖の地帯に行く。お前も来るか?」
フェイト「え?いいの」
大輔「ああ。人手も欲しいし…何より…」
大輔がチラリと見るのは、デロデロモードのブイモン。
大輔「あいつがチビモンを離さないだろうからな」
その言葉に全員が思わず納得してしまった。
大輔「ブイモン、チビモン。行くぞー」
フェイト「一緒に行くよチビモン」
ブイモン、チビモン[[はーい]]
大輔とフェイトは湖地帯。
ゴツモン達がいる山岳地帯にはタケル。
ガジモン達が配給を受けている都市には伊織。
ゲコモンとオタマモンがいる田園地帯にはヒカリ。
海岸地帯は京に決まった。






























大輔「はあ…疲れた」
ブイモン[やっぱり無理してたんだ。今の大輔、あいつら嫌いだもんな]
嫌いな奴と行動を共にするのはかなり疲れるだろう。
肉体的より精神的に。
チビモン[だいしゅけお兄ちゃん。元気だして。私達も一緒に頑張るから]
フェイト「うん。私も手伝うから…ね?」
大輔「ああ…じゃあやるか」
大輔とフェイトは作業を開始する。
ブイモンとチビモンも。






























しばらくしてブイモンは飛行能力を持つガーゴモンにアーマー進化して、資材を持って来てくれた。
チビモン[いいなあ、お兄ちゃん。私も空を飛べるようになりたい]
ブイモン[うーん。ヒカリからデジメンタルをぶん取るか…?]
大輔「止めとけ、どっかの誰かがうるさいからな。」
ブイモン[そりゃそうだ]
作業を続けると、近くの洞窟から悲鳴が聞こえた。
洞窟に近づくとガジモン達が逃げ出し、中から…。
大輔、フェイト「「!!?」」
チビモン[ス、スカルグレイモン!!?]
ブイモン[おい、何でスカルグレイモンがここにいるんだよ!!?]
[そ、その…洞窟の中で、大きな骨を見つけて、興味本位で組み立てたらスカルグレイモンの骨だったんだ!!]
ブイモン[阿呆!!]
大輔「俺達って本っ当にスカルグレイモンと縁があるよな…」
最早諦めきった表情を浮かべる大輔にフェイトは苦笑するしかない。
大輔「デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!燃え上がる勇気!フレイドラモン!!]
スカルグレイモンが尾による一撃を繰り出すが、フレイドラモンはオーバードライブを使い、両手で受け止める。
フレイドラモン[そらあ!!]
勢いよく跳躍し、蹴り上げる。
蹴りを受けたスカルグレイモンがのけ反る。
かつて太一のアグモンが暗黒進化したスカルグレイモンと戦った時には僅かなダメージすら与えられなかったが、今のフレイドラモンは完全体とも渡り合える実力がある。
フレイドラモン[クローエクスプレス!!]
攻撃、防御をする時の一瞬だけオーバードライブを使う。
出来るだけエネルギーの消耗を抑えるために。
そうすれば長時間の戦闘を可能になった。
チビモンもブイドラモンに進化して、大輔とフェイトを守るように立つ。
フレイドラモン[こいつでとどめだ!!ナックルファイア!!]
スカルグレイモンに強烈な豪火球を喰らわせる。
フェイト「やったの!!?」
思わず言ってしまうが、この系統の言葉が出る時はかなりの確率で終わっていない。
スカルグレイモンが咆哮しながら襲い掛かる。
ブイドラモン[効いてない!!?]
大輔「いや、身体にダメージはあるんだろうけど、スカルグレイモンは闘争本能しか持たないデジモンだ。だから痛覚なんかないんだろうぜ…」
フレイドラモン[この…!!]
再び技を繰り出そうとするが、その前に紫色の息を吐き出す。
スカルグレイモンの得意技である相手を麻痺させるカースブレスだ。
まともに受けたフレイドラモンは身体が麻痺し、膝をついた。
その隙を逃さないように腕を勢いよく振るい、殴り飛ばす。
オーバードライブの強化をしていなかったフレイドラモンは吹き飛ばされてしまう。
ブイドラモン[ブイブレスアロー!!]
援護するように必殺技を繰り出すが、成熟期と完全体の力の差は大きく、スカルグレイモンにはまるで通用しない。
スカルグレイモンが必殺技のグラウンドゼロを喰らわせようとする。
あれが放たれればここら一帯は焦土と化し、何も残らないだろう。
大輔やフェイト、チビモンも死んでしまう。
フレイドラモン[負けてたまるか…!!]
大輔「諦めてたまるか…!!」
フレイドラモン[絶対に負けてたまるかーーーーっ!!!!]
その時である。
D-ターミナルから凄まじい輝きが放たれたのは。
D-ターミナルのディスプレイに映るのは、希望、運命、奇跡のデジメンタル。
大輔「デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!運命の咆哮!ゴールドブイドラモン!!]
勇気のデジメンタルを解除して、ゴールドブイドラモンにアーマー進化する。
フレイドラモンとライドラモンのオーバードライブを超える程の力を久しぶりに感じる。
ゴールドブイドラモン[さてと…ショータイムだ。大輔、フェイト。俺がこの骨を壊すのをとくとご覧あれってね]
スカルグレイモンの腕がゴールドブイドラモンに迫る。
ゴールドブイドラモン[どおりゃあああああ!!!!]
ゴールドブイドラモンの拳とスカルグレイモンの拳が激突するが、砕けたのはスカルグレイモンの腕。
ゴールドブイドラモン[そしてこいつが俺の…ブイブレスアローだ!!]
口から放たれた黄金の熱線がスカルグレイモンの残された腕を破壊した。
大輔「アーマーチェンジ!サジタリモン!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!地上最大の希望!サジタリモン!!]
ブイモンが希望のデジメンタルでアーマー進化した、フレイドラモンとライドラモンが融合したような姿のデジモンがスカルグレイモンのデジコアに向けて弓を向ける。
サジタリモン[これで終わりだ!!ジャッジメントアロー!!]
究極体にすらダメージを与えられる矢をデジコアに受けたスカルグレイモンはデータ粒子となって消えた。
暗黒の力でスカルグレイモンになったわけではないので、いずれ始まりの町で生まれ変われるだろう。
サジタリモンはブイモンに退化する。
サジタリモン、ゴールドブイドラモンはエネルギー消費が激しいために短時間の進化しか出来ない。
大輔「お疲れ、ブイモン」
フェイト「ゴールドブイドラモンとサジタリモンへのアーマー進化凄かったよ」
チビモン[私も早く完全体に進化したいなあ]
ブイモン[大丈夫、チビモンならきっと完全体に進化出来るさ。何たって俺の妹なんだからさ]
大輔「はあ、まさか。スカルグレイモンと戦うことになるとは思わなかった」
フェイト「大輔もお疲れ様」
大輔「ああ、サンキュー…そろそろ帰ろうぜ。お前ら、今回のことは秘密な?」
全員【はーい】
大輔はフェイトとチビモンと別れて現実世界に向かう。






























そして大輔達から遥か遠くへ離れた場所にいる賢は、ダークタワーを破壊した後、ノートパソコンを弄っていた。
はやて「賢兄、何しとるんや?」
賢「大輔へのプレゼントだよ。前にコロッセオで入手したデジゲノムをD-3に組み込むことで大輔のブイモンを擬似融合による完全体への進化が出来るかもしれない」
はやて「へ?それってつまり、ブイモンが単体でジョグレスするってことなんか?」
賢「そういうことだね。でも擬似的な物だからジョグレス進化にはかなり劣るよ。でもブイモンは純粋の古代種だから擬似融合でもかなりの期待をしていいと思う。」
はやて「へえ…」
ギルモン[オラも完全体に進化してえなあ…]
賢「頑張ればきっとなれるさ」
賢はエクスブイモンとの相性がいいデジモンのデジゲノムを検索し、黙々と作業を続ける。
はやてはその姿を、ただ優しく見守っていた。
 
 

 
後書き
サジタリモンとゴールドブイドラモン覚醒。
ブイモンの進化の強さはこんな感じ。
アーマー体
フレイドラモン&ライドラモン、その他(成熟期)→フレイドラモン・オーバードライブ&ライドラモン・オーバードライブ(完全体下位)→ゴールドブイドラモン&サジタリモン(完全体上位)→マグナモン(究極体上位)

フレイドラモン・オーバードライブはパワーだけなら完全体中位。
ライドラモン・オーバードライブはスピードだけなら完全体中位。
ゴールドブイドラモンはパワーだけなら究極体下位。
サジタリモンはスピードだけなら究極体下位。

通常進化

エクスブイモン(成熟期上位)→パイルドラモン(完全体上位)→マグナモン(究極体上位)→マグナモン・オーバードライブ(モードチェンジ)→マグナモンX

エクスブイモンはフレイドラモン・オーバードライブとライドラモン・オーバードライブより強さが劣るが、飛行魔法よりも優れた飛行が出来るのが利点。

パイルドラモンはパワーはゴールドブイドラモンに、スピードはサジタリモンに劣るが、総合的なステータスが優れており、飛行が出来るのも利点。
短時間しか進化出来ない短期決戦型の二体とは違い持久戦に向いている。

マグナモンはパイルドラモンに奇跡のデジメンタルを使用することで、究極体として進化する。
一応、ブイモンからのアーマー進化でマグナモンになれるが、短時間、寿命を縮める。
完全体からの進化などで、時間制限と必殺技の反動による寿命が縮むのを防ぐ。

ジョグレス進化。

エクスブイモン&スティングモン→パイルドラモン(究極体下位)→インペリアルドラモン・ドラゴンモード(究極体上位)→インペリアルドラモン・ファイターモード(究極体最上位)→インペリアルドラモン・パラディンモード(測定不能)

原作ではブラックウォーグレイモンにボコボコにされていましたが、あれはまだブイモンとワームモンの戦闘経験が少な過ぎた上に、成熟期への進化をして間もない頃だったので仕方ないと思っています。
そんな状態でも究極体のブラックウォーグレイモンとそこそこ戦えていたので、ちゃんとした経験を積ませてからジョグレスさせれば古代種同士の融合のため並の究極体より強そうですが… 
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