【ONEPIECE】捨てられた人魚は恋をする【七武海×海賊】
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王女と皇帝、その仲は5
スモ「裏切ったわけじゃねェ」
煙を大きく吸い込んだスモーカーがそう呟くと
大きく煙を吐いた
違うところに向けていた目をスモーカーに戻すと
自嘲するような薄笑いを浮かべた
リオ「もういい」
もういい、これ以上誰かを攻めるのは止めたはず。
……ううん違う。
これ以上"敵ではない"人を攻めるのを止めた、
この言い方の方があってるのかもしれない
私の敵は世界政府、海軍なんだから。
「ドルドルボ~ル―――解除」
一匹のバナナワニの身体の中から白い玉のようなものが出て来たかと思ったら
私とスモーカー、コック以外の全員が驚きの声を上げた
……良かった。
さっきの話、剣士以外は聞いてなかったみたい
剣士だったらなんとか話を誤魔化せるけど
勘の良さそうなナミとかだったら
困ってたのかもね。
ゾロ「おいアイツ…!」
ルフィ「サンだ!3!」
どうやら麦わら海賊団プラスビビのお知り合いであるらしい
「サン」と呼ばれた男は
水を飲むと本当に生き返ったような顔をして何かをブツブツ呟いていた
サン「ギャアアアアア!!!!!!お前らはあああああ!!!??」
何故か鍵を持ったままの男が檻の方を見ると
思い切り目を飛び出していた
…いやさっき剣士も麦わらもビビも男に何か言ってた訳だし
ここには自分以外に人がいるって分かってたんじゃないかな。
………いやでもあれだけの反応をするって事は
本当に今知ったようね
サンジ「大人しくその鍵をこっちに渡せ」
サン「とォォォォやァァァァァ」
大抵の人間は私でさえも思うほどに
敵だと思った相手にはそうやすやすとモノを渡すという事はしたくないらしく
男が三匹のバナナワニがいるとこに向かって思い切り鍵を投げると
コックの顔が怒りに変わった
アイツ(Mr.3)の気持ちは分からなくもないよ?
私だったら嫌な相手には絶対同じことしてたよ。
けどそれは時間が有り余る程ある時だけで、
こういう切羽詰まった状況の時はやらない方がいいと
私も身をもって学んだ。
とくにね、いつもは静かな相手に物を隠したり遠くに投げたりってすると
本気で雷が降り落ちそうになった事があるからね。
それから私は二度と、その人にだけはバカな事はしていない。←
サンジ「やるもんだな蝋燭人間」
コックが男をブッ飛ばすと
空いた檻から真っ先に出て来た麦わらと剣士が
残りのバナナワニ全部を潰しだした
ナミ「奴らが最初に行こうとした通路がきっとアルバーナ方面よ」
ビビ「けどあの通路にはバナナワニがたくさん…!」
リオ「その心配はないみたいよ」
「え?」
ほら、と言って指を指すと
先頭不能になった一匹のバナナワニの上に立つ麦わらと剣士が
まだ物足りないとでも言いたげな顔をしていた
ルフィ「もういねえのかああ!?物足りねえぞおおお!!」
…あ、なんだ。
やっぱ物足りないとか思ってたのか。
ナミ「…本当だ」
ビビ「私があれ一匹をどれほど…」
ウソップ「いやいや!可笑しいのはアイツらの強さの方だから」
あれ程の数をたった二人で潰したってのは凄い事だと思う、
多分私だったらもう少しかかってたよ
リオ「けどそれよりも、早く脱出した方がいいんじゃない?」
ナミ「そ、そうよ!アイツらが来る前に…」
リオ「そうじゃなくて。
ここ、あと数秒で潰れるよ」
私がそう言った瞬間、
壁が壊れて部屋の中に水が押し寄せて来ると
鼻男みたいに何かにぶつかる前に水牢を作り出した
皆が先に地上へと上がっていくのを見ると
胸元ポケットから電伝虫を取り出した
「「―――…プルプルプルプル」」
いつもより少し長めのコールが鳴る
ジジイにしてはこれだけ長いコールは初めてなんじゃないの?
と思った時、
『すまなかったな、珍しい客が来てたもんで』
やっとの事で出て来たジジイの声を聞くと
相当大変な相手だったようで少し笑えた
リオ『私とその人、どっちの対応が面倒臭い?』
『ふむ、そうだなぁ…どっちもどっちだな』
リオ『なにそれ(笑)私の方がいいって言うかと思った(笑)』
『なわけなかろう。
お前と同じぐらい面倒臭い相手だった』
リオ『別にいいし(笑)それよりさ、予言をして』
誰かが心配して水の中に顔を突っ込む前に
本題に入るとジジイが小さく息を吐いた
『力を使うなと言ったのに』
リオ『自分を守るためなら仕方ないでしょ』
『まあ…そうか、
いいか?アルバーナに着くまでは片時も王女ビビの傍を離れるな』
リオ『え?私にお守りをしろと?』
『そうだ』
リオ『そうだって…』
ストレートに言うってのは分かってたけど
もう少し言い方を変えて欲しかったなあって。
リオ『そういえばエースは?』
ずっと忘れてたけど。
いないなあとか思ってはいたけど
聞き忘れたんだよね。
『白髭の餓鬼はユバへ向かう途中、別の場所へ向かった』
リオ『たしか誰かを捜してたんだっけ』
『今は黒髭と呼ばれている男だ。
名はマーシャルDティーチ』
リオ『えっティーチ?!』
『たしかお前らは知り合いだったか』
いきなり出て来た名前に驚いて電伝虫を見た
二番隊の隊長を務めるエースと
そのエースがいる隊の一員であるティーチ
リオ『え、何?どういう事?
ティーチは何したわけ?』
『仲間殺しだ、仲間を殺す事を何よりも許さない白髭の代わりに
あの男が黒髭を追っているみたいだ』
リオ『……へえ』
まさかティーチが殺すとはね…。
本当信じらんないんだけど。
あんな男が誰かを殺すなんてやっぱ信じられない
……けどエースがつい最近まで傍にいたって事は、
嘘じゃなくて本当だって事?
『すまないな、もう少し話をしていたかったんだが
早く地上に戻れ。さもないと剣士が水に顔を突っ込むぞ』
リオ『!…分かった』
その言葉を最後に受話器を戻すと
すぐに地上へ上がった
リオ「はぁっ…」
ウソップ「うおおおお!!!びっくりしたじゃねええかああ」
地上に顔を出す数秒前に水牢を解くと
風で吹き飛ばされそうになったフードをしっかりと掴み立ち上がった
ウソップ「誰かが追っかけて来たかと思ったじゃねえかよ!!」
リオ「はあ?こっちはこっちで大変な目にあってたんだから」
そうでもなかったけど。
ただジジイに電話をしてただけなんだけど
何か嘘を付かないとって思って
咄嗟についた嘘をスモーカーには見破られた
スモ「そういう事にしといてやる」
そうしてくれると有難い←
リオ「って海軍!?」
ナミ「そうなの!!リアも早く逃げるわよ!!」
ナミに腕を引っ張られて走り出すと
少し遅れて状況を把握したビビが走り出そうとした時にビビの腕を引っ張った
ビビ「えっリアさん!?」
リオ「いいから早く!
海軍にだけは捕まりたくないの!!!」
ナミ「私達もよ!!!」
知るかそんなの!!!
……いや、こいつらも海賊だし
そりゃあ海軍に追われるよね。
ナミ「ていうかアンタ今までどこにいたの!?」
リオ「面倒事に巻き込まれたくなくて先に行ってたの!」
ナミ「何よそれ!」
リオ「だって本当の事でしょ!?」
私がそう返すとナミが眉を寄せた
本当の事を言われて何も返せなくなったのか
よく分からないけどナミが大袈裟に溜息をついた
ルフィ「この街に馬小屋があったはずだ!
その馬を使ってアルバーナまで行こう!」
ナミ「でもまつげは!?」
そういえば何か足りないと思ってたけど
ラクダだったな、
ラクダいないじゃん
サンジ「ご安心あれ、前を見な」
コックの言葉に皆が前を見ると
チョッパー「おぉ~い皆ぁー!」
トナカイとラクダが大きな蟹の上に乗っていた
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