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ドリトル先生と学園の動物達

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第三幕その九

「馬には乗れますが」
「他にはですか」
「しません」
 そうだというのです。
「これといって」
「水泳等もですね」
「泳げることは泳げますが」
 それでもだというのです。
「スポーツとして楽しむことは」
「されないですか」
「スポーツをすることは苦手です」
 先生は日笠さんに素直にお話するのでした。
「学生時代、子供の頃から」
「そうでしたか、先生は」
「そうです、日笠さんはスポーツは」
「ソフトボールをしています」
 日笠さんが好きなスポーツはこれでした。
「中学の時からしています」
「あっ、あの大きなボールを使う」
「野球にとても似た」
「あれをされているのですね」
「中学、高校としていました」
 そうだったというのです。
「ポジションはセカンドとセンターでした」
「二塁手と中堅手ですね」
「足が速かったので」
 それでこの二つのポジションだったというのです。
「あと肩も買われました」
「センターにですね」
「センターは肩が必要ですから」
「外野からホームにボールを投げないといけないからですね」
「そうです、私が足が速くて強肩ということで」
 センターにも選ばれたというのです。
「そちらを守ることもありました」
「セカンドとセンターですか」
「どちらも全く違いますよね」
「そうですよね、内野と外野で」
 先生もこのことはよくわかってきています、野球を観ていてそうしているうちにわかってきたのです。
「守り方が違いますね」
「それに内野、外野でもそれぞれのポジションで」
「守り方が違いますよね」
「それで私も戸惑いました」
 その二つのポジションの違いに、というのです。
「それぞれ全く違いますので」
「セカンドはゴロと他のポジションとの連携ですね」
「そうです、ショートと並ぶ内野の要です」
 ソフトボールも同じです、このことは。
「ですから連携も重要です」
「それでかなりの守備力が要求されますね」
「そしてセンターは外野の扇の要でして」
「足が速くて、ですよね」
「肩が強いことが条件です」
「本当にそれぞれですね」
「そうです、中学高校と二つのポジションを掛け持ちしていました」
 セカンドとセンターを、というのです。
「打順はいつも六番でしたが」
「六番ですか」
「何故かいつもその打順でした」
 打つ方はというのです。
「それで特に悩みませんでした」
「打つ方は」
「ですが守備については」
 それぞれ違うポジションだったからでした。
「悩みました」
「そうだったのですね」
「そうです、ですが今思いますと」 
 そうして悩んだことも、というのです。
「懐かしいいい思い出ですね」
「青春ですね」
「はい、今ではそう思います」
 こう先生にお話するのでした、知的でしかも明るい笑顔で。 
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