僕は友達が少ない!〜ヨルノタカ〜(更新凍結中)
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第十話 男の娘は実際いる確率は少ない
前書き
お久しぶりです!待ってましたよの人も、待ってねえよ死ね!の方も、お久しぶりです!。最新話です!
この日の投稿を境に、もしかしたら、更新凍結するかもしれないので、そこは勘弁して下さい!
「はぁ……………」
小鷹はひとつ、溜息をつく。トボトボと朝の登校中に、いつも通り一人だ。
そんな彼女の足取りはいつもより重い。
「おはよ、小鷹!」
ポンと、小鷹の背が叩かれる。それは、先日のプールの件でちゃんとした友達になった柏崎星奈だった。
どんよりと、小鷹は振り向く。
「ど、どうしたのよ。」
「いんやぁ……おはよう……」
そのまま、トボトボと歩くのを再開する。
「ちょっと、いんやぁじゃなくて!
何かありましたよオーラ全開じゃないの‼︎」
「平気だよ、星奈。ボクはいつも通りの平常運転だよ。」
そのまま、小鷹は電柱に頭をぶつけた。
「っっっ………」
「平常運転なわけないでしょ‼︎え、大丈夫⁉︎」
「平気だよ〜。ボクは大丈夫だよ〜」
「頭から血でてるから!少し落ち着きなさい!」
こんな一騒動があったため、2人が仲良く遅刻したのは、言うまでもない事であろう。
*****************
「で?お前どうしたよ?」
結局、放課後には星奈と夜空に捕まり、ようやく解禁になった部室に連れ込まれていた。
「あんまり抱え込まないほうがいいわよ?誰かに相談するとか。」
「星奈………」
小鷹と星奈が見つめ合う。
そこには、つい先日までの険悪な雰囲気など無く、友情が芽生えていた。
「え、なに?お前らってそういう仲?」
この男が茶化しさえしなければだが。
もちろん、空気を読まない男の声は、我らが隣人部部長の三日月夜空だ。
「夜空黙りなさい。」
「英雄王空気読んで。」
「はい、すんません。」
もう一度言うが、この美少女二人に黙らせられたイケメンが、隣人部部長の三日月夜空だ。
「で、話す気になったか?」
「あ…………うん。えっと、笑わないでね?」
「笑わないわよ。いいから早く言いなさい。」
小鷹は、一つ呼吸をして二人に向かい合った。
「最近、誰かに見られてる気がするんだ。」
「はい、撤収〜」
「こら夜空、待ちなさい‼︎」
夜空はアホくさいとでも言うように歩き出す。
彼には珍しい行動だ。まるで、何かに対して苛立っている様子で、舌打ちまでしてる。
「で、小鷹様はストーカー行為をされていると仰りたい訳ですね?」
「う、うん…えっと、なに怒ってるの、英雄王?」
「は、怒ってねえし。別にそのストーカー殺したいとか思ってねえし。」
どうやら、イライラの理由はストーカーの存在らしい。
側から見れば、過保護な父親のようだ。
「で?いつからだ?」
「え?」
「えじゃねえよ。いつからストーキングされてた?」
「あ、えっと、二週間前くらいかな?」
「……………はぁ?」
夜空の声のトーンが低くなる。
これは、相当怒っている時のものだ。
激怒。大激怒。激おこプンプン丸だ。
「一人でいる時にか?」
「あい………」
ゴキリと、夜空は首を鳴らした。
「よし……明日、そいつ殺そう。」
「夜空落ち着きなさい‼︎」
翌日
星奈と夜空は、物陰に隠れて小鷹を見つめている。
“木に逆さで吊るされた”小鷹を。
「いやおかしいよね‼︎」
小鷹が叫ぶ!それもそうだろう。これではまるで、と言うより囮そのものだ。
「安心しろ、ストーカーならばこの状況で動かないわけがない。そこで出てきたところをぶち殺す。完璧な作戦だ。」
だが、この作戦には穴がある。それにいち早く気が付いたのは星奈だ。
「ねえ、夜空。」
「なんだ駄肉。」
「これさ、先に先生とかに見つからないかしら?」
「…………………」
「目逸らしてんじゃないわよ‼︎」
どうやら気が付いていなかったらしい。
これで先生が来たら間違いなく困るのは夜空である。
「英雄王、後で覚えときなよ……」
「夜空、死刑宣告よ。」
「逃げたらヤバイな……」
そんなこんなで20分。遂に小鷹に近づく人影があった。小柄で、線の細い人影。夜空の予想では太ったオタクが来ると思ったのだが、意外であった。
だがストーカーはストーカー。ぶっ殺すのに変わりはない。
「見つけたぞ、ストー……か…あ?」
夜空が飛び出し、とっ捕まえようとしたが、その相手の容姿に固まってしまう。
「おんなのこ?」
夜空が、驚きと共に間抜けな声を出した。予想外にもほどがあったからだ。
女の子である。それもかなりの美少女。
茶色の短髪の少女は、小鷹の笑顔が可愛い美少女や、星奈のような高嶺の花といったのとは、また別の種類の美しさ。
近くにいると、守ってあげたくなる。
そんな可愛さだ。
「えっと……君は…」
「あなたがあねごに、このようなことをしたのですか?」
「……あねご?」
少女の謎の言動に、夜空も星奈も、小鷹
でさえ理解できなかった。
「とりあえず、僕を降ろしてくれない?」
だから、小鷹のいったこの台詞は、おそらく妥当だろう。
数分後。
「ぐ……がはっ……」
「まあ、自業自得よね……」
「さすがあねごです。」
夜空をフルボッコにした後、三人……もとい四人は、部室へと着いていた。
因みに、夜空を除く三人は、小鷹の入れた緑茶を飲んでおり、夜空は部屋の隅で簀巻きにされていた。
「で、楠……くん?さん?」
「あねご。わたくしはおとこであります。」
どこからどう見ても女の子なのだが、本人が男と言うなら男なのだろう。
「それで、楠くんは……」
「幸村でけっこうでございます。あねご。」
「………幸村くんは、僕に何のようなのかな?」
「はい。」
幸村は、何かを決心したように、言葉を紡いだ。
「わたくしを、あねごのしゃていにしてほしいのです。」
後書き
気がつけば、ナンバリング10話を超えていました。まだ読みたいと言う方がいれば、またいつか。
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