アクセル・ワールド 〜赤龍帝の拳〜 (更新凍結中)
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第五話 心の声 前編
前書き
お待たせしました!一月ぶりの更新です!待ってましたの方も、待ってねえよ死ね!の方も、最新話です‼︎
この回は、前後編に分けることにしました。
それでは、どうぞ!
俺はがたりと立ち上がる。信じられなかった。いや、信じたくなかったが正しいだろう。
『千百合が……バーストリンカー?』
『可能性があるということだ。』
姫は淡々と言う。まるで、用意されたプリントを読み上げるかのように。
『まあ座りたまえ。』
そう諭され、俺は席に座る。
『ありえねぇよ。あいつすごいゲームが下手なんだ。最初の検査で引っかかるに決まってる。』
『ふむ。だが、それすらも演技だとしたら?』
頭に来た。
『ああ、そうかいそうかい。わかったよわかりましたよ。』
席を立ち、コードを外す。
「だったら、俺があいつと直結して確かめてきてやるよ。」
******************
とは言いました。言いましたよ。でもね、ついさっき学校であんなことがあったのに、いきなり直結してくれなんて言えない。言えるわけない。
「勢いで来ちまったけど……ど〜すっかな〜」
現在、千百合の家の前にいる。正確には、千百合の家の玄関の前だ。
うろうろし過ぎてたら通報されるかもだし、かといってこのまま帰るのは意味がない。
だが、直結するのに正当な理由なんて思いつかない……
「いや、本当にどうしよう……」
「あれ?一誠?」
不意に名前を呼ばれ、振り向くと、そこには、千百合が居ましたとさ……いや、笑えねえよ。
「よ、よう、千百合…一時間振り?」
「…………何か用?」
やめてくれ〜。そんな悲しそうな目で見ないでくれ〜。
「えっと……その……なんと言うか…」
駄目だ。うまい言葉が見つからない。
「お、俺と直結してくれないか?言っておくが、変な意味ではないぞ⁉︎」
いや、そもそも直結してくれないかと言った時点で変な意味だ。
「コードは持ってきたの?」
「あ、悪い。忘れた。」
「もぉー!直結してって言ってくるならコードくらい持ってきてよね!」
「お、おお。すまん。」
現在、千百合の部屋でコードを探している。
まさかこんな簡単に部屋に入れるとは…
最近の若者は爛れてる……ではないか?
俺も同世代だし。
「はい、これつけて。」
「お、おう……って、これ短すぎるだろ!何センチですか⁉︎五十センチないだろ!」
「い、今はこれしかなかったの‼︎」
「お前……まさか、これでいつもタクムと……」
「してないよ!タッくんはいつも長いの持ってきてくれるし……」
あ、直結してるのは否定しないんだ。
確かに好き合ってるのならいいが、まだ中学生で直結って……いや、そういえば俺も姫としてた。
「と、とりあえず直結を……って、何やってんの?」
「何が?やるなら早くしてよ?」
いや、早くしろと言われても……なんでベットに寝転んでるんですかね?
「あの、せめて座ってもらえると……」
「私の部屋なんだから、どこにいてもいいでしょ?」
ごもっともで……いや、でもこの体勢は危ういだろう……これじゃ、まるで俺が千百合の寝込みを襲ってるみたいに……見えないか?流石に、見えないな。
「やるなら早くしてほしいんだけど。」
「わ、分かってますよ……」
この際だからもう仕方ない。諦めよう。
俺は、タクムに罪悪感を抱きながらも、千百合のニューロリンカーにコードを差し込む。
『えっと、聞こえるか?』
『聞こえるよ。』
この体勢はどうにかしたいが、仕方ない。最初に出た警告メッセージを退かして、BBのアプリを探す。
だが、このミッションはそれだけではダメなのである。俺はアプリを探しながら、千百合に謝罪しなければいけないのだ!そうしなければ、罪悪感で押し潰されそうだよ‼︎
『じ、じゃあ、さっきのことだけど…』
『うん……』
ゴクリと喉を鳴らす。
緊張なんてレベルじゃない。
大型エネミーと対峙する時だって、ここまで緊張なんてしやしない。
『俺と、姫…黒雪姫先輩は、付き合ってたりはしないから…』
『それじゃあ、なんで一誠はあの人の召使いみたいにしてるの?』
彼女は、目を潤ませながら、その目を逸らした。
『召使いなんて……俺は、そんな事してないよ。好きでやってることだし……』
『私は嫌なの‼︎』
その悲痛な叫びが、俺の頭に響いた。
再会してから、初めて聞いた千百合の悲しい叫び。
『なんで、お前はそんなにこだわる…俺なんかに…どうして……』
『じゃあ、どうして一誠は自分をそんなに嫌うの?』
何かが、心に突き刺さる。
『嫌いだよ……』
ああ、嫌いだ。
成績も良くない。
運は悪い。
顔も悪い。
性格も良いとは言えない。
そんな人間……
『嫌いに……決まってるだろ…!』
気づけば、俺はポロポロと涙を流していた。ここまで自分の悪いところを挙げられるとは、我ながら驚きだ。
当たり前だ。こんな人間を好いてくれる人など、いるわけがない。
親からも捨てられた俺なんて…………
その涙を千百合の指先が拭った。
『私は、優しい一誠が大好きだよ?』
思えば、彼女には何度も、こうやって背中を押された気がする。
『だから、自分に自信を持って?どうせなら、黒雪姫先輩と学校一のカップルになっちゃってよ。』
ダメだ。彼女には、逆らえない。姫とは違う。優しい力。俺は思わず、笑みを浮かべる。
『謝りに来たのに、慰められちまったな……』
『平気だよ。いつものことだし。』
大丈夫。千百合のニューロリンカーにBBのアプリはどこにもない。
ふと、あるファイルを閉じようとした時に、不自然な重さが引っかかった。
まさか……!
そう思い、そのファイルを念入りに調べた。そのまさかは、的中してしまった。
(これは……バックドアだ!)
後書き
はいはいはい、ここでひとつアンケート!
一誠に言って欲しい台詞とかあれば!例えば
その幻想をぶち殺す!
など、オリジナルでも、なんでも、酷すぎなければ即採用します!
想像力の貧困な作者に力を‼︎
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