ハイスクールD×D~赤龍帝の幼馴染は転生者~
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ハーメルンからの移転です。
こちらも更新は遅いですがよろしくお願いします。
過去に戻りたいと思った事はあるだろうか?
過去に戻って間違いを正したい、宝くじで一発当てたい、あの時何があったか知りたい、と、考えられる理由は様々だ。
もし本当に過去に戻ったとして、見るだけなら何も問題は無いだろう。
でも過去を変えるという事はそれまでの人生を消し去る事に他ならない。
間違いを正せば間違いを起こした己が消える。
宝くじで一発当てれば宝くじを買わなかった、あるいは外れた自分が消え去る。
というか、連鎖反応やバタフライ・エフェクトとかいうやつで自分以外の存在にも影響を与えるだろう。
まあ、肯定するつもりはないが別に否定するつもりにはならない。
何が起こるか理解した上で目的を成すために過去に行く。
そんな覚悟を決めた人間を止められるわけがないし、何を言っても無駄だ。
自分に悪影響が出るなら全力で阻止するが。
だがしかし、何の目的も無くいきなり、いつのまにか、一瞬で、過去に戻ったとしたらどうだろう?
見知った顔があって何故か体が縮んでいたらどうすればいいのだろう?
つまり、何が言いたいかと言えば―――――。
「あなた、狼土が起きてるわ」
「ああ。でも泣かないなんて根性のある子だなぁ」
「もう! 赤ん坊に根性なんてある訳ないでしょう!」
――――――何故か赤ん坊に頃に戻っていました。
――――●●●―――
薊屋狼土、それが俺の名前だ。
記憶が正しければとある有名な私立高校に通う高校三年生で家族構成は俺と両親を合わせた三人家族。
両親は高名な考古学者であり世界中を飛び回っているため実質一人暮らしな生活を満喫中。
遺伝なのか子供のころから大抵のことは何でも出来た。
そのため小学校の頃は神童とか呼ばれていたが、中学に上がってからは思春期だったのか中二病をこじらせたのかいわゆる不良と呼ばれる存在になり様々な悪事に手を染めた。
高校に上がってからも因縁を吹っかけられることが多々あり、そのせいで友達の数は片手で数えられる程度で、何故か舎弟は百人近くいた。
ついでに言えば容姿も整っている。
客観的に見てイケメンの部類に入るだろう。
不良でイケメンで天才。
まるで漫画や小説から飛び出してきた現実にいるはずが無いような男。
それが俺だ。
自分でも変だと思う事は何度もあったが、現実は小説よりも奇なりと言うし一応気にしないでいた。
だが――――――――。
「・・・・ホント、これは予想外だったよなぁ」
夏真っ盛り。
外は炎天下の中、家の中でクーラーの冷風を浴びながら俺は午後の昼寝を堪能していた
タイムスリップ、いや、異世界に転生して早八年が経過した。
記憶よりも若い両親を見たときは過去に戻ったのだとばかり思っていたが、住んでいる場所が違ったり俺の知っている歴史とは異なる所が幾つもあった。
例えば、ドラ〇ンボールならぬドラグ・ソボールとか。
この事から俺は自分が過去に戻ったのではなく並行世界、いわゆるパラレルワールドに来たのだと考えた。
もちろん、最初はかなり混乱した。
何故か生まれ直す直前の記憶はかなりあやふやで、しかも体の自由がきかない赤ん坊なので当然と言えば当然なのだが。
そのまま赤ん坊プレイを無我の境地で乗り切り、小学校に上がるまで情報収集。
小学二年生の現在はようやく慣れてきたこの生活を楽しんでいる。
単純に過去に戻っただけなら、かつて経験した事をするだけの生活に対し飽きを覚えながら惰性で生きるしかなかっただろう。目的の無いタイムスリップほどつまらないものは無い。
だが幸いな事に、この世界は俺が知っているのとは違うし、なによりここには親友がいる。
ピンポ~ン。
『ロウ、いるんだろ一緒に遊びに行こうぜ!』
インターフォンから無駄に元気な声が聞こえた。
親友の声だ。
俺は起き上がり玄関まで行くと勢いよくと扉を開く。
「このクソ暑い中よく外で遊べるなイッセー」
「いいだろ別に。それより面白いの見せてやるからついてこいよ!」
目の前の少年―――――この世界に転生してから出来た幼馴染にして親友、兵藤一誠は妙な笑顔でそう言うのだった。
――――●●●―――
この時の俺はまだ知らなかった。
この世界の真実。知られざる所で存在する者たち。
そして――――俺とイッセーに眠る力の事を。
天使、堕天使、悪魔、神々、そして神器。
この事を知るのは七年後の夏。
中学三年生の一学期が終わった次の週だった。
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『はじまりのはじまり』
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