『曹徳の奮闘記』改訂版
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第五十話
前書き
桜花イベントですねぇ。
「グッ………」
……あかんあかんあかん、痛い痛い痛い痛い痛いッ!!
背中がめっちゃ痛いッ!!
いきなり関西弁になったけどマジ勘弁や。無茶苦茶痛いねんからな。
「長門ッ!!」
「衛生兵ェーーーッ!!」
桜花が俺の背中の傷を見て叫び、俺の部下は衛生兵を呼んだ。
「………大丈夫だ桜花。敵を駆逐してこい」
「だ、だが………」
「いいから行けッ!! 思いっきりやってこいッ!!」
「………分かった。済まないが長門を任せるぞ」
「分かりました。思う存分やって下さい」
兵士も桜花にそう言った。
「あぁ。行くぞお前らァァァーーーッ!!」
『オオォォォッ!!』
「突撃ィィィーーーッ!!」
桜花は自身の華雄隊と共に城内へ突入していく。
「………元気だなぁ……イタタタ……」
うぅ、背中が痛い……。
「王双様、しっかりして下さい」
「済まんな」
俺は駆けつけた衛生兵の肩を借りながら、ロッタの野戦救護所まで後退した。
―――野戦救護所―――
「ちょっとどうしたのよ長門ッ!?」
駆けつけたロッタが俺の姿を見るなり叫んだ。
「ちょっと桜花を庇ってな……」
「………長門はそのうち早死にしそうよ」
ロッタが溜め息を吐いた。
「………そんな事言うなよ」
「ま、いいわ。ほら後ろ向いて」
「ほいほい」
俺は後ろに向く。
「『ファーストエイド』」
………ふぅ、痛みが無くなったな。
「これでいいけど安静にしときなさいよ」
「分かった。ありがとうなロッタ」
「べ、別に袁術軍の戦力が減るから回復魔法を掛けたに過ぎないんだから……」
ロッタが慌てて否定する。
「そかそか」
ツンデレ乙だな。
「一応、もう一回診察するから簡易ベッドに寝てるのよ」
「分かった」
俺はロッタの言う通りにして、負傷兵士達も横たわる簡易ベッドに寝転がる。
因みに、簡易ベッドは真桜が開発した組立式のベッドだ。
また、長時間の軍儀のために木材で作った椅子もある。(俗のパイプ椅子。金属部分を木で代用した物)
「待たせたわね。上の服を脱いで」
「はいはい」
俺は言われた通りに服を脱いで上半身裸になる。
「………傷が多いわね」
「盗賊とかと戦った時に負傷した時もあったからな」
いやぁ、あの時は死にかけそうだったからな。
「………うん、傷は治りかけてるわ。流石私ね」
「自分で自分を褒めるなよ………」
「何言ってるのよ。私がいなかったら暫くは戦は無理なんだからね」
まぁそれもそうか。
「伝令ッ!!」
その時、伝令が来た。
「どうした?」
「は、合肥城が陥落しましたッ!!」
『オオォォォッ!!』
伝令の言葉に周りにいた負傷兵は喜んだ。
「速い陥落だな」
「はい、華雄様が大活躍をしていました」
「………大暴れしているのが目に浮かんでくるな。なら俺は行くか」
「戦うのは禁物よ。治りかけだから傷口が開く可能性もあるからね」
「おぅ、気を付ける」
俺はロッタにそう言って野戦救護所を出た。
合肥の攻略は大将である満寵が討たれたせいもあって、俺達の予想よりも早くに占領に成功した。
しかし、満寵の敗存兵は民家に隠れたりしてゲリラ戦術を展開しようとしたが、合肥に入城した美羽は免死の御触れを出したら直ぐに敗存兵は降伏した。
まぁ無駄死にはしたくないからな。
―――玉座―――
「街の治安はどうなのじゃ?」
「治安部隊は凪が指揮をしているけど、其れほど悪くはないみたいだ」
美羽の言葉に俺は答える。
「ふむ。それなら反乱の心配は無いのぅ」
美羽は頷く。
「ところで長門さん。今日はもういいですよ」
「ん? いいのか?」
七乃が言う。
「はい、それに最近は夜遅くまで合肥攻略のためにやってたみたいなので、今日は早めに寝て下さい」
「そうじゃの。今日は早めに休め長門」
美羽にも言われる。
「分かった。今日は御言葉に甘えて休ませてもらうからな。後は任せたぞ」
「はい」
「ゆっくりなされよ主」
美羽や星の言葉に俺は頷いて玉座を出た。
「………そう言えば桜花さんがいませんね」
「そうじゃのぅ」
俺がいなくなった玉座ではそんな言葉が言われてた。
―――部屋―――
「んで、何で部屋の前にいたんだ桜花?」
「……………」
椅子に座る目の前には同じく椅子に座る桜花がいた。
桜花は俺が帰ってくるまでずっと部屋の前にいたらしい。
「………長門……」
「ん?」
急に桜花が立ち上がった。
「………長門ッ!! 私を抱けェーーーッ!!」
「はい」
ムギュ。
桜花の言葉通りに桜花に抱きつく。
「………ん……あったかい……ってその抱けじゃないッ!!」
あ、やっぱり?
「でもいきなり何でだ?」
「………私の不注意で長門が負傷したのだ。負傷した責任は私にある。だから責任を取るのは当たり前だッ!!」
桜花は俺に言う。
「それに………私は長門が……「待て桜花。そこからは俺に言わしてくれ」……」
………まさかこうなるとはな。
「本気なんだな?」
「あぁ、私は長門といると凄く嬉しいし、楽しいんだ。長門が負傷した時、私は……「分かったから桜花」長門……」
俺は桜花と向き合う。
「桜花、好きだ。大好きだ」
「長門………んむぅ……ちゅる……」
俺は桜花の口を塞いで蹂躙する。
「やってやる。桜花は俺の物だからな」
「あぁ、分かった」
桜花は笑った。
そして、俺と桜花の戦いが始まった。
後書き
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