| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~

作者:C.D./hack
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『栄光』の・・・・

 
前書き
THE大所帯。さらに大所帯へ・・・。 

 
響鬼は修行をしていた。

現在の時刻は午後三時。すでに修行を開始してから5時間以上が経過している。

そんな中、リーファが暗い顔をして歩いて来る。

「おい、娘さん!何やって・・・」

響鬼は振り返ったリーファを見て慌てた。

泣いていたのだ。慌てふためく響鬼を横目に、リーファは口を開いた。

「響鬼さん・・・私・・・失恋しちゃった」

平静を取り戻した響鬼は、リーファの顔を見て察した。

(よほど大きい人だったんだな・・・)

「そうか・・・だけどな、俺の経験談から言えることが一つだけある」

「まぁ、ちょいとした昔話も含めるが・・・聞いてくれるか?」

「・・・はい」

近くにあったベンチに二人は腰かけた。

「俺なぁ、中学生の時にいじめにあってたんだ」

リーファは驚いた。響鬼がいじめに合う様な男だとは思わなかったからだ。

「あ、ごめん。言い方が悪かった。俺の友達がいじめられてたんだ」

「・・・で、でも、響鬼さんだから、助けたんですよね」

響鬼は少し悲しい顔をして笑った。

「助けられなかった。いや、助けなかったの間違いだな」

またリーファは驚いた。

「怖かったんだ・・・自分が虐められるのが。それで友達を見捨てちまった」

「友達はその後、転校してどっか行っちまった。俺は友達を失った」

「それが悔しくて、鬼になったんだ」

「そんなことが・・・」

「で、俺から言えることは一つ。俺は友達を失った。でもな、生きていくって事は、失うばかりじゃないぜ?問題はそこから先だ。それからどう生きていくかが問題だぜ?じゃっ、俺戻るから」

そう言って響鬼は宿の中へ入って行った。

「リーファさーん・・・そろそろ・・・・」

キリトとユキが走ってくる。

涙をぬぐったリーファは、ともに世界樹へと向かう。





 世界樹 愛の次元部屋

「ようやく帰って来れたと思ったら・・・・」

「なんじゃこりゃあアアアアアア!!!」

クライは思わず叫んだ。

なぜなら、オークがもぐもぐと食べ物を口へと放り込んでいたのだ。

「おい、愛!これどういう・・・」

「クライのバカヤロー!!」

酒瓶を口につけ、一気に飲み干した愛は酒瓶をクライの頭部へと叩きつけた。

「うぼぅあ!ダメだコイツ、使い物になんねぇ!!じゃあ、ライクは?おいライ・・・」

こたつのある方へ向かうと、ライクは血みどろになってぐったりとしている。

「おい!?」

駆け寄ってライクを持ち上げると、液体の正体に気付いた。

「トマトくせぇ!ケチャップじゃねぇか!!」

「ねーちゃんが・・・にーちゃんがここ出てからなんか知らないけどヤケ酒に・・・ご飯んんんんんんん・・・・・!!」

ケチャップ片手にライクが力尽きる。

あー、もう。どうしようもねぇわ、コレ。

結果、クライは自分の飯を作り、部屋の片づけを終わらせたのは、2時間後のことだった。

「おい、愛。酔い覚めたか?」

「ええ・・・おかげさまで。何してたんだろ、私・・・」

「ごちそうさまでした!」

オークが叫んだ瞬間、警報が鳴る。

『侵入者接近中!侵入者接近中!敵はアシムレイトロイド!他多数のライダーが接近!』

「あぁ・・・来たか」

「行くぞ、オーク」

「・・・・また、帰ってくる?」

愛の問いにクライはもちろんと唱えた。

「ぜってー帰ってくる。それに言ったろ?」

「お前を守るのは、俺だ」

そう言ってクライは世界樹へと出た。



 世界樹

「ユイちゃん!アルゴさん達の反応は上からなんだね!?」

「はい!ママは上に、その下に反応があります!!」

アルゴとアスナ。

二人の反応を見つけ、ライダー達の制止も聞かずにユキたちは飛び出した。

ウィザードライバーを発生させ、リングをかざす。

ヴォイス! プリーズ!

「ユイちゃん、叫んで!」

「ママ!!ママ、聞こえますか!!?」

反応はない。そのかわりに銀色のカードが落ちてきた。

「ッこれは・・・!」

キリトの声をかき消すように上空からの叫びが聞こえた。

「きょおおおおおおおおおおおおおだいいいいいいいいいいいいい!!!」

「・・・クライか!」

「私もいますよ!」

先に攻撃を仕掛けてきたクライを、アマノ・アズサとカブトクナイガンで弾く。

オークが追い打ちをかけようと拳を振りかざすが、アマゾンが止めた。

「おまえ、ユキと同じ!なぜ仲良くしない!?」

「アマゾン・・・子供に用は」

「ありませんっ!!!」

ガンッとアマゾンが吹き飛ばされる。

さらに、周りに銀色の天使が出現する。

「こいつら・・・っ!!」

キリトが切り裂きながら前へと進もうとするが、多勢に無勢だ。

前に進むには、頼りなさすぎる。

どんどんとリーファ、キリトのHPバーが減っていく。

だが、その時―――――――。

アドベント

巨大な龍が現れ、守護天使たちを焼き尽くしていく。

「シャッ、間に合った!」

赤いフォルムのライダー。

「あなたは仮面ライダー龍騎!?って事は・・・城戸真司さん!?」

「そう!先輩方に頼まれてね。須郷ってやつの悪事を纏めてたんだ!」

「さぁ、ココは一時退くよ!」

ドラグレッダーに乗り移り、ユキ達は離脱した。


 宿

「まったくさ・・・・先輩のいう事は聞いた方がいいよ?」

「・・・・すいません」

ユキ達が謝る中、キリトは一人立ち上る。

「行かなくちゃ・・・」

「キリト君!無茶だよ!!」

リーファがキリトを支えた瞬間、キリトは呟いた。

「・・・・・取り戻すんだ。アスナを・・・」

「・・・今、なんて・・・?」

「・・・?アスナ。俺がもう一度会おうとしてる人だよ」

「・・・お兄、ちゃんなの?」

「え・・・?」

「スグ―――――直葉なのか?」

それは、残酷な結末。偶然の擦れ違い。

「酷いよ・・・あんまりだよ、こんなの!」

ウィンドウを操作。リーファはログアウトし、キリトは茫然とした。

「何をしている、追え!」

真が叫ぶ。

「今は『嘘』じゃない!後悔したくないんなら・・・行くんだ!!」

涼の叫びに、キリトがログアウトを選択。

急いでリーファの後を追いかけた。


現実世界

「スグ、いいか?」

「辞めて開けないで!」

初めて聞いた妹の声に和人は少し驚いた。

「一人に・・・しておいて・・・」

「どうしたんだよ、スグ。そりゃ俺も驚いたけどさ・・・」

戸惑いをはらみ、キリトは口を開いた。

ガチャリ、と扉が開いた。

二人が向き合う。

「あたし――――――自分の心を裏切った。お兄ちゃんを好きな気持ちを裏切った」

「全部忘れて、キリト君のことを好きになろうと思った。もうそうなってた。なのに。それなのに・・・・・・」

「え・・・」

和人は数瞬、絶句し手から口を開いた。

「好きって・・・だって俺たち・・・」

「知ってるの」

「・・・・え・・・・」

「あたしももう、知ってるんだよ」

彼女は知っていた。自身の運命を。その物語を。

そこからの会話は、キリトを傷つける。

キリトは口を何とか開いた。

「お前を傷つけてたんだな・・・」

「ひとつ聞いてくれ。アルンの北側で待ってる」

そう言ってキリトは自分の部屋に戻った。

一人残された直葉。決意はまだなかった。

激情に任せ、和人を傷付けてしまった。

アルンに行こうか。

また和人を傷付けてしまいそうで怖かった。

しかし、響鬼が言っていたことを思い出す。

『生きていくって事は、失うばかりじゃないぜ?』

大事なものをいっぺんに失った。

そこから得られるものはあるかな・・・。

直葉はアミュスフィアを起動した。


 アルン

リーファは一度、宿に戻った。

しかし―――――響鬼たち以外に、意外な人物がいた。

「リーファちゃん!!」

レコンだった。リーファは一瞬身を引いたが、すぐに戻った。

そこで全て話した。自身の兄のこと。決意のこと。

全部話し終えた後、少しだけ涙が出た。

それを見て、今まで静かだったレコンが口を開いた。

「リ、リーファちゃん!リーファちゃんが泣いちゃダメだよ!僕で良ければいつでも傍にいるから・・・・リーファちゃんの事が・・・・うーあー・・・だっ大好きだから!!」

「アンタ、何言って!?」

「よく言った少年!」

「ここまで素直な方が、いいのかもしれん」

リーファとレコン。二人は顔を真っ赤にした。

リーファもああは言っていたが、案外まんざらでもなさそうだ。

「あの・・・これから北側まで行くんです。みなさん、ついて来てくれますか?」

全員が了承し、宿を出る。

行く道の中、響鬼が口を開いた。

「娘さん・・・失ったものは大きかったな。でも、新しく手に入ったものもあったろ?少年みたいな子が!」

「・・・響鬼さん、一回黙ってください」

話しているうちに、北側についた。

「・・・・よう」

見慣れた黒の剣士が立っている。

「お待たせ」

リーファは笑顔で返した。キリトが口を開く。

「スグ・・・」

「試合しよ。あの日の続き」

腰の長刀を抜き。共鳴を開始する。

白い姿になり、ブランバイザーを構える。

「―――――いいよ。今度はハンデ無しだね」

キリトがエクスターナを抜く。さらにキングラウザーを出現させる。

「寸止めじゃなくていいからね・・・行くよ!!」

飛行しながらの激戦。そんな中で、アマゾンが口を開いた。

「ユキ、何で二人戦う?」

「・・・自分達の運命を元に戻すためですよ、アマゾン」

「俺、戦い嫌い。だけど、この戦い、すごくキレイ」

そうですねと答える中、ユキは考えた。

キリトさんはなぜ、キングラウザーを発生出来たのだろう?

契約(テスタメント)の許可は出していない。

そう考えている間にも、試合は終幕へと向かう。

リーファの《ファステスト・ストライク》とキリトの《ツインロイヤルストレートフラッシュ》がぶつかり合い、黄金の光が飛び散った。

「!!!???」

ユキの頭の中で記憶が炸裂する。

あの少女と男が話している。

男の顔は見覚えがあった。

(キリトさん・・・!?)

だが、違う。

キリトよりも身長が高いし、声も低い。

『彼は私の孤児院で誘拐されまして・・・ここにいると聞いたもので。迷惑がかかると思うので、引き取らせていただきたいのですが・・・・』

少女の母親が言った。

『あなたに彼を渡す?冗談言わないで下さいよ、ショッカーのくせに!!』

バンッと母親が持ったリボルバーが火を噴いて―――――――

頭の中で記憶が弾け、記憶が停止した。

「っ、うわあっ!!!」

驚いたユキの声に、アマゾンが駆け寄る。

「ユキ、どうした!?体、大丈夫!?」

「大丈夫です・・・。光見たら記憶が・・・」

ユキが立ち上がると、ドラグレッダーが下りてくる。

ドラグレッダーは、ぶつかり合って落ちてきたリーファ達を乗せて龍騎へと放り投げる。

「ちょっ、お前ぇ!!」

「ギュオオオオオオン」

ドラグレッダーはしてやったという表情を作って去って行った。

「リカバーキャメルを使う」

リカバーキャメルをラウズすると、リーファ達のHPゲージが満タンまで回復する。

リーファは立ち上がる。世界樹へと行こうと言って。

「え、えーとどうなってるの?」

状況を飲み込めないレコン。リーファは笑って答えた。

「全員で世界樹を攻略するのよ」

「え?え――――――!?」

飛べない人たちを飛べる人達が持ち上げ、一斉に世界樹へと向かう。

圧倒的速度で接近すると、やはり大量の怪人と守護天使がいる。

「ユイ!あいつ等の強さは!!」

「はいっ!全員ステータス的には、強くはないですが・・・距離によって湧出する時間が違うようです!・・・あれでは、突破不可能なレベルです・・・!」

「・・・そうか」

キリトとユキは後ろを振り向く。そして、みんなに言った。

「皆さん・・・申し訳ありませんが、僕たちのわががまに付き合って下さい!!」

「わかってるよ!!」

全員が、飛び、降り、走り出す。

怪人達を切り裂き、守護天使たちを消し飛ばす。

数は減るが、それ以上のスピードで守護天使たちは湧く。

しかし、その鬼神の如き強さはレコンを驚愕させた。

「すっげぇ・・・・」

しかし、その間にもリーファとレコンに狙いに集中する。

「っく・・・!」

切り倒していくが、どんどんと天使と怪人は過ぎていく。

「レコン!アンタは回復を・・・!」

レコンの傍に行って言うが、レコンはリーファの腕をつかんだ。

「リーファちゃん・・・よくわからないけど、コレ・・・すごく大事な事なんだよね」

「・・・そうだよ。少なくとも今はゲームじゃない」

レコンは笑った。

「あのスプリガンには敵いそうもないけど・・・ガーディアンは何とかしてみる」

レコンはリーファの制止を聞かずに飛んだ。

無数のガーディアンがレコンに集中し、うねりを作る。

無数の攻撃を、レコンは避け続けた。

しかし、数の暴力はそれを打ち砕く。

レコンのHPはみるみると減っていく。

「っ・・・リーファちゃん!」

「頑張ってね!!」

レコンは自爆魔法を発動。自爆しようとする。

ガーディアンで周りが暗闇に包まれる。

HPもない。リーファが見えなくなった所で――――――

「頑張ったね!!」

光がレコンを照らした。そこには。

黄金の角を展開した、一人の英雄の姿があった。

ユキは怪人たちを一掃する中で、その姿に目を奪われた。

「――――――っ」

「翔一さん!!」

津上翔一。仮面ライダーアギトその人だった。

「ユキ君!約束はたしに来たよ!!」

しかし、一人の援軍でこの状況は変わらない。

そしてアギトの後ろから、無数の龍の大軍が飛来する。

「あれは・・・」

「飛龍!?」

唖然とするリーファに話しかける者。

「すまない、遅くなった」

サクヤとアリシャだ。アリシャは言った。

「ごめんネー、レプラコーン総動員で鎧とか鍛えててさっきまでかかっちゃったんだヨ~
。スプリガンの彼からもらったのも合わせて、うちもシルフもすっからかんだヨ!」

「つまりここで全滅したら両種族とも破算だな」

涼しげな顔をして、二人は笑った。サクヤは、一匹の飛龍を指さした。

「それに、あいつもいるからな」

リーファは指差された方を見た。

そこにはジャケットを着た男が立っている。

そして男のシャツには、大きなSの字がプリントされている。

ユキに向かって男が叫ぶ

「おう、ユキ!俺を忘れんな!」

飛龍の上からの声。自分の正義を教えてくれた男。

「茂さん!」

「おうっ、変身!!」

怪人達を蹴散らしながら、茂は変身した。

「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!」

「悪を倒せと!俺達を呼ぶ!!」

「聞けぇっ!!悪人ども!!」

「俺の名は!」

「仮面ライダーストロンガー!!!」

雷が怪人を焼き尽くす。アマゾンがストロンガーの傍に着地した。

「俺達・・・・?」

疑問の声を消すように、男の声が響いた。

「大」

「変」

「身!!」

鞭の一閃が、怪人達を薙ぎ払う。

「Xライダー・・・!」

その時、ユキの背後からの一撃を防いだ者がいた。

「一也さん!!」

仮面ライダースーパー1。彼はコクリと頷いた。

「赤心少林拳!正拳突き!!」

怪人達は爆発。爆発の中からさらに援軍が出現する。

「スカイ変身!!」

スカイライダー。

「俺達もいるっ!!」

V3にライダーマン。

「お前がユキだな?」

凄まじい速度で怪人を跳ね飛ばしたライダーは言った。

「ZX・・・。村雨良さんですね!?」

「そうだ・・・まだいるぞ!」

「先輩!!」

そして―――――良の叫びと同時に、ユキの傍に、二人が降り立った。

「行くぞ、本郷!!」

「おお、一文字!!」

本郷はこちらを向き、ユキは頷いた。

「ライダー・・・」

「「「変身!!!」」」

一号、二号、そして魂共鳴のユキ。

栄光を受け継ぎし者と、栄光になった者たち。

彼らは戦う。愛する人を、人類を守るために。 
 

 
後書き
茂は出発直前に、飛龍騎士を一人倒して来ました。

誤字・脱字・評価・コメント・誰か感想を下さい。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧