ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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野生の戦士と怪人体と動き出す仮面
前書き
野生の戦士、参戦。
ヨツンヘイム
悪魔の巣窟。
そう呼ばれている場で戦っているのは、不可思議なことに人間達だった。
ウンディーネ族30人以上と怪人達。
それに対するわずか10人ほどの男達。
60体ものアンノウンと戦い、疲弊した中での戦闘。
さらに始はユキの守護をしている。
だがその時―――――――――――。
「ケケ―――――――――――ッ!!」
緑色の影が怪人たちを切り裂いた。
彼はすでに人間がデータであることを知っている。
それでもウンディーネには手を出さない。
そして緑の戦士に狼狽したウンディーネ達へとキリトが追い打ちをかけようとした時、緑の戦士=アマゾンが止めた。
「人間、皆トモダチ・・・傷つけあう、ダメ!!」
舞台は移る。
「――――――っ」
始はすでに疲弊しきっていた。
そして怪人たちに囲まれ、死を覚悟したその時。
ユキが目覚めた。
「ユキ!?」
始に話しかける余裕などなかった。
「変身・・・ストロンガー!!」
キュピイイイイイイン!!と閃光と共に音が鳴る。
雄々しき角と雷を携え、彼はやって来る。
そして高台へと飛び移ると叫んだ。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと!!俺を呼ぶっ!!」
「聞け悪人ども!!」
「俺は正義の戦士!仮面ライダーストロンガー!!」
バヂイイイイイイイイッ!!!
紫電が飛び散り、怪人を一掃する。そして雷をウンディーネの周囲へと落とす。
「退けぇっ!!ここから先、攻撃することは許しません!!」
圧倒的な覇気。圧倒的なまで恐怖。
轟きし雷は、ウンディーネ達に恐怖を与え退却させる。
「アマゾンさん!」
タッとユキが駆け出し、アマゾンはそれについて行く。
残りの怪人たちを一掃するためだ。
キリト達も切り込むが、怪人たちは一向に減らない。
「!?ぐっ・・・・アアアアアアアアア!?」
突然始が苦しみだす。さらにキリトから緑色の閃光が漏れだす。
キリトも同様に苦しみ始めた。
「始!お前、大丈夫!?」
アマゾンが叫ぶが、彼に言葉は届かない。なぜなら、
「ウウオオオオオオオオオオオッ!!!!」
ジョーカになってしまったから。
「!!そういう事か」
ユキは気づいた。
ロイヤルストレートフラッシュの時、キリトは一時的に剣崎と融合した。
「つまり・・・キリトさんに少しだけジョーカーの力が加わったんだ」
「なら・・・!」
ブレイラウザーを取出し、地面へと突き刺す。
(かなり無茶だけど・・・!!)
ブレイラウザーに手をかざし、叫ぶ。
「《同質化》!!」
ブレイドの力との同質化。
キング、ジャック、全てのアンデット、ライダーとの融合。
「・・・!!」
黄金の光。それによって、ユキは異端な戦士へと姿を変える。
黒と黄金の体。一号からさらに伸びた触覚。
右腕には銀の手甲。左腕には赤の手甲。
胸には赤と緑の水晶。
その姿は禍々しくも、どこか優しさを感じさせる。
ライダージョーカー。
それがこの異端な戦士の名だった。
ライダージョーカーが手をかざすと、覚聖剣ソウルラウザーが出現する。
アンデッドクレストが光る。
『MACH』
加速とMACH、圧倒的な速度での一振り。
「!?」
斬撃はジョーカーの体に異変をもたらした。
斬撃を受けたのは右腕。その右腕が人間のモノに戻っていたのだ。
ジョーカーは一瞬、戸惑いの表情を見せたが走り出した。
拳を振りかざし、ライダージョーカーの胸へと叩きつける。
しかしダメージを受けたのはジョーカーだった。
腕の鎌が粉々に砕け散る。
『METAL』
「終わらせる・・・」
ライダージョーカーの体から、スペード・ハート・ダイヤ・クラブそれぞれの6とKのカードが出現する。
4枚のABSORBとEVOLUTIONのカード。そのコンボは。
『SPADECARD HEARTCARD DIACARD CLUBCARD SPADECARD』
『FOURCARD』
五枚のカードが出現し、ユキはそれを潜っていく。
「ウェエエエエエエエエエエイッ!!!!」
一閃。切り裂いた瞬間、すでにユキはジョーカーの後ろにいた。
「思い出してください。本当の自分を」
緑色の閃光。後ろを振り向けば、ジョーカーではなく始が立っている
「ジョーカーの力を封印しました。あくまで限定的なものですが・・・キリトさんぐらいの力なら、反応しないでしょう」
「すまん・・・変身」
「あっ・・・変身はまだきついですよ!!」
言う前に始は変身し、怪人達へと飛び込んでいく。
「まったく・・・アマゾンさん!」
「わかった!協力、する」
ライダー達の逆転。怪人達はどんどんと減っていき、残るはボスローチのみ。
「行きますよぉっ!!!」
「わかった!アマゾン、行く!」
ロイヤルストレートフラッシュ。
すれ違いざまに斬り付け、背後から一撃。
空中へと上げられたボスローチと共にアマゾンが跳ぶ。
そして右腕を振り上げる。
「大」
「切」
「断!!!!」
ボスローチへと炸裂する自然の刃。
ボスローチは体の中全てのものを吐き出し、爆発した。
「終わりましたね・・・」
変身を解き、アマゾン達にユキは駆けよる。
「ユキ、俺、アマゾン。トモダチ」
「茂さんから聞いてます。知ってますよ、アマゾンさん。コレ、ですよね」
両手を組み、小指を立たせる。
アマゾン特有の「トモダチ」のポーズだ。
アマゾンはキリト達の方に向き、彼らにも友達のポーズをとる。
「キリト、リーファ、皆、トモダチ!」
「おお?お、おう」
キリトがポーズをとるとアマゾンは笑い、白い怪物へと駆け寄る。
「あの・・・キリトさん、何で戦闘してたんですか?」
「いや・・・アマゾン?でいいのか?まぁ、アマゾンが駆け寄ってるやつを助けるために戦闘になってな・・・そしたらオークとかいう奴が来て怪人たちがウンディーネの味方してな。それでこんなことになったんだ」
「・・・それでオークは」
さあな、とキリトは言った。
「怪人を置いてどっか行っちまった」
「そう、ですか・・・」
ユキが暗い顔をしたのをキリトは見逃さなかったが、アマゾンが後ろから言った。
「ユキ~!トンキー、乗れって言ってる!」
暗い顔を一瞬で笑顔に戻し、ユキはアマゾンとリーファ達がいる所へと走って行った。
アイツに何があったのだろう?
アイツは自分で話そうとしない、言えと言っても言わない。
アイツは何を背負って戦っているのだろう?
傷だらけの血まみれで、そこまでしてアイツが戦う意味はあるのだろうか。
大丈夫だろうか。あのままだとユキはきっと潰れてしまうだろう。
宿で聞いてみよう。
キリトはそう思い、トンキーの方へと向かった。
世界樹
「これは・・・」
アスナは息をのんだ。
須郷が作り出した歪んだ世界。
そこから抜け出すために。そして偶然通りかかった部屋そこにあったもの。
巨大な人の脳。
パネルにはTeller等様々な感情が表示されている。
「なんてひどい事を・・・」
須郷に所業に絶句する中、足音がした。
物陰に隠れて足音がした方を見た。そこから現れたのは――――――
「仮面・・・ライダー!?」
ユキが変身していたはずの者がなぜ―――――――?
動揺する中、周囲を見渡す。黒い立方体が浮かんでいた。
アスナはそこへ音を立てない最大速度で移動。
タッチして操作を開始する。転送のボタンを見つけ、タッチ。
さらに操作してついに見つけた。ログアウトボタン。
タッチしようとした瞬間。
ぬるりとした触手がアスナの手を捕えた。
「っつ!!」
ナメクジのような姿をした化け物が二人立っている。
「ねぇ君何してんの~」
粘ついた声がアスナの耳に響く。
「離して・・・よ・・・」
急に触手の力が弱まった。
後ろを振り向けば、赤い剣を振りかざした白銀の戦士が立っている。
「な、おま・・・ぎゃああああああああ」
戦士が剣を振るう。
アスナの腕を捕えていたナメクジは断末魔を上げ、消滅した。
「お前えええええ!!」
もう一人が触手を振りかざすが、戦士は全てを切り裂いた。
そして、もう一振りの剣を頭に突き刺した。
もう一匹も消滅し、残るは白銀の戦士とアスナのみ。
「・・・何で助けてくれたの・・・?」
白銀の戦士は答える。
「・・・逃げるんだ、早く!愛する人がいるんだろう、っぐっうあああああ!?」
白銀の戦士、シャドームーンは苦しみ始めた。
そんな中、一枚のカードをアスナに握らせる。
「はや・・・く、逃げ・・・」
しかし、シャドームーンの願いは届かなかった。
後ろの立方体が破壊されたのだ。黒い炎によって。
「・・・・アスナ」
先ほど見た異形の戦士だった。
「・・・・キー坊は、元、気カ?」
この口調は。そんな馬鹿な。彼女が?
「・・・・・」
突然、二人の戦士は無言になり、アスナを昏倒させて檻へと運んだ――――――。
宿
「なぁ、お前・・・何があったんだ?」
キリトさんがそんなことを聞いてきたから、僕は驚いた。
「な、何のことですか」
「動揺してるってことは、なんかあったんだろ?」
心配そうな顔をしてこちらを見てくるキリトさん。
言っていいだろうか?
僕は記憶の中の少女に質問してみるが、当然のことながら答えは返ってこない。
「いいですよ、話しましょう。No0.sorrowの真実を」
自分が知る限り、記憶が戻ったところの限界まで話した。
「・・・・少女に関しての記憶はあるのか?」
「話した所までしか、思い出してないんですけど・・・。少女を殺したのは・・・僕かもしれません」
キリトさんは一つ質問してきた。
「お前・・・あいつら全員を斃すことできるか?」
あいつらとは、クライ達の事だろう。
「できるだけ・・・説得はしようと思います。それでもだめだったら、斃します」
「・・・そう、か」
キリトさんは立ち上がって部屋を出ようとした。
「・・・・無茶するなよ」
そう言ってキリトさんは部屋を出て行った。
宿の外
宿の外から、仮面の男はユキを眺めていた。
「面倒なことになっちゃったな・・・ライダー達の力と同質化するなんて、思わなかった」
「もうちょっとだけ、待っててください」
風が吹いた。
「―――――――さん」
彼の戦いは終わらない。ただ、もう少しなのは確かだ。
確信を持った彼は、自身の計画を修正するために動き出した。
ちょっとした設定
《ライダージョーカー》
ブレイドの力と《同質化》したことによる、ユキの怪人体。ライダーではなく、一部のアシムレイトロイドシリーズに搭載されていた怪人化を《同質化》によって強化した姿。機械的なキングフォームの姿をしており、一部にジョーカーの名残が見られる。全身にアンデッドクレストがついており、自在にカードの能力を使うことができる。さらに腕の鉄鋼は魂共鳴時に出現した一号・二号のグローブが変化した物であり、強大な力を発揮する。能力としては暴走した相手を元に戻すなど、優しいものが多い。戦闘に関しては凶悪な性能を持ち、次元を移動し、内部から切り裂くなどの芸当ができる。また、莫大な戦闘力を誇るためにここぞという時にしかユキは使わない。
武器は覚聖剣ソウルラウザー。設定ではパンチ力72t、キック力90t。
後書き
一気に飛びました。さらに怪人体が参戦。ユキは一体どこまで強くなるのか。
そろそろフェアリィダンスが終わるなぁ・・・・。GGO編もすでに考えてあります。もしかしたらその前になんかやるかもしれませんが・・・・。
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