美しき異形達
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第三十四話 湖のほとりでその一
美しき異形達
第三十四話 湖のほとりで
薊達七人はそれぞれの水着を着て琵琶湖の前にいた、薊はその先が消えてしまいそうなまでに広いその湖を見てだった。
しみじみとした口調でだ、仲間達に言った。
「あたし琵琶湖はじめてなんだけれどな」
「凄いでしょ」
「本当に海みたいだな」
こう菊に言うのだった。
「本当にな」
「そうでしょ、ここはね」
「琵琶湖って本当に大きいな」
「日本最大の湖よ」
菊は薊に笑顔で話した。
「滋賀県といえば琵琶湖よ」
「というか滋賀県ってその面積のかなりが琵琶湖じゃね?」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ、菊は薊に答えた。
「ここはね」
「そうか、じゃあ今からここで泳いだりしてな」
「遊びましょう」
「海の家はないよな」
このことも言う薊だった。
「やっぱり」
「うん、海じゃないからね」
それで、と答えた菊だった。
「海の家はないわよ」
「そうだよな、やっぱり」
「ただ、泳ぐことは出来るから」
「それは出来るか」
「あとお昼はね」
菊は笑顔で昼食の話もした。
「バーベキューよ」
「近江牛じゃないよな」
「輸入肉よ」
このことは違っていた。
「だって近江牛高いから」
「現実的な理由だな」
「寮のお肉もそうでしょ」
「何でも殆どオーストラリアかニュージーランドのやつみたいだな」
「つまり輸入肉ね」
「それだよな」
まさにそのものである。
「牛肉っていったら」
「よく輸入肉は固いというけれど」
裕香が言う。
「寮のお肉固い?」
「いや、全然」
薊は裕香のその言葉にすぐに返した。
「そう思わないよ」
「そうよね、別に」
「ああ、普通に食えるし」
「どっちかっていうと柔らかい?」
「だよな、ステーキだってな」
「そうそう、柔らかい方よね」
裕香は薊と寮のわをするのだった。
「寮のお肉って」
「オーストラリアとかニュージーランドの肉でもな」
「それでもね」
「噂みたいなことはないよ」
薊はあっさりと言った。
「輸入肉ってな」
「普通にね」
「特に羊美味いよな」
「マトンね」
「マトンは匂いがいいのよね」
菫はマトンと聞いてこう言った。
「独特の匂いが食欲をそそるわ」
「あの匂いが嫌って人もいるわよね」
向日葵は菫の今の言葉を聞いてこう言った。
「中には」
「そうよね、けれどね」
「あの匂いがかえってね」
「食欲を刺激するわ」
「私もそう思うわ。あとね」
ここでだ、向日葵はこう言い加えた。
「お寺でもお肉やお魚食べるから」
「お酒も飲むわね」
「今の仏教の考えは出されたものは何でも食べるの」
向日葵はこのことを強く言った。
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