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ドリトル先生と学園の動物達

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第一幕その十

「好きです」
「そうですか、実は私もです」
「日笠さんもですか、この呼び方でいいでしょうか」
「はい、どうぞ」
 微笑んで、です。日笠さんも先生に答えました。
「その呼び方でお願いします」
「それでは」
 こうしたお話も入りました、そのうえで。
 日笠さんはあらためてです、先生に言うのでした。
「では明日から」
「わかりました、時間があればすぐに」
「動物園に来て頂けますね」
「そうさせて頂きます」
 ここでもこう答える先生でした。
「是非共。虫歯は本当に早く治療しないと駄目ですからね」
「そうですよね、よく話は聞きます」
「放っておいていいものではありません」
 それは決して、とも言う先生でした。
「それでは」
「お待ちしています」
「その様に。それと」
「それと?」
「虫歯には甘いものがですね」
 それが、ともです。先生は日笠さんに笑ってお話しました。
「大敵ですね」
「そうですね、確かに」
 日笠さんも先生の今のお言葉に笑って応えます。
「甘いもの、糖分は歯の大敵ですね」
「ですから僕もです」
「歯磨きはですね」
「気をつけています」
 こうお話するのでした。
「いつもそうしています」
「それはいいことですね」
「まずは歯磨きですよね」
「そうですね、甘いものを食べることはいいとして」
「問題はその後です」
「磨かなければなりませんね」
「何でも。聞いたお話でした」
 今度は日笠さんから先生にお話します。
「手塚治虫という漫画家をご存知でしょうか」
「日本の有名な漫画家ですね」
「そうです、あの人は甘いものがお好きでしたが」
「あまり歯を磨かなかったのですね」
「あまりにも多忙でそうだったらしくて」 
 その結果、というのです。
「歯が悪かったそうです」
「左様ですか、やはり甘いものを食べたら」
「どうしてもですよね」
「はい、磨かないと」
 歯磨きを忘れてはいけないというのです。
「いけませんね」
「本当にそうですね」
「しかし、本当に」
 首を傾げさせもする日笠さんでした。
「急に虫歯が増えたのです」
「動物達に」
「はい、歯のある動物達の中で」
「原因はわからないですか」
「今それを調べようという話になっています」
「左様ですか」
「はい、おそらくすぐに調べることになると思います」
 その虫歯が増えた原因をというのです。
「そうして虫歯をなくそうと」
「そうですね、病気には何でも原因がありますから」
「その原因を究明してこそですからね」
「治療法がありますので」
 虫歯も減らせるというのです。
「ですから」
「それで、ですね」
「原因を究明しましょう」
 こうしたお話になったのでした、そうして。
 そのお話をしてからです、l日笠さんは先生の研究室を後にしました。そのうえでまた新たなお話がはじまるのでした。 
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