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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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ライジング:雷の狼、紅焔の龍

「……ライトさん」
「ああ……」
俺とユリアは、この状況をどうするか、見ていた。
……キリトとユージオが、女の子達に話し掛けられ、倒れた。
「お前ら……アホすぎ」
俺はバイオプラントを発動して、早々に二人に退場願う。
扱い方は雑だが、その内復活するだろう。
「あら、他にも居たんですか?」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトとか言う少女が俺達を見て言う。
「見るからに雑魚そうですね」
と、毒を吐くフィゼル・シンセシス・トゥエニナインが言う。
「……なぁ、ぶっちゃけ蹴り飛ばして良いか?」
「……いいと思います。いえ、一思いに殺しましょう」
ユリアの額に怒りマークが付き、俺もソルブレイズを抜いて武装完全支配術を唱えていた。
「ま、この人達をあのぼーっと待ってる人達に見せれば、私達も神器と飛竜が貰える筈です。ちゃっちゃと終わらせてしまいましょう」
それを聞くと、本気で容赦なく叩き潰そうと決意した。
「エンハンス・アーマメント……さぁ、全てを喰らえ、紅蓮狼!」
途端、剣が焔に包まれ、紅蓮狼が姿を現す。
「変身」
『サバイブ』
ユリアは怒り心頭のご様子でドラグランザーを呼び出していた。
「「さぁ、謝罪は聴かない、覚悟しろ」」
地面を軽く蹴ると、俺と紅蓮狼はリネル・シンセシス・トゥエニエイトの懐に入っていた。
「紅蓮掌!!」
紅蓮狼と共に放った掌は、リネル・シンセシス・トゥエニエイトにかすった。
「無駄だよ?私は早いもん」
途端、俺の鎧に火花が散った。
「あれ、鎧着てるんだ」
手に持っていたのは、剣。彼処までの俊敏な抜刀は初めてだ。
「……チッ、紅蓮狼!!」
紅蓮狼の焔が俺の拳に移ると、拳を放つ。
「焔狼拳!!」
焔の狼が拳から放たれるも、リネル・シンセシス・トゥエニエイトは避ける。
そこに。
「ドラグランザー、燃やし尽くして」
『シュートベント』
シュートベント、メテオバレットが此方側に無差別で放たれた。
「危ねぇよ!?」
現実世界で培った反応速度で避けると、リネル・シンセシス・トゥエニエイトが接近してきた。
「一人減っても問題無いよね?だって……どのみち全員死ぬんだし」
それを聞いた途端、俺のリミッターが壊れた。
「……死ぬ、か?」
俺は、立ち上がって言う。
「ジェネレート・ライトニング・エレメント」
途端、俺の両手の先から、十個の雷素を展開、それを上空に放つ。それと同時に、
「ジェネレート・サーマル・エレメント」
ユリアが、変身を解いて、ドラグレッダーの上に乗っかっていた。
「「バースト・エレメント」」
静かな、それでいて強い響きが辺りに反響すると、雷と焔が上空から自らの術師を攻撃した。
「アハハ!神聖術の暴発?呆気なーい!!」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトとフィゼル・シンセシス・トゥエニナインは同時に俺達を笑う。
……しかし。逆に、属性を極めた俺達が使える、“唯唯一の”神聖術攻撃が存在する。それがーーーー
「ハァアアアアア…………!」
「アアアアアアア…………!」
俺達を襲った神聖術は、忽ち変化し、俺達の装備を変えた。
「「……え?」」
「ブレイジング・サーマル・エレメント」
「ライジング・ライトニング・エレメント」
「「解放(リブート)!!」」
一気に属性を解放させると、俺達の装備が、一新していた。
「ブレイジングゥウウウウウドラグレッダァアアアアアッ!!」
「ジンオウガァアアアアアッ!!」
そう、術の完全支配術。“イレギュラー”で尚且つ“唯唯一の存在する開発者”が指し示した抜け穴。<神聖完全支配術>。
個々による効果は変わるものの、それは属性による恩恵が高いことを示す。
また、使用者によって使うエレメントも違うため、優劣は存在する。
ーーーー但し、一度それを使えば、勝負の流れを一気に変える。
「ユリア、狩るぞ!!」
久々、二年と半分の時を経て、迅王牙を再現せしめた俺は、狩人の血が騒ぎ始めていた。……異な、滅殺者の血も。
と、そこに。
「……見習いの子供が何をしている」
騎士が、階段に五人立っていた。
「そこにいらっしゃるのは、副騎士長のフィナティオ・シンセシス・ツー殿ですね」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトが言う。その隙に。
「ドラグレッダーキィイイイック!!」
ユリア……異な、ブレイジング・ドラグレッダーが蹴りを叩き込んだ。
「……オイオイ、彼方さん何かいいかけてたろうよ……」
俺は久々に呆れる。ユリアは切れると周りが見えない。普段はユイリが唯一のストッパーだった。
「……おい、馬鹿。いつまで寝てるんだよ。起きろ」
パカン、とキリトとユージオを叩くと、立ち上がる。
「な、何で動けるの……?」
「……時間も立てば効果が薄れるんだよ馬鹿」
俺はキリトの隣に行くと、言う。
「おい、あのフィナティオ・シンセシス・ツーとか言うやつと戦ってこい。此方は俺が押さえておく」
キリトが頷くと、剣を持って駆けた。
「行かせな……」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトが進路を塞ごうとすると、紅蓮狼が吹き飛ばす。
「なっ……!?」
「あ、まだ生きてたのか、紅蓮狼」
「ガウ!?」
何か絶望された。……ああ、俺の記憶から出来た狼だったな。ゴメン紅蓮狼、後で撫でてやる。
「さて、行くか!」
地面を蹴ると、そこが抉れ、リネル・シンセシス・トゥエニエイトに接近した。
「くっ!」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトは下がるが……ジンオウガになった俺は、誰よりも速い。
「天狼爪!!」
手に出来た雷の鈎爪を振るい、リネル・シンセシス・トゥエニエイトを吹き飛ばす。
「あぐ……っ!」
「きゃあああっ!」
そこに、フィゼル・シンセシス・トゥエニナインが同時に現れ、リネル・シンセシス・トゥエニエイトとぶつかった。
ブレイジング・ドラグレッダーモードの奥深くに入り込んだ龍娘は、最早相手が誰でも狩る気らしい。
俺は軽くキリトの方を見ると、ブイと指を出していた。……ユージオと共に。
「んじゃ、こっちも終わらせますかねぇ」
「ひっ……!」
最早、彼女らには戦意は無いように見える。
……が、知ったことではない。
「ライトニング……」
「ブレイジング……」
俺達は同時に、拳を後ろに構えた。
「ちょっ、まっ!」
「本気で……!?」
リネル・シンセシス・トゥエニエイトとフィゼル・シンセシス・トゥエニナインが行ったとき、俺達は同時に振るった。
「ライト・スパイク!!」
「ドラグーンディスオベレイ!!」
雷の杭と紅焔の龍が同時に拳から放たれ、彼女らは軽く吹っ飛ばされた。
「「安心しろ、加減した!!」」
最早、技の時点で加減どころの騒ぎではない。そもそも、神聖術を身体に着けてる時点で、バースト・エレメントと発すればほぼ自爆覚悟の特攻が可能な程の出力を持つ。
……加減したとはいえ、恐らく、天命は軽く五割六割を削っているはずである。
「さて、俺達も先に進みますか!」
「……キュウ~」
気絶しているユリアを引きずって、俺は階段を登る。
……と、思ったが。
「……キリト、ユージオ、先いってくれ」
「どうした?」
途端、ユリアが即覚醒した。
「……」
「行け、良いから」
「あ、ああ……」
キリトとユージオは駆けて行くと、俺はブレイバックルを持って言う。
「……出てこいよ、そこにいるやつ」
そう言うと、姿を隠していた整合騎士が姿を現した。
それを見た途端、俺とユリアは絶望を感じた。……感じられずには居られなかった。
「……私はユイリ、ユイリ・シンセシス・サーティツー、そしてこれが」
『ダーク!ダーク!ダーク!ダークタカ!ダークトラ!ダークバッタ!ダァク!タトバ!タットッバッ!』
ユイリが変身したのは、元のオーズとはかけ離れた、全身黒の姿だった。
「これが私の神器、<オーズ>ダークコンボ」
「……シンセサイズ、されたのか!?」
俺は無意識に言うと、ユリアが前に出る。
「お姉様!?」
途端、メダジャリバーを持ち、スキャンした。
『トリプル!スキャリングチャージ!』
「伏せろ、ユリアァアアアアアッ!!」
俺はユリアの体を押し、ブレイドの状態で、
「ッ!」
オーズバッシュを受けてしまった。
「ガアアアアアアッ!!」
「ライトさん!!」
「……外したか」
メダジャリバーに再びセルメダルを入れようとするユイリに対し、俺はキングフォームになって接近した。
「ユイリ、お前、俺や自分の妹まで忘れちまったのか!?」
「……くどい!!」
「グアッ!」
『トリプル!スキャリングチャージ!』
オーズバッシュが発動過程を終了し、剣を俺の首に構えた。
「罪人には死を」
「ユイリ……忘れたのかよ……本気で!!」
途端、ユリアのドラグレッダーのアドベントカードを取り出すと、キングラウザーにスキャンした。
『UNKNOWN』
スキャンした途端、ドラグレッダーの装甲……いや、正確にはドラグランザーの装甲がキングフォームに追加、ドラグバイザーツバイが武装追加され、俺はそれでユイリを撃って退かせる。
そして、俺は起きて下がると、気絶したユリアを横に移動させて、改めてユイリの方を見る。
「……貴様が初めてだよ、このユイリ・シンセシス・サーティツーを撃つのは」
「いつまでその口調をしてる気だ、ユイリ・エルステール!!」
「黙れ罪人!!我が名はユイリ・シンセシス・サーティツーだ!!」
俺はキングフォームドラグモードになっている状態で、悲しい顔をした。
「……また、仲間を、討たなければ、ならないのか……」
俺はキングラウザーとドラグバイザーツバイソードを構えて、言う。
「ユリア、俺はお前を……討つ!」
「……来い、罪人!!」
俺は階段を飛び降り、ユリアはメダジャリバーを構えて、飛ぶと、その中間地点で剣を交えた。 
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