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ウルトラマンギンガアフター 〜EXエデション 銀河の果実〜 プロローグ
あの夏休み前に起こった転校先での一夏の冒険。世界の命運を掛けた命を賭した戦い。
辛く傷付く事は多かったけど、あの戦いは一生忘れる事の出来ない最高の思い出と、誰よりも大切な最愛の人と出会えた。
「どうしてそんな事が言えるの? 人殺しの手を握れるの?」
「握れるさ、人殺し……そんな事は関係ない。何処にいても、どんな時でも……オレが君を守る、だから!」
四季の叫びと共にギンガの拳が詩乃の操るジャンキラーのコックピットのダミースパークを砕く。
「戻ってきてくれ、詩乃!!!」
あの時、彼女と出会えなかったらオレは最後まで戦えただろうか? あの時、彼女に出会えなかったら世界は無事だっただろうか? そして、その一年後に起こった新たな戦いを生き抜くことは出来ただろうか? 彼女に会えなかったら、オレはビクトルギエルと戦えただろうか?
彼女が居なかったら、ダークルギエルとの戦いの何処かで心が折れていたと思う。オレの弱さを彼女が支えてくれた。挫けそうな時、彼女が居たから何度でも立ち上がれた。
「行くぜ、ギンガ!」
『ウルトラーイブ! ウルトラマンギンガ!』
ティガダーク、ウルトラマンダーク、ウルトラセブンダークと言った闇の支配者『ダークネギエル』の手によって闇に染まったウルトラマン達。タイラント、ダークザギ、ファイブキング、二度に渡る戦いで立ちはだかった強敵。そして、ダークルギエルとその強化体であるビクトルギエルとの決戦。
オレは、オレ達はその全てを打ち倒してきた。……と思ったのだが、
「「え?」」
「いや、だから、お前達学校に行け」
隊長の『陣野 義照』からそんな事を言い放たれる特装チームUPGの隊員(候補生)の二人、ウルトラマンギンガこと『五峰 四季』とその恋人にして『ジャンナイン』と共に四季と共に戦った少女『朝田 詩乃』。
ぶっちゃけ、『チブル星人 エクセラー』によって引き起こされた地球の命であるビクトリウムを巡る戦いの間、最初の戦いが元でUPGにスカウトされて以来二人とも実は一度も登校して無かったりする。仕事しているとは言え何処からどう考えても問題だろう。戦いがそれなりに激しかったという事も有るが、結構意図的に休んでいた分もあり、耳の痛い話だったりする。一応、二人ともこの一年分の単位はUPG側からの説明もあって取れているのだが、その為に受けた全科目のテストの成績は他の隊員による指導で合格点は取っている。
「えーと、まだルギエルが送りだしたって言うエージェントが野放しになってるじゃないですか?」
「それは分かっている。だけどな、幾らなんでもお前達のは問題有り過ぎるだろう!?」
「「すみません」」
一年前でもマグマ星人が一人、ダークルギエルを倒した後も放置されていたらしい。……しかも、ゼットンのスパークドールズを持ったままで。
何気に今回はビクトルギエルを倒した後、『メトロン星人 ジェイス』の証言によって結構な数の宇宙人……それも善良な部類で無い連中が現在進行形でスパークドールズを持ったまま地球に潜伏中らしい。
そんな訳でダークルギエルやエクセラーを倒した事で、規模が小さくなったとは言え未だに戦いは完全に終っていない。
「大体、学校ってのはただ知識を身に付けるって場所じゃないし……見習いとは言えUPGの隊員二人が高校をサボっているって言うのもかなり人聞きが悪いんだ」
『うむ、私もそう思う』
何時の間にかストレウムブレスから聞こえるウルトラマンタロウの声、他のウルトラ兄弟も頷いている姿が幻視できる。不登校のウルトラマンと言うのも確かに格好が悪い。
「おのれ、ここでも、学歴社会か」
「そこは常識だと思うんだけど」
四季の言葉に突っ込みを入れてくれる詩乃さん。まあ、仮にも国際防衛機構で設立された組織なのだから、学歴が必要なのは常識だろう。
「まあ、お前達には色々と事情が有るし、何か有った場合UPGの隊員として活動して貰うから、普通の高校と言うわけには行かない。だから……」
転校の手続きの書類。其処は全寮制の高校……まあ、時折闇のエージェントの生き残りが引き起こす事件には巻き込まれるだろうが、詩乃と普通の高校生活……学生寮と言うからには男女に分かれているだろうが、恋人とすぐに会える所での学園生活と言うのを実は内心楽しみにしていた。
だが、そこでできた二人目の男友達と共に宇宙人以外のトラブルに巻き込まれながら四季はこう思うことになるのだ。もう一人の男友達の『ウルトラマンビクトリー』の継承者こと『桐ヶ谷 和人』の様な普通の高校生活を送りたかった、と。
なお、この世界に於いて地底人ビクトリアンは過去に地上に移り住んでいるらしく、ビクトリーランサーが選んだそうだ。
「そう言う訳で卒業まで此処で高校生活を送ること、それがお前達の任務だ」
「「ガレット」」
まあ、こうして二人の物語は始まっていく事になる。
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