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ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~

作者:C.D./hack
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光差す道の中で

 
前書き
ユキに起きた、奇跡。 

 
「よう、久しぶりだな。お前が出るとは思わなかった」

リュウガの言葉に、リーファが返す。

「・・・あなたの言葉は・・・彼女には届かない」

「貴方は城戸真司という人の想いから生まれた。彼女を守りたいという力を求める一方、黒い感情も生まれていた」

「それが貴方の――――――」

「黙れ!!」

暗黒龍召機甲(あんこくりゅうしょうきこう)ブラックドラグバイザーにカードを挿入する。

ソードベント

ソードベントを召喚。ドラグセイバーを持ち、加速したリュウガがリーファに肉薄する。

剣を振るう。手ごたえあり。ひたすらに振るう。しかし――――――。

リュウガは違和感を感じた。

当たる感触はあるが、リーファに苦痛の表情が浮かばないのだ。

「なぜ・・・」

まさか。リュウガはリーファの周りを確認した。数枚の白い翼が落ちている。

「ガードベントか」

ファムのガードベントは特殊だ。

龍騎の場合は肩にドラグシールドが出現する。

龍騎のライダーは、ほぼ全員が体にガードベントが装着される。

そう、ほぼ全員は。つまり一部を除いて。

ファムの場合のガードベントは特殊なのだ。

ファムのガードベント、ウイングシールドは大量の羽を撒き散らし敵を撹乱させる特殊な盾である。

しかしリーファは一部分に大量の羽を発生させることで、相手を錯乱させたのだ。

「舐めた真似を!!」

ストライクベント

ドラグクローを召喚。黒い爆炎が発せられ、羽を焼き尽くす。

「っ・・・」

周囲を熱気が包み、リーファに隙を作らせた。

「死ね」

アドベント

暗黒龍ドラグブラッカーを召喚。雄叫びを轟かせ、爆炎を発する。

アドベント

対するリーファも、閃光の翼ブランウィングを召喚する。――――――――が。

「うあっ!!」

力に差がある。ドラグブラッカーはAP6000。対してのブランウィングは4000。

2000ポイントという差は、とても広いものだった。

「させない!!」

ウィザードがフレイムドラゴンスタイルに変身。胸から発せられる炎で相殺させる。

炎が途切れた瞬間、下からリュウガが上がってくる。

「邪魔だ・・・!!」

ストライクベントの技、昇龍突破でウィザードを上空へと吹き飛ばす。

「終わりにする・・・」

「因縁も!」

「もう一人との自分とも!!」

ファイナルベント

龍騎のようでなく、浮かび上がるリュウガ。そして左足を構えると、黒炎と共にドラゴンライダーキックを放つ。

対してリーファは。

「・・・!?」

泣いていた。恐怖からか?悲しみからか?なんなのだろう?不意に、リュウガは考えた。

ファイナルベント

ブランウィングが召喚され、風を巻き起こす。その力はブランバイザーに込められていく。

「――――――――でやぁあああぁっ!!!!」

静寂を貫く神速の突き。正面からドラゴンライダーキックとぶつかり合う。

神速の突きの名は、システム外単発式重突《ファステスト・ストライク》。

史上最速の突きである。

「オオオオオオおおおっ!!!!」

ズォッ!!

「馬鹿な!?」

ドラゴンライダーキックが、破られる。黒い炎の中から光が見える。

「あ・・・」

女性は笑みをこちらへ向けた。

「霧島・・。美穂さん・・・」

美穂がぎゅっと抱きしめてくる。それがリーファであることを、リュウガは知らない。

感じる温かさ。自身が奪ってしまった温かさ。心の温度。リュウガは感じて思った。

「そうか・・・俺は」

「もう・・・」

鏡の中の幻ではなかったんだ―――――――――――。

黒い炎が晴れていく。闇が晴れていく。心の霧が晴れていく。

消え行く意識の中で、リュウガはリーファに向かって呟いた。

「アリ、・・・・・ガトウ――――――――――」

彼女に逢わせてくれて。リーファは消え行くリュウガを見て笑って――――――崩れ落ちた。




「リーファ!!」

キリトが向かおうとするなか、ユキが止める。

「キリトさん、行っちゃダメだ!!」

「一号がそっちに―――――――」

言い終える前に、一号はリーファに手を伸ばす。

「言わんこっちゃない!!」

弓剣の刃で斬り付ける。しかし―――――――。

「なっ」

掴まれていた。一号はそのまま拳を叩きつける。

全身から酸素が抜ける。しかしそのままユキはソウルモードに移行する。

銀と赤のグローブ、そして一号のベルト。

「一号・・・」

「貴方が理性もなく、ただ命令に従う化け物になってしまったなら・・・」

「せめて、その心だけでも救います」

一号が走り出す。右腕を突き出した一号。それを掴み、左手の拳を入れようとすると、一号は拳を左手で掴み、膝蹴りをユキに叩き込む。

ぐらついたユキに、さらに連撃を叩き込む。

出来るだけいなそうとするが、技の一号の名は伊達ではなかった。

最速でこちらの『技』を予測し、潰してくる。誰も入れない空間だった。

入ったら確実に死ぬ。そのレベルの戦い。

ライダーパンチ、キックがユキに炸裂し、壁に叩きつけられる。

(まだ・・・力が欲しいか?)

(哀しき怪人になる覚悟はあるかい?)

二人の本郷猛。

(もし欲しいのなら)

(お前の覚悟を)

二人の一文字隼人。

((見せてみろ!!))

二人の風見志郎が叫んだ。

力が欲しい。誰かを守る力が。まだ足りない。ユキは求めた。力を。

負けない力を。救える力を。

強欲に。渇いた心に水を灌ぐように。

哀しき怪人よ、その力は誰の為に?

誰かを救うために。守るために。

哀しき怪人よ、振りかざした拳は誰の為に?

答えなどいらないだろう?さっき、言った通りだ。

最後の問いだ。

哀しき怪人よ、それが自分を傷つけてしまってもか?その力が愛する人を傷つけるだけのものでもか?

その時は―――――――――。

僕は消えよう。未来永劫の戦いの中へと。

その覚悟、見せてもらった。

((((((受け取れ!!))))))

本郷たちが叫んだ。

((俺たちの魂を!!))

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」

膨大な力。異形の怪人としての宿命。誰かを守っても、どこかあった疎外感。

埋まらなかった哀しみ。恋人を奪われた哀しみ。日常を奪われた哀しみ。

血塗られた手につかめるモノはあるのだろうか。そんな悲しみにまみれても。それでも。

前を向いて、走り出す!!

「誰かを守るために!!」

ユキの目が赤く染まる。魂の宿る瞳。

右グローブが疾風のようにクールなシルバーに。左グローブが怒るように血の赤に。

覚悟はできた。準備もできた。ならばあとは走り出すのみ。

始はその姿勢を見て剣崎を重ねただろう。真はそれを見て愛を重ねただろう。

皆、誰かを重ねて見た。ユキの姿はラインの入ったTシャツと短パン。

戦闘に適した、動きやすい格好。

NEXTが走り出す。ライダーパンチがぶつかり合う。NEXTの拳が砕けた。

「もう、終わらせましょう。あなたがこれ以上・・・」

哀しみを背負う必要など、無いのだから。

「おいで・・・ジョーカー」

アオオオオオオオオオオンッ!!と雄たけびを上げながら、かつての相棒が駆けつける。

その姿はウルフオルフェノクのような姿だった。

「ライダー・・・パンチ」

(ソウル)ライダーパンチ。

渾身の一撃。吹き飛ばされたNEXTに、ジョーカが追い打ちをかける。

それよりも早く、ユキがNEXTの背後に回る。

右回し蹴りからの通常の蹴りで、NEXTを上に上げる。

「ライダー・・・キック」

(ソウル)ライダーキック。

一号が爆発し、ヘルメットが落ちた。ユキがそれを掴むと、サラリと砂になって消えた。

哀しみを背負ったライダーが死んだ。哀しみを背負った男が。

俺のようになるなと、教示を残して―――――――――――。





激戦の後。素早くルグルー回廊を抜け、ルグルーへとたどり着いた。

行く途中に生き残っていたサラマンダーにお金を渡し、情報を洗いざらい吐かせた。

リーファは疲労の抜けぬ体でメッセージについて考え、体を休めることと、現実世界でのメールの主に話を聞くために、いったんログアウトした。

数十分後に、それは波乱を持って来た。シグルドの裏切りという一報を持って。

「皆、私・・・」

「大丈夫だ、付き合う」

真が言った。つまりそれは、全員が手伝うという事。

「僕も・・・協力しますよ」

寝ていたはずのユキが立ち上がる。

「もう、大丈夫か?」

少しの疲労でも、ユキには毒なのだ。ダインスレーヴという爆弾を抱えるユキには。

「大丈夫ですよ。アマノ・アズサも汚れていませんし」

役者はそろった。ユキも付いていくことで。



「兄弟・・・待ってろよ」

「固くなるな」

クライに話しかけた男。こちらも役者は揃っていた――――――――――――。



ちょっとした能力解説

最近話が短くなってる作者です。文がいろいろおかしくなってる作者です。

ファーストを見たのが小3なので、うろ覚えで書きました。

まずリーファについて。

魂共鳴

ファムの魂と共鳴して変化した奴です。アドベント使用可で、長剣はブランバイザーになります。
いつでも使える分、リスクがある。体力を大量に消費する代わりに、凄まじい瞬発力を発揮する。
なお、この時にしか使えないソードスキルがある。コレは変身ではありません、ご注意ください。

魂共鳴

ユキが使った6人との共鳴。ショッカーに造られたどうしなために負担が少なく、凄まじい力を発揮することができる。ユキが負担が少ない理由はもう一つあり、決意、覚悟が歴代ライダーに似ているためである。 
 

 
後書き
ユキがさらに強くなりました。個人的にいつかマッハを出したい。話がマガール!!


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