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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0855話

「いやはや……話には聞いていたが、本当にシャドウミラーがこの世界に来てから一月と経っていないのに、これだけの基地を作り上げるとは……正直、何と言っていいものやら」

 量産型Wが操縦していた、要人を運ぶために色々と……それこそ乗り心地がファーストクラス並になるまで改造された輸送機から降りてきたアンディーが、俺を見るなりそう口に出しつつ瞳に驚愕の色を映しながら近づいてくる。
 それを見ている他の者達も、俺が姿を現すなり先に1歩を踏み出したアンディーに多少苦々しげな顔をしている者もいるが、さすがにシャドウミラーが根を下ろしているオーストラリアの首相を相手にどうとも出来ないらしい。

「そうは言ってもな。以前外務省副長官のクリメナや、俺達が預かっていた戦術機を返却した時に来た軍人とかから報告は上がっていないのか?」
「いえいえ、勿論バソールト副長官からの報告はきちんと上がっています。ですが、実際にこうして自分の目で見るとなるとやっぱり違うんですよ」

 その口から出ているのが真実か、あるいはお世辞かは分からないが、それでも驚いているのは事実なのだろう。
 実際、5km四方をこの短期間で基地として作り上げたメギロートやイルメヤ、シャドウの成果は称賛されてもおかしくはない。無人機2種類は休みを取らず、シャドウの方は量産型Wが1日2交代制で働いていたのだから。
 ともあれ、向こうにしてもシャドウミラーの代表である俺と親しいところを見せて他の国からやって来た政治家達への牽制としたいのかもしれないが、今日はそういうのに付き合っている暇は無い。

「早速だが、こっちも準備は出来ている。会場に案内するからついてきてくれ」

 そう告げ、飛行場から近くにある会場まで案内する。
 今日はシャドウミラーが繋がりを持っている世界から、マブラヴ世界へと輸出する商品の試供品をお披露目する日だ。アンディーと共に輸送機でやってきた人物達も、それを見て、試して、実際に使えるかどうかを確認する為にやって来たのだ。
 勿論アラビア半島防衛戦で俺達の力を嫌と言う程に見せつけられたこの世界の者達は、こぞって有能な人物を送り込んできている。
 それは、政治家、技術者、科学者、大会社の経営者や、その部下達。
 ……最後の例に関しては、どちらかといえば部下達の方が重要だろうな。きちんと実力がある的な意味で。
 ともあれ、国連に参加している国の殆どからそのような人物達が送られてきている為、当然各個にオーストラリアに集結して、この基地へと集まってくるとなると混乱するのは目に見えている。だからこそ首都のキャンベラに集まって貰って、量産型Wの操縦する改造された輸送機数機を使って運んで貰ったのだ。
 それらの人物達を率いて俺達が向かっているのが……

「アクセル代表、その……会場というのはこれ、ですか?」

 建物の中に入り、目的の場所へと到着したアンディーの口から出てきた、ちょっと信じられないといった風な言葉に頷く。
 まぁ、その気持ちは分からなくもない。他の世界から輸出される予定の試供品を見に来たというのに、そこに存在したのは……

『あたしの歌を聴けぇっ!』

 いつものその言葉と共に会場の明かりが全て消え、ステージにいるシェリルへと幾つものライトが当てられ、軍服風の衣装を色々な色で彩っていく。
 マクロス世界での世界的な歌手、シェリル・ノームの異世界初のライブだ。
 その口から出てくる圧倒的な歌唱力は、最初何が起きたのかとばかりに戸惑っていたマブラヴ世界の住人達を見る間に引き込んでいく。
 そもそも娯楽が極端に少ないこの世界だ。当然ライブの類も殆ど無いのだろう。しかも現在視線の先で行われているのは、マクロス世界のライブ技術を十分以上に取り入れられているのだから。
 歌うごとにシェリルの周囲は次々に違う空間へと姿を変えていく。古い街中から、一面の海、宇宙空間に幾つもの岩塊が浮かんでいる光景といった風に。
 ……当然このライブで使われている技術はマクロス世界で得たものだが、今回それを行っているのはフィリオだ。以前にもシェリルのライブに協力はしていたが、それを通して完全に向こうのライブ技術を手に入れたらしい。
 もっとも、この手の技術は次から次に新しくなっていくのだが。
 ともあれ、マブラヴ世界の住人達はシェリルのライブに目が釘付けになり、数曲の歌が歌い終わるまでの間は魂を引き込まれたかのようにステージの上に意識を奪われていく。
 まさか、以前から言っていた異世界でのライブをここで披露する事になるとは思わなかったが……どうやら成功のようだな。
 そして、ステージの上からシェリルが去った後、次に姿を現したのはオウカだった。

『マブラヴ世界の皆さん、今日はよくいらして下さいました。今歌って貰った人はシェリル・ノームさんといって、私達シャドウミラーと国交のあるマクロス世界という世界では最も有名な歌手の1人です。……さて、ではそろそろ本題に入らせて貰いますが、まずは皆様から見て、右側の方をご覧下さい』

 その言葉と共に会場の右側の方へと幾つものライトが当てられ、そこにある存在が露わになる。
 SEED世界から持ち込まれたリニアガン・タンクと、巨大な剣でもある重斬刀。マクロス世界から持ち込まれたナイフ。そして何よりも全高6mを切っている、戦術機に比べれば3分の1程度の大きさのガン・ルゥ改。
 特にガン・ルゥ改に関して言えば、戦術機以外では初めて見る人型――正確には人型とはとても言えないが――の機体であり、シャドウミラーによって改造を加えられ、ミサイルポッドを幾つも身につけているその姿は、見る者にある種の驚愕を覚えさせる。
 それと両腕が武器になっているというのも、色々な意味で珍しいだろう。
 実際、コスト的に考えればマニピュレーターを作るよりも一体化した方が最終的に安く上がるんだよな。
 性能に関して言えば戦術機よりある程度落ちるが、やはりその圧倒的なまでの生産コストと基本的にどんな人物でもパイロットになれるというのは、このマブラヴ世界的に考えると美味しい部分だ。
 戦術機適正の問題でパイロットになれない人物も、ガン・ルゥがあれば通常よりもかなり高い戦力として活躍出来る筈だ。
 戦車と違ってパイロットは1人で済むし、ミサイルポッドを装備している事を考えれば火力的にも戦車に勝るとも劣らない。移動速度に関しても戦車よりも上だ。
 総合的に考えれば、戦車からガン・ルゥに機種転換するだけで人類側の戦力は圧倒的に上がると思われる。
 ただ、ミサイルを撃ちきってしまうとキャノン砲とマシンガンしか武器が無くなってしまうのを考えれば、ミサイルが大量に必要になってくるだろうが。
 それと光線級が敵にいる場合はミサイルがほぼ無力化されると考えると、やっぱりガン・ルゥに機種転換するというのは難しいか?
 陽光でもガン・ルゥ系列は既に生産していないのを考えると、この世界で決定的な戦力となるというのは厳しいだろうな。いや、この世界で予想外にヒットすれば輸出用と割り切って再生産に手を付ける可能性はある、か。
 戦力という意味では、SEED世界のリニアガン・タンクの方がポテンシャル的には上だろう。この世界の戦車と比べれば、その性能は数段階程上の上位互換とも言えるのだから。
 ……ただ、リニアガン・タンクにしろ、ガン・ルゥにしろ、問題なのはこの世界で製造出来ないという事か。特にガン・ルゥを含むKMFは燃料を作る為にエナジーフィラーを輸入しなければいけないしな。
 ちなみにサクラダイトではないのは、この世界の住人の性格を考えると色々と不安要素が大きいからだ。
 日本人や長刀を重視する者達は重斬刀へ、それ以外にもマクロス世界からの品であるアサルトナイフへと視線が向けられている。

『どうやら皆さんの興味を引く事が出来たようですね。ガン・ルゥ改、リニアガン・タンクに関しては、会場の外で実際に試乗も出来るようになっていますので、興味のある方はそちらでどうぞ』

 オウカの声に各国から派遣された者達がざわめく。
 それはオーストラリアの首相でもあるアンディーも同様であり、熱い視線をガン・ルゥやリニアガン・タンクへと向けている。

『さて、では続いて左側です』

 その言葉と共に、左側の方にも明かりが点く。
 そこに並べられていたのは、各種の食料だ。しかも大抵が缶詰やレトルトといった食品であったり、あるいは軍隊で使われているレーション、国家で非常用に備蓄している中でも消費期限が近づいてきている影響もあり、格安で購入した物も多い。
 そして少し離れた場所には、ある意味では今回の目玉商品の1つでもあるバッテリーや推進剤。……しかもどちらもこの世界の戦術機に対応するように改造された物だ。

『これらの食料は、シャドウミラーが国交を持っている世界の中でもネギま世界と呼ばれる世界から多くの提供を受けています。どの食料にしても味については下手な店で食べる料理よりも美味しい品々です。希望者は試食も可能ですので是非どうぞ』

 その言葉が合図だったのだろう。左側から色々な料理のいい匂いが漂ってくる。
 恐らくは円……いや、美砂辺りの演出か。
 料理に関するだけに、千鶴辺りが企んだ可能性もある。
 ちなみにだが、今回のこの試供品の会場には俺達シャドウミラーのメンバーだけで回せる筈も無く、各世界から出向してきて貰っている。
 さすがにこの場で量産型Wのようなヘルメットを被った奴がいても興ざめだし、何より柔軟な対応に問題があるしな。
 ギアス世界からは周香凛や洪古が顔を見せているし、それ以外にもガン・ルゥに詳しい技術者達も連れてきている。……さすがにラクシャータはいないが。
 SEED世界からはキラの姿も。
 マクロス世界からはアサルトナイフの販売元としてL.A.Iがあるので、ルカの姿が。
 で、ネギま世界からはあやか、千鶴、円、美砂の姿がある訳だ。

『それと、左側のコーナーにはもう1つ、今回の目玉とも言えるバッテリーや推進剤もあります。このバッテリーはSEED世界、ネギま世界で使用されているものであり、このマブラヴ世界で使われている物と比べても数段高性能だと言ってもいいでしょう。推進剤に関してはSEED世界のMSと呼ばれている人型機動兵器で使われているもので、このマブラヴ世界で使われている物に比べると、こちらもまた数段上の能力を機体に発揮させる事が出来るでしょう』

 結局、バッテリーや推進剤周りのパーツに関しては最低限のパーツのみを輸出して、後はこのマブラヴ世界での技術発展に頼るという事になった。暫くはこっちのパーツを使う必要があるだろうが、戦術機を開発したポテンシャルがあれば恐らく近い内にパーツもどうにか出来るだろうという判断から。
 それに今回並べられているように、完成形の品を見せればそこまで到着するのは難しく無い筈だ。

『では、皆さん。是非シャドウミラー、あるいは異世界の技術について存分にご堪能下さい』

 オウカのその言葉と共に、会場全体へと明かりが点灯する。
 それを合図にして、それぞれが自分の気になる場所へと向かって行く。
 やはりと言うか、当然と言うべきか、軍人や政治家の多くが右側のブース……それも、ガン・ルゥとリニアガン・タンクの方へと流れており、アサルトナイフや重斬刀の方へもそれなりに人が流れている。
 かと言って、左側のブースに人が集まっていないかと言われれば答えは否であり、企業のお偉いさんといった面子がネギま世界から持ってこられたレトルト食品に舌鼓を打っている。
 バッテリーや推進剤の方にしても技術者と思しき者達が多く集まっており、シャドウミラーの技術班から引っ張ってこられたマードックを含め質問に答えていた。
 ちなみに何故マードックが引っ張ってこられたかと言えば、SEED世界出身だからというのが大きい。実際にストライクやブリッツを運用している時にその面倒を見ていたから、バッテリー関係を含めて経験や知識はかなりの物がある上に、シャドウミラーの技術班として多種多様な技術を習得してもいるしな。
 だが、マードックは基本的に技術者であり、人当たりの類はそれ程いいとは言えない。……ぶっきらぼうな所があるしな。それでも一応どうにか説明が出来ているの辺り、シャドウミラーでの成果でもあるのだろう。

「……ん?」

 そして、ふと気が付く。どこからか俺へとじっと送られている視線。
 いや、視線自体はそれ程珍しいものではない。会場中に各国家から派遣されてきた人員達が散らばっているとは言っても、俺には無数の視線が向けられているのが分かるのだから。
 何しろ、こう見えてもシャドウミラーの代表だ。色々と思うところがあるのは当然だろうし、ある種の欲望の視線や畏怖や恐怖の視線を感じるのも事実だ。
 だが、その中で1つ。どちらかと言えば恐怖に近いのだが、どこか興味深い存在へと向けるような、ある種自分の仲間へと向けるような……そんな複雑な感情を宿した視線。
 その視線が気になってそちらへと視線を向けると、そこには10歳程に見える少女の姿が。
 どんな理由があるのか、頭にウサギの耳のような飾りを付けている。

『……』

 俺と視線があうとビクリと固まり、次の瞬間には近くにある柱の陰へと身を隠し……そっと頭だけを出しては俺へと視線を向け、再び視線が合うと柱の陰に隠れ、再び顔を出すという仕草を数回続ける。
 どうするか迷ったものの、結局はこのままにしておいても周囲に入らない騒ぎを巻き起こすだろうと――今の状態でも既に何人かが少女へと興味深い視線を向けている――判断し、柱へと向かって近づいていくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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