戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第十話 一戸大尉!日舞は日本起源!その十五
「プロレスに戻れよな」
「手前には報道は合わねえよ」
こう言いつつだ、神宮の本殿の前に来るとだ。既に一戸が待っていた。
そしてだ、二人に対してこう言って来た。
「ではだ」
「ああ、今からな」
「はじめようか」
早速返した二人だった。
「今回の勝負もな」
「俺達の勝ちだぜ」
「おそらく君達は日舞は知らないな」
「ああ、全くな」
「そんなのやったこともないぜ」
「しかしな、俺達のこのパワードスーツはな」
「ダンス機能もあるんだよ」
今この瞬間に生まれた設定である。
「フォークダンスも社交界ダンスもジャズダンスも何でも出来るぜ」
「ツイストだってバレエだってな」
「それこそトロカデロにだって負けないぜ」
「ボリショイ歌劇場にも呼ばれる位だからな」
実に素晴らしい機能だ、今この瞬間に咄嗟に付け加えただけはある。
「日舞だってだよ」
「平気で踊れるぜ」
「それこそ坂東玉三郎さんにも負けないぜ」
「あの人の藤娘にだってな」
玉三郎さんの女形はまさに美の極みだ、三島由紀夫が絶賛しただけはある。それは舞においても同じだ。
「だからあんたにも勝つぜ」
「あんたにも負けないぜ」
「わかった、素晴らしい機能だ」
ジャスティスカイザーの機能はその場その場でストーリーの展開に都合のいいものが加わる、それでなのだ。
「では戦おう」
「よし、それじゃあな」
「踊るか」
「我が舞を見るのだ」
こう応えてだ、そしてだった。
一戸とジャスティスカイザーは日舞の勝負に入った、だが。
一戸のそれは見事だ、その舞を見てだった。
西宮神宮に来ていた観衆も全世界のマスコミもだ、誰もがだった。唸ってそのうえでこう感嘆の言葉を漏らした。
「何と・・・・・・」
「これは素晴らしい」
「これが誠の舞か」
「真の日舞なのか」
こう言って感嘆の言葉を漏らした、そして。
ネットでもだ、ニコニコ動画等で次々に書き込まれていった。
「すげえ・・・・・・」
「一戸大尉ぱねえっす」
「玉三郎に匹敵するな」
「ああ、本当の舞だよ」
「本当の日舞だよ」
こう書き込まれていく、そして。
ジャスティスカイザーも舞う、だが。
彼等のその舞を見てだ、誰もが言い合った。
「どう見ても負けてるな」
「ああ、相手になってないな」
「やっぱり大尉の方が上だぜ」
「あの人には誰も負けるぜ」
「勝てる筈がないぜ」
それでだった、誰もがだ。
勝敗が決したと見た、だが。
ここで終わるジャスティスカイザーではない、戦局を見る目は備わっている。それで舞いながら二人で囁くのだった。
「おい、ここはな」
「ああ、このままだとな」
「負けるぜ、俺達」
「こうした時はな」
「いつものやり方で行くか」
「必殺技だな」
「秘策を出すぞ」
こう話してだ、そしてだった。
二人は舞う時にだ、その手に持っている扇を。
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