俺が愛した幻想郷
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俺は愛せる? 幻想郷...
俺の名前は....
第七話 ×××
前書き
始業式早々頭が痛いうp主妹紅です
そろそろ終期が近いのでしょうね(人生の)
冗談です
ちょっとやりたいことがありまして
後書きで次回予告とかやりたいなぁなんて
あの、毎話毎話キャラが変わる
例えば今回の次回予告では紫、次は藍
みたいな
で、なんか日常生活の何かを言いながらも次回予告的な感じの
言わば『らき☆すた』の次回予告みたいな(かなり具体的)
まぁ結局のところそれは無理ですね
後書きでは他のこと書いてるので。今更感が半端じゃないですが
さて、本編どぞ
布団の中でぬくぬくと暖かみを感じている。つまりは自分の神経を感じさせる状態になった、目が覚めたと言うことだ
カーテンやらなにやらを閉めないで寝ていたのだが。寝る前は明るかった、だが今は部屋が暗くて何も見えない。電気を付けたいのだが何処にスイッチがあるかわからない。況してや暗い、何も見えない。どうすることもできない... 目がこの暗闇に慣れるのを待つか
それにしても妙に暖かい。自分、寒がりなところがあるので布団全体が暖まることはないのだが、それも下のほう。まるで足に湯たんぽでも置いているような
そこまで時間がかかるわけでもない
目が直ぐに慣れた
布団から出て立ち上がり、周りを確認した。よく見れば真上に丸い蛍光灯があるではないか。垂れている紐を引っ張り、カチリとスイッチを鳴らしたのだが.... 何故か電気は付かない
大元のスイッチが入ってないのだろうか? 多分それなら襖の近くにあるはずだ
襖の近くへ行き、壁を見る。でっかくスイッチとマッキーペンか何かで書かれてそこからスイッチに向けて矢印も書かれていた。パチリと言う明るい音を鳴らしてON、OFFが入れ替わった
部屋が明かりに満ちる。暗闇に慣れていた目だ。めちゃくちゃ眩しい
「なんで部屋の壁に書いたかな...」
せめて紙に書いてその紙を貼っとくとかしなよ... 後で拭いておくかな。油性じゃないだろうな? 俺の部屋になるんだからそれくらいなら良いと思う
ふと、先ほどまで眠っていた布団に目が行った。何故か... そうだな。普通、人が入っていない状態の布団は盛り上がっていないよな? たとえ空気が入ってたとしても、空気は抜ける。ぺったんこにはならないとしても、盛り上がりはしないだろう。今までの電気を付ける件を考えるとする、空気はとっくに抜けていても可笑しくない。なら、ならどうして... 布団は盛り上がっているのだっ!! しかも、下のほうだ。俺が寝ている状態だとかんがえるなら丁度膝辺りだ
んっ!?
次は枕元に目をやった。すると何かに気づいた
緑色の小さな帽子... 天辺に二つの穴
そう、それは耳を、猫耳を出すくらい穴だ
「なんで"橙"が俺の布団に居るんだよっ!!」
なんだあれか、猫は炬燵で丸くなるのあれか
炬燵あるよっ!? ましてや俺が寝る前にあなたはそこに居たんじゃないのっ!?
あ〜もうなんか良いや
確認のため、布団の下のほうから掛け布団に隙間を作って出来るだけ冷たい空気が入らないように覗き混んで見た
茶色の髪にこげ茶の猫耳をした小さな女の子が自分の尻尾を咥えて寝てるではありませんか
やっぱり橙だった....
そのとき、全然関係ないが。今までの流れと全然関係ないが。自分にある信号が届いた
「お腹空いたな...」
そりゃそうだ
幾ら一日の半分を寝て過ごしたとしても、みかんを五個とちょっと食べたくらいじゃ腹は減る。みかんが好きとはいえ、もう今日は食べたいとは思わないが
とりあえず居間に向かうとする。まだこの時間だ起きているだろう
時刻は二十一時を回っていた
■■■
俺の部屋から居間までは結構長い距離だ。あくまでも家の中と考えたらだ。そんな、東京ドーム一周分あるとかでは・・・・あるかもしれないな...
まぁそこは良いとして長いのだ
俺の部屋は二階にあるため、とりあえずは長い階段を下る。その次に待って居るのは長い廊下。そして最後の難関... 迷いの襖開けだ、これに慣れるのには時間が入りそうだな
居間に近づくに連れて話し声が聞こえてくる
紫と藍さんだ。やはりまだ起きていた
だが、居間に近づくに連れて.... 紫と藍さんの会話がよく聞こえるようになるに連れて
俺の歩く速度は遅くなっていった
そもそも、拒絶しているようだった。自分でそうしているわけでもないのに。俺の足が勝手に、俺の感情が勝手に、俺の脳が勝手に....
なんでって... 聞きたくないからだろう
聞きたくない話をしているんだ
俺が絶対に聞きたくなかった話
ここまで来て、幻想郷に来て。なんでこの話を聞かなければならないのだ.... そう言う話だ
一つ例を挙げるなら
「あの子は×××が無いのよ」
「××が居なくて」
「×××がつけられなかった」
ちっ.....
向こう側、襖の向こう側には居る。この襖を開ければ、俺の聞きたくない話をしている紫がいる
そんな紫に向けてなのか... それとのただ襖を開けたくない、恐れているだけなのか
軽く舌打ちをしたのだった
そして身体の向きを真逆に変え
逃げるように来た道を戻った
わかり辛いはずの襖地獄、長いはずの廊下、長いはずの階段が短く感じた
何も、長い廊下や長い階段に憂鬱を感じなかったからだ
■■■
明日になれば、せめて明日になって、朝になれば
この話をしていた紫を許せるかもしれない
むしろ許さなければいけない
そう思った俺は、橙が丸くなっている俺の布団に何も言わずに入った
電気を消すことも忘れて... だが人間は素直だ眩しさは忘れられない。腕を目に乗せて、眩しさを隠した
なんで紫が... なんで紫が知ってんだよ
意味わかんねぇよもう
だから嫌なのに、だから嫌だったのに。あの世界が...
ふと、身体を登る暖かい何かを感じた
地味にくすぐったい
橙か...
「どうしたんですか?」
突っ伏してる、顔を隠している俺...... "僕"にそう言った橙
何も答えないでずっと突っ伏してる僕
「心臓が踊ってますよ? 跳ねてますよ〜♪」
例えが面白いこと...
「....落ち着いてない。そう言いたいの...かな?」
「そうですっ!それですっ♪」
そりゃ...落ち着けるわけがない
あんなもの聞いた後じゃ...
「なぁ橙... 君は"僕"の弱味を笑って流してくれるか? あの優しい笑顔で。笑って流してくれるか? 泣いても、喚いても、叫んでも... 」
黙っている橙。何があったのか
そう思い、腕を目から退かして橙の顔を見た
笑顔で俺を見ている。そして俺が橙を見たことをわかってからコクリと頷いた
「橙... その名前は誰に付けて貰った名前?」
「大切な人です。藍様、紫様、どちらに付けられたかは私もわかりません... でも、どちらに付けられても。大切な人です♪ だって、藍様も紫様も大切な人だから、私を育ててくれたから」
いつもの笑顔とは違う... 優しい笑顔の橙はそう言った。俺にはその言葉が少し辛かったのかもしれない... 何処が辛かったのかは和えて言わない
ただ、辛かったのだ。それだけ
「よかったなぁ〜... 橙〜 優しい人に囲まれたんだ。幻想郷で産まれたんだ」
橙の頬をぷにぷにと弄る、ありったけの笑顔で弄る...
「あれ? なんで泣いてるんですか? もしかしてっ! 私...そんなに重かったですか?」
ううん。首を振った
何泣いてんだよ俺。小さい子、ましてや女の子を前にして。何泣いてんだよ
橙が悲しそうに、心配そうに。俺の顔を覗き込んだ
「何かあったんですか? 私で良ければお話してください... 辛いのなら吐き出した方が楽になりますよ?」
小さい子に何慰められてんだ俺
泣いた挙句に何慰められてんだ
「俺は... "名前が"無いんだ」
後書き
橙は呆然と、え.... と言う顔で俺を見ているだけだった
そりゃそんな顔になるわな
泣きたいよ... いや、もう泣いてたよ
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