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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0842話

 5個軍団規模のBETAがアラビア半島へと襲撃。その報告を聞いた国連総会の会議場は、瞬時にざわめきに包まれる。
 それでも混乱して騒いでいるのではなく、何とか対応出来るように近くにいる相手と相談している辺り、さすがに1国の代表と言うべきだろう。……まぁ、中には混乱して見苦しく騒いでいるような者もいるが。
 だが、それも無理はない。通常の軍団規模が3万匹以上。それが5個軍団ともなれば、最低でも15万匹のBETAの群れだ。その戦力はこの世界の軍人にしてみれば絶望的と言ってもいい。
 そして何よりも問題なのが、BETAが現れたのがアラビア半島だということだ。このアラビア半島はBETAをアフリカへと入れないための絶対防衛線に近い。もしもこのアラビア半島をBETA達の手に落とされた場合、それは次にアフリカがBETAとの戦場になる事を意味している。
 一応スエズ運河にも戦力はあるらしいが……アラビア半島を落とされて、すぐにそこで防衛線を敷けるかと言われれば疑問だろう。
 現在のアフリカはこの世界でも有数のレアメタル、レアアースの生産地点でもあるし、ドイツやフランスといった国々の租借地もある。
 簡単に言えば、もしアフリカがBETAの手に落ちてしまった場合、この世界の滅亡までのカウントダウンはあっという間に短縮されてしまう訳だ。
 それを思えばこの騒ぎになるのもおかしくない。
 おかしくはないが……これは、ある意味では俺達の、シャドウミラーの戦力がどれ程のものなのかを示す絶好の機会でもある。
 普通ならニューヨークからアフリカまで戦力を派遣するには、どんなに急いでも半日程度は掛かるだろう。それも、極少数という限定でだ。
 だが俺達シャドウミラーとなると話は別だ。俺のニーズヘッグに搭載されているシステムXNがあれば……いや、違うな。確かにそれもありだが、この場合はシステムXNを使える機体を数多く揃えておくのに越した事は無い。
 即ち、ニヴルヘイムの出番だ。
 けど、そうなると問題もある。結局ニヴルヘイムの指揮官はまだ決まっていない。いないんだが……しょうがない、取りあえずはエザリアに頼むとしよう。SEED世界でも戦争の指揮を執っていたんだし、最低限の指揮は執れるだろう。それにニヴルヘイムの役目は前線における絶対に安全だという場所だ。取りあえず今回の戦争では防衛に専念して貰えば、何とかなると思う。
 攻撃に関しては、別途通信で指示していけば問題は無いしな。
 とは言っても、シロガネだけでは戦力が絶対的に足りない以上、一度ホワイトスターに戻ってメギロートやイルメヤ、量産型Wやシャドウを補充する必要はあるな。これらの事を考えると……
 まだ量産されてからそれ程経っていないイルメヤはともかく、数の多いメギロートとパイロットが必要なシャドウはある程度時間が必要。それを集めている時間はこっちには無いが、それをニヴルヘイムに満載にして転移してきて貰うのがベストか。
 シロガネにそれらを積み込んでいてはアラビア半島が落ちてしまう可能性が高いし、何よりどれだけ積み込んでも全ての機体を積み込める訳じゃないしな。
 頭の中で素早く考えを纏めると、未だに怒号と悲鳴飛び交う国連総会の会場の中、上空へと向かって再び炎の塊を作り上げる。
 轟っ、という音と共に爆発したその白炎の炎は、熱さは30℃という超低温の炎と言っても過言では無かった。

『……』

 だが、幾ら温度が低い炎で火傷の類も心配はいらないといっても、突然その炎を見た者が驚かない筈も無く、ましてやその炎の危険性が無いのを知っているのは俺だけだ。それ故に会場内は再び静まりかえる。

「さて、皆が落ち着いたところで話を続けさせて貰おうか」
「ふざけるな! 今はお前達の話を聞いているような時間など!」

 そんな声が聞こえてくるが、それを無視して話を続ける。

「元々の予定では、俺の話が終わった後にシャドウミラーの戦力としてその旗艦と幹部の乗っている主要な機体を紹介する筈だった」

 その言葉だけで鋭い者は俺が何を言い出すのかを理解したのだろう。話を聞いている者の2割程の人物がその目に希望の光を浮かべる。
 この言葉だけで俺の言いたい事を察するのがこれ程の人数出るとはな。さすがに一国を代表している者達の集まりと言うべきか。

「どうやら既に俺の言いたい事を理解している者も多いようだな。……どうせ俺達の戦力をその目で確認するのなら、ただ映像でどのような機体を所持しているのかを眺めるだけではなく、実際にBETAとの戦闘シーンを見てみるのが最良だとは思わないか?」
「で、ですが! 確かに貴方達シャドウミラーの戦力であれば5個軍団規模のBETAに対抗出来るというのは分かります。しかし、そもそもここからアラビア半島までの距離を考えると、援軍として間に合うかどうかは別問題では……」

 今まで俺の隣にいて話を聞いていたオーストラリアの代表が慌てたようにそう告げる。
 俺達が最初に接触したオーストラリアの人員で、あの演習の映像やゲート周辺での出来事を知っているからこその言葉なのだろう。
 それは間違ってはいない。……そう、間違ってはいないのだ。ただし、それが普通にシロガネで移動するという前提であれば、の話だが。

「忘れている訳ではないと思うが、俺達シャドウミラーは異世界へと転移してこのマブラヴ世界にやってきた。……その俺達が、何故同一世界間で転移出来ないと思う?」

 その言葉を口にした瞬間、会議場の中はシン、とした静寂へと包まれる。
 そして、そのまま数秒。やがて恐る恐るといった様子で俺の隣にいるオーストラリアの代表が口を開く。

「それは……もしかして、シャドウミラーでは好きな場所に転移出来るという事ですか?」
「そうだ。だが、勿論どんな機体にも積まれているという訳では無い」

 何しろ制御システム的な問題があって、現状でも積まれているのはニーズヘッグとニヴルヘイムだけだ。……シロガネ辺りには積み込んでもいいと思うんだが。
 ともあれ、量産型システムXNを寄越せと言われてもシャドウミラーの最高機密の1つである以上渡せる訳がないので、念を押しておく。

「そして、転移装置……システムXNが使える以上は、ここからアラビア半島までは一瞬だ。……勿論、BETAとの大規模な戦いになる以上、一度俺達の本拠地でもあるホワイトスターに戻って戦力を補充する必要はあるが、それでもアラビア半島までは1時間も掛からずに到着するだろう。……そこで、提案だ。本来であれば俺達シャドウミラーは傭兵的な仕事も考えていたのだが、今回は特別に無料でアラビア半島へ救助に向かってやろう。それを許容するかどうかを国連総会の総意として決めてくれ」

 その言葉に、国連事務総長が数名の人物と相談して数分程度で採決をする事が決定する。
 現状を考えれば時間が無い以上、当然の判断ではある。
 そして結果は……こちらは完全に予想外。何故か俺達の援軍に対して反対する国家が数ヶ国存在していた。
 まぁ、それでも圧倒的多数で俺達のアラビア半島への援軍が決まり、早速行動に移そうとしたところで、何故かアメリカの大統領でもあるビルが姿を現して発言を求める。

「アクセル代表、もしよければアラビア半島への援軍には希望者を連れて行って貰えないだろうか? 観戦武官的な意味もあるし、何よりも君達シャドウミラーの実力をその目できちんと確認したいと思っている者も多い筈だ」

 なるほど、そう来たか。この機会に少しでも俺達シャドウミラーの戦力や内情をその目で確認したいといったところなのだろう。
 確かにそれはそれで悪くない。俺達の力を誤魔化しも何も無く見せつける事が出来れば、これから交渉をする際の大きなアドバンテージになるしな。

「軍事機密も多い以上、自由に出歩いたりは出来ないが?」
「構わないよ。こちらとしてもそれだけの覚悟を持っている者だけに限定させてもらうからね」
「待って貰いたい! アメリカが観戦武官を出すというのであれば、シャドウミラーと一番深い付き合いをしている私達からも!」

 オーストラリアの代表がそう告げると、次々に他の国々が我も我もとばかりに立候補してくる。
 その様子に小さく溜息を吐いてから口を開く。

「分かった。ただし行動の自由は著しく制限されるし、それを破った場合は問答無用で射殺されるかもしれない。何より戦場へと向かう以上は命の危険がある。それを理解した上でなら付いてくる事を許可しよう。希望者は10分後までにこのビルのロビーに集合しろ」

 それだけを告げ、その言葉に大慌てで自分達の国から出す人員を選んでいる者達を横目に、俺は会議場を後にする。
 向かうのは勿論控え室だ。
 歩くのも面倒くさいと、会議室から出たところで影のゲートを展開し、そのまま控え室へと姿を現す。
 観賞用の植物の陰から姿を現すが、既に予想していたのだろう。部屋の中にいたエザリアとレオンは特に驚くでもなくこちらへと近寄ってくる。
 ……いや、レオンは若干表情が引き攣っているな。
 まぁ、魔法に関しては色々と嫌な思い出があるんだし、しょうがないか。

「アクセル、放送は見ていたわ。いいのね? このままこの世界に協力すれば、恐らくこれからも済し崩し的に関わる事になるわよ?」
「確かに。G元素という要素だけでは若干弱いような気がしますね」

 エザリアの言葉にレオンが頷いて言葉を続ける。

「確かにそうかもしれないが、取りあえずBETAとは一戦してみたかったしな。データだけでなく、実際に戦ってみたい。生きたBETAも数種類捕獲して調べてみたい」
「……確かにリターンは大きいですが、その分リスクも大きいですよ? 特にシロガネに受け入れた各国の観戦武官。これは正直やり過ぎかと」

 数秒程考えた後でそう口にするレオンだが、それには首を横に振る。

「いや、観戦武官を受け入れるのはシロガネじゃない。……ニヴルヘイムだ」
「っ!? ニヴルヘイムを出す気!?」

 驚きの表情を浮かべるエザリアに頷き、じっとその顔を見つめながら口を開く。

「そして取りあえず今回だけの臨時ではあるが、ニヴルヘイムの司令官はエザリアに任せる」
「本気!?」

 さすがにこれは予想外だったのだろう。エザリアが思わずといった様子で再度叫ぶが、頷きを返す。

「悪いが、他に人がいないんだよ。シロガネを出さないのならマリューでも良かったけど、敵の数が多い以上はシロガネは重要な戦力だ」

 シロガネの装備しているスパイダーネットはイルメヤの物よりも強力で、尚且つ広範囲に発射する事が出来る。ホーミングミサイルと連装副砲に関しては実弾なので光線級に迎撃されるだろうが、多重連装ビーム砲や連装衝撃砲はかなりの数のBETAを纏めて消滅させられるだろうし、対空ビームバルカンにしたって一応対空と名前は付いているが下方向に射角を取ることも可能だ。
 そして何よりもグラビティ・バスター。拡散型は超広範囲に攻撃可能であり、収束型は収束型でBETAの群れの奥深くにいるだろう光線級や重光線級に対しても攻撃が可能なのだから。
 それらを説明し、最後に一言付け加える。

「エザリア、お前はSEED世界でも一応戦争の指揮を執っていただろう?」
「それはそうだけど……」
「安心しろ。ニヴルヘイムは防御を固めてくれていればいい。攻撃に関してはその都度通信で指示をするから、それに従ってくれ」
「……」

 数秒程悩んだ後、ようやくエザリアが頷く。

「分かったわ。一応聞いて置くけど、今回だけなのよね? このまま済し崩しに私にニヴルヘイムの指揮を執れとかは言わないわよね?」
「今回だけかどうかは分からないが、ニヴルヘイムの指揮官を探すというのは約束する」
「……分かったわ」

 小さく溜息を吐き、観念して頷いたエザリア。
 その次に、レオンへと視線を向ける。

「私はどうすれば?」
「お前はここに居残りだ。一応後で量産型Wを1人こっちに送るから、それを引き連れてシャドウミラーの外交官として活動しろ」
「そうですね。確かに私が現場に行っても何も役に立ちませんし。それで構いません」

 レオンが俺の言葉にあっさりと頷いたのには、ちょっと驚いた。
 この場に残していくというのは、一種の人質役でもあるんだが。
 まぁ、大人しく残るのならそれでいいか。
 この場にレオンを残し、俺とエザリアはロビーへと出る。
 既にそこには色々な人種の、20人近い軍人の姿が。
 その面子へと向かって叫ぶ。

「シャドウミラーと行動を共にする奴はこっちに集まれ! すぐにシロガネに向かうぞ!」

 そうして集まってきた連中に、有無を言わせず影のゲートを作り出すと、そこへと沈んでいく。
 周囲には軍人達の上げる悲鳴が響いていたり、あるいは周囲でこちらの様子を窺っていた者の驚愕の声が響いていたが……それは特に気にする事無く、影のゲートへとその身を完全に沈めるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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