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レインボークラウン

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第百八十七話

             第百八十七話  博士の好きな飲みもの
 天本博士は今日もワインを飲んでいる、ただしよく飲む赤ではなく白だ。
 その白ワインに生牡蠣を楽しみながらだ、こう小田切君に言うのだった。
「やはり牡蠣にはじゃ」
「白ワインですか」
「洋酒はな」
 これだというのだ。
「若しくはシャンパンじゃな」
「その組み合わせがですね」
「一番じゃ」 
 こう言うのだ。
「牡蠣にはな」
「それも生だとですね」
「和食になると日本酒じゃがな」
 博士は和食も好きなのだ、刺身や天麩羅、豆腐に枝豆といったものを肴にして飲むことも結構多かったりする。
「洋風だとな」
「海の幸は白ワインかシャンパンですね」
「それに限る、それでじゃが」
「はい、あと牡蠣にかけるものは」
「洋風だとレモンと酢じゃな」
 この二つで味付けをしてなのだ。
「塩も必要じゃ」
「シンプルにですね」
「左様、そしてな」
「和風だとですね」
「ぽん酢か刺身醤油に山葵じゃ」
 博士はこちらについても結構細かくいうのだった。
「そして日本酒の清酒じゃ」
「それも冷やですよね」
「熱燗も好きじゃがな」
「生牡蠣の時はですね」
「冷やに限る」
 ここに博士のこだわりがあった。
「やはりな」
「僕は梅酒ですけれど、洋風だとビールで」
 小田切君はこちらだった。
「そこはそれぞれですね」
「そうじゃな、では今はな」
「はい、白ワインですね」
「もう一本持って来てくれるか」
「わかりました、じゃあ僕もビールを」
 自分が飲むものも持って来ると言う小田切君だった。
「持って来ますね」
「ビールか」
「はい、駄目でしょうか」
「前から思っておったがな」
 ここで博士は小田切君にビールについて話した。
「長い話になるぞ」
「じゃあ牡蠣とお酒を楽しみながら」
「ちょっと話させてもらう」
 こう前置きしてだった、そのうえで話しはじめた。小田切君が持って来た白ワインはもう博士が自分で空けている。


第百八十七話   完


                               2014・11・24 
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