転生とらぶる
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マブラヴ
0840話
北太平洋でアメリカ軍の艦隊の出迎えを受けロサンゼルス上空へと到着し、そこから今度は戦術機を詰んだ輸送機の護衛を受けながらアメリカ大陸を横断する形でニューヨークへと到着する。
尚、戦術機を輸送していた大型機は、輸送機として考えてもかなりでかい。シロガネのコンピュータによる分析だと、全長84m、全幅88m、全高18m程だとか。
シロガネの約7分の1、と言えばその大きさが分かるだろう。
ただ、この輸送機の艦長はジョージ程に頭が柔らかい訳ではないらしく、こちらとの通信も必要最小限だった。
もっとも、別に俺達に対して何らかの悪意を抱いている訳ではないのは、その短い会話からでも分かったが。
元々が無口な質らしい。
その辺については、アメリカ軍の方でも十分に考えた人材だったのだろう。
それでもシロガネを見ても特に驚きを表情に表さなかったのは有能な証か。
ともあれ、マンハッタン島にある国連本部ビル近くの飛行場へと到着した俺達シャドウミラー一行の主な面子は、アメリカ軍のお偉方や政治家、そして大統領に出迎えられる形でシロガネの外へと出る。
「シャドウミラーの皆、ようこそアメリカへ。私達は君達を歓迎するよ」
そう告げながら1歩前に出てきたのは50代程の、良く言えば精力的な……悪く言えば野心的な目をした白人の男。この男が誰なのかは、さすがにマブラヴ世界の情報を集めたので知っていた。
差し出された手を握り返し、口を開く。
「シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。よろしく頼む、ビル・レーガン大統領」
「おや、私の名前を知っていたのかい? この世界に姿を現してからはずっとオーストラリアに籠もりっぱなしだったから、てっきり私の事なぞ知らないと思っていたよ」
チクリとした牽制。
自分達アメリカこそがこの世界の盟主なのだから、オーストラリアよりも自分達へと先に挨拶に来るべき、と暗に言ってるのだろう。事実、俺が調べた限りではこのビルという男はアメリカこそが世界の中心であり、盟主であると判断しているような行動が見え隠れしている。
もっとも、それが悪い事だとは言わない。事実、BETAに人類全滅の危機にまで追い込まれても、この世界では一致団結を……表向きですらも出来ていない。それを思えば、どこかの強国が無理矢理にでも世界を纏めるというのは中々いい方針ではある。
……ただし、時間が足りなさすぎた。既に現状でアメリカが世界を纏めたとしても、余程の何かが無ければBETAに勝つ事は出来ないだろう。
そして何よりこいつの失敗は、俺達シャドウミラーを国連の支配下に置こうとする為のロビー活動を行っていた事だ。
つまり、マブラヴ世界だけではなく俺達シャドウミラーすらもその手に握らんとしているのだが、さすがにそれは看過出来ない。
もし実際にそれを行動へと移そうとした時に何が起きるのかは……さて、どうなるんだろうな。
そもそも、オーストラリアに籠もりっぱなしと言うが、殆どの時間はホワイトスターに戻っていたのであって、オーストラリアにいた時間は数える程でしかない。
マイク経由でこちらの動きを探っていたんだから、その程度知らない筈が無いだろうに。
「オーストラリアは色々と便利な場所ではあるからな。確かにベストではないが、ベターではあると思っている」
「そうかい? 出来れば私としてはベストの土地を選んで欲しかったんだけどね。……まぁ、いい。それよりもそろそろ国連に向かっても構わないかな? 正直な話、私としては君達が乗ってきた空中戦艦に非常に興味があるんだが……」
「言うまでも無いが、このシロガネは俺達シャドウミラーの旗艦であり、同時に最高機密の1つでもある。それを理解した上で行動して欲しい。俺としても、この世界の人類と……否、特定の国とわざわざ敵対したいとは思わないからな」
「なるほど、君達の言いたい事は分かる。だが、ここはアメリカだ。君達の身の安全は私達が責任を持つ事になるんだよ」
澄ました表情でそう告げたビルは、後ろにいる顔の半分を白い髭で覆われた軍人が通信機で何かを告げると、俺達をここまでエスコートしてきた輸送機から戦術機が発進してくる。
青い装甲を持つという点ではF-18Eに近いが、その姿はF-15の物だ。いや、こちらで得た戦術機の情報を考えれば、これこそが最強の第2世代戦術機と言われているF-15E、ストライクイーグルなのだろう。
向こうにしてもこちらに本気で喧嘩を売るつもりはないらしく、シロガネから大分距離を取っており、内部よりも外部を警戒している。……少なくても外面は、だが。
そんな行動をしつつも、何かあればその銃口がこちらへと向けられるのは間違いないだろう。
「こちらの身の安全に関して全く心配はいらないけどな。この世界の技術レベルではどうあってもシャドウミラーの機体をどうこう出来る筈もないし。……レモン」
「はいはい、メギロートだけでいいわね?」
「ああ。イルメヤに関してはこの場での護衛には向いてないだろうからな」
俺の言葉に頷くと、手元の通信機でシロガネ内部へと指示を出す。
すると次の瞬間、シロガネから20機程のメギロートが姿を現し、シロガネの周囲へと散らばっていく。
「……あれは確か……」
オーストラリアからの情報でメギロートを知っていたのだろう。ビルを始めとしたアメリカの政治家や軍人達が大きく目を見開く。
「どうやら知ってる奴もいるようだが、俺達シャドウミラーの戦力でもあるメギロートだ。F-15CやF-18を圧倒する戦闘力を持っているが、シロガネに対して迂闊に近づいてこなければ問題は無い」
「……なるほど。いや、シャドウミラーは素晴らしい技術を持っているね。無人機をこれ程有効に活用できるとは」
俺の言葉に一拍の間を置き、ビルは笑みを浮かべてそう告げる。
ただ、その一拍というのが何を思っての事なのか。……その辺は追々分かるだろう。
「では早速だが国連本部ビルの方へと案内したいのだが、前もって聞いてる話だとアクセル代表の他にも何人か行くとか?」
「ああ、エザリア、レオン。それと2人の護衛でもある量産型Wだ」
その言葉に、エザリアとレオンが前に出て、シロガネの中から量産型Wが姿を現す。顔全体をヘルメットで覆っているという量産型Wに、アメリカの政治家や軍人達は再び驚きに目を見張り、ざわめきが聞こえてくる。
「アクセル代表。……いや、親しみを込めてアクセルと呼んでも?」
ビルの言葉に頷くと、それに小さく笑みを浮かべて言葉を続ける。
「それでアクセル。その、量産型Wというのはあのヘルメットを被っている者達という認識でいいのかな?」
「ああ。俺達シャドウミラーの主戦力の1つでもある、量産型W。いわゆる人型の機械だと思って貰えばいい」
「人型の、機械? とても機械のようには見えないが?」
「身体はな。どうしても顔の辺りの機械は収める事が出来なくて、だからこそああいうヘルメットを被っている訳だ」
もっとも、あのヘルメット自体シャドウミラーの技術で作られている以上は色々な意味で高性能なのだが。
「……ほう。それは気になるな。出来ればその辺の話も聞かせて貰いたいところだが、残念ながら国連本部ビルの方にそろそろ向かわなくてはいけないんだ。……それでアクセル。国連での話が終わった後でシャドウミラーの戦力を見せて貰えるという話を聞いているが、そちらの準備は?」
「問題無い。派手なデモンストレーションになる事は保証するよ」
特に特機の存在が無いこの世界では、トリニティゲイン、ヴァイサーガ、量産型ヴァルシオン改辺りを見たら、間違いなく驚くだろう。
いや、今の様子を見る限りではメギロートやイルメヤが空を飛んでいる限りでも十分すぎる程向こうの度肝を抜いているような感じだが。
「なるほど、その顔を見ると自信はあるようだね。……では、早速だけど国連本部ビルへ向かおう。エスコートは任せて欲しい。こちらで車を準備してあるからね」
ビルの言葉にタイミングを合わせるように、黒塗りのな頑丈そうな車が姿を現す。
……何と言うか、このゴツさはどちらかと言えば軍用車に近いんじゃないか?
「残念だが、最近はニューヨークでも色々と物騒でね。私が外出する時はこのくらいの車は必要なんだよ。……さぁ」
大統領のSPが車のドアを開け、ビルが乗るのを促してくる。
「マリュー、シロガネの方は任せたぞ。通信で聞いているだろうが……」
「ええ、何かあったらシャドウミラーの実力をこの世界の人達に対して見せつける事になるでしょうね」
意図的にビルの前でそう発言する。
ある意味では牽制とも言える一言だが、向こうにしてもそのくらいは分かっているのだろう。特に表情を変えず、笑顔のまま口を開く。
「何、それ程警戒する必要は無いよ。君達と私達は同じ旗の下で戦う事になるのだから」
「……さて、どうだろうな。言っておくが、俺達はこの世界に対しての興味は多少ある程度でしかない。何かを強制するような真似や、国連の指揮下に入れと言った言葉には従えないぞ。それを強制するようなら、この世界はBETAではなく俺達の手で滅ぼす事になるだろう。その辺を理解した上で言動には気をつけるんだな」
車に乗り込もうとした動きを止め、ビルへと言葉を返す。
そして身体から発せられた僅かな殺気。
だが、俺にとっては僅かな殺気でしかなかったが、俺達を出迎えに来たアメリカ政府の要人や軍人、護衛のSPにとっては違ったのだろう。殆どの者が顔から汗を吹き出しつつ、知らず知らずのうちに身体が恐怖で震えている。
「アクセル、あまり怯えさせないようにね」
外交担当であるエザリアの言葉に殺気を収めるが、何故かその隣ではレオンもまた他の者達と同じく顔から大量の汗を拭きだしていた。
この辺が最近加わったばかりのレオンとエザリアの違いか。
一応エザリアも多少ではあるが身体を鍛えているらしいが……それはあくまでも護身術程度のものだ。
魔法に関しても初級的な内容しか使えないらしいし。
ともあれエザリアの言葉で殺気を収めた俺が車に乗り込むと、エザリア以外のメンバー……特に大統領やSPがぎこちない動きで車へと乗り込む。
とは言っても、さすがにアメリカの大統領をやっているだけあると言うべきだろう。ビルは対面状態になっている座席で、俺の正面に腰を下ろすと口を開く。
SPが俺に対して視線を合わせるのすら怖がっているのに、だ。
「アクセル、今のは一体……? 君から何かを感じた瞬間、身体が動かなくなったんだが」
「今のか? いわゆる殺気って奴だ。名前くらいなら聞き覚えあるだろう?」
「……殺気? それは迷信とかお伽噺の類では?」
「まぁ、この世界ではそうかもしれないが、俺達の世界と繋がっている世界には普通に殺気を放つような奴はゴロゴロしているからな」
ネギま世界のナギ・スプリングフィールド杯で俺が戦ってきたような相手を見せてやりたいな。……子供状態のネギ辺りを見せたらどうなることやら。
「君達シャドウミラーと繋がっている世界というのは……どのような世界があるのかを聞いても?」
既にいつもの調子を取り戻したビルの言葉に、視線を窓の外へと向ける。
ふと気が付けば車は既に動き出しており、俺達が乗っている後部座席と仕切りで区切られている運転席に乗っている運転手はそれだけ車の操縦が上手いのだろう。まぁ、大統領の乗っている車の運転手なんだから当然か。そんな風に思いながら、口を開く。
「そうだな。まず知っておいて欲しいのは、現在俺達が交流を持っている世界は4つあるが、その中の3つが戦術機のような機動兵器を有しているという事だ」
正確にはスパロボ世界もあるが、あそことはゲートは設置してあるが基本ノータッチで済ませているから、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界で4つとなる。
「そのうちの3つ共が、全てこの世界よりも遙かに進んでいる技術を持っている。まぁ年代的に考えればしょうがないんだが……このマブラヴ世界は、その3つの世界の中では最も文明的な後進世界、発展途上世界と言ってもいい」
その言葉を聞き、ほんの少しだけ眉を顰めるビル。
まあ、マブラヴ世界の中で最も国力のある国の大統領としては自分達の世界が発展途上国扱いされるというのは不愉快でしか無いか。
「では、私達の世界……君の言葉で言えばマブラヴ世界か。その兵器の無い世界と比べるとどうなのかな?」
俺の言葉からそこに唯一の光を見いだしたのか、尋ねてくるビルに首を横に振る。
「確かにその世界には機動兵器という意味では存在しない。だが……」
右手を差し出し、白炎へと変える。
炎だというのに、全く熱を感じず、更には俺の右手その物が炎と化した様子に目を見張るビル。
……炎獣については以前使った筈だが、情報は届いてなかったのか?
「その世界は魔法の世界でな。機動兵器という意味では無いが、魔法生物という意味で考えれば、その戦力はかなりのものだ」
グリフィンドラゴンのグリですら、戦術機と互角に……戦えるか? 風の障壁で弾丸を防げるかどうかだな。
36mm程度なら防げそうな気はするが。
俺の言葉を聞き、驚愕に目を見開くビル。
その後も国連本部ビルに到着するまで、俺とビルだけが車の中で会話を交わすのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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