俺のストーリーテラー
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はじめましてのその前に 3
教室に高い声の笑いが響く。
さっきの子だ。黒髪の。
「いーね、やるじゃん。そーゆーの好き」
見た目からくるイメージと違う高い声でケタケタと楽しそうに笑いながら俺に話しかけてきた。
「今流行りのツンデレですか?っつってな〜!」
唖然として何も言えなくなった俺に笑いをおさめて不思議そうな顔をした。何かに気付く。
「ぁ、和木弥羽です、よろしくお願いしまふっ!?って〜……いたぃ〜………」
自己紹介って、この状況で、その選択はおかしい。関わってはいけないタイプだと理性が告げている。もちろんだ。関わりたくもない。天然とやらは好きではない。
「ミハちゃん?よろしくねー!」
「ん?よろしく山崎くんだっけ?それとも、シュンコちゃん?」
「ちょっとー。俊太でいーよ」
まぁ、何はともあれ空気が柔らかくなったのは、彼女の"しまふ"だったことは事実だ。ありがとう、と心の中でだけつぶやいておいた。
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