転生とらぶる
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マブラヴ
0834話
オーストラリア国防軍の一部の者達が起こした襲撃事件から2日後、俺の姿はシドニーの近くにある基地の中にある離着陸場にあった。
俺の他には外交担当のエザリアとレオン、付き添いとしてコーネリア、護衛としてムウとある意味当然のイザーク、そして量産型Wが5人とそれなりに大所帯だ。
……いや、確かにシャドウミラーとして考えれば大所帯と言えるが、首脳会談をしに来た他の国の代表一行と考えるとちょっと少ないか?
ちなみに機体については誰も乗ってきていない。……まぁ、主要メンバーの機体でもあるニーズヘッグ、ラピエサージュ、アシュセイヴァー、ヒュッケバインMk-Ⅲは俺の空間倉庫に入れてあって、いつでも出せるようになっているんだが。
それとメギロートとイルメヤが数機ずつ入っているし、足代わりのサラマンダーも当然入っている。
ともあれ、以前SEED世界で入手して以来いつの間にかシャドウミラーでも普通に使われるようになった輸送機で指示された基地へとやってきたのだ。
シロガネとかではなくても、俺達が乗ってきた輸送機はこの世界には当然存在しない機種だ。その性能も、この時代の機体とは比べものにならないだろう。この世界の者にとって垂涎の的でしかない機体だけに、シドニーに直接この機体で向かえばめざとく気が付く奴もいるだろうしな。
「待っていたよ、アクセル代表。先日はうちの軍の者が大変失礼をした。現在厳しく尋問をしているところだ」
そう言って俺達を出迎えたのは、50代程の初老の男。この世界で俺と最初に出会った高級軍人でもある、ジョン・クルーガー少将だ。
「その辺についての話は、また後で話される事になるだろう。こっちとしても得る物が無かった訳でもないしな」
「はっはっは。聞いているよ。戦術機を全機持っていったと。……その機体に関しては、後日返して貰えると聞いているが?」
笑みを浮かべながら尋ねてくるジョンだが、その視線に宿っている光は存外に鋭い。まぁ、軍としては戦術機24機ともなれば相応の戦力だろうしな。
「勿論です。ですが、それには先日のそちらの行動に対する相応の誠意というものが必要になるかと」
俺の代わりにレオンが口を開く。
そのレオンの言葉に含まれている誠意というのは、金や資源……ではない。ぶっちゃけ、金や資源についてはキブツがあれば困る事は無いしな。
レオンが……より正確にはシャドウミラーが欲しているのは、技術と情報の類だ。特にF-15CとF-18に至っては既に技術班の解析が完了しており、当然の如く特に見るべき価値も無しといった評価が出ている。
ちょっと珍しいところでは、コックピットで網膜にLEDレーザーを照射する網膜投影システムというのもあったが、それがシャドウミラーの機体に必要かと言われればそれ程困っていないし、何より目にレーザーを長時間当て続けるのだ。短期的にはともかく、長期的に見てどんな副作用があるかが不明だし、俺達の機体で採用される事はないだろう。
「誠意、か。その辺の話に関してはシドニーでの会談に掛かっているのだろうな」
苦々しげに呟くジョン。
今回のメインはあくまでも俺とオーストラリア首相との首脳会談ではあるが、当然それ以外の話し合いも行われる。前回の件の誠意やら何やらというのは、恐らくその時に話し合われるのだろう。
そっちの件でどうなるのかは、エザリアとレオンに任せてあるから心配していないけどな。
ただ、エザリアはともかくレオンはかなり強気で交渉を進めていく感じなので、やり過ぎると向こうとの関係がこじれる可能性も高い。
「いや、下の者を御しきれなかった私がこれ以上何を言っても言い訳でしかないか。……政府の出した決定に従わせて貰うよ」
表情には出さないが、本音としては当然今回の件を引き起こしたアメリカに対して強い憤りを感じているのだろうが、それは政治的な事情で無かった事になっている以上、こう言うしか無いのだろう。
数秒だけ目を閉じ、自らの気持ちを落ち着けてから目を見開いて口を開く。
「さて、いつまでもここにいる訳にもいかない。早速シドニーまで送らせて貰うが……君達の乗ってきた輸送機についてはどうするのかね? この基地に置いておくというのなら、こちらはそれで構わないが」
「ああ、気にしないで大丈夫だ。こっちで持っていく」
「……持っていく?」
何度か空間倉庫を見た筈だが、やはりこの世界の常識的には色々と信じがたいものがあるのか、不思議そうな表情を浮かべるジョン。
論より証拠とばかりにそっと輸送機へと手を触れ、そのまま空間倉庫へと収納する。
一瞬で目の前から巨大な輸送機が消えたその様子に、歴戦の軍人らしいジョンが目を見開いてこちらへと視線を向けているという、ちょっとした見物になっていた。
「こういう事だ。……さて、そろそろシドニーへと出発してもいいか? 向こうにしてもこっちを待ちかねているだろうし」
「あ、ああ。送迎用の航空機を用意しているので、それに乗って欲しい」
唖然としたまま、それだけを口にするのだった。
「ふむ、こうしてみると向こうも中々俺達の重要性を分かっているようだな」
基地から飛び立ち、1時間も飛ばないうちにシドニーの飛行場へと着陸した俺達を出迎える人数を見ながら、イザークが満足そうに呟く。
……まぁ、イザークにしてみれば、俺じゃなくてエザリアに対する迎えとして認識しているのかもしれないが。
「にしても、戦術機ねぇ。どうも動きがいまいちぎこちないというか……」
そしてムウはと言えば、俺達の護衛としてついてきた輸送機から戦術機が降りて周辺を警戒しているのを眺めながら、そう呟く。
「確かにアクセルの言っていたように、色々と未熟なところがある兵器のようだな。だがOSを変えるにしても、この時代の技術だとハードウェア的に対応出来ないのではないか?」
「あー、なるほど。確かにコーネリアの言う事には一理あるな。俺達にしてみればハードウェア側、CPUとかメモリの関係で機体が動きにくいって事は無かったけど、この時代の技術だとそれもあるのか」
「その辺はレモンに応相談だろうな。そっちが解決できれば、技術班でOSの開発をするというのもありだし」
コーネリア、ムウの2人とそんな風に話していると、やがて地上での出迎えの準備が整ったのだろう。飛行機の扉が開けられて赤い絨毯が敷かれたタラップが視界に入ってくる。
更にはタラップから続いている道にも赤い絨毯が敷かれているのを見ると、文字通りの意味で国賓級の待遇なんだろう。……一応この首脳会談は非公式なものの筈なんだけどな。
こういう時って普通はファーストレディーとかを連れてくるんだったか? そういう意味ではコーネリアを連れてきて正解だった。
レモン、マリュー、スレイ、シェリル辺りは色々と言いそうだが。
ともあれ、俺はコーネリアを横に伴って他の面子を後ろに従えてタラップを降りていく。
そんな俺達を出迎えたのは、殆どが40代以上に見える男。数人は女や若いと言える者もいるが、一番若くても30代程だ。
……まぁ、ある意味では自然なんだろう。そもそも、シャドウミラーのように若いメンバーだけで国を動かしているというのが普通は異常な訳で。
事実、オーブはウズミだし、ミュートスはグラス、国では無いが麻帆良では近右衛門だ。
そう考えると、陽光の星刻はやっぱり例外なんだろう。もっとも、陽光にしても俺達が協力して建国したのだから、例外なのも当然だろうが。
「ようこそ、アクセル代表。先日はこちらの国の者が大変な失礼を……」
一団の中から前に進み出てそう告げたのは、外務副長官でもあるクリメナだ。
まぁ、俺達を出迎えている者達の中で唯一俺と面識があるんだから、それも当然か。
そして、クリメナの隣には頭部が禿げているが、見て分かる程に精力的な印象を受ける白人の男。
それが誰なのかを俺は知っている。初めてこのマブラヴ世界に転移してきて泊まった夜にコンピュータでオーストラリアを調べた時、その顔を見たからだ。
「気にするな。その件に関してはこれからの話し合いで解決していけばいいだろう。もっとも、当然相応の誠意は見せて貰う事になると思うがな。……さて、こうして直接会うのは初めてだな、アンディー・クック首相。シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ」
その言葉に小さく頷き、アンディーは手を出してくる。
「君達シャドウミラーとの接触は、私達にとっては天からの福音にも近いものがある。是非とも君達の国と国交を結び、BETAを駆逐していきたいと思っている」
「そうだな。色々と問題はあるだろうが、そちらの対応次第ではこちらも相応の手助けが出来ると思う。そして、そうなるように俺も祈っているよ」
アンディーの手を握りながらそう言葉を返すと、周囲にいる政治家達が頷く。
……へぇ。こう言ってはなんだが、俺みたいな若造に自分達の首相が格下のように扱われているにも関わらず、特に気にした様子も無く頷くとはな。
勿論、俺という存在が型破りだというのをクリメナは知っているんだろうから、そういう政治家を集めたんだろうが……それでも、俺へと向けてくる視線には皆力が入っている。
「さて、お互いの代表の簡単な自己紹介も済ませた事ですし、まずは移動しましょう。一応今の空港は政府が貸し切っているとはいっても、どこで何があるか分かりませんのでね」
クリメナの言葉に頷き、俺達シャドウミラー代表団とも言うべき集団は縦長の、10m近い長さもある、あからさまな高級車へと乗ってホテルへと向かうのだった。
尚、連邦議会ではなくホテルへと向かったのは、あくまでも今回の会談が非公式なものだからだ。さすがに連邦議会へと向かえば、マスコミが存在するから……らしいのだが、こんな派手な車に乗って移動すれば、嫌でも人目に付くと思う。
まぁ、その辺は完全にシャットアウト出来ないと認識しているのだろう。あるいは、単純にこっそりと俺達の存在をマスコミに流して既成事実化しようとしている可能性もあるか。
「それにしても……これだけの車を運転する技術ってのは、ある意味凄いな」
「確かにな」
思わずと言った様子で呟いた俺の言葉に、イザークが頷く。
ちなみに、この車にはシャドウミラーから来た者達全員が乗っている。オーストラリア政府側としても、非公式とは言っても正式に会談を始める前に色々と接触されるのは避けたかったのだろう。
……普通は会談を始める前に少しでも相手の情報を得ようとするのが普通だと思うんだが、それはあくまでも普通の場合だ。
今回は異次元国家という、普通に聞けばどこの侵略者だって感じの俺達を相手にするだけに、迂闊な真似は出来ないと判断しているらしい。
実際、恐らくはアメリカの指示で迂闊な真似をした軍の一部のおかげで戦術機24機をこっちに奪われ、交渉的にも大きな借りを作ってしまった状態だしな。
向こうにしても、戦術機の情報が既にこっちで多少なりとも解析されているのは予想済みだろうが……さすがに魔法球の存在を知らない以上、既に解析が完全に終わっているとは思っていないだろう。
戦術機に関してどうなるのかは、今日のエザリアとレオンの活躍で決まると思うので、頑張って欲しいところだ。
とは言っても、スペック的にかなり性能が低いので実戦で使う事は無い。
よって、資料的な意味でF-15CとF-18を数機ずつ確保出来ればそれでいいと思っている。
10機以上の機体を向こうが引き取る代償として何を支払う羽目になるのかは分からないが。
そんな風に思っていると、やがて車はかなりの高級ホテルと思われるホテルの前で止まり、車のドアが開けられる。
ホテルの中へと入ると、ロビーでは先程空港で俺達を出迎えた政治家や首相のアンディーが待っていた。
「さて、では早速ですが会談と行きましょうか。私とアクセル代表。それとそれぞれが1名ずつという事で構いませんか?」
「ああ。……コーネリア」
「うむ」
アンディーの言葉にコーネリアに声を掛けると、全て分かっているとばかりに頷き俺の隣に立つ。
向こうも向こうで、30代程の秘書らしき男がアンディーの側に控えていた。
そして、少し離れた場所ではエザリアとレオンがクリメナや数名の政治家らしき相手と話をしている。
「では、こちらに。席を用意していますので」
そう告げ、俺達はそれぞれ自分の相手との会談を始めるべく用意された部屋へと向かう。
尚、護衛として付いてきたイザークは量産型W2人を連れてエザリアの方へ、ムウは残りの量産型W3人を連れて俺の方へと付いてくる。
もっとも、会談に参加するのでは無く部屋の外で護衛するのだが。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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