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【ONEPIECE】捨てられた人魚は恋をする【七武海×海賊】

作者:NaoMi
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王女と皇帝、その仲は3

リオ「………はぁ」


口から出る溜息が止まらないっていうのは


……きっと、いや絶対にこの事だよね


エース「ルフィ~~!!!何処だぁぁぁぁ!?!?」


紫蛙の頭の上に乗りながら


エースはひたすらに叫ぶ


まあ勿論エースの声は麦わら達に届くはずなんてないんだけど。


リオ「何であんたと一緒にいるのか本当に不思議なくらいなんですけど」


エース「そう言うなってリア!


ルフィたちを捜すの手伝ってくれよ、な?」


リオ「いやぁまずね?


昨日あんた達が遊んでなかったら今頃は


少しずつでも麦わら達に近付いてたよ絶対」


尾に凄いもの付けてたサソリの事もそうだし


この気持ち悪いトカゲもそうだけどさ


最初から殺してれば絶対にナミ達に会えてたよ!!!


エース「ははは~…悪いな」


リオ「そう思ってないくせにね」


エース「思ってるって!


……でもまあこれからどうする?」


リオ「少し歩いた先に町がある、


そこに行って取りあえずは水と食料を確保する」


そう言って歩き出すと


後ろから感心する声が聞こえた


エース「へえ~!よく町があるって分かったな!


もしかしてここら辺で生まれたのか?」


リオ「違う」


エース「んじゃあ…前にも来た事あるとか?」


リオ「初めて」


エース「は?まさか今の適当に言ったのか!?」


リオ「そんな訳ないでしょ!感じないの!?」


エース「……何を?」


リオ「」


……そうか、コイツはメラメラの実だっけか


ミズミズの実みたいに水を感じる事は出来ないんだっけか


リオ「もういいです」


エース「何でだよ!?教えてくれよ!!」


リオ「教えても理解出来ないだろうから」


エース「出来る」


リオ「出来ない」


現にロメナたちにもジジイにも何度も何度も説明しても


誰一人理解してくれる人はいなかった


終いには「よ~く分かりました」とか言って


じゃあどういう意味?って聞くと皆してバカにしたような顔をするんだよね


お前ら死ねって何度思った事か…


リオ「ねえ」


エース「ん?」


リオ「町についたら私やりたい事があるんだけどさ」


エース「これから行く町でか?」


リオ「そう、食料と水集めは悪いんだけど任せるから」


エース「質問はなしか」


リオ「一人でも出来るでしょ」


エース「へいへい、待ち合わせ場所はどうする?」


リオ「何処でもいいし何時でもいい」


エース「それで本当に会えんのか?」


リオ「んー…それなら…食料と水を確保して


町から出てくってなった時に空に向けて炎を飛ばして


それなら場所だって分かるしすぐに行く、これでいい?」


エース「……まっいいぜ」


何か言いたそうな顔をしても


何も言わずに小さく笑ったエース


あんたや皆には悪いけど


私は先に行く


もう面倒事には巻き込まれたくないからね




私が思った通り、


少し歩いた先にイドという町があった


町に着くなりエースは蛙を連れて何処かへ消えると


私も一目に付かないような建物と建物間に入って


近くにあった樽に座るとポケットから電伝虫を取り出した


いつものように数コール流れた後でジジイが電話に出た


『悪いな遅くなった』


リオ『別に、いいよ


んで早速で悪いとかちっとも思ってないけど助言して』


『お前が私に対して悪いと思った事は一度もないしな』


リオ『よく分かってんじゃん』


『はぁ…まったく…まあいい


それから助言ではなく予言だ』


リオ『私にとっては同じ』


何かを言おうとしたらしいけど溜息を出したかと思いきや


何も聞かなかった事にして話し始めた


『一人でユバまで行くつもりか?』


リオ『そう思ってる』


『あの海賊たちと一緒に行った方が何かと楽しいと思うが』


リオ『トラブル続きの海賊と?冗談じゃない


それなら一人で行く方が絶対いい』


『面白い男じゃないか


特に麦わら被った男と白髭の餓鬼』


リオ『何で餓鬼を強調するの』


『白髭ンとこの奴らは全員餓鬼だ』


リオ『あっそどうでもいい』


今度は大きく盛大な溜息が聞こえてくると


全く気にせずに空を見上げた


『さてと今度こそ本題に入るが…


予言では一人で行けばトラブルは確かに減るが…どうする?』


リオ『皆とは途中で合流出来るの?


あんたの目的は復讐のお手伝いなんでしょ』


『そうだ、それに難しい事を考えなくとも数日後にお前達はまた再会する


運命の悪戯という奴か?(笑)』


リオ『今真面目に引いた』


『やめい』


背筋がゾクゾクッってしたんだけど


ジジイがそういう言葉を使うと本当に引くわ


リオ『一つ疑問に思う事があるんだけどさ』


『何だ?』


リオ『麦わら達は私が居なくなった事に気付くでしょ?


この街に残って待ってたりとかするのかな?』


『少し待てよ………』


リオ『はーい』


ジジイの低く小さい呻き声が聞こえてくると


頭を軽く回してから空を見上げた時、


「ボォォォッッッ」


一つの大きな炎が花火のように空に打ち上がった


リオ「!」


そういえばエースに町から出る時は炎を飛ばしてって言ったんだっけか


多分エースは今でも私を待ってるんだろうね


『待たせたな』


リオ『…そんなんでもない、それで?』


『どうやらナミとかいう女の言葉で一味はユバへ向かうつもりだ』


リオ『ユバ?』


『あぁ。何でも王女はそこに反乱軍がいると思っているが実際は違う』


リオ『そう、なんだ…アラバスタ王国があるアルバーナに行くのかと思った』


『いいやアルバーナは最後だ


奴らはユバに着き次第に老人の言葉で≪レインベース≫という場所を目指す


そこにクロコダイルとバロックワークス本社があるんだ』


リオ『ふーん…レインベース、ね』


二つの炎の玉が空に放たれると


すぐ近くでこの町の住人の歓声が聞こえて来た


リオ『ねえ、私はどうすればいいの?


レインベースへ行けばいいの?アルバーナへ行けばいいの?』


立ち上がると樽の蓋を開けて


中に入っていた水に手を突っ込み、


全ての水を一滴残らず吸収した


『答えが出た


―――――レインベースを目指せ』


リオ『了解』


電伝虫を切ったのと同時に右手で思い切り樽を壊すと


≪ある場所≫へ向かった


リオ「…ここね、ビビが言ってた≪運び屋ラクダ≫ってのは」


確か行きたい場所へ連れてってくれるんだっけ?


帰りも自分で勝手にここまで戻って来てくれるとかいう


超便利な運び屋ラクダ。


リオ「すみませーん」


店主「いらっしゃい」


お店の奥から出て来たおじさんが近付いた


リオ「ラクダをお借りしたいんですけど」


店主「ああいいとも、お金は持ってるかな?」


リオ「はい、何ベリーになります?」


店主「行先によって変わる、何処に行くんだね?」


リオ「レインベースという街です」


店主「あぁ…金持ちだけが集まるところか」


リオ「そう、なんですか


もしかしてその街へ行った事あるんですか?」


店主「いいや行った事はない、


レインベースの悪い噂がここまで広まって来るんだ」


リオ「へえ…例えば?」


店主「なんでも――」


少しずつ店主が私に近付いて来ると


私は気にせず店主の言葉を待った


店主「――七武海のクロコダイルがいる、という噂を聞いたんだ」


リオ「……へえ」


ビビと同じ事を言ってるって事は


この人の話は嘘じゃないみたい


リオ「それじゃあラクダ、借りていきますね」


店主「あぁ好きなのを選ぶといい!良い旅を」


リオ「ありがとう」


お店のすぐ隣にあるラクダ小屋へ行くと


選ぶのが面倒臭かったからすぐ近くにいたラクダの元へと行くと


一瞬でラクダの上へ移動した


リオ「この紐を持って、足引っかけて……よし


初めてだけど…何とかなるでしょ」


ふぅっと息を吐くとラクダの身体にバシンッと紐を叩くと


ラクダは入り口に向かって歩き出した


ラクダ「ンンッッーーーー」


何かこっち向いて鳴いてる?けどなんだろ、


……あ!これってもしかして


"どこに行きたいのか"


って聞いてる訳?


リオ「レインベースっていう街へ行きたいの」


私がそういうとラクダは納得したように「ブシュッ」とか言って前を向いた


リオ「はぁ……」


空を見上げた時、


二つの炎の玉が再び空に向けて放たれていた


リオ「…ごめんねラクダ、


"違う道"から行って欲しいんだけど…」


ラクダ「?」


顔だけ私に向けたラクダが眉間に皺を寄せた


けどその数秒後、


ラクダの目の色が変わるとラクダは何も言わずに歩き始めた


リオ「…こんな事が出来るなら早くやれっての」


腕を組んでそういうと一瞬だけラクダが鼻で笑ったような気がした 
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