美凪がみちると再会してから約一年。
――――――俺はまだ駅に住んでいた。
「おーい。宿無しのろくでなしー」
「誰が宿無しのろくでなしかッ!!」
クソ生意気なガキに拳骨を落とす。
「にょわッッ!? 痛いな、何するんだよー。誘拐殺人魔ー!!」
「俺は誰も殺してねぇッ!!」
「犯人はみんなそう言うんだよー」
「…………私は何時までも待ってますから」
「お前も乗っかるなッ!!」
「…………みちるが楽しそうなので、つい」
「まったく、今日は何の用だ? 俺だって忙しいんだぞ」
「嘘吐けー、扇風機で宇宙人ごっこして遊んでたじゃないかー」
「くっ!? 見ていたのか!!」
「そんなあなたに――――」
美凪が服の中に手を入れてガサゴソとやりはじめた。
「…………おこめ券三百枚プレゼント」
「何処に隠し持ってたッ!?」
「母が三百六十五日セットを商店街の景品で当てまして」
「売り払って旅行券に替えろッ!!」
「…………その発想はありませんでした」
「真っ先に考えろよッ!? ――――で、本題は何だ?」
「…………みちるの自由研究を手伝って欲しいんです」
「自由研究? 何だそりゃ?」
「宿無しろくでなしの観察日記ー!!」
無言で拳骨を落とす。
「にょわわッッ!? あ、頭がぐわんぐわんする」
――――――――――――没ネタ此処まで。