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【ONEPIECE】捨てられた人魚は恋をする【七武海×海賊】

作者:NaoMi
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王女と皇帝、その仲は2

―――夜よりも風が少しずつ出始め、


皆から少しだけ離れた場所で眠っていたはずなのに


麦わらとトナカイ、長鼻の三人の能天気な声が聞こえて


目を覚ますと上半身を起き上がらせた


ビビ「ルフィさんっ!!!すぐにそれを捨ててっ!!!


それはサソリよ!小さいけれど猛毒を―――」


なーんかビビの必死な声が聞こえるんだけど


何で皆起きたばかりであんな大声出せるの?


そしてあの三人(麦わら・長鼻・トナカイ)は


何でこんな朝っぱらからあんなハイテンションで騒げるの?


……頭痛い


リオ「よし、もう一回寝よう」


そう言って腕を組んでもう一度上半身を寝かせた時、


「リアさァァァァァッッッん!!!!!」


リオ「もう何…?」


周囲に響き渡るような大きな声に


無視をする訳にも行かなく、


声の主であるビビの方を向いた瞬間――


大きな砂嵐がこっちに向かって来ていた


―――確かビビが言ってたっけ


この辺では〝頻繁に〟砂嵐が起きるって


リオ「…はぁ…これも全部クロコダイルの仕業って事ね」


アイツに私がいるって事を悟られてなければいいんだけど


アイツ絶対海軍に私がアラバスタに来てるって通報しそうだしな


リオ「〝水牢〟」


砂嵐が私を襲おうとした瞬間、


私の周りに水の護りが出来ると砂の中へと潜った


砂嵐が過ぎ去って行くのを待つ事数時間。


水牢で地上へと戻り、


皆には見られないように大岩の後ろに隠れて水牢から出ると


砂一つ付いていない服を見下ろして満足気に頷いた


さすが私♪うんうん♪


「リアぁぁー?リアぁぁぁー!」


リオ「何ー?」


私を呼ぶ声が聞こえて


ナミ達がいる方へと行くと


砂の中から出てきたナミが私を見上げた


ナミ「驚いたあぁ…あんた何処にいたのよ」


リオ「あそこの大岩の後ろにいた」


さっきまで私がいた大岩を指差すと


私の腕を掴んだナミが立ち上がるのを手伝うと


目の前に広がる光景を見て呆れた


リオ「派手にやってくれるじゃん…」


ナミ「ほんとよ…」


ルフィ「おいサンジ!飯食おうぜ!海賊弁当!」


サンジ「まだ駄目だー」


砂から顔を出しての第一声がそれとは。


本当呆れるわ…





出発準備に備えて全員が急いで仕度し直すと


私達は砂嵐がまた襲って来る前に出発した


………んで出発して30分も経ってないってのに


ルフィ「なあなあビビ~飯食おうぜ~


腹が減って力も出ねーよー!」


コイツはまた食べものの話してるし…本当呆れるわ


ビビ「だけど…ユバの町まではまだ十分の一しか進んでないわルフィさん」


ルフィ「馬鹿だなぁお前、こういうことわざがあるんだ


〝腹が減ったら食うんだ〟」


リオ「頭痛い…」


ウソップ「嘘つけぇ!!作るな!!」


本当呆れるわ


呆れすぎて頭が痛くなってくる


リオ「ナミも本当大変ね」


ナミ「分かる?リア分かってくれる?」


リオ「分かるけどさ、手を離してくれない?」


ナミ「嫌よ、リア冷たくて気持ちいいんだもん」


そして私の隣にも呆れる女がいるわ←


しかも出発した時から私の手を掴んでるし


ビビ「分かったわ、次の岩場を見つけたら休憩って事にしましょう」


ルフィ「よぉぉし岩場だなぁ!


皆ぁ!早く岩場まで行くぞぉぉ!


じゃんけんで勝った奴が全員の荷物を運ぶんだぁぁ!!」


………えっ?


普通は負けた人が運ぶんじゃなくて?


そしてこんな砂漠の中、


荷物を誰かに持たせるとか絶対嫌なんだけど!?


何を仕出かすのか分かんないし!?!





ルフィ「あるぇ…?何でだぁ…?重い…重いぞ…」


サンジ「じゃんけんで勝ったからだ 黙ってさっさと運べ」


ナミ「落とさないでよっー!


にしてもリア、何でじゃんけんに参加しなかったの?」


リオ「そんなのに参加するわけないでしょ


荷物を盗られるよりは重いけど自分で持ってた方がマシ」


ナミ「ふ~ん…でもさあー?


こんな砂漠の中荷物を盗むヤツなんていないわよ~」


リオ「そう思ってると後で痛い目見るよ」


ナミ「リア考えすぎ」


……そう思ってると、


本当に後で後悔する事になるんだから


リオ「どうなっても知らないからね」



――――ほらね、ほらねっ!?!


ルフィ「うわあああああっっっ!??


荷物が、荷物がぁぁぁっっっ!!!!!」


私以外全員が青ざめた顔をして


麦わらが見たという怪我した鳥達がいるとこまで走っていくと


そこには荷物や倒れて動けないらしい鳥達すらいなかった


リオ「ほらね、預けなくて正解」


しかもこのリュックの中には色々とやばいもんが沢山入ってるし


もしも盗られたって分かったら


きっと私も鳥達を殺す気でリュックを取り返そうとしたのかもね


………まああくまでもそれは盗られてたら、の話だけど


ナミ「だってぇぇぇ!!!」


リオ「ていうかどうすんの


荷物なければ砂漠は越えられないんでしょ」


ビビ「えぇ…」


サンジ「三日分の食料と水を…!ルフィてめぇ!!!」


何で一大事な時にコイツらは喧嘩してんの……?


そしてエースといいビビといい剣士といい


他の奴らも諦めて水に流そうとか言ってるし


………訳分かんない


何でもかんでも水に流す事で、


本当に二人が…、


皆が納得するって思ってるの?


……私にはこの人たちの気持ちが分からない


分かりたくもない


何で…?


ねえ、何で全部を水に流そうなんて言えるの?


砂漠越えに一番必要な物を盗られて


もしかしたら明日にはこの中の誰かが死ぬかも知れないっていうのに


何で水に流して忘れようとか言えるの?


誰かが死んでも…それでも…水に流そうってまた、言えるの?


大切な物を沢山傷つけられて裏切られても…、


それでもそう言われたら、――――頷けるの?


エース「…どうした?」


リオ「!…」


ポンっと肩を叩かれた時に気づいて我に返ると


肩に乗っている手を退かした


リオ「…触んないで」


エース「おお怖い」


リオ「私にいちいち構ってる暇があったらさ、


あれをどうにかしてよ」


右手の親指を後ろに向け、


キョトンとした顔でエースや皆が


さっき鳥達を追って麦わらが走っていた方を見た時―――


「「うわああああああッッッッ」」


こっちに向かって全速力で走ってきてる麦わらとラクダ、


それから大きなトカゲが砂の中から姿を現した


「「でけぇぇ!!」」


ビビ「サンドラオオトカゲ!!!」


ウソップ「何だそりゃ!?」


ビビ「砂漠に住むトカゲでは最大級の爬虫類で!


普段は砂の中で獲物を待ってるのよ!!


鋭い鉤爪と尖った牙を持っててそれを使われる事は余りないわ――」


何かビビが少し焦りながらも早口で説明してくれてるけどさ


あっちはそんなのお構いなしにどんどんこっちへ来てるんだよね、


そしてもう一匹もこっちへ近付いてるんだよね


エース「本当にアイツはトラブルを呼ぶ天才だ」


サンジ「まっラクダはひとまず置いといて…」


ゾロ「どういう星の下に生まれたらトラブルを呼び込めるんだ!?」


あれだよね、


アラバスタに着くまでトラブル続きって事になるんだよね


……もしかしてジジイはこの事を知ってたわけ!?


やっぱりジジイは絶対、私が殺す!!


でもその前に、


まずはクロコダイルを潰してからかな。




オオトカゲの肉を食べて少しは体力を付けると


女で私以外のナミとビビがラクダの上に乗り、


私たちはまた砂漠を歩き始めた


エース「何でラクダの上に乗らなかったんだ?」


リオ「なんでもいいでしょ」


あんなラクダの上なんか誰が乗るかよ


コックみたいなタイプの男って本当嫌い


他の女見てメロメロになる男より


一途な男の方が絶対に私はいいと思う


エース「疲れたら言えよ?おぶってやる」


リオ「結構です」


エース「素直になれって」


リオ「分かった素直になってあげる、お前嫌い」


エース「素直じゃねえ女は嫌いじゃねえ」


リオ「嫌いで結構」


にしても日差しが強いなぁ


ここが海の中だったら良かったんだけど


砂漠だと暑いから嫌なんだよなぁ


リオ「もう少し寒くなんないかなぁ」


エース「俺にはこのぐらいが丁度なんだけどな」


リオ「寒い方がいい」


エース「そうか?…にしても結構厚そうな格好してるけど大丈夫なのか?」


リオ「大丈夫」


今はミズミズがあるから耐えられるけど


もしも無かったら私も今すぐこんな服脱ぎ捨ててたと思う


リオ「ていうかいつまで隣にいるわけ」


エース「ずっとだ」


リオ「死んどけ」


エース「一人は寂しいだろ?


それにあいつら歩くの速えーし、


話し相手は必要じゃないかと思ってな」


リオ「私は自分のペースで行くから大丈夫、


そして話し相手とか要らない


一人が寂しいと思った事は一度もない」


前を見ながらきっぱりとそう告げると


エースが溜息を付いたかと思うと前を見た


リオ「……それでも退かないわけ?」


エース「退く気はねえよ」


リオ「馬鹿」


ニカッと笑うエース


麦わらたちから少しずつ距離を取り始めてるっていうのに


それでもエースは私の歩くペースに合わせて


何も話はしないけど歩き続けた


リオ「…ねえ」


二人共無言だったし空気が重いとは思わなかった


けど私から話しかけると


エースは静かにん?と言った


リオ「……白髭のジジイ、元気?」


エース「え!?親父の事知ってんのか!?」


リオ「知らない人はいないと思うけど」


どうしてそこまで驚くのかも分からないけど


〝四皇〟の一人を知らないってどういう事よ、って話


さすがに子供でさえも四皇ぐらいは知ってるでしょ


エース「そうじゃなくて!!」


どういう意味?と付け足して首を傾げると


立ち止まったエースが止まる事なく歩き続ける私のとこまで走ってきて言った


エース「親父と知り合いなのか!?って事だ!!」


リオ「あぁ…そういう事。


ん~どうなんだろ、私の知り合いの友人って言った方がいいのかな


一応顔見知りではあるけど」


エース「そういう事か……白髭海賊団の元クルーかと思った」


リオ「それはない、一生ない」


エース「そこまで言うか…?」


リオ「あの人のせいで私は迷惑してるんだから」


エース「え?」


魚人島リュウグウ王国に行けば聞かされる話は


白髭英雄伝説だし


本題に入ろうとしても白髭英雄伝説は最後まで聞かないと終わらない


リオ「本当に最悪なんだから」


毎回同じ話を八時間も聞かされるこっちの身にもなって欲しい


リオ「悪い人ではないってのは認めるけど」


現に私も何度か救われたしね


リオ「それで?元気なの?」


エース「親父は大丈夫って言ってるが、


船医たちは危険な状態だと言っててな…」


リオ「今でも無茶してるのね」


エース「親父らしいだろ」


リオ「うん………あ、やばい」


エース「ん?……ん゛!?」


私たち話をしてたから気づかなかったけど


これはまずい


麦わらたちを見失った 
 

 
後書き
これから少しずつ飛ばしていきます(`・ω・´) 
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