とある3人のデート・ア・ライブ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第五章 楽園
第13話 自問自答
前書き
テスト終わってから修学旅行があったりして忙しくて投稿遅れてすいませんでした。
あとかなり今更ですが、この章は上条、士道、凜袮が中心です。他のキャラが好きっていう方に対しては本当に申し訳ないです。
では投稿します。
〜士道side〜
?「しど……起き……もう朝……よ……」
誰だ……?
士道はゆっくりと目を覚ました。
凜袮「ふふ、おはよう士道」
そこには、優しく微笑みかけている凛袮がいた。
士道「あれ?今のは……」
凜袮「今の?別に踊ったりはしてないけど……」
士道「あ、悪い……最近変な夢ばっか見てて……」
凜袮「そっか……とりあえず早く着替えて顔洗ってくること。ご飯は下で用意してるから」
士道「お、おう……」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
士道が下に行くとそこには凜袮以外誰もいなかった。
士道「あれ?みんなは?」
凜袮「用事があるからって先に出ちゃったよ」
士道「そ、そうか……」
みんな揃いに揃って……〈フラクシナス〉で何もなきゃいいけど……
凜袮「じゃ、朝ごはんにしよっかっ!」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
本当に、みんな突然どうしちゃったんだろうな……
凜袮「ねぇ、士道?」
士道「ん?どうした?」
凜袮「今日の放課後空いてる?」
士道「え、あぁ……」
凜袮「今日の放課後、予約していい?」
士道「あぁ、もちろん」
凜袮「良かった……昨日、私が倒れたせいでデート台無しにしちゃったから……てっきり怒るのかと思ってた」
士道「でも無理すんなよ?」
凜袮「分かってますよ、士道先生」
士道「よろしい」
二人はクスッと笑いあい、学校へと向かった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
放課後。
殿町「あれ?五河のやつどこに行ったんだ?……またかわいこちゃんとデートってか?俺というフィアンセがいながら……浮気者めッ!!」
上条「いつから士道のフィアンセになったんでせうか?」
殿町「何で五河ばっかりパラダイスなんだよー!俺にも愛をプリーズ!」
上条「気持ち悪いな……」
殿町はそのままどこかへ走っていった。
士道「やっと出られた……」
上条「ん?どうしたんだ?」
士道「あいつに見つかると色々面倒だろ?」
上条「あー……」
分からなくもない、と上条は思った。
凜袮「それで?今日はどこへデートに行くの?」
上条「(テスト前に普通デートなんて行くか……?)」
士道「そうだな……凜袮はどこへ行きたい?」
凜袮「お任せで」
士道「そうか……じゃあーー」
ーーーー
ーーー
ーー
ー
とりあえず商店街にやってきた士道一行は小腹が空いていた。
士道「何か食べようかな……凜袮は何が食べたい?」
凜袮「うーんと……士道は?」
上条「あ……一ついいか?」
″デートに来ていた″上条が困ったように口を挟んだ。
上条「何で上条さんまで?」
その質問に凜袮はいつもの極上スマイルで答えた。
凜袮「別にいいじゃない。3人でデートなんてよくあることだしね?」
上条「(普通ねーからな?)」
士道「きな粉パンかな。あれはとても美味しいって十香が言ってたし……」
凜袮「十香ちゃんか……」
その時の凜袮は微笑を貫いていたが、どこか悲しげな表情をしていた。
士道「ん?何か言ったか?」
そんな凜袮の微妙な変化に気づかない士道は、
凜袮「ううん。何でもない。じゃ私もそれで!」
何事も無いようにデートをするのであった。
上条「(鈍感すぎる士道を見るのは辛い……色んな意味で……)」
その数歩後ろでは上条が不幸オーラを漂わせているとも知らずに。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
きな粉パンが売り切れていたので新作のホイップパンを買った。
店を出た瞬間、上条の手にあったパンがカラスによって取られたのは気のせいだよな。うん、そう信じてる。
不幸だ……という上条を背に士道と凜袮はパンを口にした。
デジャヴだ。
と、士道は思った。
以前十香とこんなことがあったような……
凜袮「どうしたの、士道?」
士道「いや、何でもない……それよりこれからどこに行く?」
凜袮「うーん……じゃあゲームセンターに行きたいな」
士道「じゃ行こう……って上条?」
上条「不幸だ……」
誰よりも食を大切にする上条はパンをとられた事実にそう簡単に立ち直れはしなかった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ゲームセンターにて。
士道「こういう時はクレーンゲームをやるかな。一人だと格ゲーとかやるけど」
凜袮「そうなんだ……私、こんなとこ始めてだから……」
士道「そうか。上条も始めてか?」
上条「上条さんがこんなところにくるとモヤシ生活が始まりますよ?」
士道「お、おう……」
明らかに困ったような顔をした士道だったがすぐに話を戻す。
士道「凜袮もクレーンゲームやってみろよ」
凜袮「え?私はいいよ」
上条「せっかく来たんだから一回ぐらい……」
凜袮「私のことはいいから……士道は何を取りたいの?」
まるで自分を気にせずやってくれと言わんばかりの言い方だった。
士道「あ、あれかな?(特に欲しいものは無いんだけどな……)」
士道が指差したのは小さな人形だった。
凜袮「確かにかわいいね。私、応援してるから」
士道「お、おう!」
この時、士道はクレーンゲームで取れた人形を凜袮にプレゼントすると誓ったのであった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
結果は分かってると思うがクレーンゲームはそう甘くない。たかが二回ごときで手に入れるほど簡単ではないのだ。
凜袮「惜しかったね……」
士道「まあ、別にいいけどな」
とかいいつつ、どこかションボリしているのが見えた。
上条「(俺、絶対いる意味ないだろ……)」
完全に二人の世界に入られた上条はいつ帰るか悩んでいた。
士道「次はどこに行く?」
凜袮「士道のお気に入りの場所……ってある?」
士道「ま、まあ……無いことはないけど……」
凜袮「じゃあそこにしよ!絶対そこがいいって!」
士道「お、おう……じゃあ行こうか」
凜袮「うん!あ、当麻。逃げ出しちゃダメだよ?ここまで来たんだから、最後まで付き合いなさい!」
上条「不幸だ……」
そして、
3人はあるところへと向かった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
着いたのは高台公園だった。
凜袮「いい眺め……」
士道「そうだな……」
上条「……」
そのあとはしばらく会話はなかった。
話すことがないのか、それとも景色を堪能しているのかは分からないが、どこか気まずい雰囲気も漂っていた。
士道「なあ凜袮?」
凜袮「ん?なあに?」
士道「今日始めて言ってくれたな。自分がしたいこと」
凜袮「え?……あ、私……わがままだったかな?」
士道「その逆。嬉しかったんだよ。俺だけがわがまま言ってたらデートしてて面白くないって言うか……」
その瞬間、
凜袮の顔から笑顔が消えた。
凜袮「どうして……ダメなの?」
彼女はポツリと呟いた。
士道「……え?」
凜袮「士道が好きなことをするのは……どうしてダメなの?士道が楽しいなら私も楽しいんだよ?それだけで満足なんだよ?どうして、分かってくれないの……幼馴染なのに……」
士道「ご、ゴメン……」
上条「凜袮……」
気まずくなったところで今日のデートはお開きとなった。
士道は少し疑問に思っていた。
凜袮は無理しているんじゃないかと……
ーーーー
ーーー
ーー
ー
夜中。
上条の部屋にて。
琴里「今日あることが分かったわ」
上条の部屋にて集められた四人は琴里の精霊の調査の報告を聞くことになった。
琴里「昨日と今日、ある特定の時間にぐっと不安定になったわ」
佐天「ある特定の時間?」
琴里「そ。それも16時ごろね。その霊波パターンを中心に令音に分析してもらってるんだけど……不思議なのよね」
上条「不思議?」
琴里「そう。デート中の精霊のグラフに……それも失敗したデートのグラフにね」
一方「どういうことだ?」
琴里「分からないわ。私も分析してる内にまるで精霊のデートをモニタリングしているような錯覚に陥ったんだから……」
士道「失敗したデート?」
琴里「そうよ。〈フラクシナス〉には失敗したデートのデータも保存してあるわよ。それと照らし合わせたら……ビンゴだったわ」
士道「昨日と今日のデート……」
佐天「心当たりでもあるんですか?」
士道「いや、何でもない……何でも……」
琴里「……まあ、いいわ。私はこれからも分析を続ける。だからーー」
一方「俺たちは自分の仕事をしろってことか。くっだらねェ……」
琴里「そういうこと。じゃ、今日はここまで」
こうして、お開きとなった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
〜士道side〜
昨日と今日、デートしてたのは……凜袮だ。
それもその二回とも成功したとは言い難い。絶対何かトラブルがあって……
失敗したんだ。
士道「ハハ……そんな、まさか……」
あまりにも突飛な考えに笑いがこみ上げてきた。だって馬鹿馬鹿しいにも程があるだろう?
俺の幼馴染が精霊だなんてさ。
士道「バカバカしい。早く寝よう」
でも、この違和感は何だろう……
士道は複雑な心情の中、眠りへとついた。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
夢の中。
?「……駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!やはり私は違うのか?同じにはなれないのか……?」
?「このままでは〈凶禍楽園〉が……私の楽園が……」
?「もはや手段を選んではいられない……」
?「私の、この手で……」
夢は、閉ざされた。
今日は、6月29日。
後書き
そろそろ精霊の正体が明らかになってきたかな?
ページ上へ戻る