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【ONEPIECE】捨てられた人魚は恋をする【七武海×海賊】

作者:NaoMi
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王女と海賊団

町に入ってからは海兵と


すれ違ったり追われたりで早く見つかるもんだと思っていたのに


歩き回って20分も経っているのにすれ違う所か、


海兵一人も見かけなかった


リオ「…こんなもん?」


何ていうか…アイツ(あの男)の事だから


てっきりパトロール重視して


何人も海兵を町に歩かせてると思ったんだけどなぁ


リオ「おっかしいなぁ…」


腕を組んで首を傾げた


わざわざあの男の為だけに力を使うのも嫌だしなぁ


リオ「どうしようかなぁ」


一歩、また一歩とゆっくり歩き始めて


人がわんさか溢れ返ってる通りは進まず


ほぼ誰もいない通りへ体の向きを変えて歩き出すと


何処かから話し声が聞こえ始めた


「どうしましょう…これじゃあ全然身動き取れないわ」


「大丈夫ですよビビさん!

ナミさん達が上手くやってくれますよ」


……〝ビビ〟ねえ


どっかで聞いた事のあるような、名前なんだけどなぁ?


いやでもさぁ…つい数時間前ぐらいにあのジジイから


アラバスタの事について教えて貰ってた時に


〝ビビ〟っていう名前を聞いたんだけどなぁ


……あ、いい事思いついた


リオ「あのーすみませーん」


物陰に隠れていた男と女の元へ近付くと


二人は私が話しかけた事で大きく肩を揺らした


女「は、はいィィ!!」


やっぱりそうだ。


この子今朝ジジイが言ってたアラバスタ国王の王女だ


名前はネフェルタリ・ビビ……だったかな?


男「お、俺達に…何かご用で?」


誰かから逃げてるのか隠れてるのかは分からないけど


二人が滝のような汗を流している事に気付いた


さーてと…どうしようかなぁ


イルカちゃんに頼んでアラバスタまで行くか、


この人に頼んで一緒にアラバスタへ行くか


―――けどまずは人捜しかな。


リオ「今、人を捜しているんですけど海兵が何処にいるか―――」


ビビ「かっ海兵?!」


私が話してる途中でビビが驚いて声を裏返しながらも


目を大きく見開いて聞き返してくると小さく頷いた


ビビ「ごっ、ごめんなさい…分からないわ」


……あー成程。


こいつら海軍から逃げてたのか


それじゃあビビの横にいるのは確か最近、


船長と船員が賞金首になったっていう何処かの海賊団のクルーなのね


男「俺達この町の人間ではないので、


お役に立てなくて悪いですね」


リオ「………いえ」


頬を少し緩めると座ったままの男を見下ろし、


ビビに目を戻して言った


リオ「十分役に立ってくれたよ、


―――――アラバスタの王女さん」


ビビ「へ…!?」


リオ「それでは」


小さく会釈をしてから来た道を戻って歩き出すと


後ろから声が聞こえたとしても全く気にしなかった


…さーてと今度はどうするかなぁ


アイツが力を使ってくれればすぐに分かるんだけど


なんでそう大きくもなく広くもないこの町で


簡単に会えないのかなぁ?


リオ「仕方ない」


小さく溜息をついてから誰もいなくて静かな建物の中に入ると


目を閉じて意識を集中させる


リオ「――――――――――いた」


目を閉じてわずか五秒で居場所を確認すると


一瞬で別の建物へと瞬間移動すると静かにドアを開け、


右を向くと美味しそうな匂いが漂うレストランに目を向けた



やっと見つけた


何で私がさっき居た場所から結構離れたとこにいるのよあのバカ!!


リオ「はぁ…」


溜息付きながら全開になっているドアを潜った時、


後数歩ぐらい歩けばぶつかりそうな距離に


私が捜している人―――スモーカーがいた


スモ「………悪いが今は取り込み中だ、出直せ」


後ろを振り向かずにスモーカーがそう言うと


リオ「悪いけどそういう訳には行かないの」


小さなため息をつくと返した


スモ「だったら仕事が終わってから話す、それでいいだろ」


リオ「今が、いいんだけど」


最初の言葉を強調しながら言うと


大きく盛大な溜息をついたスモーカーが振り返った


スモ「話せ、聞いてやる」


リオ「殺されたいならここで話してもいいけど?」


首を傾げ、ニコっと微笑むと


スモ「それとも牢屋で聞いてやってもいいが」


左眉をクィッと上にあげたスモーカーがそう言うと


自分でも分かる程に無表情になった


リオ「私を捕らえる事も出来ないくせにね」


スモ「あァ゛!?もう一回言ってみろ!!!」


身体ごと私に向けたスモーカーだったけど


後ろから変な声が聞こえて


一歩左へ移動した瞬間に横から二本の長い腕が伸びてくると


そのままスモーカーともう一人の男を巻沿にして


お店の壁を突き破って吹っ飛んだ


「うおおおお!!!飯屋だ飯ィィィ!!!

おっさん!飯作ってくれよ!早く早く早く!!」


この世の中、ああいう能天気もいるのねえ…


……まあいいや。


リオ「話せて良かった」


それだけ呟くとお店を出て海岸に向かって歩き始めた


……牢屋、か


そっちが裏切っといて牢屋にブチ込むなんて、


まじで有り得ないんだけど


…少しはあの人の事で話せるかと思ったんだけどなぁ


リオ「次は、アラバスタか」


そうボソっと呟いた時、


「ねえ!!貴女!!!」


後ろから聞き覚えのある声が飛んでくると


足を止める事はなかったけど眉間に皺を寄せた


「待って!!フードを被ってる人!!!」


…この町の人たち、ほぼフード?被ってるよね?


「ええ!?無視?!ねえ待ってってば!!


えっと…えっと…!…かっ、勘の鋭い女の子!!」


………あ、女の子だというのは知られてたのね


しかも何勘の鋭いって、


私そこまで勘鋭くないんだけど


まあ、いいや


道のど真ん中で止まって


ゆっくり振り返るとビビを先頭に集団がこっちに向かって来ていた


ビビ「やっと…止まってくれたぁぁ」


すぐ傍で止まったビビが膝に手を当てて肩で大きく息をしていた


リオ「え?」


ビビ「ね、え…!少し話があるんだけど…!」


リオ「…話?」


ビビ「ここじゃあ…話しづらいし、場所を移しましょう!」


リオ「……あぁはい」


……なーんか周りをチラチラ見てるけど


やっぱ海軍に追われてるんだね 
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