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ARMORED CORE Day After Day

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01 DIRTY WORKER

 
前書き
1ミッション1話でいこうと思っています。タイトルはゲーム中のミッション名をそのまま流用しています。 

 
「俺は、ファットマン♪戦場の運び屋♪」

ファットマンが替え歌を口ずさみながらACを懸架した大型ヘリを操縦している。

「聞こえる?ミッションを確認する。前方に、2つの部隊がいる。片方はヴェニデの境界警備部隊、もう片方はシリウスの偵察部隊、両者のにらみ合いは、2日前から。依頼は、この両者のどちらかに攻撃を仕掛け、戦端を開かせる。そしてその後、両陣営を全滅させる。私たちに与えられた情報はこれで全部」

オペレーターを勤めるマギーが依頼内容を伝えてくる。このご時世、傭兵は使い捨ての駒らしい。

「なんだそりゃ!?毎度毎度、ロクでもないな!それもこのご時世か、使い捨ての傭兵の」

ファットマンも同じことを思っていたみたいだ。

「敵にACはいるのか?」

マギーに訊ねる。ACがいるかいないかでミッションの難易度は大きく変わるからだ。

「いないとは聞いているけど油断しないで。それと少しは静かに、ファットマン。仕事する気あるの?」

「なら、大したことはないな」

通常兵器相手ならほぼ無傷で達成できる。

「マギー、俺はもう、いつ運び屋を引退するか、それしか考えてなくてさ」

ファットマンももう62だ。引退を考えても別段おかしい話ではなかった。

「じゃそれは明日にして、今日は仕事がある」

「明日は雨らしい、辞めるのは晴れた日って決めてる」

「速度上げ、低空で突入して切り離し、シリウス部隊後方に投下後、ただちに上昇。オペレーションシステム、起動準備」

そんなファットマンを相手にするのに疲れたのかマギーはオペレーターの仕事に戻る。

「了解だ」

ACのメインシステムを起動する。コックピットの表示が変わる。

ヘリから切り離されたACが着地する。

―メインシステム、戦闘モードを起動します―

モニターにACのを中心とした三人称視点の戦場が表示される。ACは複数のカメラの画像を統合し、このような三人称視点を表示するのだ。

「どうせ、もうこっちに気付いてる。交戦可能な距離に入ったら、撃って」

「わかってる」

―システム、スキャンモード―

ACをスキャンモードに切り替える。この状態では火器に送られるエネルギーがなくなるため、ブーストなどに余裕ができるが、一切の武装が使えなくなり、ブーストチャージの威力も低下する。

ブースターを作動させ、機体を一瞬停止させたのち、ブースターを継続的に噴射する。グライドブーストと呼ばれるACの高速移動だ。この状態では300km/h以上の速度がでる。

15秒ほど直線的に移動するとシリウス部隊が見えてくる。スキャンモードにしたACのシステムも敵を捕捉していた。

「仕掛ける」

―システム、戦闘モード―

右腕のライフルをロックした防御型に向け、引き金を引く。

撃ち出されたKE弾が真っ直ぐ防御型に向かい直撃、装甲を貫通する。

続いて3発叩き込むと防御型は爆炎を上げ動かなくなる。

「反対側の連中も動いた」

ファットマンが言う。戦端を開くことには成功したようだ。

「これで状況は出来た。あとは動いてるやつを全部片付けて」

「スキャンした、ビーコンセット。ターゲット地点を設定」

モニターに2つのポイントと距離が表示される。

「見つけ次第全部よ、そういう契約だから」

飛びかよう高機動型をバトルライフルで撃ち落とし、接近してきた防御型にブーストチャージを食らわせる。

左膝のシールドと防御型の装甲が衝突しガギンッという金属音が鳴り響く。

次々と破壊されていく通常兵器がその無惨を晒し、戦闘後そこにはACと燃え盛る残骸が残る。

「残りターゲット、およそ半数」

ファットマンが教えてくれる。

「シリウスの方は片付けた。次いくぞ」

ヴェニデの部隊は接近してきており、既にポイントの座標にはいない。

右腕のライフルをハンガーのレーザーライフルに換装、エネルギーをチャージする。

そしてチャージ終了と共にトリガーを離すと橙色のレーザーが発射され、接近する高機動型を撃ち落とした。

チャージしながらヴェニデ部隊に接近、高機動型をバトルライフルで撃ち落としつつチャージされたレーザーで別の高機動型を落とす。

高機動型は全滅、防御型が残る。

「あと少しだ。さっさと片付けてくれ」

両腕の武装を換装、グライドブーストで防御型の側面から接近し、レーザーブレードで切り払う。

刀身から吹き出た青いレーザーが防御型の装甲を容易に熔断した。

あと2機

左へハイブーストで移動しながら防御型の1機をライフルで撃ち抜き、撃破する。

ラスト

グライドブーストで直線的に突撃、さらにこの状態でハイブーストを吹かせ、最高速度でブーストチャージ。

ガギンッという金属音と共に防御型は大破した。

「これで全部のようだな」

「スキャン完了、敵影はない」

―作戦目標クリア、システム、通常モードに移行します―

「いつも通り、レポートは依頼元に送信しておくから。おつかれさま」

「どういう話だったのか、何もわからんかったな。それもいつも通りか」

「そうだな」

この程度の依頼、本来なら傭兵を雇うほどのものではない。

「今のやり方は、そういうものでしょ。知らなくていいことは知らなくていい、なにひとつ」

「親父たちの世代は違ってたみたいだがね。生きにくい世になったものだ」

「そうね」

「そういうのが気にいらんのだろ、マギー。お前が、傭兵だった頃から」

ファットマンが訊ねるように言う。かつてのマギーはブルーマグノリアと呼ばれ、無類の強さを誇った傭兵らしい。その名は親父から聞かされていたし、俺自身も傭兵として活動する中で耳に入ってきた。

ただ、2年前に死神部隊と交戦した結果、左腕を失いACを降りることを余儀なくされた。

当時は死亡説が一般的で彼女に会うまでは俺自身、死んだと思っていたが、あとから聞いた話によるとファットマンに救出されたとのことだった。

「次の仕事がある、帰りましょう」

マギーは話をそらした。

―――――――――――――――――――――

その一戦を遠くから観察するものがいた。

「データ取得完了。どうです、感想は?」

「今はそれほどのものは、だが…」

「ええ、可能性のある者は全て消去します。それが我々の計画ですから」 
 

 
後書き
結局肩のヒトロケ使いませんでしたw

たぶんAC戦では使います。 
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