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IS-本当の強さとは……

作者:無限の夜
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十四話

 
前書き
最近、一次創作を更新していました。暫くはそちらをしているので余り更新できないかもです。 

 
これは凄いな。綺麗な砂浜が広がっている。空中から見下ろしたことはあるが歩いてみると更に美しい。

「えっ!?スゴイ!篠乃之君、折村君より筋肉ついてる」

「服の上からだと全然解んないのに?」

「どうやったらあんなしなやかにつくんだろ?」

そう言えば俺の格好はおかしくないだろうか?海には初めて来るのだが……。

「お兄ちゃん?早く泳ご♪」

ラウラが凄くご機嫌なようだ。黒の水着が白い肌を強調していて綺麗だ。

「そうだな。それでどうする?遠泳でもするか?」

「うーん」

「おーい、ホムラー!ビーチバレーやらないか?」

「どうするラウラ?」

「ビーチバレーする。お兄ちゃんもやる?」

皆と遊んだ方が楽しいだろう。

「俺もやるとしよう」

※ ※ ※

「一つ質問があるのだが……。男装少女はもう男装しないのか?」

「へっ?男装って……もしかして最初から気付いてた?」

これは隠していたのか?

「逆にあの程度で騙されるほうがおかしい」

重心の移動や仕草が女のそれだったしな。

「お兄ちゃん……私も気付かなかったよ?」

「なあ、ホムラって規格外なのか?」

「流石に酷いなそれは……。多少人間辞めてるだけだ」

俺を抜いた三人になんとも言えない空気が流れた。

「とりあえず……チームを分けないか?」

一夏少年の一言で俺たちは試合を始めた。

※ ※ ※

夕食の時間、俺は旅館の中庭でハルバートを振っていた。どうにもあのメンバーで騒ぎながら食事をするのが好きになれない。傭兵共と酒を飲むのは楽しいのだが……。

「篠乃之、ここにいたか」

俺はピタリとハルバートを止めて後ろに立つ千冬の方を向いた。

「なんだ?俺は修練で忙しいのだが」

「単刀直入に聞く。お前はISに乗れないな?」

「……だとしたら?」

月明かりが庭を照らす中千冬が俺に真剣な面持ちで質問してくる。

「お前は……何者だ?」

「そうだな…………」

真剣に聞いてくるのならはぐらかすのも悪いだろう。

「純粋な人間ではないな。これ以上話しても信じはしまい。俺も一つ聞いていいか?」

「なんだ?」

「どうして、ISに乗れないと思った?」

俺のシールドエネルギーは確かに表示されていたはずだ。

「ハルバートを呼び出したり、翼を展開したときにISのエネルギーが確認出来なかったからだ」

意外な落とし穴だったな。俺の力は全て魔力によるものだ。検出できなくて当たり前だろう。

「そうか」

「警告しておく。一夏に手を出したら私は許さない」

それだけ言うと千冬は去っていった。

※ ※ ※

「おっ、ホムラは飯の時どこにいたんだ?ラウラが捜してたぞ」

「そうか、ありがとう。後で謝っておこう」

「一夏さんはいらっしゃいますの?」

「一夏ぁ、いるの?」

「一夏……いる?」

オルコットや凰、デュノアがいる。因みにデュノアとは昼間自己紹介しあった。

「俺は邪魔なようだな。どれ、暫く出かけてくるとしようか」

※ ※ ※

俺は海の堤防に行き、釣りをしていた。勿論夜目が利くので浮きは見えている。

「お兄ちゃん」

「どうした?ラウラ」

一時間程するとラウラが来た。

「お兄ちゃんが居ないから捜してた」

「そう言えば夕食の時も捜してくれてたんだな。済まなかった」

「ううん、いいよ。そう言えばお兄ちゃん、そこに座ってもいい?」

そう言うと俺の返答もまたずに俺の前に座った。それはラウラが俺を椅子のようにする形だった。

「こうしてるとお兄ちゃんに包まれているみたいで気持ちいい」

俺は釣り竿を持っていない方の手でラウラを後ろから抱きしめた。釣りをしていたので前傾姿勢になっていた。なので必然的にラウラの頬の横に顔がくる。

「うーっ」

ラウラは小さく唸ると顔を下に向けて真っ赤にしてしまった。髪も内側にくてっとしている。

「ラウラは可愛いな」

自分の義妹なので多少の過大評価もあるかもしれないが本心からの言葉だった。

暫くして、ラウラが手の中で寝てしまった後も俺はゆっくりと釣りを楽しんだ。
 
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