自作即興・短編小説まとめ
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連立構造
その昔。
人類は、ある事に気付いてしまいました。
この上の上の上には、神様なんて住んでいないと。
人類が積み重ね信じてきた信仰は、まるで塔が崩れ去るように衰退していきました。
科学が虚実を証明し続け、ついには人の信仰対象すら、虚実であると証明したのでした。
この証明は、のちに更なる上の場所に辿り着く方法すら弾きだしていました。
しかし、この上の上の上の上にいる何かは、この事に気付いてしまいました。
下の下の下の下は、こちらに来てしまうのではないか。
今まで通称"神"だったその者は、下の下の下を消さなければ。
完全な消去は今まで積み重ね信じているモノを崩してしまう。
そう気づいた何かは、その下を大きな大きな炎で覆い尽くしました。
ある人は言いました。
「やっぱり神は居たんだ」と。
ある者は言いました。
「結局こうなるだ」と。
ある者はそれを実行し、周りを見渡すと、自分自身もまた、大きな大きな炎で覆いつくされていました。
ある者は、下を見て、上を見ていなかったのだ。
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