Gフォース~正義の行方~
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第4話 残酷怪獣ガイガン
数時間後、午前4時
ワシントンのホテルにフォードとヒオはいた。
フォードはベッドの上で疲労からか爆睡していた。
だが、眠れなかったヒオは両手を上にかざすと自分の意識をインターネット空間に飛ばした。
ヒオは自らの意識をネット空間に飛ばすことで、動画サイトやBBSに書き込むのが趣味だった。
ヒオの意識はすっかりインターネットの中にあり、ヒオはBBSサイトの5chanに書き込んでいた。
『俺のイヌが自分のウンコ食い始めたンゴwwwwwwwww』
ヒオは苦笑いをして、こう書き込んだ。
『自分の経験談書くな、クソゆとり乙』
別のスレッドを開いた。
スレッドの名前は『【ネ兄】またお騒がせセレブが荒れた!』だった。
なんでも、有名な歌手がまたパパラッチに暴力を働いたというニュースをもとにして作られたスレッドだった。
ヒオはどうでもいいと感じたので適当に荒らしコメントを書いた。
『クソどうでもよすぎてワロタ』
ヒオはふと別のスレッドを開いた。
スレッドの名前は『【衝撃!】元アメリカ海軍提督が狙撃される、暗殺か?』だった。
ヒオはギョッとしてスレッドを開いた。
そこにはこう書かれていた。
『提督はワシントン郊外の住宅街で、何者かに狙撃され負傷した、犯人は不明、警察・軍・FBIが合同調査。提督はいまだに意識もどらず、かつてゴジラ騒動の時に活躍した優秀な軍人としても有名である。』
ヒオは書き込みをみずに、意識を現実世界に戻すと、フォードの元に駆け寄った。
フォードの額にとびのると、頭をペチぺチと叩き始めた。
フォードは大きなあくびをすると、眠い目をあけてヒオをみつめた。
「どうしたんだ・・・。」
「提督が、誰かに撃たれた!」
フォードは一瞬で目を覚ました。
提督はフォードにとって、上司でもあり父親のような存在でもあった。
そんな恩人が狙撃された。
よほどのことではできない。
ましてや、ベトナム戦争でべトコンから恐れられた提督がだ。
「そんな、誰が。」
ヒオは首を横に振りながらこういった。
「わからない。」
すると、ホテルのインターホンが鳴り始めた。
フォードはパンツ姿だったので急いで、服を着替えた。
白いシャツとGパンだった。
そして、ドアを開けた。
そこには警官が数名いた。
フォードは少し、肝を冷やした。
「フォード・ブロディ少尉ですか?」
フォードは首を少し縦に振った。
警官はすると、ずかずかと部屋に入ってきた。
「提督が撃たれたことですか?」
フォードは警官の一人の顔をみて、そういった。
警官は首を縦に振ると、彼に近づいてこういった。
「ブロディさん、あなたは重要参考人です。一緒に来ていただきたい。」
だが、ヒオは直感的にわかった。
すると、急いで姿を隠すとフォードの脳内に直接話しかけた。
「フォード、そいつら殺しにきたんだよ!」
フォードは目の色を変えた。
そして、警官のほうをジッとにらんだ。
彼の手元をみた。
警官の手元には銃が握られていた。
そして、もう一度彼の顔をみつめながらこう言った。
「本当の目的は違うんだな。」
すると、警官は急いでサプレッサー付きのピストルを取り出した。
フォードはそれをはらいのけると、鼻に素早く掌底突きを食らわした。
警官は呻き声をあげ鼻を押さえていると、フォードは素早く体を一回転させるとラリアットを食らわした。
その様子をみていた別の警官たちは銃を抜こうとした。
ヒオは頭を押さえると、その場にいた男たちに別の光景をみせた。
男たちは銃を抜こうとした次の瞬間、ハワイにいた。
「そんな馬鹿な!」
男たちは悲鳴をあげながら周囲をみつめた。
しかしそこはハワイだったのだ。
だが、実は精神がハワイに飛んでいただけで実際は体はワシントンにあった。
フォードは素早くヒオを回収し、財布や身分証を持つとそのままホテルの部屋から去って行った。
走りながら、ヒオを胸ポケットの中に入れるとそのまま彼は出口へと向かっていった。
すると清掃係の制服を着た女性がきた。
そして彼女はいきなり銃を取り出し発砲してきた。
「新手の刺客だな。」
フォードは銃弾を大きくジャンプして避け、女性の顔に素早い蹴りをあびせた。
女の体は吹き飛び、気を失った。
「やったわね。」
「急いでここを離れよう・・・。」
フォードはそのまま走り、エレベーターを使い地下駐車場へと向かった。
するとそこには白い高級車から男が出てきた。
「このオリンピック金メダリストの僕が泊まってあげるんだ光栄に思えよ!」
頭の禿げた筋肉質な男は金メダルを首から下げていた。
フォードはよくわからなかったが、この車を盗もうと考えた。
自称金メダリストの男は車の外にでた。
「この金メダリストの車は凡人どもとは違う場所にいれろ。」
そういったその時だった。
フォードは素早く男の顔に蹴りを食らわした。
金メダリストは気を失うと、その場にまるで空気人形が空気が抜けたように倒れた。
「バイバイ、金メダリストさん。」
フォードはそういうと、男の高級車を盗んでいった。
車の中でフォードはラジオを聞いた。
すぐにニュースチャンネルを開くと、そこには提督のことが流れていた。
『本日、午後23時ごろアメリカ海軍の元提督のウィリアム・ステンズ氏が何者かに狙撃され意識不明の重体になりました。警察は第一容疑者として、銃痕と近くにあったライフルの指紋からフォード・ブロディ少尉を指名手配にしております。』
フォードは座席を蹴り飛ばした。
「なんで、俺が容疑者にされなきゃいけないんだ!!!」
「わかんないけど、なんで狙撃されたのかしら?」
「わからない、なぜ警察や清掃員が殺しにきたんだ?」
フォードとヒオの頭は疑問ばかりだった。
彼は苛立ちながら車の前方をにらんだ。
「フォード、とりあえず私はほかの人たちにテレパシーで連絡を送るわ。お姉ちゃんにも助けを頼むから、安心していてね。」
フォードはヒオのほうを少しみつめると、気持ちが落ち着いていった。
息を荒くしながらも、呼吸を整えしだいに冷静になっていった。
フォードは少し、考えた。
こういう状況だからこそ、自分は冷静にならなくてはいけないのだ。
だが、フォードにはなぜこういう事が起きたのか理解できないでいた。
そのころ南太平洋。
巨大なエビラは暴れまわっていた。
巨大なハサミを使い、近くの船舶を襲うとエビラは中にいた人々を食い殺していった。
エビラの身長は100mほどあった。
すると、エビラの元に何かがきた。
150mある怪獣にみえた、エビラは怒りに震えながらガチガチとハサミを震わせた。
エビラはそれをさらにみつめた。
両腕は鋭いカマのようになり、先がとがっていた。
腹部にはノコギリのようなものが生えていた。
眼は赤くグラスのような形をしていて、光輝いていた。
機械的な姿をしていたが、肩の肌はかつてのゴジラのように岩肌をしていた。
二の腕にかけては機械でコーティングされていたのか、機械がみえた。
頭にはトサカのようなものがはえていた。
すくなくとも、肌と呼べるのは肩だけだった。
その様子を人工衛星がうつしていた。
ワシントンにある、昼間にフォードたちがやってきたビルではその様子をシンクレア議員が、上層部にある映像をみせていた。
モニター上にいる老人たちを相手にまるで、シンクレアはテレショッピングの司会者のようににこやかに告げた。
「では、これよりガイガンの実力をみせてみましょう。」
その怪獣はガイガンと呼ばれていた。
突然の来訪者にエビラは巨大なハサミをつかい、とびかかった。
だが、ガイガンがそれを避けると巨大なカマのような腕を使いエビラのハサミを切り裂いた。
ゲギャギャギャギャギャ・・・・ッ・・・・。
青い血を吹きだしながらエビラは海中に倒れた。
すると、さらに追撃を食らわせるかのようにガイガンは背びれを青く光り輝かせた。
その背びれはゴジラを彷彿とさせた。
その様子をみつめていた、シンクレア議員は微笑みながら部下に告げた。
「トドメだ。」
部下はコンピューターのボタンを押すとガイガンの腕のカマはよりいっそう、青白く光り輝いた。
そして、青白く光るカマはエビラの体に振り下ろされた。
エビラの体は光輝くと、そのまま吹き飛んだ。
ガイガンは勝利の雄たけびをあげた。
その雄叫びは金属同士がこすれる、気持ち悪い音をしていた。
シンクレアはその様子を誇らしげにみせつけ、微笑んだ。
その様子をみつめていた、老人が手をあげて聞き始めた。
「メカゴジラとどっちが強いんだ?」
シンクレアはわざとらしく、咳払いをすると首をかしげてこういった。
「メカゴジラとの比較はできませんが、互角の力を持った怪獣がおります。デストロイアです。彼がいい指針になってくれるでしょう。」
シンクレアの青い目は、妖しく光輝いた。
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