仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜
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地獄の旅団と運命論者
「君達の帝具…
フフッ…運命というのは実に面白い…」
「何の話だ」
「ああ、すまない
気にしないでくれ
すぐにわかるさ」
ハーヴィーはカードの束から一枚引き出す
「…ハングドマン、吊られた男のカード」
その言葉が発せられたと同時に
承太郎達の身体が、何かに吊られるように空中に浮いた
「何だこれは…」
身体の自由が奪われ、抵抗できない
それを見て、ハーヴィーはもう一枚、カードを引いた
「サン!太陽のカード!」
不意に身体が解放され、地面へと落ちる
そこを狙い、カードから火の玉が放たれた
「くっ…!」
何人かは回避出来たが、
ポルナレフの右肩に当たってしまう
「うおおおおお!あっちぃぃぃぃぃ!」
ポルナレフが急いで火を消す
そんな様子を見ながらハーヴィーは続けてカードを引く
「ムーン!月の幻影に惑わされるがいい!」
ハーヴィーが五人に分身し、
地獄の旅団を襲う
カードのフチが鋭い刃物になっており
それをナイフのように使い、攻撃を繰り返す
「さっきから…イライラさせんじゃねぇ!」
帝具 スタープラチナの鎧を着た承太郎が分身の一人をぶん殴る
だが、分身は臆する事なく、攻撃を続けてくる
「何だこいつ…気持ち悪い!」
他のメンバーも帝具で応戦するが、
同じように苦戦しているようだった
承太郎が再び殴ろうとした時、不意に
分身が消え、
本物のハーヴィーがカードを手にとっていた
「次は…マジシャン、魔術師のカード」
カードからアンクの形の炎が放たれる
それを見た承太郎達は驚きの表情を見せる
「マジシャン…だと?それにこの炎…」
アヴドゥルが前に出る
「マジシャンズレッド!」
アヴドゥルの帝具、マジシャンズレッドからも
同じアンクの形の炎が放たれ、
ハーヴィーが放ったものとぶつかる
「そんな…一体どういうことだ?」
質問を無視してハーヴィーがカードを引く
「ハイエロファント…」
カードから、今度はエメラルドの様な
物が放たれる
今度は花京院が前に出た
「ハイエロファントグリーン!」
刀型の帝具の先から同じくエメラルドの様な物が放たれ、ぶつかる
「何なんだ…?俺たちの帝具と同じ能力…?」
「やはり、知らなかったか…
ならば教えてやろう
お前達の帝具…スタープラチナ、ハイエロファントグリーン、マジシャンズレッド
ハーミットパープル、シルバーチャリオッツの5つは
私の帝具、タロットから一番汎用的な力を持った
星、法皇、魔術師、隠者、戦車の五枚のカードを応用し、
より広い力を持たせるために作られた帝具だ…」
「何ぃ?」
ハーヴィーは続ける
「私の帝具、タロットには少しばかり問題があってな
それは複数のカードは同時に使うことが出来ず、効果も単純なのだ
だから応用させるために選抜された五枚のカードの能力を
別々の帝具にしたということだ
その帝具達が今、このタロットの元に集まっている
何とも言えないが…これが運命だとしたら…
実に面白いだろう?」
ハーヴィーが承太郎達を見つめる
「いいや、全く面白くないね
あくびが出る
さっさと終わらせてもらおう」
「どうする気だね?」
「どうもこうも簡単さ
お前はバカな男だ
弱点を話し、しかもそれは長く、
周りを全く気にしていない」
「何のことだ?」
「正直、自分でもここまで長引かせちまったことに
驚いている
…花京院」
ハイエロファントグリーンを地面に突き刺していた
花京院を承太郎は見る
「準備はいいか?」
「ああ」
「?」
ハーヴィーが何をしているんだと言わんばかりに
顔をしかめる
「普通に俺達の帝具をぶつけても
お前のそのたくさんのカードで塞がれるだろう
たとえ同時に攻撃しようとしても
さっきのハングドマンの様なカードで止められてしまう」
承太郎がハーヴィーに指をさす
「だが…お前の言った通りなら
こっちにはある能力がお前には使えない
おそらくその一つは…「奥の手」だ…やれ!」
花京院が地面に刺さった
ハイエロファントグリーンの柄を
握りしめる
すると、ハーヴィーのそばの地面から無数の刃が現れ、
身体を貫いた
「ぐほぉッ…!」
「僕の帝具の奥の手は刃先を触手の様に
何本にもわけ、同時に操ること…
地面の下を移動させて仕掛けを作るのに
お前の話の長さはちょうど良かったよ」
刃が抜かれると
ハーヴィーの身体は地面に崩れ落ちた
「あまり面白みのない戦いだったぜ…
時間の無駄だった」
背後に空いた通路に気づき、そちらを向く
「行くぞ、さっさと仕事を終わらせる」
承太郎に続き、残りのメンバーも通路へと入って行った
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