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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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多くをするのは易しい


多くをするのは易しいが、一時を永続するのは難しい。
—ジョンソン—

 


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多くをするのは易しい






◆◇◆シナイ◆◇◆



水面歩行しつつの演武、組み稽古、トラップ解除練習・・・昼の鍛錬がようやく終わろうとした時、招集用の鳥が鳴いた

「・・・本日はここまでだ
 中忍試験、どうする?」

「あ、もしかして今日が推薦する日?
 コンも最近落ち着いてるし、受けても良いんじゃないかな」

「サバイバル以外なら良い線行くだろうな
 ・・・サバイバル以外なら・・・」

「・・・二回も言うなよ」

うちの班は今日も仲が良くて結構なことだ


「それではお前らを推薦してくる、ゆっくり休めよ」


はーい、と良いこの返事をしつつ組み手を始めた

休めと言っただろう


コン曰く忍者的スピードで里を駆け抜け火影邸に集まる

主なメンバーは大体集まっているようだ

「さて、新人の下忍を担当している者たち、前に出ろ
 ・・・カカシに紅、アスマにシナイか
 どうだ?今回の中忍試験に推したい下忍はいるかな?」


「・・・第六班、油女シュロ、志村イカリ・・・ねたみコン以上3名
 まじらずシナイの名において試験受験を推薦します」

「待ってください、まじらず上忍!
 貴方も知っているでしょうねたみコンの体を!
 もっと体力をつけさせてから試験を受けさせるべきです!」


イルカか・・・カカシに突っかかるだけでなく私にまで・・・

良かったなコン、お前をまともに案じてくれている奴がいたぞ


「ふー・・・何も忍者というのは体力が必要なわけではありません
 イルカ中忍、貴方のそれは過保護というものです
 温室でぬくぬく育った花が突然外へ出されても枯れるだけ
 慣れさせることが必要です」

「ま、確かに体力不足は問題ですが・・・あいつほど忍者らしい忍者もいません
 ・・・正直、暗部入りを検討してもいいぐらいです」


珍しく賛同してくるカカシ

確かにコンの気配の消し方は上手い

派手な動きもなく着実に仕留める傾向は暗部向きだな

こぶしを握り締めたイルカ

言いたいことが山ほどあるだろう、イルカには悪いが殺気を叩きつけて黙らせる


「シナイ、イルカ、2人とも抑えよ」


3代目の仲裁によりすぐさま解散することにした

はやく同意書持って行ってやらないとな















◆◇◆コン◆◇◆










「中忍試験か・・・」


確か大蛇丸の介入があるはずだったな

起爆札に毒塗りクナイ、麻痺毒を塗りつけた小刀を装備し、限界まで兵糧丸、増血丸を詰める

また血臭隠しの香料もポーチに入れておいた

中忍試験への合意書をもち、家の戸締りを終えて出発した

アカデミーの裏門には予め伝えておいたとおり六班が集合する


「現在午後2時・・・何事も早め早めに、ね」

「予定通り、忘れものもない、疲労回復の甘いものも完備」

「一次試験用に試験勉強もばっちり・・・だよなシュロ?」

「すいません全然勉強できませんごめんなさい」


土下座しながら泣き続けるシュロ

わかってる、お前が暗記もの嫌いなの知ってる


「それじゃ、301に行くか」

「幻術解除、忘れるなよ」


今さら原作介入しないとかするだとか関係ない

木の葉崩しがどうなるか分かったもんじゃないが・・・俺たちはやれることをやるだけだ

どうせ原作のこと忘れきった先生が介入するだろうしな!

幻術対策としてチャクラを乱しながらアカデミーに入ると誰とも出会わず301に着いた

・・・あぁ、いや、何事もなくてよかった・・・?


「・・・誰もいないって淋しいな」

「なんでこの世界の奴らって時間ギリギリで来るんだろうな」

「まさかの一番乗りか・・・どうする?」


301には誰一人、いや監視役の試験官がいたがその人も事前準備として来て居ただけであってすぐに去って行った

三人だけの空間に虚しく風が吹いた

開いた席に陣取り、荷物を置いて雑談して数分後、人の気配がした


「おいおい・・・たったの一組しかいねぇとは・・・待たなきゃいけねえのかよ・・・?」

「待たされるのが嫌なら後から来れば良かったわね」

「あ!コン!」


見たことのある変装姿

黒髪ポニーテールなデイダラと・・・サソリ本体だな、もうひとりは藍色のロングストレートの少女

・・・小南・・・?

とりあえずサソリはもっと変装しなさい、あとデイダラは一々オレに声かけない

変装の意味がないでしょ


「コンサンオシリアイデスカ?」

「やめてシュロ目が怖い!
 なんでいるんだよダラー!」


事情を話せやワレェと低い声で囁かれる

そういやこの間デイダラと再会したことまだ話してなかったな

何故ここにいるんだろうか


「ふっ・・・何を隠そうオイラは雨隠れの芸術家兼下忍だったのだーッ!」

「チームメイトその1カイだ」

「チームメイトその2ミナミよ」

「あ、ご丁寧にどうも・・・」


深深とお辞儀であいさつされ面喰らう

なんだかこのノリの軽さ、デジャヴュ・・・


「こいつが噂の芸術作品か・・・ダラーと似たような美意識もった奴がいたとは思わなかったぜ」


なんというかデイダラ本人なんですただ世界が違うだけなんです


「早死にしたのも美意識のせいかもな
 でもこうして最後の作品たるコンを残してくれたんだ、オイラがその後を継いでやるぜ!
 目指せ一瞬の芸術!」


お前は人のことを作品と捉えていたのかふざけるな


「けっ・・・何が一瞬だ爆発魔・・・美っていうのは永久に残るものだ・・・
 やっぱりお前とはあわねぇ」


永久に残るもの、それが耳に入った途端混乱のあまりロボットダンスをしていたシュロが叫び出した


「永遠・・・!
 そうだ永遠とは愛!イカリーお前への愛は永遠だ永久不滅だ—ッ!!」


いつもの告白だった

もうそろそろ3時でいつもの時間だもんな、広場で叫べないのが残念だね


「シュロ、混乱してるのはわかるが落ち着こう
 そろそろ人が増えてきたし、恥ずかしい」


教室に入ってきた瞬間告白が聞こえるとかマジないな

ほら、音隠れが何事かと吃驚してるぜ

デイダラと美意識について言い争っていたサソリが固まっている

・・・油差そうか?


「恥ずかしがってるオレの嫁マジかわいい、マジ美しくね?!」


木の葉の人々が「広場の告白魔だ・・・」「リア充しね」「嫁ぺろぺろしたい」などと呟いている

真ん中の人と最後の人は後で拷問部に来るように

全身全霊をもってそんな感想抱けなくしてやる


「永遠・・・愛・・・」


サソリは何か衝撃を受けたように顔色を変える

傀儡なのに顔色まで変わるとか器用だな


「そうとも!オレとイカリの愛の結晶が子々孫々と未来に向けて大増殖!
 一族の始祖として夫婦は語り継がれることであろう!」




これが愛だッ美だッ美しさだッ





「油女さんマジぱねぇっす」「シュロさんすげえ真似したくないけど」「恥ずかしさに震えるイカリさんぺろぺろしたい」


最後の人、シュロの前に出頭するように

たぶん寄生バチで許してくれるはずだから


「お前・・・名は?」


「ふっ知らざぁ言って聞かせやしょう・・・
 午後3時の広場の告白魔もしくは油女一族の異端児こと油女シュロたぁ、このオレのことよ!」


高らかに宣言した後背後からシノに殴られるシュロ

ようやく茶番が終わったと言わんばかりに視線を逸らす参加者の方々


「何をやっているんだお前は・・・」


・・・シノがいるってことは・・・


「これはこれはみなさんお揃いでェ!久しぶりだな、まだ生きてやがったか保健室の主!」

「い、イカリちゃん久しぶり!」


やっぱり出やがったな犬塚!

ヒナタとイカリはハイタッチしてる、仲良いなお前ら


「良かった、コン生きてたよシカマル」

「あぁ・・・死んでるかと思ってた」

「酷い事言うなお前ら」


シカマルとチョウジか、イノは何処へ行った?と思いきや7班を引き連れてこちらへやってきた

もうそんなに時間がたっていたのか


「今年の新人下忍12名、全員受験ってわけか
 何処まで行けますかねぇサスケ君?」


「フン・・・えらく余裕だなキバ」


すかしつつ視線はイカリの元へ・・・分かりやすい奴だ


「相当修行したからな、お前らにゃ負けねーぜ・・・あとねたみには絶対負けねえ」

「こっちのセリフだ犬塚!」


赤丸がハラハラと見守る中睨みあいを始める


「うん?なんだコン、こいつと仲悪いのか?
 よし、オイラが潰してや「ダラーダメ絶対」ぐえ」


小南がデイダラを絞め落とし引きずって雨隠れ集団の中へ去って行った

本当、なんでこんなにノリが軽いんだろう・・・


「なんで雨隠れの奴らと・・・!?」

「木の葉に来る前に知り合った・・・友達だよ」

「と、友達!?」


涙目で叫んだ犬塚

一体なんなんだと思っているとシノが、もう少し大人になるまで待ってやれと言ってきた

わけがわからないよ


そうこう会話しているとカブトが近寄ってきて注意された

忍識札の話になり、サスケが何故かオレとリーと我愛羅の情報がほしいと言った

なんでオレ


「カカシの奴がお前のことを妙に褒めてたからな」


何かしたっけな、イチャパラ初版をあげたことだろうか


「まずはねたみコン君だね
 年齢は19・・・え、え?」


二度見すんな眼鏡


「体が弱くてアカデミー入学がだいぶと遅れたんですよ」


「そうかい、悪かったね
 班長はあのまじらずシナイ、任務達成回数はDランク58回、Cランク51回・・・!?
 間違いなく今季下忍のなかで任務成功回数No.1じゃないか」


すごいよと褒められ照れているとシュロとイカリに頭を撫でられた

やめろよ

やめろってば!


「しかし俺等任務受け過ぎかね?」

「シナイちゃん絶妙なバランスで任務入れてくるからな・・・基本一日最低五回はやってるし」

「同時進行でこなしやすい任務ばっかだもんな・・・」



出来ない任務は絶対やらない、それが我が班のモットーです



「静かにしやがれドぐされヤロー共!
 ・・・待たせたな中忍選抜第一の試験、試験官の森乃イビキだ」



「キャーッイビキさんカッコイイィ!ステキィダンディ!」


シュロの黄色い声援が響き渡る

それに片手を上げてこたえるイビキさんかっけぇ

オレも声援を上げるべきか本気で悩んだ





 


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キバはツンギレ異論は認める


入力した文が全消去されること三回目・・・なんだか疲れた・・・

今回から試験的に視点切り替え時に名前を表記するようにしました

見辛いとか、記号変えた方が見易いなどなどございましたらご連絡ください
 
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