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ハイスクールV×D ライド4
前書き
月光校庭のエクスカリバー編です。
さて、個人的に思うのですが、グレモリー眷属って下手したらイッセーが居なかったら、この時期に亀裂が入っても不思議じゃないと言うイメージが。特に力への誘惑をこの時期の木場くんが跳ね除けられるかは、本当に疑問。
取り敢えず、木場くん、惑星クレイの初代シャドウパラディンと同じ道に進む第一歩の巻です。
「五峰君、すまないけど……ぼくと戦ってもらえないかな」
オカルト研究部の部室。顔面に殴られた痕を付けられて壁にもたれ掛かって倒れている一誠と、一誠に駆け寄っているアーシア。リアスは一誠を殴り飛ばした四季を睨みながら、朱乃と小猫の二人は警戒しながらも、臨戦態勢に入っている。
そんな中で黒い超兵装……ブラスター・ダークの使っていた剣を持った四季へと己の神器、魔剣創造で作り出した魔剣を四季へと突きつけている木場。
「良いだろう。受けて立ってやる……と言いたいトコだけど、こっちには受けるメリットが無いな」
敵意は向けられているが木場の意識が向いているのは、四季ではなく彼の持っている剣。纏っているのは闇の力……魔剣と呼んでも良い代物では有るが、木場の目には影の英雄の使っていた漆黒の剣は魅力的に映っていた。
あの魔剣以上の剣は魔剣創造では作れない。あの剣が有れば憎い聖剣を超えられる。
奈落龍の血肉により鍛えられた漆黒の剣は木場の中に有る闇を魅了していた。
(忘れていたつもりだった……。だけど、あの剣があればぼくは超えられる……エクスカリバーを破壊する事が出来る。欲しい……コロシテデモ)
影の英雄の剣と魔剣を持つ二人が互いに殺気を交わしながら睨みあう。
「分かったわ。貴方が勝ったら私達は悪魔として貴方に関わらないわ。祐斗が勝ったら「その剣を貰う」ちょっと、祐斗!」
リアスの言葉を遮って木場の言葉が響く。所有者である四季が力に呑まれずに、対峙している木場が漆黒の剣の力に魅了されているのは……かつて堕天使が持っていた頃の逸話を知ってしまったからだろうか?
影の超兵装……魔法と科学の融合によって誕生したその剣は、木場の神器であっても作り出す事はできない。……神秘に属する力だけでは、科学との融合によって誕生した超兵装を生み出す事は出来なかった、と言う事だろう。
時は遡る……。
「五峰くん、ちょっと着いて来てくれないかな? 部長、リアス・グレモリー先輩が君を呼んでるんだ」
(昨日の今日で呼び出しか。必要以上に挑発しすぎたかな)
四季へと視線を向けている木場を探るような視線を向けているが、その意図は……大体だが推測できる。先日からこっちを探っている様子があったから、それだろう。
……何処が原因で気付かれたかとと改めて考えてみるが、恐らく剣道の時だろう。自然に素人……精々が剣道経験者程度の実力に見せるなどと言う器用な真似が出来るほど剣士としての力量は高くない。
「本当は朝田さんも呼ぶように言われたんだけど」
「ああ、今日は別々に帰る予定だったからな」
「それで、来てくれるかい」
「別にどうでも良いが……無理矢理にでも連れて行くって顔してるぞ」
はっきり言って着いて行く義理は無いが元々想定の範囲内、予定通りだ。観念したと言う表情で着いて行くと言うように見せかける。
「ナンだよ、折角部長、リアス・グレモリー先輩が呼んでるって言うのに、その態度は無いだろう!?」
四季の態度に噛み付いてきたのは木場との会話を聞いていた一誠だった。
「この学校の全員が全員先輩に憧れてるとか思うなよ。オレは例外の部類なんでな」
心の中で『オレには詩乃が居るし』と呟きつつ、一誠の睨みつけてくるような視線を受け流しながら木場の先導に従って歩いていくと、一誠とアーシアの二人も後ろから着いてくる。
そのまま一誠に敵意を向けられるまま、木場の先導に従って歩いた結果、辿り着いたのは四季の予想通り旧校舎……オカルト研究部の部室の前だった。詩乃には最悪の場合の逃走時の援護の為に狙撃ポイントについてもらっている。
「部長、連れてきました」
「入って良いわ」
(……平行世界の詩乃ってどう言う状況にあるんだ?)
木場とリアスの会話の後に入って行く一同だが、ふと、彼女の神器の能力……平行世界の彼女の能力について考えてしまう。
弓使いにスナイパーはまだ良いとして……彼女自身恥ずかしがって滅多に使わないが、弓使いのケットシーらしい猫耳姿については、そう言う世界も有るんだと無理矢理納得した。
(あー、でもあの姿は可愛かったな……普段の詩乃も良いけど青い髪も似合ってるな)
「ちょっと、聞いてるの!?」
「え? 何か言いました?」
目の前で#マークを頭に貼り付けながら、テーブルを《バンッ!》と叩いていてたが、塔の四季は詩乃の事を考えていて何も聞いちゃいなかった。
「言ってたわよ! か・な・り、大事な事を!」
{すみません、どうでも良いんで聞き流しました}
「あ・な・た・ねぇ!!!」
怒りに震えているリアスを、あらあらと言った表情で楽しげに長めている朱乃。
「もう前置きは良いわ! 単刀直入に聞くわよ、これは貴方ね!」
そう言ってテーブルの上に叩き付ける様に置かれた写真に映っていたのは、愛用の白い仮面と白い剣……超兵装ブラスターブレードを持って駒王学園の制服を着た四季の姿が映っていた。
「そうですけど。まあ、昨日から散々付回しておいて『違います』なんて言われても納得しないでしょ?」
「そうね。祐斗の見た印象だけだったけど……無意識での動きが明らかに他の人は違うそうよ」
深呼吸して心を落ち着かせながらリアスは言葉を返す。
「それで、態々呼び出して何のようなんでしょうかね?」
「ええ、五峰くん……貴方、私の眷属にならない?」
「……先輩達の性癖については特に言う事は無いですけど……学校でそんな物を研究するのは、モラルの問題が有ると思いますが」
激しく『眷属』の意味を変な方向に勘違いした風に言ってみる。
『違う!!!』
即座に一同……と言うよりもアーシア以外の全員から否定された。一人アーシアだけが何かよく分かっていない様子だった。
「いや、変態と同性愛者が居るからそうなんじゃないかと」
「変態と同性愛者って誰だよ!?」
四季の言葉に怒鳴ってくる一誠と木場を指差す。
「お前が変態で、木場が同性愛者」
「違うからね!!!」
「そして、部長がそう言う性癖……と」
「だから違うわよ!」
「後の三人もどんな変態的な性癖なんだか? オカルトが隠れ蓑で……」
『だから違うって言ってるだろう(でしょう)が!!!』
当然ながら分かってて言っている。
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