仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜
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時を操る者VS時を巡る者
「お前…この世界の奴じゃねぇな?」
電王がウェザードーパントに向かって聞く
「先輩、こいつじゃなくて、こいつが使っている物が
違う世界の奴だと思うよ
確か…」
「ドーパントや
あの右と左で色が違う奴の世界にいるってのを
士に聞いたやろ」
「ああ、そうだったか…
おいお前!出口はどこだ!」
「ここを出る方法は
私を倒す、それだけだと聞いた
それ以外は何も知らない」
ウェザードーパントは静かに答えた
「そうかよ
だったらさっさと決めるぞ」
電王がケータロスを取り出す
「行くよみんな!」
「「「おう!」」」
【モモ ウラ キン リュウ】
ケータロスを操作し、ベルトに取り付ける
ウラタロス達が一斉に電王に取り付き、姿が変わる
「よし…ん?
ああ!手羽野郎!またお前か!」
「再びこのような美しい姿になれたことを
感謝するがいい!」
「黙れ!この野郎、あとでぶん殴ってやる」
パスを取り出し、ベルトにかざす
【チャージ アンド アップ】
背中の翼で電王が飛び上がる
「ごちゃごちゃとうるさい!」
ウェザードーパントが黒い雲を発生させる
だが、電王はそれを突き破り、ウェザードーパントへと
超ボイスターズキックを決める
「ぬおおおおおおおおおおおお!」
ウェザードーパントは後ろへと押し込まれ
壁にぶつかる
だが、電王のキックがさらに押しこみ、
壁を破壊し、隣の部屋へと突っ込んだ
「クッ…なんだコイツは!」
タツミがナスカドーパントの攻撃をよけながら言う
「俺たちが会ったのと同じか?
でもあの時より強いな…」
剣で斬りかかるが、あっさりとよけられてしまう
「一体どうすれば…」
その時、部屋全体が大きく揺れた
「何だ!」
タツミが叫んだ瞬間、
壁が破壊され、何かが突っ込んできた
タブードーパントもそれに巻き込まれ、姿が見えなくなる
「え…?何が起こった?」
瓦礫の山の上に一つの人影があった
だんだんと視界が回復していき、
その姿がはっきりと見えた
「うお!気持ち悪!」
思わず叫んでしまう
「ああん!なんだ!
…またお前か!
お前初対面の時にもなん」
「わーいタツミだー!
すぐに誰かと会えたねー!」
モモタロスが話してる途中に
電王の中のリュウタロスが乱入する
「いや…すまん
ところで今の…それと他の奴らは?」
「「「ここにいるぞ?」」」
数人分の声で電王が話す
「うわ!なんだそれ!」
「お前なぁ…同じようなリアクションばっかだな…」
電王がタツミのリアクションに呆れる
「そういやあいつは…!」
タツミが瓦礫の山を見る
だが、生き物がいるような気配はなかった
それに、タツミの背後には先ほどまで壁だったところに
通路が現れていた
「行くぞ
他の奴等も戦っているかもしれないからな」
「そうだ!早くしないと!」
タツミが通路へ走っていく
「俺たちも行くぞ」
電王が進もうとした時、
壁が現れ、通路が塞がれてしまった
「なんだよ!全くもー!」
電王が地団太を踏む
「面白い格好をしているな」
突然聞こえた声に
電王が振り向く
「誰だお前は!」
「お前達の探しているエンペラーさ
わざわざ来てやったぞ」
エンペラーが両手に剣を出現させる
「丁度いい、さっきのやつじゃ物足りないから
強い相手を探してたんだよ!」
電王がデンガッシャーを取り出し、
ソードフォームに変形させる
「行くぜ行くぜ行くぜ!」
電王が斬りかかる
が、エンペラーはヒラリとそれをかわす
「遅いなぁ…全く、あくびがでるよ」
エンペラーの姿が消える
「どこいった!」
周りを見回していると
突然後ろから斬撃を食らう
「くそ!」
後ろを振り返るがエンペラーの姿はない
すると今度は腹に衝撃が走り、吹っ飛ばされる
壁にぶつかる直前、再び衝撃が走り
反対方向へと吹っ飛ぶ
「うぅ…なんなんだよ…」
姿を現したエンペラーが電王の方へと歩み寄る
「私自身の時を操り、超加速した状態で
君に攻撃していたのさ
視認はできないだろうがね…」
「ちくしょう!」
電王がデンガッシャーを振るうが
エンペラーはまた姿を消した
「ふざけてんじゃねえ!これでもくらえ!」
デンガッシャーをガンモードに変え、
周りを適当に撃つ
だが当たった様子は全くなかった
「そんなスピードの攻撃
当たるわけがない」
「うるせえ!なんども消えやがってふざけるな!」
「待って先輩、さっき超加速っていってたよね
てことは、消えてはない
だから…」
電王の体がぎこちなく動き始める
「何するんだ亀!」
「いいから僕に任せて」
モモタロスが抵抗をやめ、
電王の動きがスムーズになる
羽を出現させ、天井の方へと飛んでいく
「逃げる気か?
言っておくがここは地下だぞ」
エンペラーが嘲笑うように言う
だが、電王は逃げようとせず、
天井すれすれで下を向き、パスを取り出した
「超加速でよけるなら…よける場所をなくせばいい!」
パスをベルトにかざす
【チャージ アンド アップ】
電王の胸にあるデンカメンが開き、エネルギーの蓄積が始まる
「何をするつもりだ?」
「いくよ!」
ウラタロスの掛け声に合わせて
胸からレーザーが発射される
そのレーザーは範囲が広く
エンペラーがいる
部屋の下部全体を包むほどであった
「馬鹿な!私が負けるわけ…!」
エンペラーは超加速で避けようとする
だが、逃げ場が見つからず、
レーザーが届かない上部へと移動しようとした時は
すでに遅かった
「ガァァァァァァァァァァァァァ!」
電王が床へと着地する
同時に、壁には再び通路が現れた
目の前にはエンペラーの変身者と思われる
一人の男が倒れている
「お前の負けだ
今から他のやつのとこに連れてくからおとなしくし」
「クククククク…」
突然男は笑い出し
立ち上がった
「なんだ?」
「今までのエンペラーは完全ではなかった…
大分この帝具が体に馴染んできてはいたが
何かが足りなかった…
だが、何が足りないのか今わかった
恐怖心だ
私はこの力ゆえに恐怖心をなくしていた
だが、今の貴様の攻撃に私は
敗北の恐怖を感じた…」
男は続ける
「死にたくない
この世界を変えたい…
そんな思いにこの帝具は答えてくれた…
追い詰められた時、それを克服するための力を
このベルトは授けてくれた!」
「どこがだ?何も変わってねえじゃねえか」
「私には感じる!
私は何者にも負けない力を手に入れた!」
男は落ちていた懐中時計を拾った
「変身」
【エンペラー】
男が懐中時計をベルトにはめると
全身が黒い煙に包まれた
そして中からは…
今までのエンペラーに似てはいるが
色は黒く、翼のような物が付き、
頭は王冠のような形になったライダーが現れた
「なんだよそれ…」
「あかん!一旦逃げなやばい!」
電王の体が引っ張られるように
通路の方へと向かっていく
「逃げるがいい!
どちらにせよお前らはこの城で私に殺されるのだ!
ハハハハハハハハハハッ!」
翼を広げ、エンペラーが飛び上がる
その翼は黒い体とは対象的に
神々しく光輝いていた
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