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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第15話 最近の話の黒幕って中国というのは偏見ではない

 
前書き
どうも蛹です。
ベットは思った以上に広いです。
なので、2人でもぐっすり寝られます。
‥‥‥なぜ急にこんな話をするかという理由は見れば分かります。

それでは第15話 始まります!! 

 
「う‥‥‥‥‥‥う~~~ん‥‥」

オレは布団を引っぱり寄せた。
まだ起きたい気分ではなかったからだ。
いわゆる“あと5分現象”だ。

「寒い‥‥‥‥‥」

秋から冬の間にあるこの季節、朝が意外と寒い。
オレはもっと布団を引っ張ろうとした。

『‥‥‥‥‥‥お?』

動かした手にわずかながら暖かさが。つまり、さっきまで寝ていたが
熱くなって転がったであろう“あったかゾーン”がそこにあるのだろう。

『しめた!』

オレは急いでそこに足を伸ばした。
ほのかにだが、確かに彼の足が温かみを感じていた。

『ひゃ~~あったけぇ♪』

オレはそこに全身を移動させた。
更に温かみが増してきた。まさに、至福の空間だった。

『もっと布団寄せてからもう一寝入りするかな‥‥‥‥』

オレは手を伸ばし引っ張ってみた。
今度は少し重かった。何かに引っかかっているのか?

『仕方ないな‥‥‥‥ふんッ』

力を強く込めることでようやく動きだした。
よほどスゴイところに引っかかっていたのだろう。

『よいしょっと‥‥‥‥ん?』

別のところから引っ張るために外した手が触れた部分はとても暖かかった。
まさかの“あったかゾーンNEO”の発見か?、と喜んだオレは
そこへと転がり込んだ。  すると‥‥‥‥‥‥。

 むにゅっ

『ん?』

柔らかい部分にたどり着いた。
‥‥‥‥‥というか、柔らかい部分って毛布にあったっけ?
これは毛布というより別の材質だ。
しかも、何回か触れたことがあるように感じた。
何だろうか。 例えるなら人肌の‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!!?

『まっ、まさか‥‥‥‥‥‥』

オレは今までなまけて閉じていた目を開いた。 そこには衝撃の光景があった。

『な、何も見えねぇ‥‥‥‥!』

いや、ある意味での衝撃の光景だ。何も見えない。真っ暗闇だった。
顔を何かに圧迫しているからだろう。
オレは顔を静かに離した。そして、今度こそ衝撃の光景があった。

『ま、ままま、マリちゃんッ!!?』

オレが顔を圧迫していたのは彼女の胸だったのだ。
何たるハプニング! 
正直言っていつこの小説に新たなキーワードが入ってしまうか不安なほどだ。

『オレのさっきまでの出来事はすべてマリちゃんが原因だったのか!!』

改めて考えてみるとそうだ。そう簡単に次々と暖かい物が見つかるはずがない。
“あったかゾーン”は、マリちゃんがさっきまで寝ていたところ。
“謎の引っ掛かり”は、マリちゃんがそこで寝ていたから。
(布団を動かすつもりの力なんだから重く感じて当然)
“あったかゾーンNEO”は、もうお分かりだろう。マリちゃん自身だ。

もちろん、これは後で考えて分かったことである。
この時は考える余裕さえなかったからだ。

『何でここでマリちゃんが寝てるんだ!?
 オレが入り込んだのか?それともマリちゃんが?』

寝起きの頭をフル回転させていたが、その時!

「うにゅ‥‥‥‥‥さむい」

 ぎゅっ

『はうあぁッッ!!!』

マリちゃんは毛布と間違えて、オレに抱きついた。
オレは恥ずかしさのあまり思考力がほぼ停止しつつあった。

「あれ‥‥‥なんか固い‥‥‥‥あ!アスラ起きたの?」

マリちゃんも目を覚ましたようだ。
彼女はいまいち状況を理解できていないようだ。

「病気みたいなのは治った?もうきつくない?」

オレはとりあえず相づちを打った。

「そっか、良かった。クレアおばさんのおまじないが効いたんだね」

本当に効いたのか前々から何となくあった気分の悪さは
どこかにすっ飛んでいた。

『ってそんなのんきな事言ってる場合じゃない!
 マリちゃんは気付いてないのか?』

オレが彼女の胸に埋もれたことを。

「そういえばさっきまでお胸があったかかったんだけど
 アスラが毛布を掛けてくれたの?」

オレは虚空を眺めつつ絶句した。



    **********



「ってことがあったんだよ‥‥‥‥」

アスラはとりあえず迅に相談した。

「素直に言うべきかな? mustかな?」

迅は腕を組んだまま答えた。

「タイミングを見計らって謝ったら許してくれると思うぞ?
 多分 怒ってないだろうけど」 

マリーのあの性格なら、全然嫌じゃないだろうから何とかなるだろう
と迅はマリーに後を任せた、という顔をした。

「‥‥‥‥‥‥?」

マリーはキョトンとしている。


ここは村の病院の食堂。アスラたち5人はここの病室に寝ていたのだ。
とりあえず朝食が出来たとのことなので、ここに座っている。
(ちなみにリオさんは寝坊)


「ほころれよ、迅(ところでよ、迅)」

ホークアイはアスラと迅の間に入り込んだ。
右手には朝ご飯のパンが握られている。それを口に頬張ったまま訊いた。

「はんでこほに呼びふけたんだ?(何でここに呼びつけたんだ?)」
「食べながら喋ったらお行儀悪いよ?ホークアイ」

マリーがホークアイに注意を入れた。

「ゴクンッ、ごめんマリー」

不意に迅が話し始めた。

「言いたいことがあるからさ、ここについてのね」
「言いたいこと?」

ホークアイはオウム返しをした。
少し間を置いた後、迅は重い声で話し始めた。

「ここは中国。他国では“裏切りの国”と呼ばれている」

それを聞いたマリーは迅に訊いた。

「見ず知らずの私たちを助けてくれるような国なのに?」

迅は少し笑った。

「それはこの村での話。実際どこが何しててもおかしくないだろ?
 ただ、ここのお偉いさんがやりすぎちまっただけさ」

待ちきれずアスラは訊いた。

「結局 中国は何をしたんだよ?」

迅はゆっくりと答えた。

「オレたちがこの星に入る許可をくれたのさ」
「!!!」

3人はそれを聞いて驚いた。 迅は話を続けた。

「オレたちの星はこの地球の何倍も科学が発達しているのさ。
 何光年も離れた星にもワープを使って移動できるものが出来てるしな。
 まぁこっちにも似た物ならあるけど」

あ‥‥‥‥‥それって“ここだけドア”のことだ、と3人は同時に思った。

「そんな感じでオレ等、と言ってもオレはある理由でいなかったけど
 この星にやって来た。だが、オレたちの星では別の星に入る時は
 その星のある一定の位の住人に許可を取らなきゃいけないんだ。
 そこでここ、中国を選んだわけだ。」
「何で中国にしたの?」

マリーの質問に迅はあっさりと答えた。

「分かりやすく言うと、日本を恨んでたからさ」
「日本?」

久しぶりに自分の生まれた国の名前を聞いたアスラは声を出した。
だが、なぜそんな小さな島国の名前が挙がるのかがわからなかった。

「日本は昔 戦争で様々な国を攻撃したらしい。それで恨んでるのさ。
 侵略に来たオレたち側から見ると日本は正直 言って邪魔だったんだ。
 だから、中国の許可を何らかの方法で得たオレたちは――――」

迅は少し言葉を切った。 言いにくいことだからだろう。
だが、覚悟を決めたらしく迅は言った。

「――――日本を完全に破壊した」

それを聞いてアスラは目を見開いた。
現在、滅亡した国は森へと完全に姿を変えている。
しかし、日本はその形さえ残っていないのだ。

アスラは今まで、日本は残っていると信じていた。
いつかそこを訪れようと決めていた。
みんなに見えない心の奥底で。静かに。
自分の生まれた国が、たとえどんな姿になっていたとしても
行こうと決心していた。

だが何もなければ。 そこにあるべきものがなければ意味がない。

「マジかよ‥‥‥キッツいぜ‥‥‥‥‥‥‥」

アスラの表情が暗くなるのを全員は気付いていた。
しかし、誰も慰めることが出来なかった。


「何暗い顔してんだ、アスラ」


リオさんはそう言いつつアスラの胸に手を置いた

「一ついいことを教えてやる」

リオさんはアスラの目を見ながら言った。

「悲しいことがあったら泣いていい。泣くのは悪いことじゃないからな。
 今を生きるオレたちがやらなきゃいけないのは――――――」

リオさんの脳裏に一人の女性が浮かんでいた。

「――――その意思を背負って歩いていくことだ」

始めはいいこと言うなこの人、と思っていたが
途中で文がおかしいことに気付いた。
全員の固まった表情を見てリオさんは言った。

「‥‥‥‥‥‥‥あれ?日本人の追悼じゃないの?」

リオさんの困り顔を見たマリーは少し吹き出した。
それが連鎖して広がり、3人は笑い始めた。

「ハハハハ、リオさん面白~~い♪」
「あながち間違っちゃいねぇぞ?アハハハ!」
「寝坊したくせにカッコつけるからだ!ハハハハハ!」
「何だよ!結局 何の話だったんだ?」

困り切ったリオさんの肩にアスラは手を置き言った。

「ありがとう、リオさん!」

そう言いつつアスラは笑い始めた。
ここでの悲しみを吹き飛ばすかのように。

「だから結局何の話だったんだよぉーーーーーーーーッ!!」

リオさんは大声で叫んだ。 
 

 
後書き
日本は100年後に完全消滅しました。
こんな未来は来てほしくないですね。
中国はどこまで酷い国なのか?
否!優しい国なのか?
ちなみに次の話では、新キャラを出す予定です。

次回 第16話 中国といえばカマキリと言うのは偏見ではない気がする お楽しみに! 
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