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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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何よりも足りないものは


何よりも足りないものは





志村邸より直接アカデミーに向かい、説明会場に座る

ちらほらと席が埋まっていたが、どこか騒がしい

ナルトはすでに会場入りして、合格になったことを自慢していた

隣にシノが座ってきた


「・・・声をかけないのか」


「良いんだ、分かってたから」


「・・・それなら、良い」


ミズキは逮捕され今頃背後関係を洗い浚い吐かされているだろう

原作に介入するにしてもしないにしても、ナルトには合格してもらいたかった


「ナルトが、うちの子がヤローとキスぅ〜!?」


ナルトに声をかけに行くと離れたシュロが泣き叫んでいた

原作で分り切っているはずなのに、わざわざ見学するなんて・・・

ヤロー同士のキスとか嫌だろ


「・・・引くわー・・・」


泣き崩れたシュロを慰めながら距離を置くイカリ


「!?イ、イカリ、これは事故だ!」


顔を青くして主張するサスケ

その横ではナルトがサクラにボコボコにされていた

・・・地獄絵図だな


「お前ら、席に着け!
 これから班を発表するぞ!」


「イルカ先生オレ、コンとが良い!」


何のための班わけだよ

案の定イルカ先生に怒られてやがる


「・・・可能ならば、オレもコンとが良い
 もしくはシュロだ、何故ならどちらもオレの性格を熟知しているからだ」


騒がしいと言われるシュロだが仲は良いらしいシノ

基本的にシノの話を最後まで聞くようにしてるからだろうか


「油女一族に挟まれるとかバランス悪いぞ
 でも一度シノとシカマルとシュロのトリプルSで組んでほしい」


作戦立案シカマル、情報収集シノ、実行シュロ・・・あぁドSトリオだな


「・・・以上第五班、次、
 第六班は—油女シュロ、志村イカリ、ねたみコン!」


いつのまにか班が発表されていた

多分こうなると思っていたが・・・


(((イルカ先生メモのまんまじゃないか?!)))


サスケが睨んでくる

そうかそうかごめんな


「では次第七班
 うちはサスケ、春野サクラ、うずまきナルト!」


こちらも原作通り

くのいちトップの学力のサクラならバランスは良いの・・・かな


「やだーコンとが良い!サスケとコン交換するってばよ!」


ナルトが駄々をこね始めた

オレ嫌だよ体力持ちそうにない班に入るの

しかしオレとサスケを交換したらえらいことに・・・


「やめろ修羅場を作るつもりかお前は!」


シカマルがみんなの心を代弁してくれた

火花舞い散るどころじゃないからなシュロとサスケは・・・

言われて気づいたらしくナルトは青ざめていた

シノまでもがシカマルの言葉に深く頷いていた

イルカ先生が騒ぎを納めて次々と班を発表していく

原作通りの班となった


「それでは一旦休憩を挟んで、午後から担当上忍から説明を受けてもらう
 なお第六班の担当上忍は、任務上の連絡不備により遅刻されるそうだ
 だからと言ってアカデミーから出たりせず教室で待つこと、以上!」











休憩をはさみ、各自昼食をとって教室に戻ってきた

七班は何かしら問題が起きたようだが関わる気にはなれない

しばらく待っていると次々に上忍がやってきて担当の班員を連れて行ってしまう

現在残っている班はオレたち六班と、ナルト達七班だ

遅刻してくる上忍といえば原作では1人しか思いつかなかったのだが・・・誰だろう


(カカシかな?)

(え、でもカカシって遅刻連絡とかしないじゃんか
 別の人じゃないか?)

(あんまり上忍っていないよな、特別上忍って担当になったかな?)


(コンってば三人でひそひそ何を話してるんだってばよ)

(うぅ・・・サスケ君の視線が志村さんに・・・)

(・・・シュロ、近すぎだ・・・)


そろそろナルトが待つのに飽き始めるころか?

そう思ってふと扉を見つめると影が二つあった

・・・担当、上忍か

耳を済ませると女らしき高い声とやる気のなさそうな男の声が聞こえてくる

女が叱りつけているようだ

扉が開けられた

冷や汗をかいたはたけ カカシと、長身のくのいち—何故か竹刀を背負っている—が無表情で歩いてくる


「あ〜・・・七班担当のはたけ カカシだ
 七班は、君たちだね?」


「遅刻してすまない、六班担当のまじらず シナイだ
 六班は・・・揃っているな」


シナイ、原作には居ない人だな

どんな経歴の人なんだろう


「それじゃ、説明するから場所を変えようか」

「え、もう合同で良くないか?」


きょとんとした顔でカカシに言いつのる


「ダメです」

「ちっ」


わざとらしい舌打ち

ジト目で見つめられ顔をそむけた

呆れたようにカカシがしゃべりだす


「シナイ、君説明が面倒なだけでしょ」


「いやいや、こちらの不手際で生徒をこんなにも待たせてしまったんだ
 これ以上無駄な時間はかけるべきじゃない
 そう考えるとこの場で説明するのがベストだと私は考える」


「シナイの場合は仕方ないでしょー?
 二時間前まで国外にいたんだから」


「・・・なぁ、私は仕方ないとしてなんでお前遅刻してきてるんだ?」


目を逸らした

そうだよな、七班の連中が可哀想だからもっと言ってやってくれ先生
 
便乗するように七班がそーだそーだと騒ぎたてているとカカシがキレた


「お前らの第一印象はキライだー!」


・・・俺たちも入ってんのかな

カカシが逃げるように七班を連れて場所を移動した

開いている席に座ったシナイ上忍が俺達を向きあう


「それでは改めて自己紹介しようか
 私はまじらず シナイ、先月まで特別上忍として国外任務で里を離れていましたが、この度上忍に昇進しました
 君たちと一緒に頑張っていきたいと思います、受かればね」


分かっていたことだが言われるとまだまだ忍者には遠いと実感させられる


「・・・やっぱりまだ試験あるんですね」


イカリが声を絞り出した


「予想してたか?残念ながらまだお前たちは下忍じゃない
 このプリントに書いたとおり、今から試験を受けてもらう
 それに無事合格すれば晴れて下忍となる
 がんばれよ、合格率0%の試験だ」


時が止まるとはこういうことか

一体こいつは何を言っているんだ


「・・・は?0?」


「ああうん、だって私今回初めて下忍試験するから」


笑いもせず淡々と言われる

・・・誰も受けてないから0、ね・・・

一体どんな試験なのか、渡されたプリントを読む




問・下忍に足りないものは、情熱思想理想思考気品優雅さ勤勉さであるが—
  そして何よりも足りないものは何か、答えよ

  ___ が 足りない    




(((・・・)))




三人共一斉にプリントから目をそむけ空を仰いだ


「どーしたー?わからないかー?」


無表情ながら笑っているような声がイラつかせる

限界が来た



「スクライドじゃねーか!」「クーガー兄貴の名言を良くも汚してくれたな!」「衝撃のアルベルトー!」



三者三様、机から身を乗り出し叫ぶ

イカリ、分かってるとは思うけどファーストブリットだから、衝撃破出してくるおっさんだからそれ







「・・・え?え!?えぇ!?」






まさか、と小声で呟いた






「・・・先生、あんたも転生したのか」




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・・・うん、クーガー兄貴って熱いよね・・・
 
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