遊戯王ARCーⅤ 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
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五話 そうだ、塾に行こう。
前書き
某JRのCMのノリで始まった今話。優希と徹の二人が体験入学もとい殴り込みに行く話です。
さて、1軒目はな〜にっかな?なーにかな?
〔バーバリアンキングでヒッポに攻撃!〕
〔させるか!アクションマジック【回避】!!〕
「なんというか、Aカードってせこいよね。」
現在、私が転生する前にやっていたプロデュエリスト〈ストロング鮫島〉対榊優勝の息子であり、ARCーⅤの主人公である榊遊矢のエクシビジョンマッチの録画を見て、ふと思った。
ところで原作をほとんど知らない私がなぜ主人公だとわかるかって?それは名前に毎回恒例の"遊"の文字と奇抜な髪型。そして、攻撃力2500のモンスターを使役しているからだ。え〜と、オッドアイズ・ドラゴンだっけ?まぁ、そんな規則性があるから割とすぐにわかる。
「そう思うのは、多分姉ちゃんだけだと思うよ……」
徹から冷ややかな目線と共に返答される。
「いや、だってさ……常に手札が一枚あるようなもんだよ?手札コストとか気にしなくていいじゃん。それに戦闘無効とか、インチキ効果もいい加減にしろよな!」
画面の中で、バンバンAカードを使いまくっている遊矢に対し声をあげる。
声をあげたくなるのは遊戯王をガチでやっていた人にとっては当然だと思う。だって、手札コストを気にしなくていいし、何より発動タイミングが自由とかセコイ。
何度超融合のコストが足りずに発動できずに悔し涙を飲んだことか……。
うぅ、おのれ、Aカードめ……。こうなったらメタデッキ作ってやる……
私が怨念の言葉と共にアクションデュエル兼ACカードメタデッキをどうしようかと悩んでいると徹が驚愕の声を上げる。テレビの方を観ると画面一杯に水晶の振り子が揺れ、光の軌跡を描いていた。恐らくペンデュラム召喚の際の演出だろう。徹はそれを目を輝かせながら見つめている。
「ペンデュラムね〜……。私も使えるのかな〜?」
思い立ったら吉日。遊矢がペンデュラム召喚の際に使っていた【星読みの魔術師】と【時読みの魔術師】を思い浮かべながら、ポケットの中を探ると…………出て来てしまった。
どうやら私もペンデュラムできるらしい……。やらないけどね
〔オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで攻撃だ!螺旋のストライクバースト!〕
と、どうやらデュエルの決着もつき、録画もそこで終了したようだ。そして、徹が此方を向き、キラキラとオモチャをねだるかのような目をし、私に一言。
「姉ちゃん、塾行きたい!」
「は?」
ワケガワカラナイヨ。私は理解できず、思わず変な声が出てしまった。
◆◇◆
ある学校の校門の前で私はクラスメイトの子と先日あった弟とのやりとりを話している。
「てな事があったんだよ〜。まさか徹の言ってた塾が学問の方じゃなくて、デュエルを教えてくれる塾だったとはね〜。」
「そんな考え方するのは優希だけよ……」
私の会話相手の子は呆れたと肩を竦める仕草をみせる。
「けど、塾ね……。優希とあなたの弟はどこに入るつもりなの?」
「ん〜……悩み中。まぁ時間見つけていろんなとこに体験入学して、一番気に入った所にするつもり。ますみんはLDSに通ってるんだっけ?」
「ますみんって……」
褐色肌で、やや緑がかった黒髪のロングヘアーの子は自分につけられたあだ名が気に入らないのかなんとも言えない微妙な表情をする。
「ねぇ、そのますみんってあだ名「ヤダ」、止め「無理」、て「却下」…………。私の台詞に被すな!!」
「どーどー。落ち着いてってますみん」
馬を宥めるかのように接する私に対し、ますみんはより一層激しく怒る。まぁ、わざとやってるのだが……。ついでに最近、デスガイドに影響されてか、人をおちょくるのがうまくなった気がする。
そんな事をしているとそろそろ弟との待ち合わせの時間が迫ってきていた。
「じゃあ、私そろそろ行くね〜。じゃあねますみん」
「あっ!ちょっと待ちなさいってば!!」
彼女の静止など無視してさっさと走っていく。遅れて怒られるのは勘弁だ。
◆◇◆
「ほぉ〜、ここがLDSね〜。やっぱ最大手ってだけあってデカイね」
私たちの目の前に天高くそびえ立つ建物を見上げ、ポツリと言う。
「すごいのは大きさだけじゃないみたいだよ。他の塾で教えてもらえないエクーシズとか、シンクロとか、あとここだけが融合召喚を教えてもらえるんだ!」
うん……聞いたよ。今日十回目だね。そも、私が教えればいいのだが、私じゃあ不満なのか⁉︎
とりあえず、ふたりの感想がそれぞれ出たところで建物内へ入る。体験入学の主旨を受付に確認して、もらいすぐに案内役の人が来てくれる。やはり大手塾こういう対応も素早く、的確だな〜と感心する。そして、私は案内役の人に受講内容を説明され、度肝を抜く事になる。
「なんだこの塾……色々とおかしいでしょ……」
説明や案内など一通り終わり、休憩コーナーでぐったりと机に突っ伏す私を見て、徹は怪訝な表情を浮かべている。
「どしたの?姉ちゃん?」
「いや、なんか、疲れた(主に精神的に)。」
「へー、珍しいね。元気がとりえですみたいな姉ちゃんが」
「軽くバカにしてない、ソレ?」
突っ伏したままで徹を見ると、さっと目を逸らす。確定だな、コレ。
そもそも私がこうなったのは、LDSで選択できるコースで教えているカリキュラムのせいである。
例えば、融合召喚コースだと……【超融合理論】である。まだこれはマシな方。ていうか私もよくやる。転生前には、相手のレモンやダストを素材にドラゴエクティスをどーん!、アンデットワールドからの二体展開してきたら、ドラゴネクロをばーん!、デュアルならラプティノスをどかーん!、某社長デッキなんて使ってきたらこっちが青眼究極龍や、ワイアームを出す始末。対戦相手からは親の仇を見るかのような目で見られるのだ。こんな危険な代物を塾で教えて大丈夫なのか……と悩んだがさらに上を行くものが出てくるのだからやめてほしい。
シンクロ召喚コースでは、【不動性ソリティア理論】なんてものを教えている。某蟹を量産することになるので原作を知っている身としては止めていただきたい。町の至るところで「おい、デュエルしろよ」とか言われたら頭を抱えたくなる。
極め付けにエクシーズ召喚コースの【特殊カード変質理論】である。正直、デュエル中にリ・コントラクト・ユニバースをされたあかつきには、「おのれドンサウザンドォ!!」と叫びつつ相手を張り倒してしまうと思う。割とマジで。
とまあこんなことが私の心の内で繰り広げられ予想以上に体力を消耗したのだ。
「優希じゃない、ぐったりとしてどーしたのよ?」
あ、癒しが来た……。
ぐったりとしている私のところに見覚えのある声が聞こえ、顔を上げてみるとますみんと個性的な男子三人と取り巻きが数人。
「はろー、ますみん。どしたの?」
「姉ちゃん、知り合い?」
徹の問いに対し首を縦に振る。
「うん。ますみん、私のクラスメートだよ。」
「光津 真澄よよろしく。あと、そのあだ名をやめなさいって言ってるでしょ!!」
ひどくあだ名が気に入らないらしくウガーと怒るますみん。お仲間であるっぽい男子達は笑いを堪えているが耐えきれておらず、笑い声が漏れている。
「くくくっ……ますみんって。俺は志島北斗だ」
と、紫色の髪の毛をどうやってセッティングしてるのか謎な髪型をし、額には北斗七星を模したアクセサリーがつけられているいかにも小物臭のする男子が言う。
「俺は刀堂 刃だ。」
今度は背中に竹刀を背負い、いかにも「武士です」とアピールしているが実際のところ武士というより忍者に見えてしまうという野性味溢れる男子が。
「俺の名はネオ……」
「「「沢渡さぁん!!!」」」
いかにも踏み台キャラが。てか、取り巻きに自分の名前を言わせるのって『一、十、百、千、万城目、さんダー!!』以来じゃないかな?
ていうか、聞いてないのに勝手に自己紹介始めおったし……。私もするべき?
「ども、神崎 優希です。」
「弟の徹です。」
とりあえず自己紹介。それにしてもプライドの高そうな人たちだな……。
「あ、真澄さん達と知り合いだったんですか?」
なにやら大量のパンフレットを持ってきた案内役の人が来た。え、それ全部渡す気⁉︎
「あー、そのパンフは要らないんで。あと、ますみんって、意外と有名人?」
「そうですよ、真澄さんは融合召喚コースの主席で、北斗さんはエクシーズ召喚コース、刃さんはシンクロ召喚コースそれぞれの主席なんです。」
ちらりとネオ沢渡さんを見ると苦笑いを浮かべ、
「こちらの沢渡さんも総合コースの上位者なんです。」
「主席じゃないのね……」
ポツリと呟くがはっきり聞こえていたらしくネオ沢渡さんから敵意ある視線を向けられる。
「元ね、元。沢渡は遊勝塾の遊矢に強盗や恐喝紛いのことした挙句、負けて降ろされたのよ。」
なーる。そりゃおおきに……。
「そうだ、折角だからデュエルしていきなさいよ。私が勝ったらますみんってもう呼ばないでよ!」
「まあ、いいけど……そんなにあだ名嫌なの?」
「もちろん。それにあなたとは一度もデュエルしたことないから一度戦っておきたかったのよ。」
何だろう、ますみんの目が獲物を狩る狩猟者のソレなんだが……
「おい、待てよ。こいつは俺がやる。さりげなくバカにしてくれたからな。しっかりと俺の「煩い沢渡の癖に」……最後まで喋らせんかい⁉︎」
沢渡の台詞の途中にますみんの妨害が……。ていうか、バカにした覚えはない
「仲良いね……」
「「誰が!!」」
おうふ、二人息ぴったりだよ。これで仲が良くないとかどう信じれば?
「じゃあさ、徹がやってもらったら?あんた、シンクロとか、エクシーズとか使わないからデッキのコンセプト的にはいいんじゃない?」
エーと明らかに嫌な顔をする。
「まぁ、いいじゃん。ネオ?沢渡さんもいいですよね。ん?OK?ありがと。んじゃ、ケッテー。さっさとやろう今すぐやろう。」
「お、おいちょっと待ちたまえ!こらぁ!話を聞けぇぇ!」
沢渡と徹の背中を押して、強制的にデュエルフィールドへと向かう。
「そっち、出口よ……」
「おうふ……もっと早く言ってよ」
◆◇◆
「おうおうおう、いいところ使ってんじゃんかよ〜!!」
デュエルフィールドに着くや否ややさぐれる私。理由はいわずもなが、出鼻を挫かれたせい……
え、自分のせいだろ?知らないな〜。こーゆー時はデュエルをして、スカッとするべきだね!
「というわけで、デュエル!」
「なんかわからないけど、やる気みたいね。優希のデッキがどんなのか楽しみだわ。そして、勝って、ますみんなんて呼ばせない!!」
「「デュエル」」
優希:4000 真澄:4000
私のデュエルディスクに先行の二文字が記される。
「私の先行だね。手札から【E・エマジェンシーコール】発動。デッキからE・HERO一体を手札に加える。私は【E・HERO アナザーネオス】を手札に加えて、そのまま召喚するよ。」
一回り小さなネオスが私の場に登場。小さくなっても頼もしさは健在である。
「へぇ、HEROね。意外なデッキを使うのね。男の子みたいなデッキね。」
よく言われます……。てか、こっちに来てから使うたびに言われます。だが、それがどーした!!
「カードを二枚伏せてターンエンド。」
私がエンド宣言をすると真澄はそれだけ?と不敵な笑みを浮かべる。ていうか、ますみんのデッキってなんだっけ?
「私のターン、ドロー!初めから全力で行かせてもらうわ!手札から【ジェムナイト、フュージョン】を発動!」
「あー、そうだったそうだった!ジェムナイトだ」
思い出した私は手のひらを打つ。
確かますみんの父親は宝石商だからジェムナイトを使っているらしい。あと小さな頃から本物の宝石を見て育ったためか宝石だけではなく、眼の輝きにも敏感で、学校では『あなたの目、くすんでるわ』なんて迷言があるほどの有迷人。
「私は手札から【ジェムナイト・ガネット】と【ジェムナイト・オブシディア】を融合!紅の真実よ!、鋭利な漆黒よ!今一つとなりて、現れよ!融合召喚!幻惑の輝きを持つ物【ジェムナイト・ジルコニア】!さらに手札から墓地へと送られたオブシディアの効果を発動する。墓地からレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚できる。私はガネットを特殊召喚する」
曇りなき透明な輝きを放つ鉱石の戦士と鮮やかな紅色の光を纏う戦士が真澄の場に登場。
ガネットの攻撃力はレベル4にしては高く1900あり、私のアナザーネオスと同等。そして、ジルコニアはなんとまぁ2900と高い。確かクリスタが戦闘能力特化した姿……らしい。ちなみにジルコニアの意味は二酸化ジルコニウムで模造ダイヤ。マスター・ダイヤから効果が無く、レベルを除きステータスが同じである点からまさしく模造品。
「へぇ、真澄のやつ、一ターン目から飛ばすな。」
「案外ワンキルもあるんじゃねぇか?」
勝手に外野がほざいてるが無視無視。しかし、アニメでジェムナイトとかガチだよね。しかもオブシディアの効果で融合召喚の際のコストもメリットへと変えている点はさすがだね。まぁ、負けないけど……。
「バトル!ジルコニアでアナザーネオスへ攻撃!」
「ノンノン!リバースカードオープン【デュアルスパーク】発動!
私の場のレベル4デュアルモンスターをリリースして、相手モンスター一体を破壊し、一枚ドローする。アナザーネオスをリリースし、ジルコニアを破壊、効果でドローする。」
アナザーネオスがジルコニアへとチョップを決めるとピシリと亀裂が走り、呆気なく鉱石でできた身体は崩壊する。やはり、模造ダイヤ……本物のダイヤのように硬くはないか。
「くっ……やるわね。けど、あなたの場に壁となるモンスターは居ないわ。ガネットでダイレクトアタック!」
壁はない、されど私にはまだカードは残っている!
「リバースカードオープン【ヒーロー・ブラスト】!
墓地のレベル4以下の【E・HERO】通常モンスターを墓地から手札に加える。私はアナザーネオスを手札に加える。
そして、【ヒーロー・ブラスト】第二の効果。加えたHEROの攻撃力以下の相手モンスター一体を破壊する。私はガネットを破壊する。」
攻撃を全て防がれ、悔しそうな表情をするますみん。勝ちたいがあまり勝負を急いだのかな?
「私は墓地の【ジェムナイト・フュージョン】の効果発動。墓地のジルコニアを除外してこのカードを手札に戻すわ。」
おうふ、きっちり手札に戻してくるか。てことはまた融合あるかね〜?
「【ジェムレシス】守備表示で召喚し、効果発動。デッキからジェムと名のついたモンスターをデッキから手札に加える。私はオブシディアを手札に。
そして、再びジェムナイト・フュージョンを発動。手札から【ジェムナイト・サフィア】と【ジェムナイト・オブシディア】を融合し、【ジェムナイト・アクアマリナ】を守備表示で特殊召喚!!さらに墓地へと送られたオブシディアの効果によって墓地のガネットを攻撃表示で特殊召喚して、カードを一枚伏せてターンエンドよ。」
「また一気に展開してくるねー……」
真澄の場に三体ものモンスターが並ぶ。そして、一番厄介なのがアクアマリナ。墓地へと送られた時にバウンス効果とか本当迷惑。めんどいから本気でやろうかな?
「私ターン、ドロー!手札から【E・HERO エアーマン】を召喚し、効果により【E・HERO ブレイズマン】を手札に加える。
そして、手札を一枚捨てて、魔法カード発動!超・融・合!!私のエアーマンとますみんのジェムレシスで融合召喚!!」
「そ、そのカードは!しかも、あなたが融合召喚!!??」
「な、何⁉︎相手のモンスターで融合だと⁉︎」
「あー……どんまい、真澄さん。」
ほうほうLDSメンバーは驚いてるね〜。いいリアクション。けど、徹は遠い目をしてる、理由は私が徹のおじゃまデッキの練習の際におじゃま三体を毎回の如く始祖竜ワイアームへと昇華させてあげているからである。
「大気を震わし、大地を砕け!!現れよ剛腕の戦士!【E・HERO ガイア】! 」
フォース自動搭載HEROがますみんのモンスターを糧に登場。相手のモンスターを糧にするとか早速悪役である。
「そして、ガイアの効果発動!相手モンスターの攻撃力を半分にし、その分だけガイアの攻撃力へと加算する!私はアクアマリナを選択する。アブソーブ・オブ・エナジー!」
地面を通し、ガイアへと力を吸収され、アクアマリナの深蒼の輝きが雲る。
「アクアマリナの攻撃力は900となり、ガイアの攻撃力は3100に。これでアクアマリナを破壊できるね。バトル!ガイアでアクアマリナを攻撃!コンチネンタルハンマー!」
ガイアの強烈なアームハンマーがアクアマリナをガラスを砕くかの如く簡単に破壊する。
「へぇ、やるな。けど、終わりだな。アクアマリナの効果でガイアはバウンスされて返しのターンに真澄が融合して、ダイレクトアタックってところだな。」
「融合を使って来た時は驚いたが大した事ねぇな」
勝手に分析し始めたLDS生ども。勝手に決めるな!
「いや、そうとも限らないよ……」
今後の展開を知っている徹は不敵に笑う
「アクアマリナの効果発動!ガイアを手札に!」
「アクアマリナの効果にチェーンして手札から速攻魔法【マスクチェンジ】を発動!ガイアをリリースして、デッキから【M・HERO ダイアン】を変身召喚!!」
「な、変身召喚⁉︎」
「アクアマリナの効果は対象がいなくなった事により、不発。さらにこの召喚はバトルフェイズ中のため、攻撃権は健在だよ!
やれ、ダイアン。ガネットに攻撃!ダイヤスラッシュ!」
ガネットが己が拳でをダイヤの剣を受け止めるが呆気なく砕かれる。……このタイミングでダイアンって、ジェムナイトへの嫌味なのかな?まぁ、これしか出せないししゃあないよね?
真澄LIFE4000→3100
「さらにダイアンは相手モンスターを戦闘破壊した時、デッキからレベル4以下のHEROを特殊召喚できる。私は【E・HERO シャドー・ミスト】を特殊召喚!
そしてシャドー・ミストは特殊召喚された時デッキから【マスクチェンジ】を手札に加えられる。」
テンポよく次々と発動されていくエフェクトに唖然とするLDS生。これくらいで驚かないでほしい。やろうと思えばワンキルなんて朝飯前なのだ。
「シャドー・ミストでダイレクトアタック!そして、カードを一枚伏せてターンエンド。」
真澄LIFE3100→2100
「ふぅ、なんとか残ったわね。今度はこっちが反撃させてもらうわよ!ドロー!」
どうやら中途半端にライフの残したのがいけなかったのかますみんの闘志に火をつけてしまったらしい……。さっきのターンで仕留めればよかった。マスクチェンジあったからできたけど、あの伏せカードが気になる。ジェムナイトだから【廃石融合】か【化石岩の解放】だろう。
「手札から【七星の宝刀】を発動!手札の【ジェムナイト・クリスタ】を除外して、二枚ドロー。」
おうふ、ここでドローソースとかアリエナイ……。
「チェーンして、【マスクチェンジ】発動!シャドー・ミストをリリースして、【M・HERO ダークロウ】を変身召喚!」
全身を黒い装甲で覆った覆面ヒーローが登場。ダークヒーローみたいでかっこいい!
「くっ……また出てくるのね。宝刀の効果で二枚ドローするわ」
デッキから二枚カードを手札に加える真澄。だが、そのうち一枚をダークロウによって貫かれ、驚きの声をあげる。
「ダークロウの効果……一ターンに一度相手が通常のドロー以外でデッキから手札にカードを加えた時、ランダムで一枚相手の手札を除外する。さらにダークロウの永続効果により、相手の墓地へと送られるカードは全て除外される。」
決まった!さすが、相手をハンデスし、絶望を叩きつける錬金窯ーカオスディスティル内蔵ヒーロー!!うん、いいリアクション頂きましたー。ちな、これを弟にやる度に対策をしてくる。例えば、除外されると特殊召喚される偵察機を入れたり、除外誘発カードを入れてきたりしたが、その時は容赦なくヒーローとマスクチェンジによる圧倒的な手数と火力により叩き潰している。もはやどっちが悪役なのか私にはワケワカメ。
「手札から【闇の量産工場】を発動し、墓地のガネットとサフィアを手札に加え、さらに墓地の【ジェムナイト・フュージョン】の効果によって、オブシディアを除外して手札に加える。そして、リバースカードオープン【化石岩の解放】。除外されているクリスタを特殊召喚するわ。」
ますみんの手札は量産工場で加えた二枚とフュージョン。そして、場にはクリスタ。条件は揃っているくるかな?エースモンスターが……
「行くわよ優希!【ジェムナイト・フュージョン】を発動!クリスタ、ガネット、サフィアを融合!!
玻璃のまなこよ!紅の真実よ!堅牢なる蒼き意思よ! 光渦巻きて新たな輝きと共に一つとならん!融合召喚!現れよ、全てを照らす至上の輝き!【ジェムナイトマスター・ダイヤ】!!」
色とりどりの光が中央で交わり、一切の曇りなり透明な光があたりを照らし出す。そして、ダイヤモンドの戦士がプリズムを放ちながら、真澄の場へと光臨する。
キターーー!!!カッコいい!!これぞ、融合って感じだよね!
マスター・ダイヤの登場に私のテンションはマックスまで高まっていた。
「マスター・ダイヤは墓地のジェムナイト一体につき攻撃力100ポイントアップする。私の墓地には現在二体存続するため、200ポイントアップし、3100となる。
バトルよ!マスター・ダイヤでダークロウにこうげき!金剛破砕剣!」
様々な宝石が散りばめられた大剣を軽々と振り回し、ダークロウを両断し、その際の衝撃が私を襲う。
優希LIFE4000→3300
「やるね……。けど、まだまだだよ!」
「へぇ、私のエースモンスターを目の前にして諦めない人は久しぶりに見たわ。けど、どうするの?あなたのダイアンでは私のマスター・ダイヤには勝てないわよ」
どちらも語源がダイヤモンドだからややこしい……。
「やることは一つでしょ。ドロー!手札から【ミラクル・フュージョン】発動!私は場の【M・HERO ダイアン】と墓地の【M・HERO ダークロウ】を融合!!」
「っつ⁉︎墓地からだと!」
なぜそこに驚くLDS生ェ……。ジェムナイトだってやるだろ……
さぁ、せっかく融合するならアークファイブ風の召喚口上やってみようか!
「大地を守護する仮面の騎士よ!闇世界の守護者よ!今一つとなりて真なる力を呼び起こさん!融合召喚!闇と光合わさりし、禁忌の力!【C・HERO カオス】!!」
光と闇、相反する二つの力を使役する私のエースモンスター。やっぱり、かっこいい!!
「なっ⁉︎何を出してくるかと思えば、私のマスター・ダイヤの方が攻撃力は上よ!」
負け惜しみかな?まぁ、サクッとやっちゃおうか……
「カオスの効果発動!フィールド上のカード一枚の効果をターンの終わりまで無効にする。私はもちろんマスター・ダイヤを選し、効果を無効に。エフェクト・シャット!」
カオスがパチンと指を鳴らすとマスター・ダイヤから輝きが失われる。指パッチンで効果消すとか、さすがチート。
「これでマスター・ダイヤの攻撃力は元々の数値へと戻り、カオスの攻撃力が上回った!!
バトルだよ!カオスでマスター・ダイヤを攻撃!」
闇と光の力を拳に纏い、マスター・ダイヤへと叩きつけ、粉砕。マスター・ダイヤはあっけなく散る。
余談だが、小さなダイヤモンドは金槌で簡単に砕けるそうです。ダイヤモンドェ……
真澄LIFE2100→2000
「ターン、エンド。さぁ、ますみんのターンだよ」
にっこりと笑みを浮かべ、ますみんを挑発する。さぁ、どうでる?
「私ターン、ドロー!手札から【ハンマー・シュート】を発動!」
「げぇ⁉︎またガチな破壊カードが……」
頭上に巨大なハンマーが具現化し、カオスをスクラップにしようとする。だが、当たる直前に霧散する。
「チェーンして、カオスの効果発動。【ハンマー・シュート】の効果を無効にする。エフェクト・シャット!」
「へぇ、スペルスピード2なのか、その効果。便利だな」
LDS生が感心の声を漏らす一方真澄は打つ手がないようで諦めの感情が見て取れる。そして、私ターンへと移行する。
「終わりかな?カオスでダイレクトアタック。」
「アダッ⁉︎っ〜〜〜〜!」
カオスはさすがに女子に暴力は気がひけるようでデコピンをかますとようやく決着がつく。
◆◇◆
「さて、次は徹の番だね」
「「え?」」
私の言葉に徹はめんどくさそうな表情をし、沢渡は予想外です。と顔に書いてある。さて、沢渡君はどこまでやれるかな?私が直々に手ほどきしてあげた弟は強いよ〜。
後書き
本当はワンショットキルをしたかった…………。けど、それだと話が短くなり過ぎ、あんまり面白味がなくなるので手加減を……と思ったら文字数が一万に届く。ふんだり蹴ったりですねー。長くてすいませんo(_ _)o ペコッ♪
感想、批評等々お待ちしております。ついでに《お気に入り》をポチッとしてくれたら跳んで喜びます。
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