美しき異形達
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第二十七話 光の力その四
「食事マナーが悪いと」
「どうしてもね」
「それだけで無作法に思われるわよね」
「食事マナーが悪いだけで」
「品性っていうのが」
「だから私は得をしているのね」
大好物であるカレーを食べることに気をつけているうちに丁寧な食べ方になって、というのだ。
「それで」
「いや、鈴蘭ちゃん普段からね」
「そうよね」
「礼儀正しいわよ」
「剣道してるせいもあると思うけれど」
「ちゃんとしてるわよ」
これがクラスメイト達に言葉だった。
「そうしたところもね」
「学校の勉強だけじゃなく」
「清潔にしてるしね」
「身体も髪も服もね」
「やっぱり白がいいんじゃないの?」
いつも白い服を着ていることが、というのだ。
「汚れが目立つからね、白だと」
「それでいつも綺麗にしてるから」
「そのせいだと思うわ」
「白は自分にとっていい色なのかしら」
鈴蘭はクラスメイト達の話を聞いてこうも考えた。
「そうなのね」
「意識して綺麗にしようと思ったらね」
「いいんじゃないかしら」
自分でも言う鈴蘭だった。
「私自身もね」
「そう思うのね」
「自分で意識出来るから」
「ええ、元々好きな色だし」
「成程ねえ、そういうやり方もあるのね」
「あえて汚れが目立つ色を着て注意する」
「そうしたやり方も」
「そう思うわ、どちらにしてもね」
落ち着いた大人の雰囲気さえ漂わせている笑顔で言う鈴蘭だった。
「私はこれからもね」
「着る服は城なのね」
「何でも」
「ええ、そうするわ」
「下着も絶対に白だしね」
クラスメイトの一人がくすりと笑って彼女の下着の話をした。
「似合ってるのよね、これが」
「そうそう、白い下着もね」
「鈴蘭ちゃんスタイルいいし」
「白がとりわけ似合うのよ」
「お肌も白いし」
「逆に黒蘭ちゃんは制服も黒で」
鈴蘭の双子の妹である彼女の話にもなった。
「下着も黒らしいわね
「絶対にそうみたいよ」
「ちょっと大胆だけれどね」
高校生で下着の色が黒は、というのだ。どうしても黒の下着は大人のものというイメージがあるからこう言うのである。
「それでもあの娘もね」
「黒似合ってるからね」
「いいって思えるのよね」
「そうよね」
「あの娘は全部黒なの」
鈴蘭もカレーを食べつつ微笑んで妹の話に応えた。
「服やアクセサリーはね」
「姉妹で色違うのね」
「お姉さんの鈴蘭ちゃんは白で」
「黒蘭ちゃんは黒」
「そうなってるのね」
「そうなの、好みでね」
別に決まりはないが、というのだ。
「私達はそれぞれの色になっているの」
「それって間違えなくていいわよね」
「白と黒で全部分けられてるからね」
「私よくお姉ちゃんと下着間違えるわ」
「私も妹と」
それぞれ間違えるとだ、クラスメイト達も話した。性別でも違わない限り色が似ているとどうしても間違えてしまう。
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