転生とらぶる
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マクロスF
0799話
現在俺がいるのは魔法球の中、そして目の前にはメギロートの姿があった。
ただし、勿論技術班の巣窟たる魔法球の中にいるのが普通のメギロートな訳が無い。
……いや、普通に雑用とかに使われているメギロートは数多くいるんだけどな。何しろこの魔法球はシャドウミラー最大の機密の1つだ。当然何かあった時にそれを守る為の守備戦力的な意味でも、魔法球の中や外、魔法区画には量産型Wやシャドウと共にメギロートも大量に配備されている。
それに技術班が個人所有してエアカーの代わりに足代わりにしたり、あるいはコンピュータなりなんなりを背中や空きスペースに設置して簡易の移動研究室と化している者すらもいるのだから。
ともあれそんな事は置いといて、今俺の前に存在しているメギロートは通常のメギロートとは見て分かる程に外見が変わっている。
背中の羽と羽の間の空間に1門の砲身が備え付けられているのだ。
重兵隊バジュラの背に装備されている、重粒子ビームを放つ為の砲身。ミュートスで手に入れた死体を研究し、その結果出来上がったのが、今俺の目の前でメギロートの背に装備されている砲身だった。
勿論基になった重兵隊バジュラの砲身と違う場所は多々ある。例えばその砲身の長さ。
メギロートの攻撃方法の1つに、頭部先端から生えている角で下から突き上げるというものがある。重兵隊バジュラに使われていた長さと同等の長さを装備すると、まず間違いなくその角に当たるのだ。
……そもそも、メギロートの体長は10m強なのに対して、重兵隊バジュラのは30m前後。しかも重量子ビームを放つ砲身は頭部からも大きく突き出ている。
それだけの長さの砲身をそのままメギロートに装備させようものなら、動きは鈍くなるどころの話じゃない。下手をすれば普通に動くことすら難しくなる。
その結果、技術班が重兵隊バジュラの砲身を研究して開発したのが現在メギロートの背中から伸びている重量子ビーム砲な訳だ。
勿論砲身を縮めた結果のデメリットはある。最大のデメリットはやはり射程距離だろう。狙撃砲のような用途としても使われていた重兵隊バジュラの重量子ビームに対し、メギロートに装備されたそれは遠距離攻撃は可能であるものの、狙撃とまではいかない程度の射程距離しか無い。
まぁ、それでもサークル・レーザーよりも射程距離が長いので接近する際の牽制や、あるいは数を揃えて遠距離からの一斉射撃の手段として使えるだろう。
俺が知ってるメギロートであれば、砲身の重量によって動きが鈍くなり運動性や機動性に悪影響が出てきたところだ。だが不幸中の幸いと言うべきか、俺がマクロス世界に行っていた1年半の間に基礎技術の研究に専念して数段階程レベルが上がっている。
よって現状のメギロートは重量子ビーム砲を装備していても、俺の知っているメギロートよりも寧ろ運動性や機動力は上だ。
もちろん砲身と射程が短くなった利点もある。それは連射性だ。シャドウミラーでよく使われているビームガトリング砲とまではいかないが、それでもビームライフル程度の連射性は維持している。
「じゃあ、始めるわよ」
レモンの声と共に、重粒子ビーム砲を装備したメギロートが動き出す。
まずは地上での行動ということなのか、空いている空間を前後左右に歩く。
その動作に不自然な場所は見えず、俺がいない間に行われていた基礎技術の研究がどれ程進んだものだったのかを教えてくれる。
そのまま数分程地上を歩き続け、特に違和感や不具合が無いのを確認したのだろう。新たに下されたレモンの指示で空中へと飛び上がって魔法球の中を自由自在に飛び回る。
こちらもまた、重量子ビーム砲を装備したというのに動きの軽快さに関しては以前と変わらず……いや、寧ろ若干ではあるが上がっているな。
「さて、じゃあいよいよ最後の試験よ。……標的を準備して!」
レモンの指示に、メギロートが地上に着地し、俺達から離れた場所に1機の機体が運ばれてくる。あの機体は……
「ストライクダガー?」
そう、その機体はSEED世界の連合軍で採用された量産型MS、ストライクダガーだった。ビームライフルを標準装備し、ザフトのジンやその上位機種でもあるシグーをも上回る攻撃能力を持っており、決して悪い機体では無い。言うなればUC系のジムに近い役割といったところか。
だが、ジムは所詮ジム。
ジンやシグーをも上回る攻撃力を持つとは言っても、俺達シャドウミラーと戦うには圧倒的に機体性能不足、パイロットの技量不足であり、文字通りの意味で鎧袖一触にされた機体だ。その後も俺達シャドウミラーと同盟を結んでいたオーブに幾度となく攻めてきては撃破され、あるいは鹵獲されては倉庫に積み上げられていたのだが……
「だからって標的にしなくてもいいだろうに」
「しょうがないじゃない。そもそも機体スペック的に私達は使いようがないんですもの」
「……まぁ、確かに」
良くある使えなくなった機体の使用方法としては作業用というのがあるが、それに関しては無人機のメギロートの方が圧倒的に上だ。
そもそも、シャドウミラーには余剰人員がいないという事情もある。
量産型Wを使うにしても、比べものにならない程に高性能なシャドウが配備されており、今更ストライクダガーを使う必要性は存在しない。
今ではストライクダガーを使うのは、アウルやスティング、レイといった将来的にシャドウミラーへの入隊を希望する者達が、シミュレーションではなく実際に機体を動かす感覚を覚える為に使用する程度だ。
勿論それらで使われている機体は操縦システムをシャドウミラーが主力として使うPTに準じたTC-OSへと入れ替えられているのだが。
本来であれば既にシャドウミラーで主戦力では無くなったエルアインスや量産型アシュセイヴァーといった選択肢もあったのか、それらはストライクダガーと違ってまだ戦力としての使用が可能だ。それ故に大量に鹵獲したのはいいものの、シャドウミラーとしては使い勝手の悪いストライクダガーはこうして標的とかに使われていたりもする。
壊れても構わないと考えると、ある意味では使い捨て感覚で便利に使えるんだよな。
壊れたら壊れたで、キブツを使って資源に変える事が出来るし。
尚、ステラに関しては原作と違ってMSとかには殆ど興味を抱いていないらしく、アウルやスティングと違ってMSの操縦訓練は受けていない。
まぁ、確かに才能はあるんだろうが、本人がやりたくないのを無理にやらせる必要もないだろうしな。
ちなみに、使い捨てだとか標的だとかで散々に言っているストライクダガーだが、当然整備の類は量産型Wによってきちんとされている。
いずれ何かに使うなり、あるいはどこかに渡したり売りに出したりするにしても、いざという時に使えないとなっては困るしな。
「データ収集の方は準備いいわね?」
「はい、レモン様。問題ありません。計測機器の方は全て順調に稼働しています」
レモンの言葉に技術班のメンバーがそう返事をする。
いつもはおちゃらけている技術班だが、さすがに新兵器の実験ともなればそうもしていられないのだろう。……実はレモンが怖いだけという可能性も高いが。
「じゃあ行くわよ。3、2、1……発射!」
その言葉と共に、メギロートの背中に装備されている重量子ビーム砲が放たれ……次の瞬間にはストライクダガーの頭部が消滅する。
だが、それだけでは終わらない。連射性能が上がったという報告通り、2発、3発、4発と続けて重量子ビームが放たれ、ストライクダガーの右腕、左足、胴体と消滅させていく。
確かに連射性は重兵隊バジュラの使っていたものよりも上だな。威力に関してもこれを見る限りではそれ程落ちているとは感じない。
だが、そんなメギロートを見ているレモンはその美しい眉を微かに顰めている。
「どうした? 予想していたよりも結果が悪いのか?」
「……そうね。正直な話微妙としか言えないわ。コストと機体の重量バランスに関してもあれだけ長い砲身を装備させたから、随分と悪いし。……こうして考えると、メギロートというのは随分と完成された機体だったのね」
溜息と共に吐き出される言葉を聞くに、レモンが想定していたよりも随分と性能が低いらしい。
更に数発の重量子ビームを放ち、ストライクダガーが完全に残骸と化したところでメギロートは動きを止める。同時に、技術班の者達がそれぞれデータを収集し始め、量産型Wがそれを手伝うべく後を追っていく。
技術班にしても今回の結果はある意味では予想外だったのか、笑みを浮かべている者は……
「おーめーでーとー! だから言ったでしょ? 僕の予想通りの結果じゃないか」
「ロイドさん!」
訂正、何故か笑みを浮かべてお目付役のセシルに注意されている奴が1人いたな。
相変わらずの2人を見て、小さく笑みを浮かべていた俺にレモンが視線を向けてくる。
「アクセル、今回取れたデータに関しては後で詳細な報告書を渡すけど、シャドウミラーの技術班の責任者としては重量子ビーム砲をメギロートに搭載するのは反対よ。確かにサークル・レーザーよりも長い射程を誇る射撃武器は魅力的かもしれないけど、機体全体のバランスを崩してまで必要かと言われれば否だしね」
「そんなにバランスが悪いのか?」
「ええ。汎用性の高さがメギロートの売りの1つだったんだけど、重量子ビーム砲を装備するとその汎用性が大きく損なわれるのよ。特にあの砲身の長さが色々と厄介で、戦闘以外に使うのは難しくなるわ」
「シャドウだって肩から砲身が伸びてるけど、普通に作業用に使えているだろ?」
視線の先にいるシャドウは右肩にビームガトリング砲、左肩にグラビティキャノンが装備されている。その砲身は前に突き出しており、そういう意味ではメギロートよりも上だろう。
だが、レモンはそんな俺の言葉に黙って首を振る。
「シャドウに関しては、設計段階から両肩に砲身2つを付けるというのを前提としているからいいのよ。それに人型と虫型の違いも大きいわ」
「……なるほど」
確かに最初からそれらを装備するのを前提として設計されたシャドウと、元々は予定されていない改造を施されたメギロートの違いは大きいか。
「そうなると、やっぱり重量子ビーム砲に関しては付けない方が?」
「私としてはそっちをお勧めするわ。重量子ビーム砲を積んだメギロートは確かに長距離攻撃できる分だけ攻撃力は高いかもしれないけど、搭載されているAIの性能を考えると、もしメギロート同士で戦えば恐らく勝つのは通常のメギロートよ」
「それは、やっぱり予定されていない装備だからか?」
「ええ」
ビアンやシュウに並ぶ天才のレモンがそこまで言うのなら、それは明確な事実なのだろう。
武器に拘ってメギロートの性能を落とすのは意味が無い、か。
「それに……」
何故か苦笑を浮かべながらレモンが言葉を続ける。
「重量子ビーム砲とは言っても、純粋に武器の威力として考えれば、威力、精度、連射性、メンテナンスのしやすさといったあらゆる面で私達が使っている武器の方が上よ? ならわざわざ採用する必要は無いと思うけど。とは言っても、技術として珍しいのは事実だけどね。あくまでも研究用に留めておくべきというのが、技術班のリーダーとしての私の考え。それに……どうせ使うのなら、もっと有効利用する方法もあるしね」
「……分かった。最終的な決定に関しては後で決めるが、その言葉は覚えておく」
「そうしてちょうだい」
満足そうな笑みを口元に浮かべ、技術班の面々がデータを取る為に集まっているメギロートへと視線を向け、やがて思い出したように告げる。
「ああ、そうそう。ホワイトスターの機動兵器生産プラントだけど、イルメヤの方が後10日程で稼働出来るようになるわ」
さらりと告げられたその台詞に、思わず目を見開く。
イルメヤ。それはエアロゲイターが使用する兵器の名称だ。蜘蛛型のイルメヤは地上用の機体であり、基本的な能力に関してはメギロートをも上回る。万能型のメギロートに比べると特化型と言ってもいいだろう。
イルメヤは攻撃手段自体は尾から放つガトリング砲でもあるガトリング・フォトンしかない。だが、特殊装備であるスパイダーネットは相手の移動を妨害する糸による能力を持つ。他に特筆すべき点としては水中での行動も非常に得意だということだろう。水中という限られた戦場は、それだけに対応していない機体も多い。それだけに、無人機で水中戦に対応出来るというのはありがたい。
エアロゲイターの無人機としては、他にも空中用のミシュレイという機体もあったのだが……まぁ、こっちは空中と宇宙で行動可能な点もメギロートと被るから、地上と水中で活動可能なイルメヤの生産プラントが優先して修理されたのだろう。
「使える生産プラントの部品は殆どをメギロートの方に回していたって話だったが……よくもまぁ、修理出来たな」
「私達も1年半の間、遊んでいた訳じゃないのよ。ただ、メギロートが今のメギロートに改良されてきたように、当然イルメヤも改良する必要があるから、実際に生産が可能になるのはもう暫く先になりそうよ」
「……ちなみに、重量子ビーム砲は……」
「無理よ。メギロートにしろイルメヤにしろ、既に最良のバランスで設計されているんだから。形を変えない強化なら問題無いけど、武装を付け加えるというのはちょっと難しいわ」
メギロートの強化は失敗に終わったが、イルメヤの生産が可能になるという目算がついたのは嬉しい誤算だったな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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