転生とらぶる
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マクロスF
0798話
エザリアとL.A.Iの交渉が始まってから数日。当然の事ながら、お互いに提供する技術に関しての激しいやり取りが連日行われている。
ただ、それでもやっぱり有利なのは技術交流をする選択肢がL.A.I以外に幾つもある俺達シャドウミラーな訳で……それでも優先的にL.A.Iと交渉をするという約束を取り付けた結果、YF-29の所有権を正式にシャドウミラーの……より正確には俺のものにしたというのは驚かされた。
もっとも、向こうにしてもただでとは言わない。1度L.A.I側にYF-29を戻してバジュラ戦役と呼ばれる事になった一連の事件の最終戦、ミュートスにおける戦闘で蓄積したデータを徹底的に調べるのと、フォールドウェーブシステムに関係する部分に関しての返却が条件となっていたのを思えば、向こうにしても一方的に損をしたという訳では無いだろう。
ともあれ、L.A.I以外の会社も数社だが既にミュートスへとやってきており、先発隊というか、支社要員が既にメギロートや量産型Wが作っている都市へと引っ越してきている。
その都市が出来ていく様子は、フロンティア船団がミュートスへの移住を始めて開発を進めている速度とも比べものにならない程だとか。
数日前、こちらが採掘できる資源の件でレモンとエザリアがグラス大統領に会ってきたんだが、その時に半ば本気でメギロートの貸し出しを検討してくれないかと言われたらしい。
ああ、そう言えばマクロス世界に対する俺達の存在もミュートスに来ている企業からギャラクシーネットに公然の噂として広がりつつある。
新統合政府の方からも、近いうちに記者会見をやるので、その際には出席してくれと言われているんだよな。向こうにしてみればシャドウミラーの存在は出来れば公表したくはなかったのだろうが、ここまで噂が広まってしまってはしょうがないんだろう。
もっとも、各種会社を俺達と接触させる以上は完全に隠しきれるとは思っていなかっただろうが。
ともあれ、現在は色々と頻繁にエザリアとマクロス世界の各種勢力が交渉をしている訳だ。恐らく、現在シャドウミラーで最も忙しいのはエザリアで間違いない。
暇を見ては魔法球を使って休んでいるので、身体に負担は無いだろうが……まさか、レオンをフロンティア船団との交渉に使う訳にもいかないしな。
尚、レオンは部下の2人と共に現在必死にシャドウミラーについての勉強をしている。フロンティア船団で辣腕を振るってきたレオンだが、当然シャドウミラーとはやり方が色々と違う。……自由度って意味では圧倒的にこっちが上だろうけどな。逆にフロンティア船団の方はある程度のパターンのようなものが出来ていたから、そういう意味では楽だったのだろう。
他にもギアス世界、SEED世界、ネギま世界、OGs世界といった世界に関しても覚えておかなければならない事が多々あるので、実際に使えるようになるのはもう暫く先の話になるだろう。
そんな風に考えながら居住区の中をエアカーで移動していた、その時。
こちら目がけて飛んでくる10本近い矢を確認。咄嗟にエアカーのハンドルを切り、飛んできた矢を回避する。
闇に氷、石。
飛んできた矢の種類を確認しながら、誰が放った矢なのかを大体理解する。だが、この矢の組み合わせは……
エアカーを道端に止め――ご丁寧な事に追撃は無かった――周囲を見回すと、予想通りに見覚えのある2つの影が道の先に存在していた。
片方は金髪で、もう片方は白髪の2人組。
「随分なご挨拶だな。……と言うか、お前達2人の組み合わせってのもまた珍しいが」
「ふんっ、1年半も勝手にいなくなりおって。茶々丸に心配させた罰だ」
「彼女の言葉に同意するのは多少癪だけど、君がいない間1年半で火星に起きた騒動を幾つ鎮圧したと思ってるのかな?」
この2人が誰なのかというのは、言うまでも無い。
金髪の方がエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。600年を生きる真祖の吸血鬼で、シャドウミラーの魔法全般の担当。
白髪の方はフェイト・アーウェルンクス。造物主の作り出した一種の人形だったが、今は自意識を持っており、シャドウミラーの火星担当という事になっている。
どちらも一応シャドウミラーの所属ではあるが、他のシャドウミラーのメンバーとは違って、便宜上シャドウミラーに所属しているというのが正しいだろう。
エヴァはホワイトスターを使って色々な世界に遊びに行くのが目的であり、フェイトはネギま世界の魔法界を救済すべく火星をテラフォーミングするのにシャドウミラーが全面的に協力しているというのが理由だ。
そうか、そう言えばこの2人は以前マクロス世界の件を報告した時にはいなかったな。
普段は麻帆良に住んでいるエヴァと、火星に住んでいるフェイトだ。それも無理は無いか。
いや、だが……ああ、なるほど。マクロス世界からこっちに戻ってきて、今まで何度も麻帆良に行っているがエヴァとは会っていない。怒っているのはそれが理由か。
「悪かった。こっちもこっちで色々と忙しかったんだよ。知ってるだろ? 俺が今まで行っていた世界の件を。そっちの騒動やら交渉やらでちょっとな」
「ああ、知っているさ。お前が何度か麻帆良に来ていた事や、従者と乳繰り合っているというのも学校で聞いたよ」
「それはその、ちょっとタイミングがだな」
「……ふん、まぁ、いい。ようやく戻ってきたのに顔を見せにも来なかった薄情者にお仕置きしただけだからな。私自身は別にそこまで怒ってはいないさ。……ただ、茶々丸は随分と心配していたから、後でしっかりと顔を出してやれ」
相変わらず妙に俺に対しては過保護らしい。確かにエヴァはともかく茶々丸に心配を掛けたのは……
「うおっ!?」
再び飛んできた氷の矢を咄嗟に回避すると、何故かジト目をこちらに向けているエヴァの姿。
「ちっ」
しかも舌打ち。
「おい、エヴァ?」
「ふん。お前が何やら不埒な事を考えていたようなのでな。そのお仕置きだ」
「……まぁいい。で、そっちも同じような用件か? さっきも言ったが、随分と珍しい組み合わせだが」
チラリ、と俺とエヴァの話を黙って聞いていたフェイトへと視線を向ける。
だが、フェイトはエヴァに視線を向けると、冗談はよしてくれとばかりに溜息を吐く。
それを見たエヴァの眉がつり上がるが、気にした様子もなく言葉を続ける。
「冗談はよして欲しいね。何故僕がわざわざ闇の福音と共に行動しなければならないんだい? 僕はただ、火星の件を僕に任せきりにして自分だけバカンスを楽しんでいた上司にお仕置きをしに来ただけさ。ついでにテラフォーミングの進行具合に関しての報告もあるしね」
「おいこら、お前私に喧嘩を売っているのか? それなら喜んで買うぞ?」
「……全く、君はそんなんだからエヴァンジェリンなんだよ」
「よし分かった。ちょっと顔を貸して貰おうか。まるで私の名前が悪口であるかのようなその言動は許しておけないからな」
仲がいいのか、悪いのか。まぁ、本人達に聞けばまず間違いなく仲が悪いと言うんだろうが、こうして傍から見ている分には喧嘩する程仲が……
「またかっ!」
再び飛んでくる矢。
ただし今回は氷の他に石の矢も混ざっている。
そしてこちらに向けられている2人のジト目。
「はぁ……分かった分かった。取りあえず報告やら愚痴やらを聞くから、交流区画の方にある喫茶店にでも行かないか?」
「ふむ、奢りだな?」
「分かった、奢る。だからそろそろ機嫌を直せ」
「確かにあそこのコーヒーは絶品だったね。いいだろう、僕もそれで妥協しよう」
「和菓子の気分だったんだが……まぁ、たまにはケーキでもいいか」
2人が頷き、そのままエアカーに同乗して交流区画へと向かう。
エヴァにしろ、フェイトにしろ、転移魔法が使えるんだからわざわざエアカーに乗る必要があるのかとも思ったが、それを言えばそもそも俺だって影の転移魔法を使えるしな。
ちなみに、未だに影の魔法に関しては俺よりもエヴァの方が何倍も上だ。これは純粋に熟練度の差だろう。魔力だけで言えばネギま世界にいた時点でエヴァよりも上だったのに加えて、マクロス世界でSPを大量に上げたからな。
ただ、逆に炎に関して言えばエヴァは俺の足下にも及ばないんだが。
「で、この1年半の間はどうしていたんだ?」
エアカーを運転しながら尋ねてみるが、戻ってきたのはエヴァもフェイトも軽く肩を竦めるという返事のみ。
いや、肩を竦めるという行為そのものは同じだが、その表情は大きく違う。エヴァは特に問題が無いと言うべき表情なのに対し、フェイトは微かに眉を顰めていた。
基本的に無表情に近いフェイトがそういう風な表情を浮かべるとなると、俺がいない間に火星では余程の事があったんだろう。
……まぁ、大体予想は付くけどな。現在火星にいる面子で最も問題を起こしそうなのは、どう考えても修羅だ。一応修羅王になったアルティスが修羅達を治めている筈だが、それでもやはり問題が起きるのはしょうがないか。
そんな状態の2人からはそれ以上の話を聞かずに、エアカーは交流区画へと入る。
俺が今日元々向かおうとしていたのはこの交流区画なので、ある意味では丁度いいと言えるだろうな。
「なるほど。確かに以前に比べるとここを利用している人数も増えている。この1年半で各世界の交流に関しても随分と活発になってきているんだな」
特に目立つのはKMFだ。とは言っても、物騒な意味ではない。グラスゴーやサザーランドのような時代遅れになったKMFが、武装を外されて荷物を運んでいる光景が目に入ってくる。
既に戦闘では使い物にならなくなったグラスゴーやサザーランドは基本的に民間に下げ渡され、こうして荷物の運搬や警備用のKMFとして使われている。
原作で出てきたナイトポリスなんかがその典型だろう。
陽光としては数だけは余っているガン・ルゥをどうにかしたいのだろうが、さすがに手が銃になっているのでは荷物運びには使えない。
警備用としてならまだ使い勝手があるんだろうが……何しろ、最弱のKMFとしてギアス世界でも有名だからな。
星刻としては頭の痛い問題として、以前通信で話した時には頭を抱えていた。
MSとかでも代用できそうではあるが、やはりKMFの大きさが丁度いいんだろう。15m程のMSだと建物とかに入るのにも苦労しそうだし。
「KMFか。火星でもバトレー達が用意してそれなりに活用されているよ」
俺の視線を辿ったフェイトが呟く。
にしても、バトレーがねぇ。一応科学者ではあるが、どちらかと言えば専門は生物学とかの方だと思ってたんだが。いや、別に開発したわけじゃ無くて単純にギアス世界から輸入して使っているのか。
そんな風に考えつつ道を進み、やがて目的地の喫茶店へと到着する。
そのまま駐車場にエアカーを止めて店の中へ。
何故か和風フェスタをやっているのを見て、エヴァが大喜びで和菓子の類を注文する。
……にしても、喫茶店で和菓子って……いや、俺の頭が固いだけか?
それぞれが注文した品がテーブルの上に届き、早速とばかりにフェイトがコーヒーを味わってから口を開く。
「さて、火星に関してだけど……正直、当初予想していたよりも開拓速度は早い。早いんだけど……それに比例するようにして修羅による揉め事も多く起きている。一応修羅王の彼やその弟や部下達が抑えてはいるんだけど、どうしても血の気が多いのはね。一時期、MMの魔法使いと全面戦争になりそうになった事もある」
「くくっ、正義の魔法使いとしては色々と思うところがあるんだろうさ。裏で盛大に煽っている奴もいるだろうしな」
「……MMか。厄介だな。だが、厄介だからと言って潰すなんて真似も出来ないしな」
文字通りの意味で腐っても魔法界ではヘラスと並ぶ大国だ。だが、それ故に自らの権益を守る為にはどのような手段も取る。
麻帆良はMMの下部組織ではあるが、既に半ば独立した存在になっている。その結果、異世界との貿易という利を得る事が難しくなり、その結果としてちょっかいを出しているのだろう。自分達を無視するな。妨害されたくなければこちらにも利益を渡せ、と。
いっそ潰すか?
数秒前の考えを無かった事にして考えるが、その後に起きる混乱を思えばやはり色々と不味い。
となると、潰しはしなくても身の程を知らせる必要があるか。幸い、俺の名前は魔法界でも相当に売れている。その辺から責めればある程度の効力は期待出来る筈だ。
「一度魔法界に渡った方がいいのかもしれないな」
「……なるほど。だが断る」
俺の言葉に頷きつつもネタに走るフェイト。
……お前、この1年半で何があった? 朝倉や早乙女辺りから妙な影響を受けていないだろうな。
そんな俺の疑問を別の方面で感じたのか、コーヒーのカップを置きながら口を開く。
「確かに君が出て行けば一時的には収まるだろう。だが、それはあくまでも一時的にだ。それに、君がこの後ずっと魔法界に、そしてホワイトスターにいる訳でもないのだろう?」
「まぁ、確かに」
実際問題、俺達シャドウミラーは未知の技術の収集を目的としている。それと、今はホワイトスターを中心とした異世界間貿易の拡大だ。
そうなれば、当然未知の世界をリュケイオスで探す必要が出てきて、そして出向くのは当然個人である程度の事には対処できる俺になるだろう。
なるほど。確かに俺が出て行って一時的に抑えても、いなくなった途端にまたMMが蠢くというのは上手くないな。フェイト達だけでどうにか出来ると知らしめる必要がある。
「フェイトの考えている事は分かった。ならそっちに任せよう」
「ああ、そうしてくれ。ただ、君は未知の世界に行ったらコーヒー豆を集めてきてくれればそれでいい」
……最後の一言が無ければ上手く纏まったのにな。
結局、この後はエヴァやフェイトからの愚痴やら何やらを聞いて数時間程喫茶店に居座り、エヴァを迎えに来た茶々丸と遭遇。オロオロと心配されつつも、無事の帰還を喜ばれるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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