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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第五章 楽園
  第10話 考え事

折紙「私はここで士道と一緒に勉強したことがある」

士道「え……?」

それが折紙の第一声だった。

凜袮が急用で帰った後、士道と折紙が二人で勉強していたところだった。

折紙「この問題……士道の解答……間違いなく一度勉強したことがある」

それは士道もつい数分前に思ったことだった。



いわゆるデジャヴ。



士道「でも、一体いつ……」

折紙「分からない……何か、起こっているのかもしれない……」

士道「そうかもな。俺は一度帰る。気になることがあるからさ。悪いな、こっちから誘ったのに……」

折紙「問題ない。私も少し気になることがある」

士道「そ、そうか……じゃ、またな」

士道は元気良くそう言って折紙の家を出て行った。


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夕方。

上条「ん?俺は何でここに来たんだ?」

無意識の内に来たのは公園だった。

上条「あれは凜袮……と士道か?」

後ろ姿だが確かに確認することができた。上条は盗み聞きするのは気が引けるが何か深刻そうなので、声が聞こえるところまで近づいた。



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士道は少し驚いていた。

凜袮がここにいることに。

士道「どうしてここに……」

凜袮「う〜ん……考え事かな?士道は?」

士道「俺も考え事してて……」

全く、どこのリア充だよ。

特に話が止まることはなく、士道と凜袮は話していた。

士道「凜袮は何を考えていたんだ?」

凜袮「えっと……今日の晩ごはんのことかな?……士道は何考えてたの?」

士道「え?……えっと、その……今日の夕飯何かなー?って……」

上条「(二人の考えてることが今日の夕飯のことって……嘘に決まってるじゃねーか)」

結局二人の考え事というのが分からず、凜袮は買い物へと出かけた。


その時、士道は少し思い込むように立ち尽くしていた。



上条はそんな士道に見つからないように凜袮を追いかけた。






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あの後、士道はトボトボと自分の家に帰り、ベッドの上で寝転んでいた。

もうすぐ夕飯の支度ができるという時間帯になった。

士道「(そろそろリビングに行くか……)」

士道は自分の部屋から出た。










リビングへと続く扉を開けようとした時、

凜袮「どうして……どうしてうまくいかないの……?このままだと全部駄目になっちゃう……」

上条「大丈夫だ。凜袮の言うとおりならまだ改善する余地はある。そうじゃないのか?」

凜袮「ふふ……ありがとう、当麻。あ、この話は士道達には内緒だよ?」

上条「分かってるって」

その内緒話を少し聞いてしまった士道だったが、途中からすぎてよく分からなかった。

士道はリビングの扉を開ける。

士道「凜袮……上条……」

凜袮は台所にいて、上条はその近くにいた。

凜袮「ん?どうしたの士道?あ、まだ夕飯できてないんだ。もう少し待ーー」

待って、と言おうとした時だった。

士道「今の会話……なんの話だったんだ?」

その刹那、上条と凜袮から笑顔が消えた。



まるで秘密がばれたかのように。



と、上条は笑顔を取り戻すと、こう言った。

上条「あぁ、夕飯のことを話してたんだよ。上条さんのドジで危うく卵焼きを焦がすことでしたよ」

凜袮「そ、そうそう!最近私、料理に自信が持てなくて……みんなは美味しいって言ってくれるんだけど……ほら。今日さ、士道夕飯楽しみにしてたじゃない?だから不安になってきて……」

士道「何だ、そんなことかよ……」





嘘だ。

士道は一瞬にして分かった。

上条の演技に凜袮が乗っただけの話。

自分にはバラせない話。幼馴染には話せなくて、二ヶ月前にやってきた上条には話せる話。

この差は何だ?

信頼の差……とか言わないよな?どう考えても俺の方が信頼度は上だし……考えられる事は俺に話したら不都合なことだろうけど……

そして今気づいたのだが上条が珍しく……いや、初めて見たのだが、ネックレスをしているのだ。

服に隠れて何を着けてるのかは分からないが……何の心境の変化だ?



いや、今はあまり深く考えないようにしよう。


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天宮市で観測された強大な霊波は恐ろしく強大な力を持っているが、その『誰かさん』はその力を制御しきれていない。



というのが琴里の第一声だった。

士道の部屋に集められた上条達は、今起きている現象について議論しているところだ。

士道「どういう……」

琴里「分からないわ。霊力の上下幅が大きくてかなり不安定。その揺らぎは日を増すごとに大きくなってきてる……」

一方「相手が精霊だとしたら、厄介だなァ……」

琴里「そうね。その力を持ったまま、暴走なんてしたら……」

佐天「……したら?」

琴里「……国一つ吹き飛んでもおかしくないわ」

佐天「……え?」

士道「そ、そんな……」

琴里「三十年前のユーラシア大火災ほどではないけど、日本ぐらい簡単に消し飛ぶわよ」

上条「その前に、解決策を見つけないと……」

一方「でもおかしくねェか?確かその霊力は天宮市を覆ってるンだろ?なら、なンで俺たちは何の障害もなく平然の暮らしていられるンだ?」

琴里「問題はそこよ。それが今一番不思議なところ。天宮市は今、ブラックホール化したのと同じなのに……」

ここにいる四人は知らないが、上条当麻はその一旦を見た。



6月26日、凜袮の家に入った時、



世界が、巻き戻った。



これも、その『誰かさん』の力だとしたら……

上条は、『ある人』から貰った、首からぶら下げている『特殊な石』を見た。



結局やることは変わらないのだ。

士道は精霊を不安にさせないようにデートをし、上条達三人はそれを全力でサポート。琴里は精霊の調査。

今日はそれでお開きとなった。



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ーー


夢の中。


?「不便だな……目で見て、耳で聞いたことしか知ることができないというのは……」

彼女はまた呟いた。

?「〈凶禍楽園(エデン)〉の管理が覚束ない……」

?「やはり、ダメだというのか……」

?「……いや、違う!そんなものは認めない!私の世界は間違ってない!」

?「力が安定しないというなら、どうすればいいか」

?「その答えを知ってる。そう、精霊達がしているように……私も……」

?「ふふ……そうか。どうやらこんな単純なことに気づかないとは、どうやら焦るあまり、思考力も怠っていたようだ……」

?「……これで、きっと……」



夢は、途絶えた。

























































今日は、6月27日。 
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