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『自分:第1章』

作者:零那
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『決定/金銭面』

数週間後、突然家が決まった。
場所...同じビル内。
4階から3階になるだけ。
部屋の構造も違うし今の家の半分位は狭くなるけど。
御飯食べる部屋と寝る部屋、今は2部屋ありゃ上等か。

3階の住人が引き払うって1階の会社の人に聞いたらしい。
だから話聞いてキープしとこうと思ったらしい。

でもリフォームが必要なくらい汚い部屋。
入居予定して部屋を見さしてもらった。
物を置く場所の目安と、あらゆる場所の計測も一応させてもらった。
リフォームの進み具合に応じて、物を置いていくのはOKと言われたので甘えることに。

家具家電を購入しては少しずつ搬入。
大きい物から細かい生活用品まで買い集めた。
暫くの間、毎日が数万~数十万ずつ飛んでいく。
こんなに自分で揃えるの初めてやし、なんか妙に嬉しかった。
施設出るときは貰い物や中古が殆どだったし...

暫くデリ辞めれんかな。
いっそ夜だけ行くとか?
週何回の出勤なら良いかな...

色々考えた結果、ユウの稼ぎだけで生活するのは無理。
今の給与のままじゃ。

月々、保育料金5万以上。
家賃(水道込)5万。
ユウの携帯2万。
タバコ&休憩コーヒー代で2万。
この時点でギリギリ。
他の支払いもある。

何より生活がある。

貯金はしてた。
デリを今すぐ辞めても生活危機には陥らん。
でも、仕事せんってのは収入ゼロ。
減る一方なら終わりは来る。
ユウの給与が上がるまで零那も稼ぎ続けなあかん。
もし何かあって働けん状況になって、お金が無かったら娘は死ぬ。
そんな恐怖がずっとあった。
命を背負ってる。
娘を生かすも殺すも零那次第やと思ってて、それが怖かった。
もし、もし、もし...
悪いことばっかり想定しては勝手に怖がってた。
今思えばお金無い人なんか沢山居る。
生活に困ってる人も溢れてる。

零那はまともな食事、水分すら与えられずに死にかけたことが何回もあった。
だからこそ尚更そこに敏感だった。
チャント満足するまで飲んで食べて生きて欲しい。
シッカリ栄養を摂取して欲しい。

衣類も、零那はキツイまま汚いまま不快感なまま放置されてたから、娘には、綺麗で可愛くてチャント体に合った物を...って。

生きていくには、お金があればある程度解決できる。
世の中、金だけじゃないけど金が無いと生きていけん。
綺麗事じゃ生きていけん。
所詮、金が無ければ苦労するだけ。
辛くて苦しい人生や。
このカラダで受け止めてきた。
不条理な人生を背負わされるだけ。


 
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