死亡フラグ立ってた俺は仕方なく死亡フラグ保険入ったけどなんかよくわからんことに巻き込まれ困っている
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第3話 T or F
「ンン〜。ライカ、戻ったんだ。」
「アヤ姉。」
「ンン〜。彼の血美味しかった??」
「あぁ、変態君の。それはもう、美味しいすぎて。
変態君は今後僕のオモチャとして使わせてもらうよ。」
「ンン〜。それは無理があるんじゃないの?? ダメダメ、彼はアタシの物。
だいたい彼を最初に吸ったのはアタシなの!!!」
「全く。アナタ達。いつまでそんな無駄話を続けるつもり??」
「あぁ、カナ姉。」
「あんなショタのどこがいいと言うのです??
全く。この神聖な屋敷にあんなのを連れてくるなんて....」
「少しうるさいな。カナ、グチグチ言ってると美容に悪いよ。」
「誰のせいですか?? 全く、何が死亡フラグ保険ですか?!
欲求を満たすために人間の血を吸えば心まで人間になってしまいますよ。」
「カナ姉にはもう、変態君の血はあげない。」
「どうぞ、二人で分けてればいいですわ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ん??? 目がさめると俺はベッドに寝かされていた。
確か俺は.... あぁ、そうだった。 思い出したくもない。
とりあえずここから出られる場所を探さなければ....
そう思い俺は、この部屋を出た。
階段を上るとそこは音楽室のような部屋があった。
そこには一つのグランドピアノ。
そう、俺はあの場所でピアノを弾くはずだった。
なのに.....
そんなもどかしさからなのか、俺は自然にそのグランドピアノへ引き寄せられていった。
そして俺はピアノを弾き始めた。
曲名は悲しみの輪舞曲。これでロンドと読む。
皮肉にも今の状況を表すような曲だった。
「何をしているのですか??」
「?!」
「人の屋敷で人のピアノを勝手に弾くなんて、だからショタは困ります。」
鋭い棘のあった声が響き渡る。そこには黒髪の少女がいた。
「あ、あなたは??」
「はぁ、名前はまず自分から名乗るものではなくて??」
「あ。え。ええっと。俺は...」
「もういいです。貴方の名前はもう知っています。ワタクシは奏。」
「カナデさん??」
「あなたに下の名前で呼ばれるのは心外ですがまぁいいでしょう。
アナタ、ショタの癖に中々いい音感を持っていますね。
ワタクシに吸われる価値はある。 どきなさい。人間。」
そういうと彼女はピアノを弾き始めた。
彼女の奏でるハーモニーは熟練していた。
この屋敷に入った時に聞こえたピアノの音は彼女の演奏だったのかもしれない。
「ふぅ。じゃあ、次はあなたの番ですよ。」
俺は演奏を始める。
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「ンン〜。奏ったら。すっかり彼に見惚れちゃって〜....」
水晶から奏と燕の様子を見ていたアヤはそういった。
「もー。カナ姉ったら〜。嘘つき〜〜。」
「ンン〜。奏の方がよっぽど人間らしいじゃない。
人間が作ったピアノ?? なんかにどハマりするなんて...」
「アヤ姉もカナ姉も、変態君は僕のオモチャなんだからね...」
(もう突っ込むのはやめておくわ。)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「合格です。貴方の奏でるハーモニーは賞賛に値します。」
「あぁ... どうも。」
「次はワタクシが貴方のために綺麗な美しいハーモニーを奏でてあげます
ハムッ!!!!」
優しくてだけど棘のある。この矛盾した痛みが俺を襲った。
「やはりただのショタではありませんね。
あとでライカとアヤに謝らねばなりませんね...
これからも綺麗な美しいハーモニーをワタクシに聞かせてくださいね。
あなたのその高潔な血で.... ね。」
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