転生とらぶる
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マクロスF
0787話
「ふーん、確かに中々美味しそうな料理ね。見た事が無いのも何種類かあるけど」
カラオケボックスの室内の中で、テーブルの上に乗った幾つもの料理や飲み物を見たシェリルが呟く。
尚、当然の事ながら話をする為にここに入ったので、部屋は静かなままだ。使用時間も2時間だしな。
現在が9時ちょっと過ぎで、フロンティア船団に向かうのが11時30分だから問題は無いだろう。
ちなみに、ネギま世界に転移する前に技術班の面々が使用を再開された魔法球にYF-29を持ち込んでいたが……これに関しては、もう数日は大丈夫だと思う。そして、それだけの時間があればデータ収集に関しては十分な筈だ。
個人的には取引をして俺の足用に欲しいんだけどな。ソルプレッサはL.A.Iに渡してしまったし。ASRSやNジャマーⅡ辺りを積んで、EX-ギアじゃなくても操縦出来るように改造すれば問題は無い筈だ。
そんな風に考えつつ、沈黙を保っているままの部屋の中でテーブルの上にあるウーロン茶の入ったコップを口に運びながら、俺の向かいに座っている4人に視線を向ける。
あやか、千鶴、円、美砂。4人が4人とも黙ったまま俺が口を開くのを待っているが、こうして見ると4人ともかなり変わったな。容姿や身体そのものも全体的に大人っぽくなっているし、以前はあった幼さ……より正確に言えば世間知らずのような雰囲気が消えて、大人の雰囲気を醸しだし始めている。
勿論それでもまだ17歳。高校2年生なんだからレモン達に敵う程ではないが、それでもその辺の高校生よりは余程にしっかりとしているように見える。
「……4人共、随分成長したな」
沈黙を破ったのは俺の口から出たその一言だった。
「それは当然ですわ。私にしても他の3人にしても、アクセル君の恋人に相応しい人物となるように、高校に入ってからの1年半頑張ってきたのですから」
「ふふっ、そうね。特にあやかは火星の計画でホワイトスターにも私と一緒に良く出向いていたわね」
「私と円だって、シャドウミラーに入った後で足手纏いにならないようにエヴァちゃんに訓練して貰ってたんだから。……まぁ、ホワイトスターの魔法球は使わないように言われてたから、魔法世界に行ったりしてだけど」
「うんうん、まさか拳闘士としてデビューするとは思ってもいなかったけどね」
「それはまた、随分と……頑張ってたんだな」
あやかや千鶴はともかく、美砂と円が予想外だ。まさか拳闘士としてデビューとか……エヴァも何を考えているのやら。
いやまぁ、実際中々に実力があるというのは事実なんだけどな。
「それなのに、私達が頑張っている間にアクセル君は行方不明になって……いや、戻ってきてくれたのは当然嬉しいし、新しい恋人が増えているのもある意味で予想通りではあるんだけど」
円が溜息を吐きながら呟く。
「あー、そうだな。まぁ、これ以上黙っておく必要は無いか。こっちにいるのはシェリル・ノーム。お前達が理解しているように俺の新しい恋人だ」
「ふふっ、正確には恋人の1人というのが正しいんだけどね」
「分かってますわ。私達だってホワイトスターにはそれなりに足を運んでいるのですし、何よりアクセル君とはそれなりに長い付き合いなのですから」
「アクセル君、ねぇ。……もしかしてここでも本当の姿じゃなかったの? 今の姿のままだったらアクセル君じゃなくて、アクセルさんって呼ばれてたんじゃない?」
皆を代表して言葉を返したあやかに、シェリルが横に座っている俺に向かって尋ねてくる。
その言葉を聞き、軽く指を鳴らして全身を白炎へと変化させて10歳の姿に。
「この世界に来た時はこの姿だったんだよ」
「……あらまぁ。貴方達……もしかして、ショタコン?」
「違います! ショタコンなのは1人だけです!」
自分がショタコンに間違えられるのはゴメンだとばかりに、円が持っていたジュースの入ったコップをテーブルに叩きつけるようにして置きながら叫ぶ。
「ちょっ、円さん!? そんなにあっさりと私を売るとはどういう事ですか! だ、大体ですね。人の事をショタコンとか何とか言ってますけど、円さんだって普通にこの状態のアクセル君に好意を持ってたじゃありませんか! しかも自分でそれを認める事も出来ず、修学旅行の時に美砂さんが手を回してようやくアクセル君に恋をしていると認めたのでしょう!」
「うっ、そ、それは……ちょっと美砂、何とか言ってよ」
「うーん、私は普通にアクセル君に恋心を抱いていたからなぁ。円が意地を張って自分は普通だとかいいながら認めなかったのは事実だけど」
「あらあら、まぁまぁ」
「……何と言うか、一瞬にして泥沼になったわね」
自分が引き起こした事ながら、どこか他人事のように呟くシェリル。
「あー、まぁ、この姿ではあったけど色々とあったんだよ」
呟き、再び指を鳴らして20代の姿へ。
そのまま手を叩いて全員の注意を集めて再び口を開く。
「騒いでいてもしょうがないから、取りあえずお互いの紹介といこうか。まずシェリルの紹介だな。さっきも言ったが、シェリル・ノーム。俺が転移したマクロス世界という世界は銀河中に移民する為に人類が進出していたんだが、その世界でも文字通りの意味で銀河中でもトップクラスの歌手だ。通称銀河の妖精。マクロス世界に暮らしていてシェリルの歌を聴かない日は無いって言われる程だな。で、まぁ、その……何だ。俺が転移したフロンティア船団というところで色々とあって、結果的にくっついて一緒に暮らしていた」
一緒に暮らしていたというところであやかがピクリと反応する。
「なるほど、私達と似たような境遇だった訳ですわね」
その言葉に、今度はシェリルが反応する。
「……ねぇ、アクセル。今のこの子の話を聞くと、その子達とも同棲していたということになるんだけど。その辺を詳しく教えてくれないかしら」
「待て。勘違い……とは言えないかもしれないが、誤解ではある。俺がこの世界に転移した時には、さっきも見たように10歳程の姿になって気を失っていたんだよ。で、それをあやかと千鶴に保護された訳だ。……言っておくが、あやか達が住んでいるのは女子寮だからな。他にもたくさん人が住んでいる共同生活の場だ」
「……でも部屋はあやか達と同じだったけどね」
ボソリ、と呟く円。それを聞いて笑みを浮かべるシェリル。
「魔法とかそういう関係もあったんだよ。……まぁ、それはともかくとしてだ。そっちから順番に雪広あやか、那波千鶴、釘宮円、柿崎美砂だ。あやかはこの世界でも有数の財閥の娘で、千鶴は那波重工という会社の娘、円と美砂は家柄に関しては特にないが、個人的な戦闘力に関して言えばオズマでも足下にも及ばない実力を持つ。いや、個人的な戦闘力が強いのは4人全員だけどな」
「……え? この子達が?」
余程俺の口から出た言葉が信じられなかったのだろう。シェリルにしては珍しい程にポカンとした表情を浮かべて問い返してくる。
まぁ、どこからどう見ても一介の女子高生にしか見えないこの4人が、S.M.Sでも精鋭部隊として有名なスカル小隊の隊長を務めるオズマより強いと言われたのだから無理も無い。
「言っておくが、あくまでも生身に限定してだぞ。さすがにVFを持ち出せば話は別だ」
「……それでも、この子達がそれだけの実力を持っているというのはちょっと信じられないんだけど」
「この世界は魔法が存在する世界だからな。事実、俺だって生身でバジュラを大量に倒せただろ?」
しかも、円と美砂に至っては拳闘士デビューしてるって言うんだからな。間違いなくオズマよりも強い。
恐らく円が純炎の涙で前衛を受け持ち、美砂が後衛からセイレーンの瞳でサポートするって戦闘スタイルなんだろう。
空を自由自在に飛び回る事が出来て呪文も無しで炎を生み出せる純炎の涙に、歌声を聞くと無条件に相手の能力を引き下げたりする能力を持つセイレーンの瞳なのだから、敵対する相手として2人のアーティファクトは厄介極まりない。
もっとも、味方にすれば逆に頼もしいと言えるんだが。
その辺の説明をすると、何故かシェリルの目が好奇心で輝く。
「そのアーティファクトって仮契約をすると手に入るんでしょう? なら、アクセル。あたしとも仮契約してよ」
「言うと思ったよ。……けど、無理だ」
「無理? 何で?」
「どうやらこの仮契約のシステムってのは主側か従者側のどちらかがネギま世界の人物じゃないと成立しないらしい。だから、俺とあやか達は仮契約が成立したが、俺とレモン達じゃ成立しない。……その辺に関しては、恐らくネギま世界特有の法則の類が働いているんだと思う」
以前、レモンやマリュー、コーネリアといった面子と仮契約をしようとした事があった。当然だろう。何しろキスをするだけでアーティファクトという強力なマジックアイテムが入手出来、更には俺の魔力を送って身体強化が出来たりするのだ。いざという時の為に備えるという意味では、かなりお手軽な方法だったからだ。
だが、エヴァに仮契約の魔法陣を描いて貰ってその中でキスをしても儀式が成功することはなかった。あるいはホワイトスターだったからかもしれないと、ネギま世界でやってみても同じく駄目。
で、それを怪しんだエヴァが色々と調べた結果、仮契約をするには最低どちらか片方がネギま世界の住人で無ければ駄目だった訳だ。
「ふーん……ま、やっぱり何事もそう簡単にはいかないのね」
「そりゃあな。それにシェリルだって歌にフォールド波を乗せるという特殊能力があるだろ」
「……マクロス世界以外で意味があるとは思えないんだけど。まさか他の世界にバジュラがいる訳でもないし」
その言葉を聞いて、ふと思う。……ネギま世界を含めて他の世界にバジュラは本当に存在しないよな? もし他の世界で歌っている時にフロンティア船団のようにシェリルを救助に来て戦闘になったりしたら、目も当てられないんだが……いや、無いか。
そもそも俺達が行ける平行世界というのは、基本的にはアニメや漫画、ゲーム、小説といった世界だ。つまり、バジュラというのはマクロス世界限定の筈。……だと、いいなぁ。
そんな風に考えていると不意にシェリルが立ち上がり、そのまま美砂へと声を掛ける。
「ねぇ、この機械はどうやって動かすの? 折角だからこの世界の歌とか聴いてみたいんだけど」
ああ、そうか。マクロス世界では2009年のゼントラーディとの戦争で一度地球が壊滅しているのか。その……いや、違うな。ネギま世界の年号は今が2005年の筈。となると、マクロス世界で言えば……マクロスゼロの数年前か? なら歌のデータとかは残っていてもいいと思うが。まぁ世界自体が違っているんだから、似た歌はともかく細かい歌とかはかなり違うんだろう。
「この曲をお願い」
「え? 大丈夫ですか? これ結構難しい歌なんですけど……」
「ふふっ、別に敬語じゃなくてもいいわよ。貴方達もアクセルの恋人になるんでしょ? ならあたしと立場は変わらないわ」
「けど、銀河規模の歌手なのに……」
「ならアクセルを諦める?」
「絶対にそれはありませ……無いわ!」
挑発的に尋ねるシェリルの言葉に、美砂が即座に断言する。
そしてこちらへと視線を向けて、笑みを含んだ視線を向けてきた。
何を言いたいのかは分かっている。ようは、愛されていると言っているのだろう。
それを否定する気は無いが、それでも若干照れくさいものがあるのは事実だ。
いやまぁ同棲しているとか、恋人が5人いる身でそんな事を言っても説得力が無いのは理解しているが。
「そう? なら堂々としていなさい。貴方達はアクセルが選んだ娘達なのでしょう それが私を相手に引いているようじゃ、これからのアクセルと共に在るというのは難しいわよ?」
そう言いつつ、左手の薬指に嵌まっている時の指輪を4人へと見せる。
その指輪が何を意味しているのかを、当然あやか達は知っている。そもそも魔法界で時の指輪を手に入れた時一緒にいたのだし、何よりもレモン達から直接その答えを聞いているのだから。
「むっ、分かりま……いえ、分かったわ。じゃあ銀河の妖精と言われる程の歌を聴かせて貰おうじゃない」
そんなシェリルの挑発に乗る美砂。……いや、これはわざとか? ともあれ、美砂が入力したコードに従って音楽が鳴り始め……それに合わせるようにしてシェリルが歌い始める。
その声はさすがにシェリルと言うべきか、随分昔に流行ったラブソングをテンポ良く歌い続ける。音楽に関しては素人の俺だが、それでもその歌の技術や感情が込められた歌は俺の耳を十分に楽しませる。
そして5分程の歌が終わると……
パチパチ……パチパチパチ……パチパチパチパチ!
その場にいる全員が、殆ど無意識のうちに拍手をしていた。
さすがにシェリルだな。一応俺の恋人って事で多少の反感はあっただろうに、1曲歌っただけでそれを吹き飛ばしたか。
勿論狙ってやった訳では無いだろう。シェリルにとって歌とはそんなものではないのだから。だが、事実シェリルの歌を聞き惚れていた4人の目の中には、既にシェリルに対する敵意の類は全く存在していなかった。
こうして、ある意味で顔合わせをどうしたものかと思っていた5人の初顔合わせは予想以上に上手く終える事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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