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エターナルトラベラー

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第七話

学院に戻ると、ルイズ達は学院長室へ呼び出されている。

俺の記憶が確かならガンダールヴがどうのこうの、サイト自身の事の説明やなんやかんやがあるのだろう。

それらが過ぎて夜のフリッグの舞踏会。

俺はソラを伴って会場入りした。

目いっぱいドレスアップしたソラのその姿は歩く度に男どもの視線を吸い寄せる。

隣りを歩く俺は優越感に浸りながら会場を歩き舞踏会を楽しむ。

…楽しんでいるのだが、ソラが俺の側を離れないため、俺はパートナーを変えることが出来ずその日はずっとソラとパーティーを楽しんだ。




その日から暫く経ち、一時は上昇したサイトの扱いがまたしても急下降している。

ついにルイズによるサイトの犬扱いが始まった。

所構わず躾けと称して常備している鞭を振るっている。

現代日本だったら既に警察に捕まっているレベルだ。

それでもそれを受け入れているサイトはMの素質があるとしか考えられない。


その日、俺はいつものようにソラと教室の隅で目立たないようにして授業を受けていた。

普段の俺達は華美な装飾は着けず地味な教室の花…というより野草?のように目立たず、ひっそりと空気のようにクラスに溶け込んいる。

俺もソラもトライアングルクラスのメイジだが、そんな事は重りでしかないため普段はドットを装っている。

ラインメイジである同級生が幅を利かせているような状況でトライアングルですなんて、諍いの元でしかない。

空気のように目立たないようにしているのは、教室を抜け出しても誰も気にしないようにするためだ。

何かあったときの為に俺は出来るだけマルクスを監視できる立ち位置に居たいのだ。

ここに到って去年、原作と関わらないように同学年を避けた事が悔やまれる。

まあ、そんな感じで授業を受けていると、行き成り今日の授業は中止だとコルベール先生が教室を回りながら伝言を伝えてきた。

どうやらトリステイン王国皇女であるアンリエッタ姫が隣国ゲルマニアの視察から戻る際にこの魔法学院に立ち寄ったらしい。

俺はアンリエッタ来訪と言うキーワードでついに来たかという思いだ。



俺も一度部屋に戻り、正装して、学院の門へとおもむき整列する。

するとやってくるユニコーンに引かれた馬車。

その窓から手を振っているアンリエッタ姫殿下が見える。

その近くで馬車を守るように併走するグリフォンに跨った男。

羽帽子と長い口ひげを見るにあれがワルド子爵か。


その日の夜、俺は猫に変身してルイズの部屋の近くに張り付いていた。

隣りにはソラも猫になって待機している。

すると案の定、頭巾を被った人影がルイズの部屋をノックし、隠れるように部屋の中へ消えた。

そして、その後をつけるように現れたギーシュ。

ルイズの扉に張り付くと耳を引っ付け聞き耳を立てている。

更にそのギーシュを付けて来たマルクス。

コイツの魂胆は読める。

タイミングを見はかりギーシュをだしにしてアンリエッタに接触。

その勢いでルイズ達と一緒に行動するつもりなのだろう。

暫く様子を伺っていると、そろそろかとあたりをつけたマルクスがギーシュに声をかける。

「ギーシュ。こんな所で何をしている?」

こんな所…女子寮だが、そんな事を言ったらお前もだろう?いや…その点では俺もか。

「え?あ、マルクスか?」

不意に掛けられた言葉にぎょっとなって振り返ってギーシュが言った。

かなり大きな声で話していたのだろう。

ガチャ

その声に気が付いたであろうルイズがドアを内側から開けた。

「あんた達何やってんの?」

「いや、その、これはだね」

ルイズの問いかけにギーシュはあわあわしながら返答する。

そんな受け答えをした後2人は部屋の中へとルイズに引きずりこまれていった。



翌日、アンリエッタ姫殿下の密命を受けたルイズ、サイト、ギーシュ、マルクスの四人と、アンリエッタの命を受けたワルド子爵を含めた一行はアルビオンへ向けて旅立っていった。

馬は使わず、ワルドのグリフォンとマルクスの大火竜に別れて乗り、目的地を目指している。

ルイズはワルドのグリフォンに同乗しているところは原作と変わらないが、サイトとギーシュは大火竜の背に乗っている。

俺とソラもドラゴンに変身して高高度から後を追いかけている。

大地を行くグリフォンは豆粒ほどの大きさだ。

馬では無い分、旅の行程は原作より速いのではないだろうか?

それでも予定調和のように一行は夜盗に襲われている。

応戦しているサイト達。

すると後方から現れた風竜。

その背に跨るタバサから攻撃魔法が夜盗目掛けて飛んでいく。

夜盗を蹴散らし無事にルイズ達に合流したキュルケたち。

2人を加えた一行は急ぎ港町、ラ・ローシェールに向っていった。

町に着いた一行はその日の宿を求め『女神の杵』亭へと赴いた。

そこで二日ほど滞在する予定のようだ。

船の出港の都合上、出発は二日後になるからだ。

俺とソラも無事にラ・ロシェールに入り、フードを深く被り、変装すると堂々とルイズ達が泊まっている『女神の杵』亭へと入り、宿を取った。



翌日、朝も早くにサイトはワルドに連れられて錬兵場へとやってきていた。

ワルドに立会いを申し込まれたらしい。

この辺は原作通りだ。

錬兵場で待っていたのはルイズとなぜか一緒にいたマルクス。

ルイズとマルクスの介添えの下、サイトとワルドは立会い、結果、サイトはワルドの魔法で吹き飛ばされて敗退。

「わかったろうルイズ。彼ではきみを守れない」

ワルドがしんみりした声でルイズに言った。

「……だって、あなたはあの魔法衛士隊の隊長じゃない!陛下を守る護衛隊。強くて当たり前じゃないの!」

「そうだよ。でもアルビオンに行っても敵を選ぶつもりかい?強力な「失礼」…なんだね?」

ワルドの話を遮るようにマルクスが発言する。

「僕達は一人じゃないんです。サイト君一人で守れないのなら僕達が一緒に守ってあげればいい」

「そうかも知れないが…」

立会いとは名ばかりで、実際はルイズの好感度アップを目論んでいたワルドは言葉に詰まってしまう。

「それに僕は貴方よりも強い」

「な!?幾ら噂に聞く四極だとは言え、少し調子に乗りすぎではないかね?」

「試してみますか?」

「や、止めなさいよマルクス。ワルド、貴方も此処は引いて頂戴」

しかし、どちらも引かない。

成り行きで2人は決闘をする事になったようだ。

「魔法衛士隊の隊長の実力をお見せしよう」

少しキレ気味のワルド。

「御託はいいので、はじめましょう」

自信に満ち溢れているマルクス。

勝負はやはりというかなんというか、マルクスの圧勝だった。

マルクスの戦い方はやはり杖を剣に見立てて、剣士のように杖を振るいつつルーンの詠唱の隙を埋め、魔法を放つ。

しかもその体捌きは鮮麗されていて一流の剣士のよう。

魔法を唱えてもそもそも総ての系統ともスクウェアのマルクスに隙は無く、相性の良い魔法を瞬時に選び、相手の攻撃を半減させ、こちらの攻撃は確実にヒットさせている。

程なくしてワルドはその身を自身の得意な風の魔法で吹き飛ばされてしまった。

風のスクウェアのワルドとしては屈辱だろう。

「僕の勝ちですね」

「あ、ああ…」

茫然自失なワルド。

「ルイズ、サイト君、行きましょう」

「あ、ああ。すまなかったなマルクス」

「いえいえ。僕もあのヒゲは気に入らなかったですから」

「ちょ、ちょっと2人ともワルドになんて事してくれたの!?」

「彼自身もサイト君に同じことをしていたのに、ルイズは彼の心配をするのかい?」

「う、うぅぅぅぅぅ」

マルクスの問いかけに答えられず、ルイズは押し黙る。

その後ワルドは立ち上がるとふらふらとどこかに消えていった。

「ワ、ワルド」

「とりあえず一人にしておいてやろう」

ルイズは唇をかんだが、マルクスに連れられて『女神の杵』亭へと戻っていった。


その夜、俺とソラは1階の酒場で夕食を取っていると行き成り現れた夜盗に襲撃された。

俺達は他の貴族の客と同じくテーブルの下に隠れてやりすごす。

その夜盗達をキュルケ、タバサ、ギーシュ、マルクスとワルドの五人が魔法で応戦している。

俺とソラもソル達を起動させ、一応はいつでも応戦できるように身構える。

すると2階の方からルイズを伴ったサイトが降りてきてマルクス達と合流した。

吹きさらしの外に巨大なゴーレムの足が見える事からどうやらフーケは無事に脱獄したらしい。

暫くマルクス達は魔法で応戦していると、ワルドが低い声で提案する。

「いいか諸君。このような任務は、半数が目的地にたどり着ければ、成功とされる」

その言葉を聞いたタバサは自分と、キュルケ、ギーシュを杖で指して「囮」と呟いた。

それからワルドとルイズ、才人を指して「桟橋へ」とも。

「ちょっとちょっと、マルクスはどうするのよ?」

キュルケがタバサに訊ねる。

タバサは自分で決めてといった視線をマルクスに投げかける。

「僕はルイズ達に着いていこう」

そして、タバサ、キュルケ、ギーシュを残しルイズ達は裏口から桟橋へと向かった。


残されたキュルケ達は頭を使い反撃に出た。

厨房からギーシュのゴーレムが油の入った鍋を持ってきて入り口に向って投げつける。

散らばった油に向かいキュルケが魔法で着火し、夜盗を追い払う。

「見た?わかった?あたしの炎の威力を!火傷したくなかったらおうちに帰りなさいよね!あっはっは!」

キュルケは調子に乗っている。

「よし、ぼくの番だ」

キュルケにいいところを取られたギーシュがワルキューレを操り夜盗に突っ込ませようとした時入り口が轟音とともに無くなった。

立ち込めた土煙の中にゴーレムの影がたち込める。

「あちゃあ。忘れてたわ。あの業突く張りのお姉さんがいたんだっけ」

「調子にのるんじゃないよッ!小娘どもがッ!まとめてつぶしてやるよッ!」

キュルケがフーケを挑発する。

その後ギーシュが大量の花びらを練成、それタバサが風の魔法で操りフーケのゴーレムに付着させる。

それを錬金で油にかえフーケのゴーレムに浴びせかけた後、キュルケが『火球』で着火した。

一瞬で発火して火達磨になるフーケのゴーレム。

「こしゃくな」

「何を苦戦している」

炎に包まれたゴーレムの横に、仮面を被り黒いマントを着た男性が立っていた。

男は杖を構えフーケのゴーレムに向けて風の魔法を掛けた。

男のかけた魔法はフーケのゴーレムにまとわり着いた炎をその風の力で吹き飛ばした。

「ち、助かったよ」

「手伝おう」

そう言って店の中に入ってくる男。

「あの仮面の男。強い」

「タバサ?」

入ってきた男の力量を見抜きタバサに緊張が走る。

「誰であろうとこのギーシュが返り討ちにしてあげるよ」

そう言ってギーシュは新たに生み出したワルキューレを操り仮面の男に向わせる。

しかし男から放たれた風の魔法で吹き飛ばされ、その形を維持しきれなくなって消滅した。

「な!」

「ギーシュ。あんた何やってんのよ?」

「使えない」

余りにもギーシュの使えなさぶりにキュルケとタバサが呆れ気味に呟いた。

その光景を俺は机の下から盗み見て驚愕した。

な!?

どうしてワルドの偏在の一体がこっちに来ている?

これもマルクスが関わった事による影響か?

マルクスと決闘したワルドが負け、マルクスの力に驚愕したワルドが少しでも邪魔される確率を下げる為に後続のキュルケ達を確実にしとめるようとでも思ったのか?

ワルドが放つ風の魔法に段々とキュルケ達は押されていく。

ドットメイジであるギーシュは言わずもがな、キュルケとの相性もそれほど良くはない。

放つ炎の魔法をその風で総て弾いてしまっている。

唯一対抗できるであろうタバサもフーケとワルド、2人の相手は流石に荷が重いらしい。

「アオ。このままじゃ」

「ああ。わかっている」

『女神の杵』亭は既にあちこち破壊されている。

酒場に居た他の貴族達は夜盗が逃げ、フーケ達の目標がキュルケ達で固定されている隙に逃げ去って行った。

未だ中にいる貴族は俺達とキュルケ達のみだ。

防戦一方のキュルケ達。

その攻防もそろそろ終わりだ。

「精神力が切れた」

そう言って机の陰に隠れたタバサを筆頭に3人の反撃がやむ。

「あたしも」

「ぼくもだよ」

キュルケ、ギーシュも精神力が切れたようだ。

「あんた何もやってないじゃない!」

そうは言ってもトライアングルとドットでは同じ威力の魔法でも使う精神力が違うのだ、ギーシュの精神力切れも仕方ない。

「どうすんのよ!」

慌てふためくキュルケに沈黙のタバサ。

「ど、どどど、どうしようか!?」

ギーシュはすでにパニックになり精神の限界を超えている。

「終わりだ」

そう言って杖を振り上げるワルド。

ちょ!

またかよ!

何でまた原作キャラが生命の危機に陥っているんだ!?

ああッくそ!

「きゃあああああ」

キュルケが悲鳴を上げる。

俺はフードを深く被り左手にソルを握り直し、ガンダールヴ(偽)のルーンを発動させる。

そして向上された運動能力で一気に距離を詰め、ワルドを出入り口の向こうまで蹴り出した。

「ぬっ!?」

吹き飛ばされていくワルドの偏在。

「あれ?生きてる?」

「………」

呟くキュルケと何が起きたか確認しようとするタバサ。

「ソラ!」

俺は机の下で待機していたソラに向って叫ぶ。

俺の掛け声に頷いたソラはルナを握りしめ立ち上がる。

俺はそれを確認すると吹き飛ばされたワルドへ向い走り出した。

それを追いかけるようにソラも店の外へ。

「ゴーレムを頼む」

「うん」

俺の頼みに頷くソラ。

それを確認して俺はワルドに向き直る。

「君達はいったい誰だね?私たちは君達には用は無いのだが」

その質問に俺は答えずにソルを構える。

ガンダールブのルーンと強制発動してしまっている写輪眼。

ヤバイ。どんどん精神力が削られていく。

戦闘はもって後2分。

俺は駆け出してワルドとの距離を詰め一気にソルを振り下ろす。

『サイズフォルム』

鎌の形に変形したソルからブレイドの呪文で形成された刃が飛び出る。

「ぬっ?」

予想外だったはずの俺の攻撃にしっかり対応して自分もブレイドで受け止めるワルド。

その後も俺は強化された肉体でソルを振り回し、ワルドを攻撃する。

しかしその攻撃の総てに対処しつつさらに呪文の詠唱を開始するワルド。

「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ」

詠唱の完了と共に杖を突き出し空気のハンマーがその杖から放たれる。

俺は直前で攻撃を避けるように空へ飛び上がりワルドの攻撃を避けた。

攻撃を避けられたのはやはり写輪眼による動体視力の強化があってのことだろう。

ああっくそ!

強い!

強化されたはずの身体能力でソルを操り攻撃してみたがその総てを防がれ、その上で呪文を詠唱して反撃までされてしまった。

これほどの実力を持つワルドを圧倒したマルクスってどんだけだよ!?

同じ転生者としてちょっと不公平じゃないか!?

しかも本体じゃなくて偏在に翻弄されている俺。

かっこ悪い…

俺の残りの戦闘時間はこのままでは後1分と言ったところ。

その時間で勝負がつかなければ俺の負け。

『デバイスモード』

ブレイドを破棄し、斧の形態に戻す。

俺はソルを突き出すと魔法を形成する。

『フォトンランサー』

「ファイヤ!」

空中からワルドに向けて無数のフォトンランサー(偽)が襲い掛かる。

「な!?」

まさかフライを使いつつ俺が魔法を撃って来るとは思わなかっただろうワルドが一瞬硬直し、かわしはしたもののその動きが鈍くなる。

俺はその隙を見逃さず。

『リングバインド』

風の呪文で形成させた拘束の魔法でワルドの四肢を拘束する。

「うおおおりゃあああ」

『サイズフォルム』

再び変形するソル。

そして今度こそ俺は動けないワルドに接近してソルを振りかぶり、渾身の力を込めてワルドの偏在を切り裂いた。




「あの人たち誰よ!?」

「わからない」

キュルケの問いかけにタバサが答える。

「でも、助かったのは事実だね」

ギーシュが安堵したかのように呟く。

精神力の切れた3人では加勢に加われず、2人の戦闘を見ているしかない。

すると仮面の男が、キュルケ達のピンチを救ったフードの男の攻撃で消失した。

「すごい」

タバサが呟く。

「本当ね。でもギリギリって感じだったわね」

「そうじゃない」

「え?」

「彼、フライの魔法を使用中に他の魔法を二つも使用した」

「え?」

「それにあっちも」

そう言ったタバサの視線の先にはゴーレムの相手をしているソラがいた。

「ちょこまかと飛び回るハエがぁ!」

フーケがゴーレムの周りを翻弄するように飛び回るソラに向ってゴーレムで攻撃しようとするが、空中を駆け回るソラには当たらない。

「ルナ」

『サイズフォルム』

そして形成されるブレイド。

「アーク・セイバー」

空中を飛びながらソラはルナを変形させ、その杖に宿らせたブレイドの魔法をゴーレムに向って撃ち放った。

放たれた魔法は、その鋭さでゴーレムの腕を切り裂き、切断する。

「ちっ!」

しかしすぐさまフーケは杖を振り、切断された腕を再生させる。

そして再生された腕を振り回しソラに攻撃する。

その攻撃もやはりソラは距離と取ってかわす。

『フォトンランサー』

「ファイヤ!」

上空から放たれる無数の魔法の矢。

その魔法はやはりゴーレムを射抜くが、削れはしても決定打にはならない。

するとワルドとの戦闘を終えたアオから声が掛かる。

「ソラ!合わせろ!」

その声に頷いて距離を取るソラ。

「何をしようってんだい」

今までの攻撃では致命傷を負わせられたかったフーケは様子を見る事に決めたようだ。

『『サンダースマッシャー』』

すると2人から無詠唱で放たれる極大の雷の閃光。

「「サンダーッスマッシャーーーーー!」」

ゴーレムに向かいVの字に襲い掛かるサンダースマッシャー(偽)

ゴーレムに直撃した魔法はその体を突き破り粉々に打ち砕いた。

その煙が晴れた時、フーケは勿論、アイオリア、ソラフィアの姿も共に消えうせていた。

その様子を見ていたキュルケが呟く。

「逃げたわね。結局あのフードの2人は誰だったのかしら?」

「謎」

タバサが簡潔に返す。

「とりあえず、助けられたってことね」

「まあ、助かったんだから良かったじゃないか」

空気を読まないギーシュがそう話をまとめた。

◇ 
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